「・・・結局、アスカはここに残ったんだよね。」

「・・・ええ、驚いたわ。」

2人が話をしていると、空砲の音が耳に入ってきた。

「騒がしいね、何かあるのかな?」

「・・・さあ?」

「今日は『遷都祭』だよ。」

「カヲル君。」

カヲルがティーセットを持って現われた。

「さあ、お茶の時間にしようか。」

「・・・今日は何?」

「紅茶だよ、ケーキが上手く焼けたからね。」











                                                  ・ 自由への道のり、愛の扉 ・ 

                                                  最終話「自由への道のり、愛の扉」

                                                                                                                        









「そう言えば、遷都されてから何年だっけ?」

「今年で100周年みたいだよ。」

「・・・そんなになるのね。」

レイはそう言うと、TVのスイッチを入れる。
映し出された画面には、『遷都祭』の特集がやっていた。


『今年、2115年は第3新東京市に遷都されてから100周年。
 毎年行われている『遷都祭』も、今年は例年よりも盛大に行われると言うことです。』

『祭の会場には惣流レポーターが行っています、惣流さん!』

『はい!惣流=アスミ=ラングレーです。
 私は今、市庁舎前広場に来てるんですが・・・・・。』


「頑張ってるみたいだね、彼女。」

「・・・そうね。」

「彼女の曾孫の娘さんだったよね?」

「うん、面識は無いけど・・・そっくりだよ、アスカに。」

3人は何処か懐かしそうにしながら、レポートをするアスミを見ていた。



『遷都祭』の特集が終わると、レイはTVを消した。

「あれから100年か・・・。」

「・・・3人になってからは50年。」

「彼女達は仕方なかったんだよ、体とコアが合わなかったとしか言えない。」

シンジの呟きに、2人がそれぞれ答える。

「2人はいなくならないよね?」

「大丈夫、僕はシンジ君とずっと一緒だよ。」

「・・・私にはシンジしかいないから離れない、いなくならないわ。」

「ありがとう、レイ、カヲル君。」




その夜、シンジとレイは自室にいた。

「レイは、寂しくないかい?」

「・・・どうして?」

「僕らには子供が出来ない事・・・。」

「・・・・・。」


人に在らざるモノとなった代償、生殖機能の喪失。

2人は肌を重ねた事がある。
1度や2度ではないが、1度も子供が出来なかった。
まだ、イロウルがいた時に診察してもらった結果がこれであった。

シンジの精子の授精能力の喪失。


「・・・私は構わないわ。」

「どうして?」

「・・・だって、子供の方が先に死んでしまうかもしれないもの。」

「!!」

「・・・なら、いない方が悲しくならなくて済むわ。」

「そう、だね・・・。」

レイはシンジに近づくと、優しく抱きしめてこう言った。

「・・・私には貴方がいれば、それでいいもの。」

シンジもレイを抱きしめると軽く口付けをする。

「愛してるよ、レイ・・・。」

「・・・私も愛してる、シンジ。」















少年は長く苦しい道を歩み、友を、愛する人を、自由を得た。
その代償に、人として、生物として、大事なものを無くしてしまった。
でも、後悔はしていない。


少女は自ら開いた、必要無いと思っていた『感情』と言う名の扉を。
喜・怒・哀・楽、そして、誰かを愛すると言う事を知った。
少女は今、とても満ち足りている。


少年と少女の間にいる『人ならざるモノ』の少年。
少年の為に道標となり、少年の為に少女を助けたりした。
報われない想い、それでも構わない。





この生活は永遠に続くだろう。
そう、彼らが終わりを望む、その日までは・・・・・。



「おはよう、レイ、カヲル君!」

「・・・おはよう、シンジ。」

「おはよう、シンジ君。」























<後書き>

ども、ウエッキーです。

終わりです、はい。
ここではない所なんですが、LRSに挑戦して失敗しました。
これは『リベンジ』ってわけでもないんですが、今まで以上に頑張ろうと思っていたわけです。

書き終えてみてみると、ラストが・・・。
こんな感じで終えるつもりでしたが、ここまで来るまでの流れがおかしかったかなと。
最後の方で急展開と言うか、

『打ち切りを宣告されて、何とか最終回に持っていこうとする漫画家の気分』

って、感じでした。(^^;

1番始めの予告編も、本当に予告でしかなかったですしね。
シンジとアスカのエヴァでのバトルシーンはどうなったのやら・・・。

レイは嫌いなキャラではないのですけど、メインヒロインにしにくいですね。
私が下手な所為もあるんですが、アスカやマナに比べると、ね。

最後まで読んでくださった方々、本当にありがとうございました!





ウエッキー 「・・・おしまい、っと。」

レイ    「・・・私はダメなのね。」

ウエッキー 「のわぁぁぁ!!」

レイ    「・・・ダメなのね。」

ウエッキー 「び、ビックリさせないで下さいよ・・・って、読んだんですね?」

レイ    「(こくり)」

ウエッキー 「イメージが上手く湧かなかったんですよ。
       当初で考えていたものは、書いてる段階でおかしいと思ってほとんど使わなかったし。
       結果、ラブラブ度が低くなってしまったわけです。」

レイ    「・・・アスカや霧島さんの時は筆も早かったわ。」

ウエッキー 「彼女達は勝手に動きますからね。
       書きやすいキャラクターなんですよ、私には。」

レイ    「・・・・・・・。」

ウエッキー 「ちなみに、カヲルも書きやすいかな。
       シンジ×カヲルってのも面白いかも、需要はなさそうだけどね・・・。」

レイ    「・・・私は、碇君とラブラブになれないの?」

ウエッキー 「あ〜、ま〜、そうなりますね・・・。
       読みきりで再々チャレンジするかもしれないですけどね。」

レイ    「・・・期待しないで待つわ。」

ウエッキー 「申し訳無いですなぁ。
       っと、それでは皆さん、またいつかお会いしましょう!」


マナ:シンジ達って、いったい何年生きるのかしら?

アスカ:アタシ・・・死んじゃったのか。

マナ:アスカったら、おばあちゃんになったのね。

アスカ:えっ。(@@)

マナ:アスカは歳を取るもんねぇ。

アスカ:それを言うなら、アンタもでしょうっ!

マナ:わたしのことは、おいといて・・・。

アスカ:おいとくなぁっ!

マナ:こうやって見ていると、綾波さんと一緒にいてシンジは幸せだったのよ。

アスカ:あそこで、アタシとうまくいっちゃったら、アタシを見送ることになったのね。

マナ:他の誰と恋人になってもね。

アスカ:シンジに寂しい想いはさせたくないから、ま、これでよかったのかな。

マナ:しわくちゃになったアスカを見送るなんて・・・寂しいもんねぇ。

アスカ:しわくちゃは余計よっ!!

マナ:ハッピーエンドね。ウエッキーさん、長い間ありがとーっ!

アスカ:今度は、アタシ主役でよろー。(^^v
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