短編完結シリーズ そのニ

嬉しハチャメチャ☆バレンタイン!

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アスカ「(うーん。今日は・・・2月7日。『バレンタイン』まであと1週間か・・・)」

シンジ「(うーん。今日は・・・2月7日。スーパーの『特別放出大特価赤字覚悟熱血セール』まであと1週間か・・・)」

「「(うーーん。)」」

・・・・二人とも、悩む思春期お年頃(?)

そう。今日は2月7日。二人はそろって夕食中。

勿論、ミサトさんは本部で徹夜のお仕事中。

今夜も二人っきり・・・

アスカ「(うーん。シンジはやっぱりブラックかな?それともホワイトとか・・・)」

シンジ「(うーん。アスカはやっぱりステーキかな?それとも久しぶりに焼肉とか・・・)」

「「うーーん。」」

シンジ・アスカ「「あのさ・・・?」」

シンジ・アスカ「「なっ?何!?」」

見事なユニゾン。さすがだなぁ・・・

シンジ「あっ・・・アスカから先に・・・」

アスカ「えっ・・・いや、シンジ先に言いなさいよぅ。」

シンジ「うっ・・・じゃあさあ、来週の木曜日なんだけど、何か食べたいのある?」

アスカ「エッ!?(木曜って・・・まさか、こいつ気がついてるの?)なっ・・・何で?」

シンジ「うん。今度の木曜、そこのスーパーで『特別放出大特価赤字覚悟熱血セール』があるんだ。だから、

何か食べたいものあるかなぁっと思って・・・」

アスカ「この・・・バァカシンジィ。もう知らない。」

と言ってアスカは自分の部屋へと帰ってしまった。

シンジ「・・・どうして?」


アスカ「(なによ。せっかく人がチョコ作ってあげようって思ったのに・・・)」

アスカ「(けど、やっぱりシンジは気付いてくれない・・・やっぱ自分から気持ち伝えないといけないのかなぁ・・・)」

部屋に入ったアスカは、ベットの上で仰向けになり天井を見つめている。

アスカ「(シンジ・・・私のこと、どう思ってるのかな?)」


シンジ「(アスカ・・・どうしちゃったんだろう。)」

同時刻、シンジ君は食器のお片付け中。

シンジ「(アスカ・・・なんだかさっき元気なかったなぁ・・・考え事かな?)」

シンジ「(あっ・・・そういえば来週ってバレンタイン・・・もしかしてその事かな?)」

ようやく一通り洗い終わり、丁寧に水気を切っている。

シンジ「(せめて義理だけでも・・・ってムリか。今まで一度ももらったこと無いもんなぁ・・・ハハ)」

シンジ「(こんな僕なんかにくれるわけないよね。誰かにあげるのかなぁ・・・やっぱり加地さんかなぁ・・・)」

今度は食器一枚一枚丁寧に食器棚にしまっている。

シンジ「(ハァ〜。やっぱり僕なんかがアスカに『好き』って言ったら怒るのかなぁ・・・)」


「「ハァ〜〜・・・」」




・・・2月13日(水)・・・就寝前

もう健全な中学生は寝る時間。

ミサトさんは

ミサト「ぐぅぐぅ〜・・・くかぁ〜・・ぐごぉ〜・・・」

既に爆睡夢の中。


シンジ君は

シンジ「(とうとう明日。挑戦の日。せめて『お一人様卵3パック無料提供先着百名』だけは・・・ 逃げちゃダメだ・・・)」

明日のセールにむけてイメージトレーニング。


アスカは

アスカ「(どうしよう。とうとう明日・・・受け取ってくれるかなぁ?うん。せっかく一生懸命選んだんだし・・・よし。
	死ぬ覚悟・・・いや、振られる覚悟で・・・・・・ダメなら・・・シンジの前から・・・
	
	もう、気持ちがすれ違うのはイヤ。この孤独、耐えられない・・・よし。ガンバレ、アスカ!)」

決心がついたようです。


・・・・2月14日(木)・・・・朝

朝食を食べ終えた二人。

アスカ「(よし!当たって崩れろ精神よ。)」

シンジ「アスカ〜、そろそろ行こうか。」

アスカ「あっ・・・ちょっと待って・・・」

シンジ「ん?」

アスカ「あ・・・あの、その・・・」

シンジ「・・・」

現在時刻7:59。まだ時間には多少の余裕が。

アスカ「じつはね・・・その・・・これ!。」

そういうと、アスカはカバンから中位の箱を取りだした。

シンジ「ん?」

アスカ「あっ・・・あの、今日・・・その、バレンタインだから・・・シンジに・・・」

シンジ「あ・・・アスカ・・・」

アスカ「もらって・・・くれるかなぁ?」

と、アスカは今までうつむいていたが、少し上目使いでシンジの顔を見つめた。

シンジ「えっ・・・あっうん。ありがとう・・・アスカ。」

そういうと、めったに見ることができない文句無しの天使の笑顔でアスカに微笑みかけた。

アスカ「・・・」

アスカは、包みをシンジに渡すと、背を向けてしまった。

アスカ「ゴメンね。シンジ・・・私、料理できないから、手作りじゃないの。」

シンジ「いいよ。僕はアスカから貰えただけでも嬉しいんだ。今までもらったこと無かったから・・・」

アスカ「そっか・・・」

シンジ「うん。だから、義理とかでも、べつに気にしないから。」

アスカ「!」

アスカは振り返った。すると、包みを冷蔵庫にしまおうとしているシンジ君の姿が・・・

シンジ「じゃあ、そろそろ行こうか。学校・・・遅れちゃうし・・・」

アスカ「食べてくれないの?」

シンジ「いや、帰ってからにし・・・」

そこで口を閉じた。いや、あけっぱなしだった。

ちらっとアスカのほうを見たら、今にも泣きだしそうな顔でシンジ君を見つめている。

シンジ「あ・・・アスカ?」

アスカ「・・・グスッ・・・シンジ・・・中・・・見て・・・」

シンジ「えっ?中?」

アスカ「おねがぁぃ・・・」

シンジ「あっうっうん。」

アスカは今にも我慢の限界を迎えそうだ。シンジ君もただ事ではないと思い、学校など既に脳裏にすらない。

そして、しまおうとした包みを取りだし、丁寧に包装紙をはずしていった。

シンジ「(・・・それにしても、いったいどうしたんだ?アスカ・・・)」

アスカ「(しんじぃ・・・お願い・・・見捨てないで・・・)」

すると、包装紙を一枚はずすと、白い箱と、一枚の手紙のようなものが出てきた。

シンジ「手紙・・・読んでいい?」

『ウン』とアスカはうなづいた。文面には・・・


『シンジ!いままで素直になれなくて ゴメン!

 ほんとは、手作りがよかったんだけど・・・
 
 でも、気持ちをこめて選びました。

 これ、ギリ じゃないわよ!』

シンジ「アスカぁ・・・もしかして・・・」

アスカ「・・・」

アスカは完全にうつむいてしまった。涙をこらえているようだ。シンジ君も気付いた。

シンジ「アスカ・・・ありがとう。すごく嬉しいよ。これ、冗談じゃないよね?」

アスカ「あ・・・あたりまえじゃなぃ・・・」

シンジ「うん。実は・・・僕もずっと(ちょっと待てよ)・・・」

アスカ「えっ?(え?もしかして)シンジ?」

アスカはシンジの顔を見た。すると、またも天使の笑みを浮かべて・・・

シンジ「返事は、ホワイトデーになってからね!」

するとアスカも何かに気付いたらしく・・・しかしまだ確信も無く・・・

アスカ「それって・・・期待していいの?」

恐る恐る聞くと・・・

シンジ「勿論。僕が嫌いな人といつまでも同居してると思う?」

すると、アスカの顔に笑顔が・・・

アスカ「じゃ・・・じゃあ・・・」

シンジ「それに、毎日嫌いな相手に、一生懸命お弁当作ると思う?」

アスカ「・・・つまり・・・」

シンジ「だ・か・ら、返事は今度。ね。」

シンジ君。わざとだね・・・さすがアレのご子息・・・

そしてそのままアスカはシンジ君に抱きついた。

アスカ「シンジィ!」

シンジ君も、優しく抱き返した。

シンジ「アレ?アスカ、随分気が早いね・・・」

アスカ「もぅ・・・イジワル。」

やっぱり楽しんでる・・・

シンジ「ハハハッ。冗談だよ。そうだ。これから、遊園地でも行こうか?」

アスカ「えっ?いいの?」

シンジ「う〜ん。学校にはネルフだって連絡すれば・・・」

アスカ「うん!すぐ着替えてくるね。」

アスカもようやく落ち着いた模様。


シンジ「(まさか・・・あのアスカの泣き顔なんて・・・可愛かった・・・)」

アスカ「(まさか・・・あのシンジからデート・・・あぁ、顔がにやけちゃうぅ・・・)」

「「(でも、これで幸せを見つけることができるかもしれない・・・)」」

うんうん。二人には幸せになってもらいたいねぇ。


数十分後・・・

アスカ「・・・ゴメン。遅くなりすぎちゃった。」

シンジ「・・・」

アスカ「・・・やっぱ 怒ってる?」

シンジ「いや・・・全然。あまりにも可愛かったから・・・」

アスカ「シンジったら・・・」


と言うことで今日は公私混同・ネルフ権限で欠席。(ずるい・・・)

シンジ「そういえば、あのアスカ様の泣き顔が見れるなんて・・・ビックリしたよ。」

アスカ「なによ。その言い方。」

アスカはシンジ君を睨みつけた。

シンジ「けど、泣いてるアスカも可愛かったよ。」

アスカ「うっ・・・バカ。」

が、すぐ笑顔に戻った。

シンジ「よし。久しぶりに気分転換だ!」

アスカ「それより、早く返事しなさいよ。」

シンジ「えっ?何のことかなぁ?」

完全に極悪モード全開。

アスカ「うっ・・・ま、待たせすぎると、気が変わっちゃうわよ!」

シンジ「ふーん。」

シンジ君は、ニヤニヤ笑いながらアスカの目を見つめている。

アスカ「なっ・・・信じてないわね?もういいわよ。」

とうとうアスカは怒って走って行ってしまった。いや、いこうとした。しかし・・・

シンジ「アスカ・・・」

シンジ君に腕をつかまれ、二人の位置が逆になり、また向かい合っている。

シンジ「アスカ、ゴメン。ふざけすぎたよ。」

アスカ「フン・・・」

アスカは、シンジ君から目をそらしてしまった。だが、頬はうっすらと赤い・・・

シンジ「わかったよ・・・僕も、ずっとアスカのことが好きだった。いや、好きだ。」

アスカ「!?」

アスカは、突然のセリフに視線を戻した。

シンジ「アスカ。こんな僕じゃ頼りにないかもしれないけど、ずっと守るって約束する。だから・・・僕とつきあって欲しい・・・」

アスカ「しんじぃ・・・」

またもアスカは瞳にうっすらと涙を浮かべ・・・

シンジ「ダメ・・・かな?」

アスカ「アタシも、シンジのことが好き。大好き!。」

そういって、今日2度目の抱擁。そして・・・影が重なった。

シンジ「アスカ・・・」

アスカ「シンジ、あのチョコ、2500円したんだ。だ・か・ら・・・」

シンジ「だから?」

アスカ「アタシを泣かせた罰として、今度、百倍返しね!」

シンジ「ひゃ・・・ひゃくばいぃ?ムリだよ・・・」

アスカ「ダ・メ・よ」

二人とも、とっても幸せそうだ。


ホワイトデーが楽しみだなぁ・・・


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作者あとがき


もうすぐバレンタイン・・・

さて、皆さんはどのようなバレンタインを迎えるのでしょう・・・

僕にとっては至って平凡で怠惰な日常と変わらない1日・・・だろう。

まぁ所詮、そのようなものは製菓会社の陰謀だろうとしか考えていませんが・・・

もし気がむけば『ホワイトデー』も書いてみようと思います。


ちなみに、高校受験の前半戦は終了しました。

まあまあの結果です。

そして今度は二次戦です。

全国の受験生のみなさんも、頑張ってください。


USSでした。


アスカ:あまーい。あまあまよっ!(*^^*)

マナ:なんだかわたし・・・面白くない。(ーー)

アスカ:さっすがバレンタインだもん。こーでなくちゃーねぇ。

マナ:なによっ! お返し目当てであげたんでしょうっ。(ーー)

アスカ:お返しはおまけよ。モチ、気持ちを伝えるがいっちばんよっ!(*^^*)

マナ:なら、わたしは、手作りチョコで勝負よっ!

アスカ:無理ねっ。

マナ:そんなのシンジに渡してみなきゃ、わかんないもーん。

アスカ:100倍返しは許してって言うから、他の女の子からチョコ貰わないなら許してあげるって約束したのっ!

マナ:き、きたない手を・・・。(ーー)
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