EVAでNERVな日常生活物語
   
	第三話『新たなる日常。その三』

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現在時刻・・・午後4時・・・
新居生活一日目・・・
現在地・・・ここ・・・どこだ?


レイ「ねぇっえ〜、カヲル君。ここ、どこ?」

いつも通りのハイなテンションで問いかけている。

カヲル「はははっ、レイ、僕達がどこを通ってきたか覚えてる?」

暗い通路を歩きながら、カヲル君がいつもの明るい爽やかさで答えた。

レイ「えっとぉ・・・家、エレベーター、通路、階段、セキュリティーゲート・・・ってことは・・・」

カヲル「・・・つまり、NERVの中であることは確かだよ。」

そう。彼らは、NERVの地下深くの『KEEP OUT』や、『関係者以外立ち入り禁止』や、
『侵入禁止』や、『許可無く立ち入った者、命の保証無し』などと危険な言葉がならんでいる
通路を、我がもの顔で歩いている。

レイ「・・・で、どこ行くの?」

カヲル「ふっ・・・僕のこと、信用できないかい?」

レイ「えっ?そんなわけ無いじゃん!私が信じてるのは、この世でカヲル君・・・だ・け・よ!(ハート)」

・・・さすが4人目・・・悩殺的魅力・・・

カヲル「僕もだよ。レイ・・・」

レイ「カヲル君・・・」

さて、彼らがどうなったのか・・・誰も分からない。
匿名の情報では、本部地下の『カヲルの秘密の寝室』に向かったとか・・・





現在午後8時・・・
新 碇・惣流・葛城・赤木・綾波・渚 邸・・・
キッチン・・・

『ジャーーー・・・』
『ブクブクブク・・・』
『ガチャガチャガャ・・・』
『キュッキュッキュッ』

シンジ君は、夕食の後片付けの最中。

シンジ「みんな、遅いね・・・」

結局、シンジ君はね一日かけて家中のお掃除。おかげで、新居での掃除のコツをいくつか発見した。

アスカ「ホントよね。いったいどこほっつき歩いてるのかしら・・」

結局アスカは、1日中ベットの上で・・・
現在は、リビングのソファーで横になって、テレビを見ている・・・ようにみえるが・・・

アスカ「(も・・・もうすぐ寝る時間・・・とうとう、とうとうシンジと同じ部屋で・・・イヤン)」

顔が緩み、頬が赤く・・・ちなみにテレビではニュースをやっている。
だが、シンジ君に見えるはずが無い。

シンジ「・・・そういえば、さっきの電話、なんだって?」

アスカ「えっ?電話?・・・あ〜ぁ、なんか、渚のやつ、ファーストと一緒で、なんか遠くのほうまでいっちゃって、
	もう遅いから泊まってくるとかって・・・」

確か十分程度前の電話・・・

シンジ「大ジョブかな?二人だけで・・・」

アスカ「・・・結構あの二人、やるときはやるかも・・・」

何をやるのだろう・・・


そして・・・

カヲル「惣流さんには、連絡しておいたよ。」

レイ「うん・・・」

カヲル「さぁ、ベットに横になって・・・」

レイ「うん・・・」

カヲル「ほら。君が見たがっていた・・・SFものの映画の鑑賞会を始めようか。」

レイ「うん!」

そう。彼らは、某所地下特別寝室にて、純粋な映画鑑賞を始めていた。

カヲル「まずは・・・これでいいね。」

レイ「あ〜っそれ、新作の『ロスト・イン・スぺーX』!そっちのって、もしかして・・・『ロボXップ』?
    あっ『スターXレック』まであるぅ〜。」

カヲル「今夜は眠れないね。」

レイ「カヲル君・・・アリガト(ハート)」

地下の暗ーい部屋で、レイはベット、カヲル君はソファーの上に横になり、大きなスクリーンをみていた。
あっ!彼は『アーノXド・シュワXツネッガー』では!?一緒にいるのは・・・ピカーX艦長?
あれは・・・エンターXライズ?!(スイマセン。個人的趣味です。多分、同年代で知っている人は
少ない・・・)




リビングでは、シンジ君とアスカが一緒にソファーに座り、テレビを見ている。そろそろ夜も遅くなってきた。

シンジ「アスカ、そろそろ寝ようか?。」

アスカ「ファーぁ・・・そうね。眠くなってきたし・・・」

アスカは、あくびをしながら答えた。

シンジ「ミサトさん達、遅いね・・・」

アスカ「あぁ、ミサトもさっき電話があって、今日は徹夜だって。リツコも一緒って言ってたわよ。」

シンジ「そっか・・・大変なんだね。」




そのころ、某マッドな死的・・・ではなく、私的実験室。

ミサト「もうすぐあの子たちの寝る時間ね。リツコ、準備は?」

モニターを前にして、なにやら忙しそうなリツコさんと、エビチュ両手にできあがっているミサト・・・

リツコ「問題無いわ。全て予定通りよ。」

ミサト「ふふふ・・・アスカ、シンジ君に襲われちゃったりして。」

リツコ「ふっ。あの子にそんな勇気は無いわ。マギのシュミレートでは、アスカが襲う確立71.2%を
	叩きだしたわ。」

ミサト「そ・・・そんなに?」

リツコ「そうよ。結構な数字ね。ちなみにシンジ君の場合は0.27%よ。」

ミサト「・・・無いのね・・・」

リツコ「いえ。彼にしては高い数字よ。ましてはゼロではないの。」

ミサト「・・・初号機の初起動実験起動率よりは高い確立ね。」

そんな話しをしているうちに・・・

リツコ「ミサト、彼らがきたわよ。」

ミサト「あっ、リツコ!」

リツコ「分かっているわ。盗聴機、カメラの作動確認済みよ。既に録画も始まっているわ。」

ミサト「ふっふっふっ・・・明日はずぅえっっったいにこれでからかってやるんだから。」

リツコ「ふふっ、楽しみなものね・・・」

なるほど。徹夜してそんなことを・・・
そんななか

冬月「おい碇。彼女達、あのままでいいのか?」

ゲンドウ「ふっ、問題ない。夕食が楽しくなるだけだ。」

冬月「しかしだな・・・本人達にばれたら・・・」

ゲンドウ「・・・問題ない。悪いのは赤木博士と葛城三佐だ。」

冬月「・・・ハァ・・・」

ゲンドウ「・・・シナリオ通りだな。」

などというやり取りが某所であったとか・・・



自分の部屋に戻った二人。

シンジ「あ・・・アスカ?ホントにここで寝るの?」

シンジ君は、初めて知ったらしい。顔が真っ赤になっている。

アスカ「し・・・仕方ないでしょ!他に寝るとこないんだから・・・」

アスカも強がっているが、顔は真っ赤。説得力ゼロ。

シンジ「ア・・・アスカは、僕と一緒でいいの?」

アスカ「それは・・・仕方なくよ。し・か・た・な・く!」

アスカは、さっさと自分のベットに入り、頭まで布団をかぶってしまった。
シンジ君は、未だ部屋の入り口で立ち止まっている。

シンジ「(・・・・ミサトさんの仕業だな・・・)」

御名答。流石!

シンジ「(けど、アスカ本当は嫌がってるんじゃ・・・僕なんかと一緒だと・・・)」

アスカ「(シンジ・・・どうして入ってこないの?)」


リツコ『彼、どうしたのかしら?』

ミサト『さぁ?興奮しちゃってコシが抜けたとか?』


冬月『おい、碇。大丈夫なのか?』

ゲンドウ『問題無いですよ、先生。シンジは、私の子です。』

ある意味、問題なのだが・・・



シンジ「(確かに僕はアスカのこと好きだ。アスカのこと、守りたい。一緒に居たい。けど、迷惑なんじゃ・・・)」

アスカ「(しんじぃ・・・どうして?やっぱり、私じゃイヤなの?私、もうこれ以上強がれない。限界なの。
	寂しいの・・・お願い・・・見捨てないで・・・)」

二人とも、現状維持のまま何も言わない。

シンジ「(けど、これからも一緒に住む訳だし、気まずい思いはしたくない。かといって、傷つけたくない。
	けど、アスカと一緒に居たい。)」

シンジ君、人生の一大決意を迎えたようです。

シンジ「・・・ねぇ、アスカ?」

アスカ「何?(イヤ・・・見捨てないで・・・)」

アスカは、ベットの中で微動せず、答えた。
シンジ君、淡々と話しを続ける。

シンジ「・・・あの、少し話しがしたいんだけど・・・」

シンジ君、緊張しているようで、手を握ったり開いたり・・・

アスカ「・・・いいわよ。」

アスカは、布団から上半身をだし、ベットの上で三角座り。両手で両足をギュッとおさえている。

シンジ「あのさ・・・」


リツコ『ふっ、私の予想通りね。やはり会談に持ちこんだわ。』

ミサト『なぜ?何でアスカは積極的に行かないの?』


シンジ「あのさ・・・正直に答えてね。アスカは、僕と一緒に居るの好き?」

アスカ「・・・」

アスカは、少しうつむいてしまい、何も答えない。

シンジ「(そうか・・・)やっぱり、僕の勘違いだったんだね・・・」

アスカ「えっ?」

アスカは、顔をあげた。

シンジ「アスカ・・・今までありがとう。」

そう言って、部屋をでようとした。

アスカ「シンジ?どこ行くの?」

シンジ「僕、やっぱりネルフの寮で生活するよ。」

アスカ「え?なんで?」

シンジ「だってアスカ、僕のこと、キライなんだろ?そんなやつと一緒の部屋で寝れるわけ無いし、
	アスカには、僕なんかと一緒じゃないほうが・・・きっといいに決まってるし・・・」

アスカ「・・・出てってよ・・・」

シンジ「え?」

アスカ「だったらさっさと出てってよ!もう、アンタの顔なんか見たくないわ!」

そういうと、また布団にもぐってしまった。

シンジ「・・・サヨウナラ・・・」

シンジ君も、完全に振られたと感じ、貴重品だけ持ち、静かに部屋を後にした。


ミサト『そんな・・・どうして?しんちゃん・・・あなたなら、アスカのことを守れると思っていたのに・・・』

リツコ『・・・完全破局・・・マギでは、0.0031%・・・』

ミサト『アスカ、自分の気持ちにはきずいているはずなのに・・・』

リツコ『所詮、現実は予知できないものなのね・・・』

二人とも、予想外の展開に落胆が激しいようです。


冬月『おい、碇・・・』

ゲンドウ『ふっ・・・問題ない。シナリオ通りだ。』

ゲンドウさん、あなたは何を考えているの?


アスカ「うっ・・・うっ・・・シンジの・・・バカ・・・」

シンジ君が居なくなり、1時間程度。アスカは、あれからずっと部屋で泣いていた。

アスカ「バカ・・・バカ・・・どうして?・・・」

アスカ「(・・・シンジ、許して・・・私がもっと素直なら・・・あんなの、本気で言うわけないじゃない・・・
	私が悪いのね・・・)」

既に暗い部屋。この広い家には、もはやアスカしか居ない。

アスカ「(ゴメンなさい、シンジ・・・私、素直になります。だから、私を見捨てないで・・・)」

枕に顔を埋めていたため、もはや涙でビショビショ・・・


ミサト『しんちゃんも、アスカのこと好きなのに、どうして素直に言わないのかしら・・・どっちかが
      勇気を出すだけで、お互いの気持ちに気づくはずなのに・・・』

リツコ『この映像・・・彼に見せようかしら・・・』

ミサト『2・3日、様子を見ましょう・・・』


アスカ「(しんじぃ・・・やっぱり一人はさびしいよ・・・)」

アスカ「(お願い・・・もう、私にはシンジしかいないの・・・ミサトや、ファーストや、渚なんかじゃダメなの。
	ゴメンなさい・・・もう、ダメ・・・)」

突然、アスカは起き上がった。時計は既に12時を過ぎている。


そして、ネルフ個人寮の一室では・・・

シンジ「(ハァ・・・これでよかったのかなぁ・・・よかったんだよなぁ・・・)」

ベットの上で考え込んでいた。

シンジ「(そうだよな。アスカみたいな子には、僕なんかじゃ頼りないし、一緒にいたって迷惑なだけだよ。
	それに、あの家にはリツコさんもいるから、家事は大丈夫なはずだし・・・)」

突然のことだったため、マヤが用意してくれた部屋には、ベットしか置いてない。

シンジ「(アスカ・・・手紙読んでくれたかなぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)」

思想にふけっていたシンジ君も、バイオリズムには逆らえず、眠りについてしまった。
アスカのことを考えながら・・・



『プシュー』

突然、シンジ君の部屋のエアロックが外れ、扉が開いた。
シンジ君は寝てしまっているため、気付かない。
そして・・・

『ガサゴソ・・ガサゴソ』

『プシューー』

扉がしまった。

シンジ君はまだ寝ている。
部屋には人の気配はない。
御作動だったのだろうか・・・


『プシュー』

また扉が開いた。

シンジ「ん・・・ん?」

シンジ君は、今度は気がついたもよう。起き上がった。

シンジ「・・・ん?」

だが、まだ寝ぼけている。とねそこへ・・・

アスカ「シンジ・・・」

シンジ「あ・・・アスカ?」

シンジ君、今の一言で目が覚めたようだ。

アスカ「しんじぃ・・・お願い。帰ってきて・・・」

半分泣き声で話しかけている。

シンジ「あ・・・アスカ、どうしたんだい?こんなに遅く・・・」

そういって、時計を見た。針は既に3時を回っている。

アスカ「シンジ・・・私、ダメなの。もう、一人は嫌なの・・・」

シンジ「アスカ・・・」

アスカはベットの前で立ちながら、瞳に涙を浮かべながら、淡々と話した。

アスカ「ホントは、シンジのこと好きなの。けど、どうしても素直になれなくて・・・さっきもあんなこと言うつもりじゃなかったの。
	シンジと一緒に寝れるって思ってたから嬉しくて、なのにあんなこと言われたから、つい・・・
	けど、本気じゃなかったの・・・お願い、許して・・・戻ってきて・・・」

最後のほうは、完全に涙が流れていた。

シンジ「アスカ・・・もう今日は遅いよ。家に帰って寝たほうが・・・」

半分寝ぼけているのか、何故か冷静な対処。

アスカ「もう、私耐えきれないの。さっきシンジが出てった時、すごく寂しかった。二人でいるときは、
	すごく嬉しかったんだけど、一人になったら急に・・・寂しくて・・・」

シンジ「・・・」

アスカ「わたし、もう後悔したくないの。もう無駄に自分を強く見せるのやめたの。だって、・・・
	今まで、シンジは、シンジだけが、本当の私を見てくれてたから・・・だから、だから・・・」

シンジ「アスカ・・・もういいよ。」

アスカ「けど・・・」

今まで下をむいて話していたアスカは、顔をあげた。
そこには、シンジ君の満面の笑みがあった。

シンジ「アスカ・・・ありがとう。僕のこと、そんな風に思っていてくれたなんて・・・」

アスカ「シンジ・・・」

シンジ「ゴメン。気付いてあげられなくて・・」

アスカ「いいの。私も、意地を張ってたのが悪いんだし・・・」

シンジ「それじゃあ、そろそろ寝ようか。送ってくよ。」

シンジ君がベットから立ちあがろうとしたとき、

アスカ「イヤ!」

アスカは、軽くシンジ君のことを睨んだ。

アスカ「私の気持ちは・・・わかったでしょ?アンタはどうなのよ。」

すると、シンジ君は立ちあがり、アスカと向かい合った。彼女の瞳を見つめ・・・

シンジ「アスカ・・・僕も、アスカのことが好きだ。頼りないかもしれないけど、一生アスカのことを守って行く。
	だから、本当の自分でいてくれれば、それでいいよ。」

優しくシンジ君が言った。

アスカ「シンジ!」

アスカは、その言葉にホッとしたのか、思いっきりシンジ君に抱きついた。

シンジ「あ・・・アスカ?!」

シンジ君も、うろたえながら、しかし優しく抱いてあげた。
アスカは、嬉しさと恥かしさのあまり、耳まで真っ赤になってしまった。が、シンジ君には見えない。
そのまま、どれくらい経っただろうか。

アスカ「しんじぃ・・・私、眠い・・・」

アスカがシンジ君の胸から顔をあげ、目を見つめながら言った。

シンジ「そうだね。送ってくよ。」

シンジ君も照れているようで、顔が赤くなっている。

アスカ「シンジは、どこで寝るの?」

アスカが、優しく尋ねる。

シンジ「うーん・・・せっかく部屋を借りたんだし、ここで・・」

アスカ「えっ?じゃあ・・・私も・・・一緒にいい?」

アスカは、拒絶を恐れ、瞳に涙を蓄えながら、静かに聞いた。
シンジ君は、そんなアスカを見て、『ドキッ』としたが、ここは安心させるように・・・

シンジ「・・・うん。いいよ・・・おいで。」

そういってベットに入り、掛け布団の端を少しあげた。

アスカ「うん!」

アスカは、喜んで滑りこみ、シンジ君に抱きついた。そして、

アスカ「くぅー・・・すぅー・・・」

すぐに寝てしまった。

シンジ「(アスカ、すごく幸せそうな寝顔・・・カワイイ・・・)」

シンジ「アスカ、心配しなくていいよ。僕が、ずっとそばについているから・・・」

そういうとシンジ君は、アスカの幸せそうな寝顔をしばらく見つめていた。
そして、ユニゾンの夜を思いだし、再び唇に目をやった。そして・・・

シンジ「アスカ・・・おやすみ・・・」

そういってシンジ君は、アスカに軽くキスをした。
もちろん、『頬』にだが・・・
そしてシンジ君もアスカを軽く抱いて、眠りについた。

そして翌朝・・・

アスカ「うっ・・う〜ん、よく寝た・・・」

お目覚めのようである。しかし、まだ瞳は閉じている。

アスカ「(アレ?なんだか、すごく暖かい・・・えっ?なに?なんか優しい・・・)」

そして、恐る恐る目を開けた。目の前には、安らかなシンジ君の寝顔がアップで・・・

アスカ「(えっ?し・・・シンジに抱かれてる?なんで?服は・・・着てるわよね・・・あっ思いだした!)」

その時、

シンジ「うっ・・・はぁ〜・・・朝か・・・」

と言って、シンジ君も目を開けた。

「「・・・・・・」」

しばらく見つめあっていたが

シンジ「アスカ・・・おはよう。よく眠れた?」

アスカは、自分が見つめていたことを悟られ、恥かしくなった。

アスカ「お・・・おはよう・・・」

それだけ言うと、布団にもぐってしまった。そうとう恥かしかったらしい。
そして、シンジ君にギュッと抱きついた。

シンジ「あ・・・アスカぁ・・・」

そのセリフには、『心配しなくていいんだよ』的ニアンスと、『朝から布団にもぐって抱きつかないでよ』
的ニアンスが含まれていた。だがアスカは気付かなかった。
そして、突然顔をだし、

アスカ「アンタ、突然襲わないでよ!」

と、頬を赤くし、ニヤケ顔でシンジ君に言った。

シンジ「大ジョブだよ。今はまだ、そんなことしないよ・・・」

まだ?
そう優しい顔で言った。それにはアスカも耐えきれず、またもぐってしまった。
が、またすぐに顔を出した。そして・・・

アスカ「シンジ・・・いま、何考えてるの?」

と聞いた。もちろん頬は熱を持ったままだが。
シンジ君は気付いた。それは男子の朝・・・だということに。

シンジ「こ・・・これは、違うんだ・・・その、」

耳まで真っ赤にして、慌てて答えた。

アスカ「シンジの・・・エッチ・・・」

少し潤んだ瞳でそこまで言うとアスカは、次の言葉を待った。

シンジ「違うよ・・・いや、否定はしないけど・・・これは・・・その・・・朝だから・・・」

もう、冷や汗ダラダラである。

アスカ「ふふっ。分かってるわよ。シンジは優しいから安心しちゃって、つい調子に乗っちゃった!」

と、照れるように言った。しかしあえてそのことを隠そうとはしない。それにはシンジ君も意識を忘れ、

シンジ「アスカ・・・」

と言って、優しく両腕をアスカの背中にまわした。
アスカも、答えるようにシンジ君の胸の中に顔を寄せた。

そのまましばらく、シンジ君が落ち着くのを見計らってから

シンジ「そろそろ、帰ろうか・・・」




『カチャカチャカチャ』
『グツグツグツ』
『トントントントン』

時は流れ新碇・惣流家。
現在キッチンにてシンジ君が朝食の準備中・・・
アスカはシャワー。
レイとカヲル君は通信不通で行方不明・・・
三十路の二人と無表情の一人は未だ本部・・・

シンジ「よし!今日のお味噌汁はいいかんじだ。」

すると、アスカがやってきた。

アスカ「は〜ぁ、お腹空いたぁ〜。」

シンジ「もうすぐだから、座って待ってて・・・」

しかしアスカはシンジ君の隣に行き、いきなり腕を絡めてきた。

アスカ「し〜ん〜じぃ〜(ハート)」

シンジ「わっわっ危ない!」

シンジ君は、慌てて作業を中断した。

アスカ「うふっ!し〜ん〜じぃ!」

シンジ「どうしたんだい?アスカ・・・」

アスカは、シンジ君の腕の中で気持ちが良さそうにしている。

アスカ「シンジ、今日、一緒に・・・」

シンジ「一緒に・・・?」

シンジ君は、アスカの顔を覗きこんだ。

アスカ「一緒に・・・お風呂はいろっか?」

シンジ「へ?お・・・お風呂!?」

シンジ君は、アスカの突然の発言に、沸騰してしまった。

アスカ「うふっ。冗談よ!シンジったら赤くなっちゃって・・・エッチ!」

シンジ「あ・・・アスカ、ち・・・違うよ!」

アスカ「じゃあ、そういうことにしといてあげる。」

そう、言うと自分の席に戻って座った。
とっても幸せそうだ。

シンジ「(アスカ、随分カワイくなったなぁ・・・お風呂か・・・ハッ、いけない、お味噌汁・・・)」

シンジ君は、妄想を徒中で強制終了し、朝食の作業を再開始した。



ミサト『アスカったら、大胆〜。』

リツコ『ホントね。まさか、シンジ君の部屋まで行ってしまうなんて・・・
	マギに新しい行動記録をいれておかないと・・・』

ミサト『しかも、一緒の布団だったしねぇ〜、やるわね』

リツコ『画像に残してあるわよ。』

ミサト『これで今晩のツマミはパーペキね!』

リツコ『ふっ・・・無様ね。』

ミサト『しっかし、アスカも可愛くおさまったわねぇ・・・』

リツコ『シンジ君も、まんざらではなさそうね。』



ゲンドウ『ふっ、シナリオ通りだ。』

冬月『・・・本当か?』

ゲンドウ『ふっ・・・問題ない。孫も、時間の問題だな・・・』



レイ『・・・・・(ジーン)・・・』

カヲル『ウッ・・・ウッ・・・・え、映画はいいねぇ・・・ウグッ・・・リリンの・・・産み出した、文化の
	・・・グスッ・・・き、極みだよ・・・ウウッ』

レイ『ウェーーーン、カヲルくーん!』

カヲル『レイーーー、ウワーーン・・・』

確か、彼らが見ていたのは、SF作品・・・いや、どうみても、楽しく会話を交わしながらの朝食を取る、
シンジ君とアスカの姿がテレビに・・・もはや、これも盗撮画像?



そんなことは微塵も知らない幸せな二人・・・
仲良く朝食。

アスカ「やっぱり、シンジのゴハンはおいしぃ〜!」

シンジ「ほ・・・ホント?」

アスカ「あったりまえでしょ〜。シンジ以外の男が作ったものなんて、食べたくないわよ。」

シンジ「アスカ・・・ありがとう・・・ウッ・・・」

感動のあまり?

アスカ「し・・・シンジ?なにも、泣くことないでしょ」

シンジ「だって、初めてアスカにおいしいって言われて・・・嬉しくて・・・」

アスカ「確かに、今までのアタシなら言わなかったわよ。けど、やっぱり素直に生きることにしたの。
	だって、シンジが支えてくれるんだもん。ねー?」

シンジ「うん。そうだよ。だから、ムリしなくていいんだよ。一生、そばにいてあげるから。僕も、強い人間になるから・・・」

アスカ「シンジ・・・プロポーズ?」

ここでアスカが悪戯の笑みを浮かべて聞いた。

シンジ「えっ・・・いや、べつに・・・その・・・あ、アスカさえ、迷惑じゃなければ・・・」

アスカ「えっ?あったり前でしょ。断るわけないじゃない。」

うんうん。シンジ君も、こういう対応に強くなったなぁ・・・

シンジ「ハハ・・・それじゃあ、もう少し経ったら、改めて言うから。その時まで待っててくれる?」

アスカ「ウン。私、ずっと待ってるから・・・」


そんなこんなで朝の準備も終わり、学校に行く時間です。
この二人は、一体どんな騒動をおこすのでしょう・・・
そして、もう一つハチャメチャなカップルが・・・
そして、大規模な教務員・人員移転計画・・・
そして、物騒で無愛想な新校長就任・・・
多分、カンのいい人は気付いたでしょう・・・

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作者あとがき

ふぅ・・・やっと終わりました。
ここからLAS度は急上昇。
そしてついでにLRK度も微上昇。
きっとLHTも微弱上昇?
・・・K・A(盗撮オタクな14歳)はきっと・・・
・・・M・K(鋼鉄危険な14歳)と仲良く・・・
さようなら・・・M・K(鋼鉄な14歳)さん。そしてお幸せに・・・・

おっと・・・新しい校長のプロフィールが届いた。
なに?・・・趣味『陰謀・偽装工作』・・・・
特技『ふっ、問題ない』
・・・・もしかして・・・・


USSでした。


マナ:渚くん、なにもそんなとこで映画見なくても・・・。

アスカ:アイツの行動はいつも怪しいのよ。

マナ:アスカの方がずっと怪しいわよ?

アスカ:どこがよ? ほら、とっても健気じゃない。

マナ:シンジと一緒に添い寝したりしてーーっ! キーーー!(ーー#

アスカ:まっ! とーぜんよねっ! 愛し合う者同士っ!一時はどうなるかと思ったけどさ。

マナ:くぅ・・・。出遅れたけど、ぜーーったいシンジを取り返すんだからっ!

アスカ:無理。無理ぃ。アンタはきっとギャグキャラよっ!

マナ:この清楚なマナちゃんになんてことをっ。シンジっ。わたしを信じてっ。

アスカ:信じたら、スパイだったくせにっ。(ーー)
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ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

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