EVAでNERVな日常生活物語
   
	第四話『新たなる朝の光景』

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アスカ「でさ、放課後、ショッピングにつきあって欲しいんだけど・・・」

二人は学校に向かって歩いている。今日はアスカの『もたもた』がなかったから、いつもと比べるとだいぶ余裕がある。

シンジ「ショッピングかぁ・・・僕もそろそろ新しい楽譜買おうかなぁ」

そして、いつもと比べてもう一つ違うところがある。それは・・・

アスカ「あっ、またチェロの練習?いいなぁ。私、シンジのチェロ久しぶりに聞きたいなぁ・・・」

シンジ「じゃあ、今日帰ったら、久しぶりに弾いてあげようか?」

アスカ「アタシ、あれがいいなぁ・・・あの・・・むぅ・・・」

シンジ「『無伴奏チェロ組曲』だろ?」

アスカ「そう。それ!いい曲よねぇ・・・」

すると、後ろから慣れた声が聞こえた。

ヒカリ「アスカ、碇君、おは・・・・」

アスカ「あっヒカリ、おはよー。」

シンジ「おはよう、洞木さん。」

しかし、彼女は口を開いたまま固まってしまった。

アスカ「ヒカリ?ダイジョブ?」

ヒカリ「あっ・・・私は・・・ヒカリ?」

委員長、再起動成功。

ヒカリ「あっ・・・アスカ、碇君。もしかして・・・もしかする?」

すると、アスカは顔を赤くして、

アスカ「まぁね。私達、見ての通りよ。」

そう。アスカ達は、周りにアピールするかのように堂々と腕を組んでラブラブに登校していたのだった。

ヒカリ「よかったわね。おめでとう、アスカ。」

自分のことのように心から喜んでいるヒカリ。
『これでカレがアスカに心を向けることは無いわね』などと考えていたかは誰も分からない。

ヒカリ「碇君、アスカのこと、大事にするのよ。」

さっきまで居心地悪そうなシンジ君だったが、自分に会話を振られたのがよほど嬉しかったのか

シンジ「あたりまえじゃないか。僕は、一生アスカのことを幸せにするつもりだよ。」

なんか、人が変わってますね・・・

アスカ「シンジ・・・」

などと、ついカッコいいことを言ってしまった。これには彼女も

ヒカリ「(碇君・・・私も、いつか彼とこんな時が・・・)」

アスカ「(しんじ・・・アタシ、ずっとシンジについて行きます)」

などと、心にしみたようだ。
アスカも、さりげなく更にシンジ君に体重を預けた。

シンジ「あっ、トウジにケンスケ、おはよう。」

トウジ「おはよさん。なんや、今朝は一段とヨメさんと仲良しやのぉ。」

ケンスケ「おはよ、シンジ。ようやくおまえもゴールインか。うらやましいやつだ。」

などと皮肉を口づさみながらも、心の奥ではヒカリのように

「「((幸せにな!))」」

と思っている、良き親友であった。
色々と談話を交わしつつ、しっかりシンジ君の隣を確保しているアスカ。
そして、仕方なくその後ろを歩いているフリをしながら、
何気なくトウジに歩調を合わせようとしているヒカリ。
そして、「何故俺だけ・・・」と涙を流しながら、しぶしぶあえてオマケとしてくっついている
ケンスケ・・・

ケンスケ「そういえば、最近、妙な噂を入手したんだが・・・」

トウジ「なんや?また転校生かいな?」

シンジ「なんか・・・寒気が・・・」

アスカ「アタシも・・・」

ケンスケ「あぁ、それもあるらしいけど、ウチの中学で大規模な教員の移動があるらしい。」

ヒカリ「えっ?そんな連絡、学級委員長会議ではなかったけど・・・」

アスカ「まっ、あたし達には全然関係ないわよね?シンジ!」

シンジ「うん。そうだね、アスカ。」



しばらく歩いていると、今度は厄介な二人がメンバーに加わった。

シンジ「あっ、カヲル君に綾波、おはよう。」

アスカ「アンタたち、ほんっと仲いいわね。朝っぱらから・・・」

そう。碇家一の問題児だ。

カヲル「やぁ君達。今日はすがすがしい朝だね。」

レイ「おっはー、みんな。元気ぃ?」

このレッド・アイずは、レイのお姫様だっこ姿で仲良く登場。

トウジ「(なんや、コイツら・・・アホとちゃうか?)」

ケンスケ「(まったく・・・君達は『加減』というものを知らないのかな?)」

ヒカリ「(貴方達!これから通るのは学校の正門よ!教会ではないのよ!)」

とまぁ、本人達に直接話せるわけも無く・・・
後に、勇気ある名もない男子生徒が注意したのだが、

カヲル「ふっ、そういうのを『敗者の戯言』と広く世間一般では呼ばれているのさ。」

レイ「そうよ。もてない奴の究極のいやがらせね。サイテー」

カヲル「まぁ、君達雑魚には、理解しがたい現実だからね。君は好意に値しないよ。」

と、クラスの可哀想な男子が授業中みんなの前で恥をかかされて、
誰一人と二人の関係に口をはさむものはいなくなった。
ちなみに、あの某陰謀家はこの二人に関して一切関与していない。

ヒカリ「ところで、あなたが転校生ね?」

さすが学級委員長。先ほどのケンスケの一言を聞き逃さなかったようだ。
ヒカリは、そう言ってカヲル君を見た。

カヲル「ふっ・・・その通り。渚カヲルです。みなさんよろしく・・・」

さすがカヲル君。クールにきまったよ。

トウジ「わいはシンジの親友のトウジや。よろしゅうな!(なんや随分ナルっぽい奴やなぁ)」

ケンスケ「やぁ。僕も碇の友達の相田ケンスケ。よろしくな。(女子需要65%±20%アップ、
供給はいつもより多く320%で頑張るぞ!)」

ケンスケ、何故か燃えている。カメラ片手に・・・

カヲル「君たちがシンジ君の友達か。なら僕とも友達だね。」

ヒカリ「えっと・・・私はアスカの友達の洞木ヒカリ。クラスの学級委員をやってます。」

カヲル「はじめまして、お嬢さん。僕は綾波レイの恋人をやっている渚カヲルです。よろしく。」

カヲル君、さりげない一言。

トウジ・ケンスケ「「な・・・何ぃ〜?」」

ヒカリ「えっ・・・あ・・・あはは・・・よろしく・・・」

トウジ「(綾波の・・・恋人・・・)」

ケンスケ「(売約済み・・・過去のデータより需要誤差14%・・・推定売上誤差±32%・・・
許容範囲内・・・だな。)」

事務的反応

あっ、さらにまた一人・・・

マナ「やっほー、みんな!」

シンジ「やぁ、霧島さん。おはよう。」

アスカ「現われたわね・・・戦自のスパイ。」

まぁ、これで全員でしょう。

トウジ「んで、霧島・・・お前はんはどこに住んどってるんや?」

ヒカリ「(えっ?そ、そんなぁ・・・)」

さすがにトウジの一言は、乙女のヒカリさんにはきつかった。

マナ「私?私は、第三デパートの近くだけど・・・何で?」

ケンスケ「まさか・・・まさか、トウジ!?(差押さえ・・・需要誤差14%・・・トウジだから・・・
需要低下・・・0%・・・赤字だ・・・)」

『(自称)一生独身同盟』を組んだケンスケも、事態の非常性にきづいたか!? 
それとも、事務的対応?

トウジ「いやな、霧島っちゅう女は、ゴミ捨て場に寝てるっちゅう噂を聞いたさかい。、交番で。」

アスカ「えっ!?うそ?マジぃ!?やっぱわたしもそう思ってたのよねぇ。」

はっはっは。そりゃあすごい噂だ。
アスカも乗ってきている。
当の本人は、上から下まで固まってしまい、ピクリとも動かない。

トウジ「んでな、ケンスケも一緒だったっちゅうとるんだが、ホンマかいな?」

ケンスケ「あ・・・ああ・・・何故・・・何故トウジがそれを・・・」

シンジ「へぇ・・・二人って、以外と仲いいんだね。知らなかったよ。ハハハ」

シンジ君は、『ゴミ捨て場』と聞いた瞬間から、そして、『一緒』と聞いた瞬間から、
二人のことをゴキブリ以下の超下等生命体として再認識したようだ。
まぁ、当の本人達は、既に高等生物としての活動を行ってはいないが・・・

アスカ「・・・へぇ〜、アンタ達、デキてたんだぁ・・・ふぅ〜ん。」

もう二人はお仕舞いであろう。放課後には、校内全域で二人の『過酷な愛の生活』が
語られるだろう。
「ねぇ〜、聞いた?なんか2年に、ゴミ捨て場で生活してるカップルがいるらしいわよ〜」
「え?マジ?その二人、病原菌でもついてるんじゃなぁい?」

カヲル「ふっ・・・好意に値しない生活環境だね。」

レイ「ほんっと。市役所行って、公的扶助もらってきたら〜?」

レイ的には十分思いやりの一言だろうが、べたべたのバカップルに言われたほうはたまったもんじゃない。

ヒカリ「二人とも・・・不潔だったのね・・・ここは委員長として、クラスのみんなから社会保障の一環として募金を募るしかないわね。」

さすがはクラスをまとめている学級委員。しっかりしてますねぇ・・・

マナ「ねぇ、碇くん? 放課後空いてる?」

早急に復活した霧島さん。話題を変えてシンジ君を誘惑するつもりか?
さすがにシンジ君から離れてヒカリと放していたアスカも、危険を察知したらしく、
第一種戦闘配置で待機している。

シンジ「えっ、今日?・・・今日は確か・・・」

アスカ「(バカ・・・今日はショッピングって、さっき言ったでしょ!)」

マナ「ねぇえ、私暇なの・・・二人で遊びに行きましょ?」

そうか。マナは、シンジ君とアスカが『ゴール』したことを知らなかったか・・・

シンジ「・・・あっ、ゴメン。今日は約束があるんだ。」

シンジ君はアスカとの約束を覚えていた(というより、思い出した)ようだ。

マナ「そっか・・・わかった。じゃあ、また今度にしましょ」

シンジ「うん。ゴメンね、霧島さん。」

シンジ君は爽やかな笑みで返事をした。
アスカも安心したらしく、そして挑発的に

アスカ「ねぇシンジ、あとで久しぶりにチェロ弾いてね。」

と、シンジ君の腕に再び絡まって話しかけた。

シンジ「うん。ショッピングから帰ってからね。」

と、シンジ君も彼氏らしい態度で返した。
それを見ていたマナは

マナ「(あ・・・そうなんだ・・・)」

と、理解したらしく、周りから見てもわかるくらいに周辺気温が十度ほど低下した。
本人はそうとうショックを受けたらしい。なんだか同情してしまう・・・が、

マナ「(ふっふっふっ・・・見てなさい、この赤毛猿。いまに横取りしてやるんだから!)」

と、今度はまわりが二十度ほど上昇した。
元気になったみたいで何よりです。その頃・・・

ヒカリ「ねぇ鈴原・・・今日ね、お弁当、いつもより少しだけ多くしてきたから」

トウジ「ホンマか?ほな、今日は屋上でみんなでたべよか?」

ヒカリ「ウン。期待しててね。」

トウジ「イインチョの飯はホンマいいなぁ。」

なんだかんだ言って、結局二人も友達以上恋人未満の関係。
幸せそうじゃないですか。
その頃ケンスケは

ケンスケ「(綾波・・・変わったなぁ・・・これなら32は上がるだろう。しかし、
碇と惣流のツーショットがあんなに高く売れるとは・・・)」

購入者談『おい、写真一枚に十万単位で値をつけるのはやりすぎではないか?』
	『ふっ・・・初号機修理費に比べれば安いものだ。』
	『・・・比べるものが違うと思うが・・・』
	『問題ない。』

ケンスケ「(ってことはだ。二人のナイスカットを撮影できれば・・・膨大な収入になるぞ
・・・ふっふっふっ・・・最優先だな。)」

ケンスケ「(しかし、霧島も結構需要高いんだよなぁ・・・)」


続く

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作者あとがき

ふぅ・・・やっとできた。
なんだか最後までダラダラと続いてしまいました。
予定していた学校編は次回必ず・・・いや、多分。

なんだか書いていたらマナの立場がかわいそうになってきてしまった。
しかし僕はLAS一筋で頑張ります。
近いうちにLMKにしようかと・・・

短編も頑張ってますので、よろしくお願いします。

しかし、関西弁は難しい・・・おかげでトウジの台詞が少なくなってしまう。

USSでした。


アスカ:やっと学校でもシンジと公認の仲になったわ。

マナ:ゴ、ゴキ・・・。(絶句)

アスカ:生命力だけはたいしたもんね。

マナ:ゴミ・・・。(絶句2)

アスカ:大丈夫よ。そのうち相田とくっつくみたいだから、安心しなさい。

マナ:いやーーーーーーーーっ!(TOT)

アスカ:さってと、シンジのチェロでも聞いてこよっと。

マナ:なんでわたしだけ・・・。(TOT)
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