EVAでNERVな日常生活物語

第十話 結果良ければ万事オッケー


ケンスケ「・・・・フッ・・・フフッ・・・・・フッ・・・・・」

みんなが寝静まった中、一人部屋で何やら企んでいるケンスケ君。
その手には、小型カメラが握られ・・・

ケンスケ「やっと・・・やっとこのときが来た!オレだって・・・オレだって幸せになってやる!!」

そう言って、ちょっと大きめなリュックを背負って部屋を出たケンスケ。
彼が向かった先とは・・・




―翌朝―

シンジ「・・ふぁ〜ぁ・・・やっぱり朝風呂っていいもんだなぁ。」

いつもなら、愛しのアスカや大切な家族のためにお弁当を作っている時間。
悲しいかな、主夫人生を送っている彼は、日常の習慣のおかげで朝早く目が覚めてしまった。

シンジ「温泉かぁ・・・今度はアスカと二人きりで・・・」

と、一人妄想の世界に入ったかどうか定かではないが・・・




シンジ君が朝風呂に入って極楽気分を味わっている頃

ケンスケ「ふっふっふ・・・モニター準備よし!昨日、女子たちが朝風呂に入るって話てたことを偶然にも聞いてしまったオレ!
      普段は不幸な主人公を送っているんだ。こんなときこそ・・・こんなときこそ幸せになってやる!!

哀れケンスケ。『幸せ』の意味を履き違えている気がするが・・・
後々自分のみに降りかかる運命を知る由はなかった。




同じ頃

黒服の男1『・・・はっ。了解。』

黒服の男2「・・・」

黒服の男3「・・・」

黒服の男1「あぁ。許可が下りた。生死を問わず捕縛しろとのことだ。」

黒服の男2「・・・」

黒服の男3「・・・」

この奇妙な三人・・・だが知ってる人は何よりも恐れる
特務機関ネルフ諜報三課。
今回の任務は、ゲンドウ直々の命令により、
宿泊施設の安全確保にきたところだった。
そして、最重要保安箇所と言われている場所のひとつ、
女子風呂及び更衣室。
そこで彼らは見つけてしまった。
彼らに比べればまだまだヒヨッコなレベルである
ケンスケの仕掛けた盗撮カメラを。

そして、
その瞬間からこの宿から相田ケンスケの気配が消えた。
そのことに始めて気づいたのは




トウジ「やっぱ飯はみんなで食うたほうがウマイ!!」

一晩ぶりにみんなで集まって朝ゴハンを食べている。
愛しの彼がガツガツと食べているのを向かいの席で見ている彼女

ヒカリ「・・・・・・すずはらぁ・・・・・・ステキ

などと言っていたりする。
何気に二人もラブラブですなぁ。昨晩は結局どうやって寝たんですか?ヒカリさん?

アスカ「でもやっぱりシンジの作ったゴハンのほうがオイシイわよ!ねっ!し〜んじ!」

シンジ「そんなことないよ・・・でも、ありがとうアスカ。嬉しいよ・・・・」

シンジ・アスカ「「・・・(ボォ〜〜)・・・」」

っと見詰め合ってたり。そして・・・

カヲル「おや?そういえば、ケンスケ君はどうしたのかな?確か昨晩は「カヲルくん!!」」

レイ「あんな変態なんかどうでもいいから、私を見て!!」

カヲル「・・うん。そうだね。あんなのどうでもいいから、愛しのレイを見てあげないとね。」

・・・・・・
とまぁこんなやりとりで、結局ケンスケのことは忘れ去られてしまっていた。




その日の午後。

朝食を食べた時点で、可哀想な人間が消えたということもあり、
それからはグループ・・・もといペア別行動となった。
彼・彼女ら三つのグループは、思い思いのことをしながら、家路についたのだったが・・・

アスカ「シンジー。」

シンジ「なんだい?アスカ。」

アスカ「ふふ〜。なんでもな〜い」

シンジ君の腕にべったりとつきながら、宿からバス停に向かって歩いている二人。
他の二組のカップルのことなど、もうどうでもいいようだ。
まぁそんなものだろう。

シンジ「たまにはいいね〜。こうやってみんなと遊びに行くの。」

アスカ「そうね〜。けど・・・やっぱりシンジと二人っきりの時間が一番・・・」

シンジ「アスカ・・・うん。僕もだよ。アスカとこうしていられて僕は幸せだよ。」

と、二人の世界を築き上げているとき、二人の目の前に、それは現れた。

黒服「碇シンジ、惣流アスカ・ラングレーだね?」

シンジ「はい。」

黒服「ネルフ保安諜報部の者だが、碇総指令の指示により、お迎えに参りました。」




とゆうわけで、本部に着いた二人。
パイロット用の更衣室でそれぞれ制服に着替えて、第三会議室に向かった。

シンジ「碇シンジ、惣流アスカラングレー、出頭しました。」

アスカ「ミサト〜。今度は一体なによぉ・・・」

きりっとしているシンジ君とは対照的に、不満を体中から出しているアスカ。
シンジ君との二人っきりのデートを邪魔されたのだから、仕方ないことなのだが。

ミサト「やっほー、二人とも。実はね〜、大事なお知らせがあるの。」

と言って体をずらし、背後の扉から一人の男性が入ってきた。
そう。シンジ君とアスカの良く知っている人物が・・・

シンジ・アスカ「「ケンスケ!!」」

ケンスケ「・・・やぁ、二人とも。」

ちょっとテレながら答えるケンスケ。
彼は、全身真っ黒だった。そう。諜報部の人間のように。

ミサト「はい。ご名答。実は今日から、彼はここネルフの保安諜報部特殊監査課に配属されました。
    まだまだ見習いレベルなので、研修を積む必要があるけどね。」

ケンスケ「二人とも、ヨロシクな。」




加持「始めまして、相田君。君の教育係の加持リョウジ。一佐だ。」

ケンスケ「ハッ!!相田ケンスケ、全力で取りくまさせて頂きます!加持一佐殿!!」

ココは、ネルフ諜報部用のトレーニングルームの一つ、柔道場だ。
そこにケンスケは直立不動で、加持はらふな格好で立っていた。

加持「よし。いい意気込みだ。ではまずこれを見てくれ。」

と言ってスイッチを押すと、天井から大きなモニターが出てきた。

加持「これは、君が普段過ごしている、第一中の教室の見取り図だが・・・
   もしこの部屋で、誰の目にも留まらず、かつ教室全ての様子を把握するために監視カメラを設置
   しなければならない。そしてこれがそのカメラだ。」

と言って、ディスプレイの左上にカメラ性能が表示され・・・

加持「君には、午後の9時から翌朝6時まで、9時間の時間が確保され、カメラは最大で六台まで
   使用できる。だが、使う台数が少ないに越したことはないぞ?さぁ。君ならどこにどう配置する?」

・・・
そう。これが訓練なのだ。
なんたってケンスケの配属された『保安諜報部特殊監査課』とは、別名覗きのプロ・・・シンジ君たちが以前
住んでいたコンフォート・マンションや、学校など、市内ののあらゆる場所に監視カメラを設置し、
管理運用している部署なのだ。
そう。温泉で拉致されたケンスケは、磨き上げれば一流になると判断されたのだった。

つづく。


あとがき

みなさんどうも、ご無沙汰しております。
新年も明けまして、おめでとうございます。

とってもダメだぁ・・・

USSでした。


作者"USS"様へのメール/小説の感想はこちら。
uss1701_a@yahoo.co.jp

感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

inserted by FC2 system