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EVA・RETURNER
                             第一話
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                             Youth−K.


目が覚めた時、僕は10才に戻っていた。早速僕は「堂々と」研究するため計画を実行に移した。

 まず、小学を卒業すること。あと2年も待ってなんかいられない。これは簡単だった。先生に頼んで大学入
試問題をとかせてもらったのだ。結果は全教科満点。先生は絶句してものもいえないようだった。

そしてあっけなくドイツの新ベルリン大学に合格した。

たぶんここには彼女が―アスカもいるだろう。

 ここで一つ問題に気づいた。



・・・ドコに住むんだ?



金もないし株もできない。

2〜3時間考えた後、最終手段として父さんに電話することにした。あの人に話し合いで勝つ自信はある。


 プルルルル…

「…誰だ?」

「僕だよ、シンジ。久しぶりだね。今日は父さんに頼みがあって電話したんだ。」

「お前のことは全部、田岡君に任せてある。」

「父さんじゃないとだめなんだよ。先生の所からは離れなきゃならないから。」

「む?どういうことだ?はっきり言え、でなければ帰れ」

(よし、食いついてきた。でも相変わらず強引だな)

「大学に行くんだよ、ドイツの。昨日合格通知が来たんだ。」

数秒の沈黙。

「お前の冗談に付き合っている暇はない。」

「本当だよ。通知を送るよ。」

「むぅ…本当のようだな。しかたない、ネルフの方から住居を用意しよう。しかしそのためにはおまえもネ
ルフの職員となってもらう必要がある。」

「わかった。(あ、この頃まだネルフのこと知らないんだっけ。)で、ネルフって何?」

「人類の未来を守る国連の特務組織だ。今のところは、な。」

「へぇ、父さんってすごいんだね。で、僕はどこに配属されるの?」

「まだ配属はされない。サードチルドレンという肩書きだけだ。今はそれだけでいい。」

「わ、わかったよ。でもチルドレンって何?」

「いずれ分かる。」

「一週間後には出発したいんだけど大丈夫かな。」

「うむ、問題ない。3日後に第三新東京市に来い。」

「うん。じゃあね」






3日後。第三新東京市。


(ふぅ、戻ってきたか。ただいま。)
「さて、今回もミサトさんが来るのかな。今は使徒もまだきてないけど。」







30分後

「・・・・・・遅い・・・・・・」








一時間半後

ブウゥゥゥン・・・ボンッ!
赤いGTOがなぜか(危ない)爆音を立ててやってきた。

「おまたせ!碇シンジくんね?」

(ミサトさんだぁ、知ってる人に会うのがこんなに嬉しいなんて・・・)

「はい!そうですよ。」

そう言って満面の笑みを浮かべた。後にこの笑顔は『天使の微笑み』と呼ばれることになるのは、また別の
話。

「(ドキッ)(わ、私はロリコンじゃないのよ、ロリじゃ!)・・・じ、じゃあ行きましょうか。私は葛城ミサト、
ミサトでいいわ。」

「はい。ミサトさん。」

(あら、やけに素直ね。)



(うぅ・・・やっぱりきもちわるい・・・)

「シンジ君?着いたわよ。」

「は、はい・・・うぷ」

「あらあら、大丈夫かしらん?」

「大丈夫・・・です。」

「じゃあこれ読んでおいてねん。」

シンジはそのパンフレットを見た。

『ネルフ江』






「あの・・・ここさっき通りませんでしたか?」(やっぱり迷ったか。)

「わ、私もここにきたばかりだからね〜。今、人呼ぶから待ってて。」





5分後、後ろから声がかかった。

「ミサト、またなの?こっちは研究だけで手いっぱいなのよ?・・・って、彼が、あの?」

「はい、碇シンジです。サードチルドレン・・・だそうです。」

「リツコ、サードって、まさか?まだ建造中でしょ?」

「今日は違う用件で来たみたいよ?あ、でもあなたにも関係あるから後で見せてあげるわ。」

「は、はい・・・」(エヴァか・・・)

「それより、あなたお父さんに用事あるんでしょ?こっちいらっしゃい。」

「はい、リツコさん。」

「あら、私名前教えてたかしら?」

(マズイ!)「あ、あぁ、ミサトさんが、そ、そう呼んでたから・・・」

(何か隠してる・・・?)そうリツコが感じたのは誰にも悟られることはなかった。






コンコン

「赤木です。御子息をおつれしました。」

「・・・入れ・・・。」

「失礼します。」





「・・・久しぶりだな、シンジ。」

「そうだね、父さん。ちょっとは寂しかったけどね。それと、大学の件、ありがとう。」

「うむ、問題ない。赤木博士、すまないが下がってくれ。」

「はい、失礼しました。」(この子が大学?ユイ博士の血の成せる技ね。)







「で、今日呼んだ理由は何?」

「・・・お前が大学へ行く理由を聞くためだ。なぜそこまでして行こうとする。」

「・・・母さんを助けるためだよ。」

「!!」

「びっくりしたでしょ、あの時の記憶があるなんて。でも父さんもきっとその為に今の仕事をしてるんでし
ょ?しかも、きっと何か後ろ暗いことをして・・・答えてくれないかな。ただ、秘密を守る覚悟はあるよ。消さ
れたくはないしね。」

「ふ、お前に見抜かれるとはな。これからのこともあるすべてを話しておこう。だが、そうするとお前はこ
こから逃げることはできなくなる。それでも聞くか?」

(あれぇ?“前回”よりやけに素直だな・・・でも知らなきゃ後でなんか疑われるかもしれないし)
「聞かせてもらうよ。親子に秘密は禁物だよ?」

ゲンドウは嘘も交えながらだが、ネルフの目的やゲンドウの当初の計画、ユイに会うためなら何でもする覚
悟を伝えた。

ただ、シンジが人類補完計画の話にキレかかったとき、いくつもの修羅場をくぐりぬけてきたゲンドウも、
ユイの面影の残るシンジに慌ててしまい、もしサルベージされたら全力で人類補完計画とゼーレを潰すこと
を約束したことは予想外の事実。

司令室の机が謎の穴が開き廃品となったという噂があったとかなかったとか。



「ハァ、ハァ・・・、ところで母さんを取り込んだあの怪物の・・・エヴァだっけ?あれの構造、教えてくれない
かな?それがないと基礎理論さえも作れないんだよ。」

シンジは真剣な目でゲンドウを見つめた。数十分経っただろうか。以外にもゲンドウの口が動いた。

「・・・持っていけ。お前の心は本物のようだ。あの時行われたサルベージのデータも与えてやる。MAGIに
接続すればすぐわかることだがな。ただし、一週間ごとの報告義務を課す。いいな。」

「ありがとう!恩にきるよ。」

「それと向こうのドイツ支部にも顔を出せ。仮にもお前はチルドレンだ。そこで色々と訓練を受けてもらう。詳しくは赤木博士に聞け。」

(エヴァの為・・・か。格闘訓練とかはもう十分だと思うけど。)

「わかったよ。じゃあ、四年後に、ね。」

「あぁ。」










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あとがき

第一話、投稿させていただきました。あとここでのゲンドウは何か愛想がそれほど悪くないようです。

レイに頭でもいじられたのか?

まあ、これからドイツへ渡ってアスカと出会うことになるんでしょう。

・・・どう出会うのかはまたその時。(まだ考えてないから。)

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