もし、日本に桜が咲いたなら。





                             第一話

























2000.6.6






オギャーオギャーッ



「はい、元気な男の子ですよ。お父さん?」

「・・・頑張ったな、ユイ。」

「えぇ、私たちの子供ですもの。あなた、名前は決めてくださいましたか?」

「あぁ、『シンジ』・・・だ。真実を司る、真司・・・私のようにはなってもらいたくないからな。」

「あなたは十分立派ですよ。そういえばこれから南極の調査に行くんじゃなかったかしら?」

「あぁ、委員会の命令だからな。ただ資料を持ち帰れと言われただけだ。すぐ戻る。そのあいだシンジ
を頼む。」

「えぇ。待ってますわ。」

「では・・・帰る。本当はずっとお前についていたいのだがな。」

「ありがとう。でも、しかたありませんよ。行ってらっしゃい。」

「あぁ。行ってくる。」


































2000.9.13  某所。


暗闇に12のモノリスが現れる。

『ついにこの時がやってきた。』

『我々の計画はここから始まるのだよ。』

『左様。』

『しかし、裏死海文書に書かれているセカンドインパクト、本当に起こるのかね?』

『アレが真実であれば・・・な。』

『アダムの破片と死者の無へ帰りたい欲求、その融合した果てに生まれる天使・・・使徒。』

『人類に仇なすそれらを殲滅し、その福音をもって人類は罪を償うというのか。』

『そう、無に帰することで主に懺悔するのだ。』

『その時我等は補完される。』

『全てはシナリオどおりだ。』

『では、みなの健闘を祈る。』

そうしてモノリスは闇に消えていった。



































 同時刻、日本。



「バァ〜〜〜ぶぅう」
(母さん、ついにこの日が来たよ。僕は行かなきゃならない。世界のために。)

「あらあら、シンジ、今日は元気ね。最近おとなしいから心配してたのよ〜〜〜。」

「だぁ〜〜〜」
(ありがとう、母さん。)

「じゃあ、お母さん買い物行ってくるからイイ子にしてるのよ?」

「たぁいぃ!」

「くすくす、この子は物分りが良いわね。話すのも結構早いかも。」

それもあながち間違ってはいない。まだ声帯が完全でないため喋れないが、彼は一度十四年の歳月を生
きているのだ。声の出し方もしっかり覚えている。

「じゃあ行ってくるわね。って、寝ちゃったわ。」

ユイはふすまを閉めるとハミングしながら外へ出て行った。

シンジが目を開ける。

(そろそろだな。)

シンジの体が宙に浮く。すると何も無いはずの空間に黒い穴が開いた。

シンジは恐れることなくその中に入っていく。中へ入って数秒後、穴は何事も無かったかのように消え
てしまった。











  南極

「では、これから先日見つかったUMA・・・アダムの調査に向かう。そしてこれからこの作戦をアダム作
戦と呼称する。いいな?」

調査隊の隊長と思われる中年の男性が宣言する。

「「「はい!」」」

「では、「アダム体内に高エネルギー反応!」・・・なんだと?」

「このままだと施設がもちません!」

「クッ・・・総員退避!昨日までのデータはすでに送付済みだ!命だけは忘れていくなよ!・・・ミサト・・・無
事でいろよ・・・」

「アダム付近でもうひとつ高エネルギー反応!映像、出ます・・・こ、赤ん坊です!」

「何だと?」


























































アダム・・・聞こえるかい?


































何者だ?


































碇シンジ、アダムさ。


































嘘をぬかすな、我は我しか存在しない。


































そうさ、僕は未来から来たんだから。


































ふざけるな!下等なリリンの分際でそのようなことをまだ言うか!


































じゃあ、見てみる?



















































サキエルがいる・・・・・・・・・・・・自爆。





















シャムシェル、・・・・・・・・・・・・沈黙。






















ラミエル、・・・・・・・・・・・・・・・陥落。























ガギエル・・・・・・・・・・・・・・・・・・爆破。






















イスラフェル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・紫と赤の鬼の同時攻撃によって殲滅。






















サンダルフォン・・・・・・・・・・・・・・・熱膨張によって破裂。























マトリエル・・・・・・・・・・・・・・殲滅。























サハクィエル・・・・・・・・・・・・爆発。






















イロウル・・・・・・・・・・・・・・消去。






















レリエル・・・・・・・・・・・・・・・紫の鬼に引き裂かれる。





















バルディエル・・・・・・・・・・・・・・・殲滅
























ゼルエル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・紫の鬼に食われる。

























アラエル・・・・・・・・・・・・・・・・・槍に貫かれ殲滅























アルミサエル・・・・・・・・・・・・・・・・・青い鬼に飲み込まれ共に自爆、消滅。



















































タブリス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・紫の鬼が握りつぶす・・・・・・・


































そしてサードインパクト


































リリスの亡骸と


































赤い海。










































・・・さぁ、全てを見ただろう?






























あぁ。だからどうした。これは決まっていることだ。お前たちリリンの運命だ。




























・・・・・・・・・運命なんて存在しない!自分の道は自分で決める!





















だから、お前を消す。



















ふ、笑止。やれるものならやってみろ。所詮リリスの体に我の力が宿ったところで、結局何も変わりは
しない。

丁度いい、寝起きには十分だ。遊んでやる。


































シンジはアダムの下に突き刺さるロンギヌスの槍を引き寄せ吸収した。

そしてシンジの手に体に似合わないほどの(赤ん坊なのだから当たり前だが、)槍を出現させ、アダム
に向かっていった。


































  あとがき




 現在進行中でもう一つ長編書いてるYouth−K.です。

 これもまた逆行なんですけど、いつもサキエルの時とか捨てられたときに戻るのが多いじゃないです か。
 
 桁外れな力を持って逆行してるんなら、セカンドインパクト自体止められるんじゃないか?

 ってことで、じゃあ、そしたらシンジはどんな人生を歩むんだろう・・・と思って書いてみました。

 短編で終わらせるか、長編としてシンジを見守るかはまだ決めてません。しかも設定めちゃくちゃだ
 し。

  ご意見聞かせてくださいな。

 (ちなみに学園モノとかあんまり思いつかないんですけど、きっといつか書こうと思います。)


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