――シンジってやつ、私の立場なんてなんにも知らないのに『私』のことを見てくれた・・・。
 
 
でも、そんなもの偽善に決まってる!私は一人で生きていくの!あんなやつなんか・・・
 
 
 
 
 
 
――うわ〜、アスカ、怒ってるかな・・・。
 
でも、アスカを助けるためにはどうしようもなかったんだよな・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
       EVA−RETURNER       第4話
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「たっだいま〜〜」
 
「あ、ミサトさん、おかえりなさい。遅かったですね。」
 
「いや〜、ちょっち道に迷っちゃって、さ。ネルフは5時に出たんだけどねん。」
 
(5時って・・・今、8時だよ?どれだけ方向音痴なんだこの人は!)「そ、それは大変でしたね。(汗)」
 
「そうなのよ〜・・・って、何かいい匂いがするわね。」
 
「ええ、晩御飯、作っておきました。ちょっと荷物の片付けもあったんでカレーぐらいしか出来なかったですけど、その右手のレトルトよりは
いいですよね?」
 
「悪かったわね〜、シンちゃん。 じゃあ早速いただこうかしら。おなかはもぉぺッコペコよ〜。」
 
「ははは、じゃあ用意しておきますんで、まず着替えてきたらどうですか?一応ダンボールは右側の広いほうの部屋に入れておきました
から。」
 
「そうさせてもらうわぁ。」
 
そしてミサトは部屋に入る直前、振り返って、
 
「覗いても良いけど、鼻血出さないでね〜。(笑)」
 
「み、見ませんよ!」
 
「あらあら、かっわいぃ〜〜」
 
「もう、知りません!」
 
シンジは顔を赤らめてキッチンへ向かっていった。
 
 
 
 
 
 
 
「おいし〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!これ、どうやって作ったの?どっかのレストランより数十倍はおいしいわよ?」
 
「日本ではずっと自分で作ってましたから。(あながち間違っちゃいないよね。実際は四年後なんだけど。)」
 
「実は私もカレーは得意なのよ。だから今度私が作ってあげるわね。」
 
「(ビクゥ!) い、け、結構です!ぼ、僕、毎食料理してないといけない、誰にも治せない特殊な病気なんですよ!」
 
「あら、そんなの聞いたこと無いわよ? 恥ずかしがらなくていいってばぁ♪」
 
「い、いや、本当に・・・」
 
「(プチ) シンちゃ〜〜〜〜〜〜ん? これは上官命令です。撤回は出来ないわよ〜〜〜〜〜?」
 
「は、はい・・・・・・」(もう終わりだ〜〜!死んじゃうよぉ・・・助けて、アスカ、綾波、父さん、母さん・・・・・・・・)
 
「分かればいいのよ、分かれば。あぁ〜、たっのしみだわぁ〜〜〜。」
 
「・・・もう、どうでもいいや・・・」
 
シンジがそうつぶやいたとか、そうでないとか。
 
ただ、ミサトは何しようかとあれこれ妄想しているのでまったくシンジの言葉は聞こえていなかったが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 翌日。
 
 
(シンジの心の声)
 
今日は僕の“二度目の”入学式だ。
 
前回はサードインパクト後の混乱で、かなり人数が少なかったけど、これで一つの街ができちゃうんじゃないかってぐらいたくさんの人が
いる。
 
いつまでたっても、人ごみは苦手だよ・・・
 
それにしても、何かすごくいろんな人からの視線を感じる・・・何でだろ?(それは『10歳』で、しかも『黄色人種』だからである。気づかない
のか?)
 
 
 
 
 
 
そんなこんなで入学式も無事終わり(作者が大学の入学式というものを知らないので)、ネルフへ召集される時間まで大分時間があった
ため、登録制の個人用研究室(学内の人間なら誰でも一室登録可能!教師も大抵ここに個人的に所有している。)を登録しに行くことに
した。
 
 
 
 
 
 
 
 
登録し終わると早速、今まで頭の中に記憶してあった逆行前の情報・・・主にこれから必要とされる研究結果に始まり、前回起こった歴史
など考えうるもの全てをコンピューターに、128bitの――たぶんオリジナルのMAGIを使わなければ開けることの出来ないほどのプロテ
クトを五重にもかけて打ち込んだ。
 
これはあのリツコでも破ることはできないだろう。
 
そして、父さんにサルベージの基本方針と、どうせ見ないだろうがいくつか到着してからの体験を綴ったものを極秘回線であらかじめ決め
られた暗号に変換して送信した。
 
 
 
 
 
 
数時間して、作業も終わり(数時間で終わること自体すごいが)、ドアを開けるとアスカが丁度角を曲がってくるのが見えた。
 
今ここで会うのはまずい・・・と瞬間的に判断したシンジはとっさにドアを閉めようとしたが、相手方はすでにこちらに気づいていて、あと
少し・・・というところでドアをこじ開けられた。
 
「アンタ!! 何でこんなところにいるのよ! どうせパパとかに会いに来たんだろうけど、あいにくここはアンタみたいなお子様の来ると
ころじゃないのよ?さっさと帰んなさいよ! 下手に見つかったら警察呼ばれるわよ?」
 
「でも、ここは僕の部屋だから大丈夫だよ、アスカ。」
 
「そう、アンタのなら大丈夫ね・・・・・・・・・って、見え透いた嘘をつくなぁ〜!アンタがここの部屋を取れるわけ無いじゃない!ここは大学の
関係者専用よ!」
 
「僕だって生徒だから大丈夫だよ。今日入学したんだ。」
 
「・・・・・・てことは・・・・・・えぇ〜〜〜?嘘でしょお?どう見ても私と同じくらいの年じゃない!」
 
「うん、今年で10歳になったよ。これからもよろしくね?」(ニコ)
 
「・・・べ、別にアンタとなんか仲良くする必要は無いけど、しょうがないから仲良くしてあげるわ・・・って、あぁ〜〜〜!遅刻しちゃう!」
 
アスカはそのまま走り出した。
 
「うわ、僕もやばいな。急ごう。」
 
こちらも言い方は依然としてマイペースだがかなりのスピードでアスカと同じ方向に走っていった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タッタッタ・・・・・・・
 
「ちょっと!アンタ、なんでさっきから私についてきてるのよ!」
 
「しょうがないだろ?僕だって行き先がこっちなんだから!」
 
「こっちって言ったって、もう後は何にも無いわよ?」
 
「アスカだってこっち来てるじゃないか。」
 
「私はいいのよ。「アスカ!何してるの、遅れるわよ!さあ、乗って。」 
 
車に乗っていた手入れの行き届いたブロンドの髪をポニーテールに縛ったミサトと同じくらいの年であろう女性が窓越しに叫んだ。
 
そしてシンジに気づいて、
 
「!! あなたも一緒だったのね。アスカと一緒に乗りなさい!」
 
「え?あなたは・・・?」
 
「ネルフドイツ第三支部・作戦部所属、シェリンダ=ハルベルト。シェリーで良いわ。これからはあなたの直属の上司になるの。よろしく
ね、碇シンジ君?」
 
「は、はい。」
 
話についていけてなかったアスカはやっと復活した。
 
「・・・ちょっと、シンジ!もしかしてアンタ、チルドレンだったの?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   あとがき
 
 え〜、学校祭や何やらで遅れてしまいました。
 
なにやら最近エラーメールがたくさん届いてます・・・なんででしょ?それが感想メールでないことを祈ってます、今日この頃。
 
執筆のほうも頑張ります!応援よろしく!


作者"Youth-K."様へのメール/小説の感想はこちら。
youth-k01@mail.117.cx

感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

inserted by FC2 system