「会場の皆さーん、今日は来てくれて

 どうもありがとう!」

「皆、最後まで楽しんでいってね!」

ウォォォーーー


ここ第二新東京武道館には今、世間から注目されている

二人組がコンサートを行っている。

二人の名前は惣流アスカと綾波レイ。どちらも絶世といって

いいほどの容姿を持った美少女である。

『Purple』 それが二人のアーティスト名だ。

この二人は2年前、大手レコード会社「NERV」から

突如送り出された大型新人だった。デビュー曲から

毎回100万枚を越す売り上げを誇っていて、最近では他の方面で、

バラエティー、ドラマ、映画、CMなどいろんな所から

オファーが来ている。

今をときめく、この二人を子供から老人まで知らぬ者はいなかった。















Is she idol?

                                                                             作品番号No.003

                                                                         by .ゼウス




第三高等学校

「シンジ、じゃあな」

「またなー」

「うん、バイバイ」

ここに碇シンジという高校生がいる。

別にそこら辺にいる高校生と何ら違わない普通の学生である。

顔はそこそこ、運動は至って普通、成績はまぁまぁ、

特技はちょっとチェロが弾けるぐらい・・・。

そんな平凡な彼は今、学校が終わり帰り支度をしていた。

そこへ突然、教室のドアが開かれた。そこに立っていたのは

一人の少女だった。その容姿は中々可愛らしく、幼い感じがあった。

その少女はシンジ以外帰ってしまった教室を見回し誰もいなのを

確認するとシンジに近づいてきた。

「碇先輩。あの私、1年3組の斉藤真知子というんですけど、

 ・・・ちょっといいですか?」

「うん、いいよ」

斉藤と名乗った少女は頬を少し染め、顔を俯かせ恥かしそうにしている。

「あの、実はわ、私、碇先輩のことがす、好きなんです!

 もしよろしかったら、私と付き合って下さい!」

最初顔を俯かせながら言ったが、途中から顔を上げ、

シンジを見つめながら告白した。

「・・・・・・えっと、君の気持ちはすごくうれしい。

 けど僕は君と付き合えない・・・。ごめん」

シンジは頭を下げ少女に謝った。

「い、いえ、私の方こそ迷惑だったですよね。

 本当ごめんなさい」

シンジにそう告げると逃げるように教室を出ていった。

余談なのだが、密かにシンジはモテる。彼の良い所は人一倍、他人に

優しい。それがとても好意的で今では男女問わず好かれているのだ。

そして、時々シンジに告白して来る女の子もいる。

だから先程の少女もその一人だったようだ。

(フゥ、別にあの子も悪くはないんだけどなぁ。

 けど・・・何か誰とも付き合う気になれないん

 だよね)

ノートを鞄の中に入れシンジは教室を後にした。






第三新東京市内

この日、アスカとレイはドラマの撮影のため

此処第三新東京市に来ていた。

現場には二人を一目でも見ようと大勢の人達が

詰め掛けている。しかしその所為で撮影が出来なく

なっていて先程から警備員やスタッフが大衆を

押さえていた。

「フゥ、たかがドラマの撮影なのにどーして

 こんなに人がいるのよ!まったく」

「しかたないんじゃない?一応、私たち

 けっこう有名だしさー」

愚痴るように言うアスカをレイはそっけなく

言った。

「学校は休みだってのにアタシたちは仕事かぁ・・・。

 あーあ、こんなことならカヲルとデートすれば

 よかったかなぁ」

「・・・アスカ。まだあんな奴と付き合ってたの?」

呆れた表情でレイは言った。

「しかたないじゃない。そうすれば世間でも話題になるし

 どっちも儲かって悪くない話だしね」

「アスカは自分の気持ちにまで嘘をついて売れたいわけ?」

レイは怒気を露にしてアスカを睨んだ。

「・・・アタシだって好きでやってるわけじゃないわよ。

 それにアタシ、まだ好きな人もいないからいいのよ。

 ―――ったく、暗い話はここまで!」

一瞬、自嘲を浮かべたがすぐに笑顔をなり話題を

切り替えた。

「しっかし暇よねぇ・・・・・・! そうだ!ねぇレイ。今から

 抜け出してどっかに遊びに行かない?」

「えぇ?・・・でも撮影はどうするのよ」

「そんなモン、この状況じゃ無理よ。ホラ、そうと決まったら

 さっそく行くわよ!」

「あっ、ちょ、ちょっと待ってよーアスカ」

飛び出すように離れていくアスカに慌てて追いかけていった。






「何か今『Purple』がドラマ撮影をやってるらしいぜ」

「え?マジで?じゃ今から行こうぜ」

「おう」

(『Purple』?―――聞いたことなぁ。まっ、たぶん僕が全然テレビを見ないから

 知らないだけだろうな。それに知ってたとしても僕には関係ないけど)

皆がドラマ現場に行こうとしている中、シンジは心の中でそう思い、

家へ帰るのであった。

(今日のオカズ、何にしようかな?)

・・・君はどこに行っても君だな、シンジ。






「まったく、レイのやつ。どこに行ったのよ?」

レイと一緒に抜け出して来たはいいが、途中で

共犯のレイと逸れてしまったのだ。

「ホント、レイはアタシがいないとだめねぇー」

本人が聞いたら真っ先に「それは逆でしょ!」と

言っただろう。

ブチブチと愚痴りながら街中を歩いていく。

アスカは周囲に自分が芸能人とバレないに変装していた。

被りが深い帽子で自慢の亜麻色の髪を全て隠し、

透き通った蒼い瞳を黒いサングラスで隠していた。

・・・ありがちな変装である。

しかし周囲はまったく気付いていない。

アスカはドイツとアメリカと日本のクォーターであって、

その白い肌や日本人女性の平均を軽く超えているボディで

目立って直ぐにバレそうなのだが、どうやらこの第三では

そう珍しくはないようだ。現に外人があちこちにいたりする。

「フゥ、しかたない。一人で回ろうっと」

溜め息を一回吐き、再び歩き出した。

・・・どうやらレイのことは諦めたようである。

彼女は未だアスカを探しているだろうに。




ドンッ



「キャッ」

「うわっ」




「イタタタ」

「あっ、す、すいません。大丈夫ですか?」

アスカと男はぶつかった。どうやらぶつかった男も

アスカもぶつかる前、よそ見をしていて気付かなかったようだ。

そのよそ見をしていた男の名は―――お分かりだろうが、

碇シンジである。

すぐさまシンジは倒れたアスカに手を差し出した。

「!!!」

「ったく・・・もう。ちゃんと前を見て歩きなさいよねー」

自分もよそ見をしたことを棚に上げて、

アスカはシンジの差し出した手を掴み、

立ち上がった。

「んっ? 何、人の顔をジロジロ見てんのよ?」

「! あっ、いやゴメンなさい。何でもないです」

アスカを見た瞬間、シンジは惹かれた。

サングラスがずれて見えた顔は美しく、何よりそのサングラスの

奥にあった蒼い瞳がすごく綺麗だった。

シンジが初対面の人に「君がとても綺麗だったから」なんて

言えるはずもない。だから誤魔化したのだ。

「まっいいわ。―――!」

アスカはサングラスがずれていたことに気付き、

慌てて直した。さらに目の前にいるシンジや周りに

自分がバレていないか確認する。

「んっ、どうかしたんですか?」

「アンタ、アタシが誰だが分かる?」

「? いや分からないですけど・・・。どこかで

 会いました?」

「ううん、わかんないならいいわ」

どうやらシンジも周りも気付いてはいないようで

アスカは安心した。そして何を思ったか手を口の前に

持っていき何かを考え始めた。

「本当にスミマセンでした。ではサヨナラ」

シンジは頭を下げ、家路へ歩き出そうとした。



ガシッ



アスカはシンジの服を掴んだ。

「アンタ、人にぶつかって置いてお詫びの一つも

 出来ないわけ?」

「おっ、お侘び?で、でも何をすればいいんですよ?

 僕、お金も持ってませんよ?」

「なーに、簡単なことよ。ただアタシにこの街を

 案内してくれれば許してあげるわ。アタシ、ここに

 来たの初めてで困ってたのよねー」

「ええっ?」

「何っ?何か文句でもあるわけ?」

ギロッとシンジを睨みつけた。

「それともまさか、こんな可愛い女の子を街のど真ん中に

 置いて行くっての?」

「うっ」

「文句がないんだったら早く案内するの!」

シンジの背中をドンッと叩き、アスカは前へ歩き出した。

(はぁ、どうしよう?今日は早く家に帰るつもり

 だったのに・・・。母さんと父さんに何て言おう?)

「そう言えば名前聞いてなかったけど、

 何て言うの?」

「碇シンジ」

「そう、じゃあシンジでいいわね。アタシは惣流アスカって

 いうの。アンタもアタシのこと、アスカって呼ぶのよ」

アスカは後ろに振り向いて、微笑った。しかし、今のアスカは

変装していて顔が見えなかった。

シンジは笑顔を見せたアスカを

(この人の笑顔、とっても綺麗なんだろうなぁ)

などと思っていた。




これがアスカとシンジの最初の出会いであった。




NEXT...





後書き&反省文


今回はキャラコメに初挑戦だぁぁぁー!(笑) 


.ゼウス:というわけで、始まっちゃいましたよ。ゲンドウ君。

ゲンドウ:フッ、問題無い。

.ゼウス:(何が?)ていうか、貴方、正直キャラコメに絶対出てきそうにないタイプですよね。

ゲンドウ:・・・今回はどうしても出てほしいと依頼があったから、出たまでだ。

.ゼウス:そうですか。まぁこの企画、今回で終わっちゃうかも知れないので大丈夫ですよ。

ゲンドウ:・・・。

.ゼウス:えーとLAS人の皆さま、後編ではシンジとアスカは前作よりも少し

     ラブラブになっているので楽しみにしてください。あっ、あと、できるだけ感想やアドバイス

     を一言でもいいので送ってね。お待ちしてますので。(ククッ。落ち込んでる、落ち込んでる)

ゲンドウ:何だ、もう終わりか? ←復活

.ゼウス:ええ、お疲れ様でした。ゲンドウ君、もう帰っていいですよ。(チッ)

ゲンドウ:フッ、私は忙しいのだ。帰らせてもらおう。


スタスタ


.ゼウス:あっ、ゲンドウ君。一つ言い忘れてたことがありましたよ。

ゲンドウ;・・・何だ?(フッ、次回も来てくれというつもりか?)

.ゼウス:次回、キャラコメがあっても貴方はもう絶対呼びませんので。用件はそれだけです、それでは。

ゲンドウ:・・・・・・。



マナ:ゼウスさん投稿ありがとーっ!\(^O^)/

アスカ:アイドルだってぇ。

マナ:アスカがアイドル? 綾波さんは、わかるけど。

アスカ:ファーストはおまけよ。おまけ。

マナ:シンジは、2人のこと知らないみたいね。

アスカ:アイツはそういうこと、うといヤツなのよ。だから、丁度良かったわ。

マナ:丁度もなにも、脅迫して無理矢理街案内させてるだけじゃないの。
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ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

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