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  DISK4 Black Diamond              BY zodiacok
 
 
 

「あれ、おかしいわね。」

もう一度やってみる

「あれ?変ね。」

何度か繰り返してみる

「やっぱりだめね。・・・もう!ちゃんとしてくれなくちゃ困るじゃない!」

手にしたそれを、握りつぶす

「しょうがないわね。ま・・・私のせいじゃ、ないしね。だってこうするしか方法が無いんですもの。」

その目が、怪しく輝いた
 
 
 

また、それからしばらく経った同じ場所で

「あれ?」
「あ?どうしたんだよ。」
「うん。動かないの。」
「ハァ?ちょっとどいてみな。」

アスカもやってみるが、やはり反応が無い

「あれぇ?ほんとだ、開かねーな」
「でしょでしょ。」

アスカ達三人はネルフ本部のゲートの前にいた
しかしIDカードをチェックに通しても、何の反応も無い

「っかしーな?どーなってんだよ!」

げしげしと扉に蹴りを入れるアスカ
すると、レイが一つだけ開いてる門を発見した

「あそこ、開いているわ。」
「あっ!ねぇねぇアスカ、あそこからは入れるよ。」
「ん。ああ、そうだな。・・・でもよ、あれを開いているって言うのか?」

そう、それは確かに門が開いているというより、壊されたと言う方が正解のようだ

「やっぱり入れなくて困ってる人が開けたんじゃないの?」
「そぉかぁ〜?このゲートをぶち壊すのってかなり大変だぞ?ちょっと来て、開かなかったから開けてみましたって訳にはいかねーだろ。」
「そうね。それに、カードを差し込んでも何の反応も無いというのもおかしいわ。」
「確かに。カードが違ったりしたら‘エラー’が出るのが普通だもんな。」
「ええ。」
「ってことは、なんかあったってことか。」
「そうね。とにかく、本部へ急ぎましょ。」
「ああ。」

開いている(開けられた?)門から、レイに続いてアスカも中に入ろうとする
そのアスカの制服を、ユイナが引っ張った

「ねえねえ、アスカァ。」
「ん?なんだよ。」
「なにかって、なに?」
「・・・・・。」

一瞬、目が点になるアスカ

「ねえってばぁ。」
「・・・なにかって、なにかだよっ!」

アスカの空手チョップが、ユイナの額に炸裂した
 
 
 

そして冒頭の人物は

「いや〜!ここは、どこ〜!!(T△T)」

思いっきり、道に迷っていた
 
 
 

薄暗い通路をアスカ達が進んでいる

「ねぇ〜、アスカってばぁ。」
「なんだよ。あんま引っ付くなよ。」

ユイナは、アスカの手を持ってぶんぶんと振り回してる

「ねぇ〜、アスカァ。まだ、着かないのぉ〜?」
「うるせーな。まだだよ。」

歩きながらアスカの掌で遊ぶユイナ
指と指をからませたり、軽くつねってみたり

「あー、アスカってちゃんと爪を切ってるんだ。」

しげしげと見つめる

「当たり前だろ。EVAのパイロットなんだから。」
「え、なんで?」
「プラグスーツを着るからに決まってんだろ。・・・ほぉら、は・な・せ・よ。」

口ではそう言うものの、させるがままのアスカ
爪も、先日たまたま切っただけの事だったりする

「えへへ〜。アスカの手って、気持ちいいね。」
「はいはい、ありがと。」
「私、アスカの手が大好き。」
「そーか、そーか。」
「ううん、手だけじゃないよ。・・・わた「静かにして。」」

突然、レイが歩きを止めた

「ん?どうした。」

アスカも止まる
だけど、ユイナだけは止まらずにアスカの手を引っ張ってしまう

「おおっと!」
「はにゃ?」
「・・・何やってんだよ。」
「へへ〜。ごめんなさい。」

それでも手は離さない
アスカは呆れたが、気を取り直してレイの方を向く

「どうしたんだよ。」
「静かにして。」
「なっ・・・。だから!」
「人の声がするわ。」

「「えっ。」」

アスカとユイナも、慌てて耳を澄ます

「・・・は・・・・。誰か・・・の〜。」

確かに人の声がする
そっちの方に進んでみる

「ここはどこ〜。誰かいないの〜。」

だんだんと、声が大きくなってきた

「おい!誰か居んのかよ!」

アスカが呼びかける
と、脇の通路から人が出てきた

「あ〜、人がいた。よかったぁ。すっかり道に迷っちゃって。真っ暗だったし、どうしようかと思ってたの。」

にこっと笑ってみせる
大き目のサングラスにネルフの制服
モデルなみの高身長

もっとも、スリーサイズは上から順に「ナイ・ナイ・ナイ」といった感じだが

そして茶色のショートヘアー
笑いながら、三人をサングラス越しに見つめてる
ユイナは、なんだか怖くなってアスカの後ろにそっと隠れた
と、

「あら・・・・やだー!アスカじゃない!!」

その視線がアスカに行った途端、いきなり抱きつく

「む〜!」

それに、ユイナが怒りの視線を向ける
アスカの手を、握ったまま

「な、どうして俺を知っている!?」
「あら、あなたこそ。どうして私を知らないの?」

そう言ってサングラスを外した

「これでも?」
「げっ・・・キ、キリシマ!マナ=キリシマか!?」
「いやん!マナって、呼・ん・で!!」
「だ!だれが!!」

アスカは、右手でキリシマを跳ね除ける

「あら、冷たいんだ。」

そう言って一回転してみせる

「私は今朝六時に起きて、アスカの為にこの制服を着てきたのにぃ。」
「嘘つけ!」

速攻で否定するアスカ

「あら、ばれちった。」
「たりめーだろ。・・・それより、お前は何しに来たんだよ?ドイツの方はいいのかよ。」
「私?私は碇指令からじきじきに転属の辞令が出るってゆうんで、それを受け取りにね。・・・でも。」

肩をすくめるキリシマ

「ゲートが開かなかった時は、どうしようかと思ったわよ。」
「・・・で、どうしたんだ?・・・・・まさか!」
「うん。開けてきた。」
「ハァ?あ、開けてきたって・・・どうやってだ!?」

キリシマは、アスカの唇にそっと人差し指を当て

「それは聞かない約束でしょ。・・・それよりも。」

アスカの後ろに視線を移す
そこには、おびえたように両手でアスカの左手を握り締めているユイナの姿が

「その子、アスカの新しい彼女?」
「バカ、何言ってんだよ。さっさと発令所に行こうぜ。」

唇に当てられた指を跳ね除け、歩き出す
それに続いてレイ、引っ張られるようにしてユイナもついていく

「ふ〜ん、否定しないんだ。」

そう言って、手にしたサングラスをかけ直す

「あら、また真っ暗になっちゃった。」
 
 
 

ちょうどその頃発令所では、日向マコトによって使徒襲来が知らされていた
「現在使徒接近中です!!」
 
 
 

そして4人に増えた一行は、無言で歩いていた
先頭をレイ、その後ろをユイナと手をつないでいるアスカ
そのユイナと、アスカを挟んだ反対側にキリシマがついていく

キリシマはさっきから横目でユイナを見ている
その視線から隠れるようにユイナは、アスカに見を寄せている

しばらくして、キリシマが口を開いた

「あなた、アスカのお気に入りなのね。」
「・・・え?」

アスカ越しに、ユイナを睨む

「何か、かわいがられてるみたいじゃない。・・・手なんかつないじゃってさ。」
「へへへ・・・そうかな?」
「は?・・・誉めてるんじゃないわよっ!」
「ご、ごめんなさい・・・。」
「なんなのよ・・・。アスカも珍しいじゃない、手をつなぐなんて。」

そして今度は、アスカに視線を移す

「・・・やめろよ。」
「ドイツにいた頃は、そんな事したことないじゃない。」
「うるせーなぁ。」
「そういえば、葛城さんはどうしたの?‘ミサト、ミサト’言ってたじゃない。」

「うるせーって言ってんだよ!!」

アスカは、前方を睨んでいる

「なによぉ。・・・怒鳴ることないでしょ!」

決して、レイを見ているわけではない
その証拠に

「るせーな。・・・今話す事かよ。状況を・・とぉ!」

突然立ち止まったレイに、ぶつかってしまった

「・・・何してんだよ。」
「行き止まり。」
「行き止まりだぁ?」

確かに、行き止まりだ

「は?じゃあ、ここにあるのは何だ?」

だが、そこには「非常口」と書かれた扉があった
そのドアを開けようと、手を伸ばすアスカ

「でも、そっちは・・・。」

‘外’と、レイが続けようとする前に、アスカがそのドアを開けてしまった

 ズドン!!

と、その瞬間鼻先を何かがかすめた

「「「し、使徒!?」」」

たくさんの目のついた下向きの半球状の物体に、4本のカニのような足の付いた使徒がいた

「クッ!本部に急いぐぞ!」

アスカの言葉にうなずくユイナとレイ

「その必要は無いわ。」

三人を、キリシマが止める

「な、なに言ってんだ!」
「ふん、見てなさいよ。」

そういうと、ドアのところで仁王立ちし
ゆっくりとサングラスを外した

「スペースリパー・スティンギーアイズ(空烈眼刺驚)!」

「「「なっ!」」」

キリシマの目から一本の光線が発射されると、それは(おそらくは正確に)使徒のコアを打ち抜いた

「ふせてっ!」

そう叫んだキリシマが非常ドアを閉じた瞬間、使徒は大爆発を起こした

「な・・・い、今のは・・・・。」

するとキリシマは、驚くアスカの唇にそっと人差し指を当てた

「それは聞かない、約束でしょ。」
 
 
 

床も天井も、一面黒で統一された部屋
ただ、窓の外だけが白く光っている
そのネルフ司令室に赤木リツコ、冬月コウゾウ、碇ゲンドウの3人がいた

「ゼーレには、今回の使徒はEVA3機による連携によって殲滅したと報告してある。」
「そうか。・・・赤木君。彼の能力は一体?」
「はい。ATフィールドを極限にまで圧縮し、それを発射する。その方法からいって、EVAの兵器としての転用は不可能かと。」
「ふむ・・・しかし碇、アメリカ第二支部への転属。そこまでする必要があるのかね。」
「彼をほうっておくわけにはいくまい。今、レイの秘密をゼーレに知られるのはまずいからな。」
「ええ。彼、‘霧島マナブ’の存在は多分にイレギュラーなものでした。」
「だがアスカ君達が知ったら・・・。」
「知られなければ済むことだ。」

 ・・・・・

それから数日後‘マナ=キリシマ’こと‘霧島マナブ’は、アメリカへと旅立っていったのだった
 
 
 

〜次回予告

常夏の世界‘第三新東京市’
‘男と男’‘男と女’‘兄と妹’そして‘父と娘’
特殊な世界の人間関係は、どこにでもある関係だった

 CHANGE DISK TO THE 夏を待ちきれなくて

「・・・ふん!アスカなんて知らないもん!!」

「な、何があったんだね、一体?」
 
 
 
 

あとがき

こんなんでいいのかな?(^^;
確かキリシマさんは女性で、マギのスペシャリストとして(出てきていない)マヤの代わりになるはずで
もっと、ユイナに意地悪をする役だったような気がするんだけどなぁ・・・

お贈りしたのは「‘鋼鉄の〜’は実は良く知らなかったりする」zodiacokでした


マナ:いっ、いやぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーっ!(TT)

アスカ:アンタ、何しに出て来たの?

マナ:男の子になってるぅぅっ! しかも、超エキストラーーーーーーーーーっ!!!!(TT)

アスカ:でも、なんかアンタ異様に強かったわねぇ。

マナ:か、か弱いわたしが、使徒を一撃で・・・そんなのいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!(TT)

アスカ:それはそうと、アタシ達な何の為に一生懸命暗闇の中を歩いてたのかしら?

マナ:あとがきの、マギのスペシャリスト役の方がいいっ!

アスカ:まったくぅ。往生際が悪いわよ。

マナ:はっ! そうだっ! わかったっ!

アスカ:ナニがよ?

マナ:今回、登場したのは見知らぬマナブ君なのよっ! きっと、わたしはマギのスペシャリストとして出るんだわっ!

アスカ:ほんっと・・・往生際が悪いわね。

マナ:だ、だって・・・(; ・)
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