『14歳の性教育』

                                byCorwin
epiloge?prologe? 「やってきたあのこ」

  

                  
 「起きなさい!バカシンジ。」
 「あ、アスカ、おはよう。」
 「ようやくお目覚めね、まったくいつもいつも寝ぼけて・・・あたしが居なかったら
 間違いなく遅刻の常習犯ね。」
 「そうだね、アスカ、ありがと・・・だから・・・」
 「こら、それが毎朝起こしてくれる幼なじみに対する態度?」

 シンジはその言葉に身を起こすと、アスカの手を取る。

 「幼なじみじゃなくて、恋人にだったら相応の対応を取るけど?」

 そのまま唇を奪ってベッドに引きずり込む。

 「やっ・・・遅刻しちゃう・・・」

 その言葉は内容とは裏腹に甘い感情に満ちている。

 「こんな時間で?」

 時刻は6:30、始業まで2時間はある。

 「・・・期待してたんでしょ?」
 「・・・ばかぁ。」


 
 居間ではユイさんが朝食の仕度をしている。

 「まったく、シンジったら毎朝しょうがないわねぇ・・・」

 シンジの部屋の扉からはかすかに甘い声が聞こえてくる。

 「ああ・・・」
 「ほら、あなたも新聞なんか読んでないで・・・」
 「まだ早い、急ぐ必要はないと思うが?」

 にやりと笑いつつそう答えるゲンドウ。
 その手はユイさんの腰に回されている。

 「もう・・・冬月先生にお小言を食らうのは私なんですからね。」

 いいつつ顔は嬉しそうだ。

 「問題無い。」

 ゲンドウは立ち上がると、ユイを抱き寄せた。



 「おばさま、手伝います。」
 「あら、ありがとうアスカちゃん。」

 台所では二人の女性が話している。
 どちらも微かに頬を上気させており、艶を増しているようだ。

 「・・・シンジ。」
 「なに、父さん。」
 「・・・わかいな。」
 「父さんもね。」


 
 「今日転校生がくるんだってね。」
 「ここも遷都が決まったからね・・・もっと増えるわよ。」
 「転校生、どんな子かな・・・アスカみたいに可愛い子だといいな。」
 「ばか・・・何言ってんのよ。」



 「やーばいやばい初日から遅刻じゃちょーやばいってカンジよね。」

 パンをくわえ器用に呟く彼女の視界に、突然人影が!  

 「うわあっ!」

 何かにぶつかり転がったシンジの視界に肌色と白。

 「?」
 「あはは、ごめんねまじ急いでたんだ。」

 立ち上がり駆け去る少女。

 「ほんとごめんねー」  

 その後ろ姿に、二人は不思議なデジャヴを感じていた。



 「なにぃ?で、その女のパンツみたっちゅうんかおまえは!」
 「うーん・・・ちらっとだけで、色しか分からなかったから・・・」
 「かーっ!朝っぱらから運のええやっちゃ!」
 
 「もう、あいつらったらしょうがないわね、アスカもそう思うでしょ?」
 「ほんと、しょうがないわね。」

 言葉はそう言っているものの、シンジを見るアスカの目は優しげである。
 親友の態度に違和感を感じたものの、トウジへの糾弾を止めるつもりはないらしく、
ヒカリはトウジの頭を叩くべく行動を開始した。



 響く爆音。
 2−A担任葛城ミサトの登場である。
 しかし・・・このような時間に教師が登校するのは問題がないか?
 そんな疑問も吹き飛ばすかのように辺りに愛敬を振りまいている。

 「はー・・・やっぱミサトせんせはええのぅ・・・」

 だらしなく鼻の下を伸ばすトウジやケンスケとは対照的に、
シンジはアスカの方を向くと軽くうなずくようにして微笑んで見せる。

 「ほんっとにしょうがないんだから!」

 憤然とするヒカリ。
 対しアスカは嬉しそうにしている・・・が、
想い人の不甲斐なさに憤っているヒカリは気付かない。



 「綾波レイです、よろしく。」
 「あーーーーっ!」

 立ち上がるシンジ。

 「あ、あんたけさのパンツ覗き魔!」
 「なによ!あんたが勝手に見せたんじゃないの!」
 「なに、このこかばっちゃって、もしかしてできてるわけ、ふたり。」

 アスカ、ふっと微笑む。

 「そうよ、あたしとシンジはできてんの。」

 騒然となる教室。

 「いやん不潔よぉーーっ!」
 「ちょっとアスカ!どういう事か後で聞かせてもらいますからね!」
 「なんやシンジきさんだけ先に大人になりよって!」
 「羨ましいぞ碇シンジ!」

 そんな喧騒にも、レイは考えに沈んだままだ。

 「?・・・あの、綾波さん?」
 「!もしかしてすかちゃんとしーちゃん!」
 「そ、その呼び方は・・・」
 「もしかしてレイ!?」
 「やっぱりしーちゃん!よかったーあの時の約束まだ憶えてるよね。」
 「や、約束ぅ?」
 「もー、あたしの躰の隅々まで知った後で言ってくれたじゃない、「責任を取る」って」

 その言葉で教室にはN2爆雷が投下された。

 「ちょっとシンジどういうこと!あたしが初めてじゃなかったってぇの!」
 「ち、ちがうよ、だから初めてはかあさ・・・あっ!」
 「どういう事やシンジ、まさかきさん・・・」
 「背徳の情事!スクープだ!!」

 もはや誰にも止められない。
 晴れ渡った空を、ただお決まりの叫びがこだましていった。



 「不潔よおおおおおぉぉぉぉぉーーーー・・・・・・」



                                (たぶん、ふぃん)  

 

Corwinさんのメールアドレスはここ
ymcorwin@broadway.or.jp


中昭のコメント


いやーんな感じ



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