君に恨まれても

(第二話)

 赤く崩壊した世界・・・・・・・

僕の腕の中で何もできずに死んでいく、僕が愛した女性。

僕は絶望しもう一度やり直すために人類補完計画の依りしろとされた時に

手に入れた力・・・・・・・・・アダムとリリスの力が融合した力・・・・・・

神の力を使い時を飛んだ・・・・・・・・愛する人を死なせないために。

 

 

 

僕が意識を取り戻した場所は駅のホームだった、

そう僕が父さんに捨てられた場所。自分の姿を確認してみると

やはり4歳の時の姿をしていた。

もうすぐしたら叔父さん夫婦が迎えにくる。

僕はすぐにその場所から離れ、今まで一度も会ったことのなかった

祖父母のいる家に向かった。

祖父母は僕がきた時、喜んで歓迎してくれた。

僕はあの頃は祖父母に会うのが怖かった。会っても拒絶されるに

決まっていると自分で勝手に思い込んで。

僕は祖父母に事実を話した。最初は信じてくれなかったけど、

神の力を見せると驚愕の表情をして信じてくれた。

 そして僕も驚いたことがあった。祖父母は世界の3分の1を

牛耳る碇財閥の当主だったということだ。

最近娘(母さん)に死なれ 、孫に会わせてくれと父さんに頼んでも

も会わせてくれず寂しい思いをし生きる意思をなくしていたという。

どうやら父さんは僕を弱い人間に育てるだめに、わざと会わせなかったみたいだ。

祖父母は僕が会いにきてくれ「生きる目的ができた!」っといってくれた。

 どうやら自分たちが死んだ後、財産は僕に譲る気だったようだが、後見人と

なった父さんがE計画にすべての財産を利用したために、僕は知らなかったようだ。

 しばらく祖父母と話し合いをし、僕がここにいるということは父さんには秘密にする

ことになった。おそらくあの男に僕がここにいると知ったら己の計画のために叔父夫婦

のもとに連れて行くだろう。僕を弱い人間にするために。

それからというもの僕は忙しい日々を過ごした。

10年後の戦いに備え、戦術、戦闘術を学び、勉学のほうは

補完計画の時に母さんや他の人々から知識を受け継いだが、それを活用

するには、それなりに学ぶことが山ほどとあった。

 そして、今僕は碇家の当主とし、この地を戻ってきた。そう全ての始まり

第三新東京都市に・・・・・・・・。

 

 

 僕はあの思い出の場所にきていた。第三新東京都市が見渡せる丘の上に。

「前はミサトさんに連れてきてもらったんだっけ。」

シンジは懐かしそうな顔をし、目の前に広がる風景を見つめる。

「あの時と変わらないな・・・・変わったと言えば僕か。」

シンジはそういうと自分の髪の毛をなでる。

「あの時は楽しかったな、家族ゴッコだったけどミサトさんがいてアスカがいて、でも僕はもうあのころに戻れないんだ・・・・・・・もう。」

その時、シンジの後ろで車が止まる音がする。

「シンジ様、お迎えにまいりました。」

「神崎さん・・・・。」

・神崎ヒトシ、

30前の年齢にも関わらず、元国連軍の准将で、

その手腕は戦闘だけにとどまらず政略方面においても世界から

一目を置かれ、あまりにも魔法のような手腕に“ペテンシ師”と

呼ばれた男である。そして、僕がもっとも信頼している仲間・・・・・・。

「神崎さん・・・・・・様はやめてよ。爺じゃないんだから。」

「プッ!ハッハッハ、すまんすまん。ちょっとからかってみただけさ。」

「はぁ、まったく・・・・・それじゃ行こうか。」

「そうだな。」

「ん?・・・・」

シンジは何かの気配を感じたのか辺りをうかがう。

「どうした?シンジ。」

「いや、気のせいみたいだ。それじゃぁ行こう。」

二人は車に乗り目的地へ向かう・・・・・そうネルフへ。

 

 

 

 

 

ネルフ本部

「ねぇ、アスカーどうしたのよ〜。」

休憩室にミサトの情けない声がする。

「うっさい!!ほっといて!!!」

アスカはあの使徒との戦いからずっと不機嫌が続いていた。

「ちょっとアスカ使徒に負けたからって言ったって次があるじゃない!

 生きてさえいれば再戦の機会があるわよ!!。」

「うるさいっていってんでしょ!!それにそんなの関係ないわよ!!」

「関係ないってアスカ・・・・・・・あの機体のことを気にしているの?。」

さすがのミサトも気になっていないわけではなかった、いや片時も頭から離れたことはなかったのだ。使徒はEVAしか倒せないっといった自分達の主張が覆されたのだから。

「葛城三佐・・・・・・・・・時間です。」

いつの間に部屋にはいったのか綾波レイがミサトに話し掛けてきた。

「え!!レイもうそんな時間なの。」

「はい・・・赤木博士が待っています。」

「まったく、使徒の回収作業やあの機体の調査でこっちは忙しいってのに国連の馬鹿どもは何を考えてこんな時に調査団なんかよこして!!」

ミサトは扉に前で振り返る。

「アスカ、きにしちゃ駄目よ。」

ミサトはそういって部屋から出て行く。

そして部屋の中にはアスカとレイだけが残った。

「何を怯えているの・・・・・・・」

しばらくの沈黙を破りレイが口をあける。

「あたしが怯えているっていうの!!」

「今のあなたは自分に怯えている・・・・・何をそんなに怯えているの?」

「うっさい!!あんたには関係ないでしょ!!」

「・・・・・・・そう・・・・・」

レイはそういうと部屋から出て行く。

「わからないのよ・・・・・」

アスカは膝を抱え小さく呟く。

「あたしだって、自分の気持ちに・・・・・・・なんだっていうのよ。」

休憩室でアスカは小さくなって震えていた。

 

 

 

 

「おそいわよミサト。」

「ごめんごめん!ちょっとね・・・・」

暗い部屋にミサトがついたころには青葉、マヤ、日向、それに

部屋の奥には手を顔の前に組んでいる碇司令に隣には冬月副指令が

すでに集まっていた。

「さて、はじめようか。」

冬月がそういうとそれまで全員が集まるまで口を開かなかった男が口をあけた。

「赤木博士・・・・・・例のほうはどうなっている・・・・・・」

「はい、残念ながら本部のMAGI、そして各支部のMAGI同型を使っても

残念ながら正体はおろか手がかりすら掴めておりません。」

「そんな!!・・・・MAGIを使ってもわからないの。」

ミサトは思わず声を荒げてしまう。

あの黒い機体はどう見てもネルフおも凌駕するオーバーテクノロジーによって作られている。

しかもあの大きさだなのだ格納するスペースやそれを整備するだけの設備、ミサトはMAGIで

調べ上げればある程度のめぼしはつけられると思っていたのだ。

「どうやら国連、戦自の方でも、大規模な捜索隊が組織されているみたいのようです。」

「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」

リツコのその言葉にその場は沈黙する。

オペレーターの三人はMAGIをもってしても探し出せないとなると戦自はともかく国連しかないと

思っていた。しかしそれが否定されたのだ。

「はぁ、謎の機体はともかく前のことで我々ネルフはまずい

立場にたたされていることには変わりはないということか。」

ミサトやリツコ、それに他のメンバーにもわかった。通常兵器が通用しないために開発されたEVA・・・・・

しかし、いざ実践では無残の敗北。

しかも、EVA以外倒せないと思われていた使徒が正体不明の人型機動兵器によって使徒は殲滅されたのだ。

今まで散々世界から予算を搾り取ってきたネルフの立場は悪い・・・・いや、すでに国連ではとくにセカンドインパクト

の影響が強くまだ立ち直れていなかった南半球の国々はネルフの敗戦を知るやいなやネルフへの予算提供を拒否し始めた国もある。

 

「赤木博士、我々の保有するEVAとあの機体、どちらが上だと思うかね。」

顔の前に組んでいた手を解きサングラス越しでもその真剣さは見て取れる。

「残念ながら1対1ではおそらくはATフィールドを使いこなせていたとしても勝ち目はないかと思われます。

 2体の連携をもっと高めれば勝率はある程度上がるかと思われますが・・・・・」

「「「「・・・・・・・・・・」」」」」

 

「残念ながらあの空間を湾曲させる防御の前にはこちらの武器では通じません、残る手はATフィールドをつかった

 接近戦になりますが、接近戦となると使徒を倒したあの武器の前にはATフィールドの防御は役に立たないと思われます。」

 

リツコを含めた全員の頭に黒い機体が使っていた赤い刃をもった槍が浮かび上がる。

あの赤い刃のまえに使徒のATフィールドは中和もなにも紙切れのように引き裂かれたのだ。

 

「赤木博士、謎の機体の調査は引き続き各支部と連絡を取り合い捜査を続けたまえ

 それとEVAの修理の期間はどのくらい必要かね?」

「EVAは素体にまでダメージを受けておりますので、修理を1体に絞り整備部の徹夜の突貫作業

 をしても3週間はかかるかと・・・・・・・」

「3週間か・・・・・・・・・」

冬月はシナリオに次に現れる使徒の期間を思い浮かべる。

(ギリギリか・・・・・・・・・・・ならシンクロ率の高いセカンドの弐号機か・・・・・)

「・・・・・・・・・初号機を最優先で修理を進めろ・・・・・・」

そんな冬月の思惑とは違う言葉を隣の男は言う。

「い!碇!!」

「「「「し、司令!!」」」」

リツコは他の人とは同調しなかった初号機と弐号機とはまったく違う。

初号機は使徒のダイレクトコピー、弐号機は所詮粗悪品に過ぎないのだ。

「問題ない・・・・・初号機を優先だ・・・・・」

その後ミサトが再考を求めるが決定は変わらなかった。

 

 

 

あとがき

 

ああ〜、どうでしょうか?書き直した第2話!!!前とはぜんぜん違いますね(同じなのは最初のほうだけ)

大半書き直しましたよ!!では!!続きをどうぞ!!


今回は作品のリメイクにあたり、3話同時投稿です。
続きの第3話をどうぞ!


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