第八話 「intermission」

written on 1996/12/16





『遊園地ぃ!?』

 バカにしたような言い方したけれど

 ホントは嬉しかったの、幼い日に見た夢

 小さい頃、親子連れの影、羨ましくて踏みしめた

 きっと同じ気持ち

 だから誘ってくれたのよね


 観覧車

 二人して見る夕陽はたぶん、そうね

 こんな気持ちになるんじゃないかと思ってた

 ずっと欲しがってたのは、そう、この安らぎ

 シンジはどんな気持ち?

 外ばかり見つめてないで答えてよ


 帰り道

 遊び疲れた助手席でそっと

 シートを倒して寝てる真似で待っていても

 やっぱり何もできないのは、シンジらしいわね


 どういうつもりなのよ

 誘ったのはあんたでしょ

 あたしがわがままなのは知ってるじゃない

 プライドが気のない振り見せても 

 期待してるんだから

 あたしも同じ気持ちよ

 だからたまには勇気を出して


 星降る夜道

 ヘンね、道を間違えたのかしら

 なんだか暗い場所に進んでるわよ

 おかげでチャンス増えたじゃない、ラッキーなヤツ!

 胸の奥が高鳴るのは

 たぶん、シンジも同じよね


 計画的?

 迷い込んだのは人気のない公園

 生ぬるい風が、急に髪をかき乱して

 夜空を隠そうとする雲を、あなたは見上げる


 ほ、ほらっ、バカシンジ!

 周りには誰もいないわ

 おしゃべりな月も消えたし

 ブランコにだけ、ちょっとサービス


        え?


 ホントに道を間違えてただけ?!

 あんたバカァ!

 バカバカバカバカ!!!!

 もぉ、知らないッ!!


<第九話へ続く>


 inspired by 「KISS ME KISS ME」



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