Days

Days


by JUN



Second Day





赤い海、白い砂浜

そこに少年は座っていた


昨日のように


全てに絶望して

全てから逃げて

全てを亡くして

そして世界が赤く染まった


昨日のように



そこに少年は座っていた
























そこに少年は座っていた


少女の墓を傍らに

否、墓標と言うべきか


僅かに盛り上がった土

その上に建つ十字架

鉄の十字を、絹の紐で縛った
悲しき十字架

その中で眠る、赤い少女のような
悲しき十字架



そこに少年は座っていた




























少年は考えていた



―何で、あの時、あんな事したんだろう―

―何で、あの時、あんな事になったんだろう―




白色の少女が、自分を守り、傷ついた時

自分は少女の事を案じ、助けた

―焼けた鉄で、己の手を焼いて―

自分は少女の事を案じ、助けた



何故、あんな事をしたのか?



分からない



人として当然のことだから?

そうなのかもしれない


自分を助けてくれた少女が死ぬのが嫌だった?

そうなのかもしれない


僕が彼女の事を好きだったから?

そうなのかもしれない












分からない(嘘だ!)








赤色の少女が、灼熱の沼に、落ちていった時

自分はその中に飛び込み、助けた

―火の水の中で、己の身を焼いて―

自分はその中に飛び込み、助けた



何故、あんな事をしたのか?



分からない



目の前で落ちていったから?

そうなのかもしれない


自分の家族となった少女を失いたくなかった?

そうなのかもしれない


僕が彼女の事を好きだったから?

そうなのかもしれない












分からない(嘘だ!!)








灰色の少年が、黒い巨人に、操られた時

自分は助けようとして、助けられなかった

―何とかしよう、何とかしようと考えて―

自分は助けようとして、助けられなかった



何故、あんな事になったのだろうか?



分からない



アイツがエヴァなんかに乗ったから?

そうなのかもしれない


僕が戦わなかったから?

そうなのかもしれない


父さんが勝手な事をしたから?

そうなのかもしれない












分からない(嘘だ!!!)








銀色の少年が、紫の巨人に、死を願った時

自分は分かろうとして、分からなかった

―彼の言葉、死すべき存在ではないという意味―

自分は分かろうとして、分からなかった



何故、彼を殺さなければならなかったのか?



分からない



彼が使徒だから?

そうなのかもしれない


僕を裏切ったから?

そうなのかもしれない


彼が死を望んだから?

そうなのかもしれない












ワカラナイ?
(ウソダアアアアアアアアァァァァァ!!!)







少年は歩き出した



己の罪に向けて



少年は歩き出した


(つづく)



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