幸せとともに

 

 

 

 

 

第四話 それぞれの思い

 

 

 

 

 

-ジオフロント ネルフ本部-

 

「じゃぁ綾波、僕こっちだから。後でミサトさんに呼ばれると思うから、また。」

シンジは実験室へ向かう通路から振り向いて言った。

 

「うん、じゃぁ後でね。あ、ちょっと・・あのさぁ、葛城さんってどんな人?」

レイは不安げな顔で聞いてきた。

「まだ会って無いんだ。優しい人だよ。他は・・・(・・|||;・・うん、そう優し

いんだ。」

「?、そう、よかったぁ!」

レイはシンジがなぜこめかみを押さえているのかわからず、不思議に思いつつも安心

した。

 

 

 

 

 

 

 

実験室の窓からは肩を拘束具で固定された初号機があった。

 

「シンジ君の調子はどう?」

白衣のポケットに手を入れてその様子を見ていたリツコが、そちらは向かずにマヤに

問う。

 

「すごいです。シンクロ率は常に65%以上をキープしています・・」

「天性って言うのね、これが・・・。シンジ君、もっとリラックスして。」

リツコはマイクから、プラグの中で目を閉じているシンジにアドバイスする。

「・・・」

シンジはそれに返事はせずに実行してみた。

 

 

いいきもち・・

 

なぜ・・

 

・・

 

・・

 

・・

 

かあさん・・

 

 

「先輩!シンクロ率がどんどん上昇していきます。」

マヤは興奮ぎみの声から、少し落ち着きながら報告した。

 

「ふふ・・夫婦そろって親バカね・・・」

「え?」

マヤはリツコの言っている事の意味がわからなかった。

 

「リツコ、コーヒー。」

「来てたの。ありがと・・・」

リツコがコーヒーを受け取った先には、ミサトとレイが並んで立っていた。

 

ズ・・

 

「初めまして。レイ・・で、いいかしら?」

「え!?あ、はい。初めまして!」

ジッとモニターを見ていたレイは、リツコのいきなりの挨拶にビックリして返事を返

した。

「私は赤木リツコ、ここの研究者とでも言っておこうかしら。」

「えっと・・ファ・・ファースト・チルドレン、綾波レイです!」

レイは慣れない口調で精一杯の挨拶をしたが、リツコに堅くならなくていいと言われ

気が抜けてしまった。

 

「・・これはね、シンクロテストよ。あなたにも、今後受けてもらう事になるわ。」

 

熱心にモニターを見ているレイに気付いたミサトはそう説明した。

しかし当のレイ本人はミサトの説明を聞いているのかいないのか、何も言わずモニタ

ーに映るシンジの顔を見つめたままだ。

「・・・」

 

「シンクロ率、・・な・・77.02%で安定。」

マヤが驚いた、という声でリツコに伝える。

「す、凄いじゃない。リツコ?」

「え、えぇ、5日でこんな数値なんて信じられないわ。ホントに・・・。」

 

「・・エヴァのパイロットになる事が、運命だったみたいですね。」

レイはミサトとリツコの会話から、77.02%という数の示す意味がわかった。

そして、自分の素直な意見を述べた。ミサトは頷いたが、しばらくして付け加えた。

 

 

 

「シンジ君は、喜ばないでしょうけどね・・。」

 

 

 

 

 

 

ピッ、バシュ・・・バシュ・・

 

実験が終わりまだLCLが体についたまま、シンジが実験室に戻ってきた。

 

「お疲れ、シンちゃん!」

中にはミサト、リツコ、レイがいたが、シンジは前者二人のインパクトの強さに(爆

)レイに気付かなかった。

「シンジ君、今日は調子よかったみたいね。もう少しで80%にいきそうな程だったわ

。」

「そうですか。」

シンジはミサトからタオルをもらいプラグスーツの上から体を拭きつつ、興味無さそ

うに返事をした。

 

「で、シンちゃん。シャワーを浴びる前に悪いんだけど新しい仲間を紹介するわ!・

・」

「あぁ、綾波さんですか?さっき会いました。」

ひとり盛り上って行こうとしたミサトをよそに、シンジは頭を拭きながらあっさりと

言ってのけた。

 

ミサトは瞬時に状況を把握すると鉾先をレイに向けた。

「レ〜イ〜、そうならそうと早く言ってもらいたかったわぁ〜・」

密かにここのイベント(?)を楽しみにしていたミサトは、少々不機嫌な様子。

「ひゃ、ひゃい、すいませんでしたぁ〜(;;|||」

ミサト作り笑いに慣れないレイは、今にも泣き出しそうな声で必死に弁解しようとす

る。

 

「綾波いたんだ。 リツコさん、どうしますあれ。」

シンジは、ミサトがレイを尋問しているところを指して聞いた。

「はぁ・・、これ持っていきなさい。」

リツコはこめかみに当てていた手を放し、足下から缶ビールを取り出すとシンジに渡

した。

 

 

 

それから直後万事解決し、レイが救われた事は言うまでも無い。

 

 

 

 

 

 

 

-ネルフ本部 B-1通路-

 

ネルフのNo.3を争うであろう人物二人に、ネルフの最重要人物に入る子供が二人とい

実は凄い面々がまとまって歩いている。一般職員には敬礼をする者さえいる。

しかしそのメンバーの話の緊張感の無さと言ったら・・・

 

「あのぉ、葛城さん。」

「ん?ミサトでいいって。で、何?」

「あ、ミサトさん。私、今日から何処に住むんですか?」

「あ・・」

レイは思い出したというように尋ねたが、ミサトは今初めて気付いたといった感じだ

 

「ミサトさん、もしかして決めて無いんですか?」

シンジは呆れた表情をして、ミサトに確認する。

「も、もちろん用意してあるわよ!立派な場所を。ねぇ、リツコ?」

ミサトは無理に自信ありげに言ってしまってから、親友に視線で頼った。シンジとレ

イは疑惑の目線を送っている。

「えぇ、立派なマンションがね。」

「へぇ、マンションかぁ。すごいね、綾波?」

「うん、ありがとうございます!」

リツコは手に持ったファイルを開いて確認しながらミサトとレイの問いに答え、レイ

も嬉しそうになる。

(さっすがリツコ!持つべき者は親友ねやっぱ。)

かなり自信が無かったミサトもその言葉に救われ、手に持っていたコーヒーをぐっと

口に含んだ。

がっ・・

 

「ミサトん家よ。」

 

ブッッ!!

 

ミサトは口に含んでいたコーヒーを一気に吹き出し、前を歩いていたシンジに直撃さ

せてしまった。

「熱いです・・ミサトさん。」

シンジは顔を引きつらせてミサトに訴える。レイは、慌てて拭くものを探しているよ

うだ。

「ご、ごめん、シンちゃん。・・リツコ!聞いて無いわよぉ。」

「あら、そうだった?碇司令の指示なんだけど。」

「えっ、父さんの?(父さんじきじきとは、珍しいな。)」

「い、碇司令の?(ぜ、絶対命令とは・・やられた!)」

シンジとミサトが共に聞くが、思っている事は少々違う。

「えぇ。・・じゃ、レイ、恐ろしい所だけど頑張りなさい。シンジ君もいるし。」

「は、はい!・・おそろしい・・・」

「学校はシンジ君と同じところよ。シンジ君、明日お願いね。」

「はい、綾波を送るんですね。」

レイは何が”恐ろしい”のかわからず、頭に?マークを点滅させ、

リツコは手早く事を進めていく。

ミサトは・・・

 

(あんのクソオヤジィ!)

「ミサトさん、行きますよぉ。」

「あ、ハイハイ!(まっ、部屋の一つや二つなんとかなるか。)」

 

 

「ねぇ、碇君。何が恐ろしいの?ミサトさんの家。」

レイは、コーヒー臭い体を気にするシンジの脇腹を、肘でついて小声で聞く。

「・・・綾波・・世の中知らない方がいいって事もあるよ・・。後でわかる事だし・

・。」

「そ、そう・・。」

レイの不安はつのるばかりであった・・・。

 

 

 

 

 

 

-ミサト宅-

 

「・・・・・」

「どうしたの、レイ?あなたの家なんだから、そんなに緊張しないで。」

居間の入り口で完全にフリーズしているレイに向かって、ミサトがうながす。

「ミサトさん、テーブルの上にゴミ袋置かないで下さいよ。あと靴下は洗濯機に・・

綾波、大丈夫?」

シンジはすでに慣れた様子で動き回るが、綺麗好きのレイにとっては確かに地獄かも

知れない・・。

 

(お、恐ろしいかもしんない・・;)

 

 

「で、レイの部屋ってどうする?」

「ここの主人はミサトさんじゃないですか。僕に振られても・・」

実は部屋の一つや二つが無かったりする・・

「あ、あの!私ソファーとかでいいですから。」

レイは自分の寝床の事より、ミサトが何かの行動に出る方が恐かった。

「いいえ!それはダメよ。昔から女の子は広くて清潔な寝床でって決まってるのよ。

 

 ・・・・シンちゃん!!」

「は、はい!!」

「とりあえずソファーで寝てくんない?」

「・・はい;;」

シンジは完全にミサトの目線に制圧されてしまう。いつもの事だが・・

「それと、明日、セカンドチルドレンがくるわ。」

「え、まだ居るんですか、チルドレンって?」

レイが少し嬉しそうに聞く。

「そうよ。この子はねぇ・・フフ、明日のお楽しみん♪」

「えぇ〜!」

レイはいかにも悔しそうだが、シンジはまあいいや、という感じで結構あっさりして

いる。

 

 

(なんで僕がサードなんだろ?ま、いっか。)

 

 

夜〜

 

「ごめんね、碇君。なんか・・」

レイは申し訳無さそうにしてシンジに言う。

「いいよ。・・ほ、ほら、明日学校だし、早く寝ないと。」

正直、シンジは嫌に思ってはいなかった。なぜかレイには、何かしてあげなければ、

という感情がもてた。

「うん、ありがと。お休み!・・シンちゃん♪」

「へっ?」

そしてまた平和な一日が終わるのであった・・チャンチャン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タッタッタッタッ・・

 

「ほへんへぇ、いはひふん(ごめんねぇ、碇君。)」

「別にいいよ。大丈夫、間に合うから。」

碇シンジ、綾波レイの二人は制服姿で坂道を走っている。

レイは食パンをくわえて、シンジは鞄に弁当をつめながら。

そう、俗に言う”遅刻寸前”というやつである。

 

「フフフ・・・」

「何ぃ?私が低血圧だった事、そんなにおもしろい?」

パンを食べ終わったレイは、恨めしそうな目でシンジに言う。

そう、遅刻の理由もレイの低血圧が原因なのだ。

 

「あ、ごめん!そうじゃないんだ。綾波、昨日から謝ってばっかりだなぁって。」

「それは碇君も同じでしょ!」

「あ、そうか。ごめ・・」

「ほらぁ・・フフフ。」

「ハハハ」

シンジにとって”ゴメン”は日常の会話の一部であったため、謝ってると言う感じで

はなかったのだ。

それでも、人の事は気付くのだが・・。

 

「ねぇ、シンちゃん?」

レイはスピードをあげ、シンジの前に出ると突然振り向いて言った。

「へ?・・シンちゃんって、僕?」

「それ意外いないでしょ?」

シンジがその事を言いたいのではない事を、レイは分かっていた。

「ミサトさんそう呼んでるでしょ?」

「そ、そうだけど・・」

「じゃぁ、いいの!」

「ちょっ、待ってよ!」

レイはそれだけ言うと一目散に走り出し、シンジは困惑しつつも追い掛ける事になっ

た。

その後、道がわからないレイは、結局シンジを待つ事になるのだが・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、教室がせまり本鈴3分前・・

「よし間に合う!」

 

 

ガラッ

 

 

「ふへぇ・・」

シンジはテープを切ったマラソン選手のような状態になって、教室に入って来た。

 

「おはよう碇君!」

マナをはじめとするクラスのほとんどの女子が、シンジに挨拶する。

「おう、シンジ、大丈夫か?」

続いてトウジやケンスケをはじめとする男子の挨拶。そして・・

 

「で、その子誰?」

「で、その子誰だ?」

皆の声がきれいにハモっての問い詰めと、疑惑の目つきが飛んで来た。

 

「えっ?・・・あっ、」

シンジは視線を自分の脇に向けてある事に気付く。当然そこには、視線でメッセージ

を送るレイがいた。

(シンちゃん!私、教員室。)

(あ、しまったぁ〜!ご、ごめん・・・)

(ねぇ、どうすんの?これ)

レイは視線を元に戻し、シンジもならう。すると・・・

 

「碇君、誰?」

「シンジ誰や?」

女子のリーダー(?)マナ、男子のリーダートウジは、更にシンジに詰め寄ってくる

 

「そのぉ・・なんというか、なりゆき・・かな・・じゃないな・・。え〜と・・」

シンジが二人の剣幕に潰されそうになったその時、お約束・・・

 

 

ガララ・・

 

 

「シンちゃ〜ん、綾波さんと勝手に駆け落ちしちゃだめじゃな〜い♪まずは保護者の

私に・・」

ミサトが火に油を注ぎにやって来た。

「ミ、ミサトさん!何言ってるんですか!」×2

 

ハハハハハ・・・

 

シンジとミサトのコンビは今日も教室を沸せるのであった。

 

 

 

 

 

 

その後、事情の説明、レイの自己紹介の後、いつもの質問攻め。

しかしシンジの時と違い、レイは対応がうまい。

あらゆる質問に対してうまく対処し、結局ミサトによって、レイがエヴァのパイロッ

トである事は教えられた。

 

 

 

 

 

「・・when I have it・・私がそれを・・・」

シンジは、初老の教師が淡々と英文を読み上げていくのを、上の空で聞いていた。

 

(あやなみ・・レイ・・か・・

 まえにどこかであったような・・

 ・・いっしょにいると・・ほっとする・・

 ぼくって、へんなやつだな・・・フフ

 

 そういえば、また、なかまがふえるんだなぁ・・・)

 

しかし、そんな事を考えるのも面倒臭くなり、目を閉じて何も考えないようにした。

眠るように・・

そんなシンジの耳に、ある女子生徒のひそひそ話が入って来た。

それは、シンジが気付くほどではなかったが、自然と耳に流れて来た。

 

 

 

『ねぇ、綾波さんの髪って自毛よね?だったらヤバくない?あの色。』

 

『うん、それに赤だよ、赤。・・あの瞳・・』

 

 

(・・・・・・・・

 

 

 瞳・・瞳・・ヤバい・・髪・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あっちいけよぉ!おにぃ!』

 

 

 

 

『おまえ、へんだからキライだ。』

 

 

 

 

『・・・あぁぁぁん・・・し・・・んじ・・・ぃ

 

       

 

  シンジィ・・・・・』

 

 

 

 

 

 

 

・・・・あ・・す・・)

 

 

 

『絶対、変よねぇ・・』

 

 

 

!?

 

 

ガタッ!!

 

「黙れ!!!!!僕は好きだ!髪の色も、目の色も!!おまえに何がわかる!」

 

「!?」

「・・・・・次、54ページ・・・」

老教師が黙り、教室が騒然とした雰囲気に包まれた。

 

「はぁ・・はぁ・・・・!?・・あっ、す、すいません・・気分が・・悪いので、保

健室へ行かせてもらえますか?」

シンジは老教師の許可を得て、保健室へと向かった。マナは行こうとしたが、思いと

どまった。レイは無表情にシンジを目で追っていた。

そして授業は再開され、何ごともなく終わった。

 

 

 

「い、碇君って、綾波さんの事好きなのかしら?」

「さ、さぁ、でもさっきの態度はそうかも・・」

シンジの態度に驚かなかったのは、この教室で老教師だけだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、綾波さん、やっぱり碇君とできてるの?」

レイの周りには、授業終了時から女子の人だかりができて、こんな質問が降り掛かっ

て来た。

「そ、そんな事ないよぉ。ホントだよ!」

「ふ〜ん。じゃ、私、当たっちゃおっかなぁ?」

「えっ!」

「ほらほらぁ、これ以上綾波さんをいじめない。ね、綾波さん、碇君のお見舞い行か

ないの?」

ヒカリが助け船を出したのだが、レイは他の問題に突き当たってしまった。

「い、行こう・・かな。(そ、そうよ、ただのお見舞いだから・・)」

実は、実際被害にあうのはシンジの方だろう。

「まってよぉ!私も行く〜!」

と、言うわけで、クラスの女子の1/4がレイについて、保健室へ・・

 

 

(髪の色、目の色・・・やっぱ私かなぁ・・嫌だなこの色・・

 

 でも好きって言ってくれた。・・私・・だよねぇ・・・。

 

 ・・たぶん・・そだよねぇ・・)

 

 

 

 

 

 

 

「マナァ、どうしたのさぁ。ぼーっとしちゃって・・。」

友人が心配そうにマナの顔を覗き込む。

「な、なんでもないよ!」

マナは言っている事とは裏腹に、レイ御一行を目で追っているのが、端から見てもわ

かる。

「ふ〜ん・・・・・行く?」

「うん、行く。」

「やっぱり、碇君じゃないのぉ♪」

「あっ・・」

シンジの事においては、マナも人の言う事にやり込められるようだ。

まぁ、そんな訳で、こちらも女子の1/4を引き連れて保健室へ」・・

 

 

 

 

(碇君、どうしたんだろう・・。何が好きって言ったんだっけ・・

 

 なんだろう・・この気持ち・・・・。・・・すき・・かぁ・・。

 

 フフ、ばっかみたい・・・)

 

 

 

 

ついでにこの二人・・・

 

「トウジ、行く?」

「あぁ、わしはな。おまえは、どうするんや?」

「行くよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は日本時間の一日さかのぼる。

そう、シンジとレイが出会った頃・・・

 

-ドイツ 第二ボン国際空港-

 

 

ガヤガヤ・・・

人々が絶えまなく動き、機械的なアナウンスが流れ続ける。

そしてその建物の外では多くの飛行機が並び、大空へ羽ばたく瞬間をじっと待ってい

る。

その人込みの中に、ひしと抱き合う親子が一組。

 

「・・ママ、行ってくるね・・」

「・・うん・・」

母親と思われる人物の目から、一筋の涙が。

「ほらぁ、永遠の別れじゃないんだから。娘の見送りくらい、笑顔でしてよね!」

娘の方が母親を慰めるように笑顔を送る。

「フフ・・立場が逆ね・・。ガンバって来なさい!」

「うん!自分の娘を信じなさいって、行ってくるわ!」

「元気でいってらっしゃい!」

笑顔で次の再開を約束し、娘は搭乗口の奥に消えて行った。

「負けちゃだめよ、アスカ!」

 

 

アスカと呼ばれた少女は、笑顔で搭乗通路を進んだ。

「・・・」

しかしその笑顔から、今になってやっと涙が頬を伝った。

「フフ、この涙の代償は高くつくわよ・・・シンジ!」

 

 

 

碇シンジの思い

 

綾波レイの思い

 

霧島マナの思い

 

そして・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

次回

第伍話 そして・・再開 

 

 




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