死者の道

「人口4人の新しい国、」

 

 

 

 

何処だろう、、、

あの時からどれだけ時間が過ぎたんだろう、、、

カオル君も、、レイもいない、、、

コバルトブルーの空以外は何も見えない、

まるで無限の世界だ、、

でも、有限なんだ、限りある美しさなんだ、嘘なんだこの空は、、

でも、、、綺麗だよ、、、、とっても、

終わった世界だけど、、、終わった世界がこんなに綺麗だなんて、

みんなに知らせなければ、、、この嘘の空が純粋なことを、

知らせなきゃ、、

でも、誰もいないから、、誰にも知らせられないなぁ、、、

僕が望んだ世界、、、僕が殺した人達は何処に行ってしまったんだろう、

僕は犯罪者なの?僕は人殺しなの?

もしそうなら、、、誰が僕を裁くの?、、、、誰が僕を罰するの?

遅かれ早かれ、地球は人間を否定する予定だったんだ、、

たまたまその力を持っていて、実行したのが僕で、

悪くはない、、、、僕は悪くはない、、、

でも、、悪いってなに?

誰もいなのだから、、悪い事も良い事もないよ、、

僕しかいないんだから、、

関係ないよ、、

 

 

 

シンジは湖に浮いていた、

とても冷たい、信じられないほど透明な水に、

とても深い湖だが、底が上から見えるほど透明な、小さな湖にシンジは浮かんでいた

果てしない大地には砂と石しかない、何も無い大地、、灼熱の太陽が視界を揺らす、

時々吹く風がここが地球だと思い出させる、だが、、、焼けた大地が風を殺す、

風だけじゃなく、全ての生物を殺した、、、、地球が殺した、、

時々揺れる水面がシンジの表情に水面水しぶきをかける、

だがシンジは身動き一つせずにただ浮いていた、

仰向けに、沈む事も無く、両手両足を伸ばしたまま水面に浮いていた、

視界は水面上と灼熱の大地だけ、見えるものはコバルトブルーの空と熱で歪んだ荒野だけ、

だがシンジには解っていた、

湖のそこに眠る少女が誰か、、、、、、

シンジが愛した少女が、綺麗な生まれた姿のまま体を丸め、子猫の様に眠っていた、

 

 

 

 

 

僕はいつまで浮かんでいるんだろう、

動こうとすれば動けるはずだ、、

でも、、、、動きたくない、

この水に浮かんでいると全てが純粋に思えるんだ、、

殺人、、暴力、、、強姦、、、窃盗、、、

全てが純粋な行為に思える、

さっきまで水と風が話していた話は面白かったなぁ、、、、

 

ある企業が産業廃棄物を海に捨て続けたらしい、、

そこで採れた魚を食べた子供はみんな死んでしまった、、、

その企業からお金を貰っていた政治家はその金で銃を買う、

隣国で取れる宝石を奪い、権利を主張する為、

理由を適当につけて、、殺しまくる、

皆殺しにした後、企業がその国に進出してまた利益を得る、

そしてまた産業廃棄物をその国の山に捨てる、

工場で働く人達はその山で採れた木の実を食べる、

食べた子供はみんな死んでしまった、、、、

そんなことが何度も繰り返された、、

でも企業と政治家は世界を騙し続けた、

大人には性欲と食欲を与え、思考できなくした、

僅かに残った子供にはテレビゲームの幻想を与えて純粋さを奪った、

変な世界だよ、、

だけどそんな人間達はいなくなった、

神様からもらった力で人間を絶滅させたらしい、

地球の意志を持った少年が、、

皆殺しにしたらしい、、、

 

 

 

違う、

僕は皆殺しにしたかったわけではない、

僕はアスカを殺したことが許せなかったんだ、、

そうだろ、、アスカがどうして殺されなければいけないんだ、、

何も、何もしていないのに、、突然後ろから撃たれたんだ、

しかも、僕の目の前で、、

どれだけ殺し合いがあっても、どれだけ悲劇があっても、

アスカが殺される理由なんて何処にもないはずだ、、

なのに、、、

なのに、、アスカは死んだ、

一度も一緒に砂漠を見ることもなく、、死んでしまった、

彼ら兵士からしてみればたいした事ではないかもしれないけど、

僕は彼らを許せない、絶対に許せない、、

だから、そんな人間が滅亡する事を望んだんだ、、

でも、、、、、

結果は、、、、皆殺しだった、、、

僕は悪いの?僕は間違ってるの?僕も兵士と同じなの?

同じ、、、、、人間なんだ、、、、、、残酷な兵士と同じなんだ、、

アスカを殺した兵士と同じなんだ、、、

カオル君、、、、教えてよ、、、

レイ、、助けて、、

誰か、、

 

 

 

母さん、、、

僕はもう二度と雪の妖精が見れない世界を望んでしまった、、

悪い人間です、、

 

 

 

シンジは湖の水と同じぐらい純粋な涙を流した、、

湖の大きさが変わるほど、永遠と涙を流し続けた、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第一日

 

シンジは相変わらず浮いていた、

あれから何回日が昇り、日が沈んだのか、シンジにはわからない、

そんなある日、風と砂以外で動くものを確認した、

始めは陽炎による錯覚かと思った、

だが、その影ははっきりとシンジの浮かぶ湖に向かっていた、、、

人間、、、、、?

古代の巡礼者と同じ様な薄い衣だけをまとい、細い木でできた杖だけを持ち、

灼熱の大地を一人で歩いてくる、

だが人間かは判断できない、、、、

 

「この水は純粋ですか?」

湖までたどり着いた物体はシンジに聞く、

「、、、、、さぁ、」

「では飲んでみてもいいですか、」

「、、、、、僕の水ではないですから僕に聞かないでください、」

「あなたの湖ではない、では私の所有物でもいいわけですね、」

「、、、、、、かまわないですよ、でも僕はこのまま浮いていますけど、」

「かまいません、、、、それでは私がこの湖を所有します、」

そう宣言した人物はそのまま湖の辺に座り込んだ、

シンジにはどうでも良い事だった為、そのまま空を眺め続けた、、

そして、夜が訪れて、再び朝が訪れた、、、

 

第二日、

 

シンジの浮かぶ湖に再び新たな人物が訪れた、

最初に訪れた人物と同じ格好の、巡礼者の様な布だけをまとった姿で湖の辺に立つ、

「この水は純粋ですか?」

シンジは視線だけその人物の方向に向ける、

「知らない、、、僕にはわかりません、、」

「では、飲んで確認させてもらいます、」

そう言って透通った水を口にしようとした時、反対側に座っていた人物が口を開く、

「待て、この水は私の水だ。勝手に飲むな、」

「この湖はあなたの物なのですか?」

「そうだ、昨日、神様から所有を許可されたのだ、」

「では神様にお願いします、この湖の半分の所有権をください、」

シンジは空を見上げながら答える、

「僕のものではないから、、、、答えられない、」

「では、半分私が所有してはいけない、というわけではないのですね、」

「、、、、、、、、、そうかも、」

「では半分、私が所有します。」

そう言い終えると、人物は水を飲み、反対側の人物と向かいあう様に座る、

そして、再び夜になり、また日が昇る、

 

第三日、

 

シンジはいつもの様にコバルトブルーの空を見上げていた、

だが、いつもの風と砂の会話以外に何かが聞こえる、

そう、人間の言葉と思える会話が聞こえる、

なんだろう、、、久しぶりに聞く感じだ、、、

いったい何語なんだろう、、

そう思い、視線を辺の方に向ける、

座り込んでいた人物に家族ができていた、

対極に座っていた二人にそれぞれの家族ができていた、

全員同じ薄い衣で覆われているので、性別は判断できないが、

仲の良い家族が二つ、できていた、、、、

シンジはその家族の楽しげな様子を見て、少し悲しくなった、

どうして悲しいか、、、シンジにもわからなかった、、、

そして、日が沈み、また無音の夜が過ぎる、、、

 

第四日、

 

シンジが目覚めると、今度は叫び声、騒音、雑音が入り乱れていた、

昨日までは家族単位でしかなかったはずなのに、一晩で村ができていた、

湖をはさんで、対極に、100人程度の村ができていた、、、

交流はなく、存在は確認している二つの村だったが、各村の住民は幸せそうだった、、

住民同士、互いに会話をし、互いに意見を述べ、互いに笑い、泣き、そして愛しあう、、

湖をはさんだ二つの村は、個々にはとても活気があり、とても幸せそうな村に見えた、

住民どうし、互いに助け合い、互いを思いやり、互いを大切にしていた、、

シンジは湖から起きあがることはなかったが、風と砂漠がそう会話しているのを聞いた、

その日の夕方、、

互いの村の村長と思われる人物が湖のほとりに座る、

そして、互いに神への祈りを捧げる、

そして互いに願い事を述べる、

いつまでもこの幸せが続くことを、、、

シンジはその祈りを聞きながら、何も感じない自分に気がつき、また悲しくなった、

理由はわからないまま、、、

 

 

第五日、

「ふざけるな!!」

シンジの朝は相変わらずコバルトブルーの空で覆われていた、

「元々この湖は我々が先に所有していたんだ、それを後からきたお前達が横取りしたんだろ!」

「誰もそんな事していない!もともと半分ずつ所有していたんだ!」

どうやら、村の人口が互いに増え過ぎたようだ、

人口は各村1000人以上はいる、いま湖を挟んで互いの代表同士で会話をしている、

(うるさいなぁ、、、喧嘩なら他でやってくれ、、、)

シンジはこの会話が異常に不愉快に思えた、、

「この湖全域の所有権を我アメカリ国が宣言する、」

「何を言う、この湖は全ての民の源だ、貴様の国で独占する事など許されると思うのか!!」

「だが、歴史的には我国が始めに占有したのだ、今までは寛大な心で共有を認めていたが、貴国らからの我国へ与えた損害は膨大だ!これ以上我国に民を苦しめるわけにはいかん!」

「何を言う!貴様の国の方が我国に損害を与えている、、、、、、、」

(どうでもいいよ、、そんなこと、、、)

シンジは永遠と続く言い合いにうんざりしていた、、

(どっちがこの湖を所有したって、何も変わらないよ、、、、)

シンジはコバルトブルーの空を眺めながら、不快な気持ちで瞳を閉じた、

 

 

 

その日の夜、

二つの村から薄い衣で頭から全身を覆った人物が、各一人ずつ歩いてくる、

互いに互いの村を気にしながら歩いてくる、

そして各村の境界部で互いを確認すると、互いに抱き合う、

シンジはその姿を星の光だけで確認する、、、

(互いに、互いの村の事がきになってるんだ、、そう言えば昼に代表者同士、言い合いしていたけど、、、、そうか、だから夜、人目を避けて密会してるんだ、、、、、可哀想に、、)

いつまでも、いつまでも星の光のなか、恋人同士は抱き合っていた、

 

 

第六日、

「それではここに戦線布告する、」

二つの国で戦争が始まった、、、、

いつのまにか銃、爆弾、そういった人殺しの道具が開発されていた、、

(いつあんなの作ったんだろう?まぁ、いいか、、、、どうせ殺し合って悲しい思いするだけだ、、湖に浮かんでる僕には関係無い、、彼らは僕とは何の関係ないんだから、、、)

シンジが透明な湖に浮かびながらそう思っている間にも、互いに殺し合う、

まるで、シンジが消し去った人間の様に、、、

叫び声を上げながら、、、、

涙を流しながら、、

殺しす、、

 

女達は敵の兵士に犯される、

その兵士と女ごと爆弾で吹き飛ばされる、

老人を火炎放射器で焼き殺してした兵士は、子供の投げたナイフで死んだ、

その子供は必死に走って逃げるが、

母親の目の前で背中から撃たれて死んだ、

湖の上でも互いに船を浮かべて殺しあう、

死体が次々と湖に沈む、

(止めてくれないかなぁ、、、、、下にはアスカが眠っているんだ、、、)

シンジは騒音と悲痛な叫びはどうでもよかった、

だが、湖の底に眠るアスカを汚す事だけは許せなかった、

(いつまで続くんだろう、、、、いいかげん無意味だってわからないのかなぁ、、)

シンジは何故か苛立っていた、、

もちろんアスカが眠るこの湖が汚される事も理由の一つだが、

爆音と銃声、悲鳴と絶叫が鳴り響く中、コバルトブルーの空が黒い爆煙で覆われる事を許せなかった、

シンジは苛立ちの中、ゆっくりと起きあがった、

上半身を起こし、湖の水面にゆっくりと立った、

そして、シンジは叫んだ、

「いいかげんにしろ、お前らがどんなに殺し合おうが勝手だが、この世界を汚す事だけは許さない!!」

水面に浮かぶシンジは、再び背中から再び大きな羽を広げる、

そして、シンジの体から発する光が周囲を覆う、、

数秒後、全てを消し去った後、光と羽はゆっくりとシンジの体にもどっていった、、

後に残ったのは、、、、、数日前と同じ、コバルトブルーの空、砂漠の砂と遊ぶ風、

そして、底まで透通った水を持つ湖と、その湖に立っているシンジだけだった、

 

(あの、恋人同士も消えてしまったんだ、、、、、)

そう思いながら、シンジは再び湖の水面に浮かんだ、

ゆっくりと瞳を閉じて浮かぶシンジは、動く事を忘れた様に波に体を預けた、

そして又夜になり、、、再び朝が来た、

 

第七日、

 

「シンジ君、どうだい、人間は?」

「人間?」

「そう、昨日まで少しだけいた生物のことだよ、」

「少しだけいた?」

「まぁ、彼らからしてみれば3千年くらい感じてたかもしれないけど、彼らは人間と同じなんだよ、」

「、、、、、、結局は絶滅した、、、」

「絶滅させたんだ、君が。でも、それは悪いことではない。むしろ絶滅への道を自分で歩いていた様なものだし、シンジ君は結果を与えただけだよ、」

ケイはシンジの側に座っていた、湖の上に両足を伸ばして座っていた、

「でも、僕が滅ぼしたんだ、、、、始めの人間も、、昨日までの人間も、、」

「いいのよ、、シンジ君は間違っていないわ、、、、」

ノーマもシンジの側に座っていた、そしてシンジの頬を優しくなでる、

「でも、、破壊だけで終わって欲しくないの、」

「どういう事?」

「シンジ君の能力は破壊と創造、両方の力を持っているの、シンジ君が新しい人間を創造させることができるのよ、」

「僕が、、、、人間を創造する、、、」

「そう、まさに神の力かもしれないけど、シンジ君は人間の心を持っている。昨日までいた人間は私達が住んでた世界の人間と同じ、だから、権力の奪い合い、支配と被支配、権利の主張ばかりで互いを認める事を忘れ、殺し合い、憎しみ合い、そして、絶滅した。でも、新しい人間、進化した人間をシンジ君が創造すれば、、、、、」

「僕は創造なんてしないよ、」

「どうして、、」

「創造したって、進化した人間でも同じだよ。いずれ、同じ過ちを犯すだけだよ、」

「でもね、シンジ君、、、このまま全てが空と無の世界では無限に時が止まってるのと同じなのよ、」

「そうだよ、シンジ君、一度過ちを犯した生物だが、君がその過ちを無くした生物を創造すればいいのさ、」

ケイとノーマは優しく語りかける、

「過ちをなくした、、、、」

シンジはケイに視線を送る、

「そう、人間は互いに愛しあう、でも、否定もする、、、、それは人間には意志の伝達方法と表現方法が存在するから、中途半端な自由の存在を信じてるからさ、」

「中途半端な自由?」

「そう、本当は自然の掟以外に自由はないんだよ、それを人間は勝手に自分たちの欲望を現実化する権利があると勘違いしたんだ、」

「勘違い?」

「だから、シンジ君、人間は何かに支配され、ガイドラインを与えられないといけない動物なんだ、」

「そして、そのガイドラインを決めるのが、、、シンジ君、あなたなのよ、」

ノーマの言葉にシンジは少しだけ反応する、、

「さっきまでいた人間は、シンジ君が望まない、欲望そのままの人間達、でも、シンジ君が望めば、欲望もない、哀しみもない、そんな世界が現実にできるのよ、」

「欲望もない、、哀しみもない世界?」

「そうよ、誰も哀しまない、苦しまない、子供達も老人も殺されることのない、大人達も家族と社会を愛する、そんな理想郷を現実のものにできるのよ、シンジ君、」

ノーマは明るい笑顔で話す、とてもこれから起こる未来に希望を持って話す、

「でも、、、僕には関係無い世界だよ、、、」

シンジはそんなノーマの笑顔から再びコバルトブルーの空に視線を移す、

「アスカちゃんも、、、、君の元に戻ってくるよ、」

その言葉にシンジの体全体が震える、そしてケイに視線を移す、

「アスカが、、、、、生き返るの?」

「そう、、君がもう一度世界の復活、人間の存在を望めばね、」

「アスカも一緒に蘇るの?」

「そう、、、ただ、僕らは同じ人間の世界は望んで欲しくない。だってそうだろ、シンジ君、アスカちゃんや加持さんを殺した人間が再び存在する世界なんて、そんな世界、必要ないよ、」

「、、、、、、そうかもしれない、、、、、」

「そうだよ、シンジ君、必要なのは進化した人間、感情を完璧にコントロールできて、無意味に欲望のまま行動しない、そして愛と優しさを信じて生きる生物、そんな人間が必要なのさ、」

ケイの表情は満面の笑顔だった、

そしてなにより未来を信じていた、

きっと素敵な世界が待っている、そんな希望が溢れていた、

「さぁ、シンジ君、一緒に創造しよう、、」

ケイが手を差し出し、

「一緒に行きましょう、シンジ君、素晴らしい未来へ、」

ノーマも手を差し出す、

シンジは背中で感じていた、、、

湖の底に眠る少女を、、このままだと永遠に眠り続けている、

とても死んでるとは思えない、美しい体を持っている少女、

シンジは願った、、、願おうと思った、

アスカが再び生きかえる事を、

アスカが再び微笑んでくれる事を、

その結果新しい人類が誕生しても、、

それでも願おう、、そう思った、

「僕は、、、、、、」

シンジが両手を伸ばす、

ケイとノーマが差し出す手に、シンジの手が触れる、

 

 

その瞬間、、

 

「シンちゃん!!」

コバルトブルーの空からレイが降ってくる、

「シンちゃん!!」

「レイ!!」

シンジは驚く、何日ぶりに、何ヶ月ぶりに、、何年ぶりにだろうか、、、

心がとても揺れ動いた、ハートが急に鼓動を打ち始める、

生きてる、、僕は生きてるんだ、、、僕の体はまだ死んでいない、

レイの笑顔が一瞬にしてシンジの体に流れ込む、

不思議な、不思議なレイの笑顔と瞳がコバルトブルーの空から降ってくる、

(レイの髪、、、、、空の色と同じだよ、、レイ!)

「シンちゃん!!」

レイはその不思議な笑顔でシンジに飛び込む、そして湖に浮かぶシンジの体を抱きしめる、

「レイ!レイ!」

シンジも何度も繰り返し叫びながら、レイを抱きしめる、

「レイ、、、、もう会えないかと思っていた、、」

「シンちゃん、ごめんね、、、すぐにシンちゃんの所に行こうと思ってたんだけど、」

「いいんだ、、、レイ、、レイが生きて僕の腕で感じる事ができれば、、、」

「シンちゃん、、、」

レイは笑顔で泣く、、

素敵な涙を流す、、、

シンジの浮かぶ湖が、レイの涙でさらに綺麗になっていく、、

その涙の粒が、シンジの髪にからまる、、

綺麗な涙、、

 

「さぁ、シンジ君、行こう、、、」

気がつくとカオルがシンジの側に立っていた、

「カオル君!!」

「すまないね、シンジ君。しばらく一人にして、僕がいなくて心細かったかい?」

「カオル君、、、、、、」

カオルの腕はアスカを抱きかかえていた、

「カオル君、、アスカの体を、、」

「やっと、見つけてね、アスカちゃんの魂を元に戻す方法をね、」

「本当に、!!!」

シンジは一気に上半身を起こす、レイはその勢いで思わす湖に沈みそうになる、

「ちょっ、ちょっと何でそんなに反応するのよ!!」

「ご、ごめんレイ、、、」

シンジはいつもの様にレイに謝る、

「まったく、、、アスカの事になったら眼の色変えちゃってさ、ふん!」

「まぁまぁ、レイ、それより、行こうシンジ君!」

カオルの視線は遥か彼方の地平線に向かっている、

「い、行こうって?」

「もちろん、新しい国さ、人口わずか四人の国へ、」

 

 

第二十話へ続く



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