“世界中が神を求めた、、

この世紀末、地球が人間を否定し始めた、、

大地の怒りは子供達の頭を潰し、

風の涙は、老人達を燃やし続けている、

空の憎悪は、女の顔を殴る事で治まる事を憶え、

海の愛は、男が性行為を忘れることで充実していく、

何時、弥勒菩薩は現れる、、

何時、救済の日が来るのだ、、

戒律も、経典も、哲学も、、、、我々の死を超える事はできないかった、

だが、、、

我々は人間を生産する方法を、死を超越できる方法を生んだ、

科学は医学の元、日々子供達を救っている、

遺伝子工学は様々な生物を生み出している、、

つまり、、人間は神を生む事を可能にした、

神、、、、

神、、、

つまり、、、

 

 

“我々のことなのだ!!”

 

 

そう叫んだ男、、いや、女性だろうか、、

股間にはシリコン製かプラスティック製の男性性器が露出している、

だが、上半身は鍛え上げられた筋肉を自慢気に露出してる、

紅いブーツに赤いロングの手袋、紅い全頭マスクを付けた奇妙な生物が

口と目だけを出した不思議な生物が、、、

壇上で大声を上げた、、、

 

「、、、、、神ね、、、、っけ!くだらないわ、、、、」

 

後ろの壁に拘束されたアスカは、つまらなそうに呟いた、、

 

 

 

Nothing Like The Sun

 

 

 

 

“この人間達がアタシと同じ人間なら、、

アタシはいつでも人間を辞めてやる、、

この人間が神ならば、アタシは神殺しの大罪で地獄で釜茹でになっても構わない、

地球がこの人間を選ぶのなら、アタシは地球を破壊してやる、、“

アスカとマナが拉致されてから、数時間後、、

ある高層ビルでの出来事だった、

 

 

「それでは、今日のパーティーを始めます、、、、

始まりにあたって、我々の偉大なる指導者、神に選ばれし太陽と月の子供である、

如月 礼二様のお話しがあります、それでは、、」

高層ビルの45階、周囲は全てガラス貼りになっている円形のフロアー、

そこには50人ほどの人間が、様々な容姿、外装をまとい集っている、

全身を包帯で拘束してる者、

女装、男装してる者、

英国の女王を思わせる衣装を纏っている男、、

ゴムや革製の衣服で全身を覆っている女、

全裸に刺青だらけの体を露出し、ガーゼマスクをした女、、

犬や馬としての扱われる事を求めている男、

そんな人間が集うこの高層ビルのフロアーには、優雅なクラシックが流れている、

だれ一人聞いていないその音楽は、ある男が壇上に上がった事で止められた、

「今晩は、、、皆さん、、、」

マイクに向かい、そう話し始めたサングラスをした男、

グレーのベルサーチのスーツを纏った男は壇上に上がり、その後ろの壁に拘束されている

アスカを軽く一瞥し、再び話し始めた、、、

「今夜は、もう皆さんが御分かりの様に今日は特別ゲストが二名います、、

一人は総流アスカ・ラングレーという16歳の少女です。この子の事は噂で聞いている

方もいらっしゃるかもしれませんが、この歳でこの容姿を持ちながらも我教団の末端で

あるデートクラブに所属しています。」

「あら、如月さん、デートクラブだなんて聞こえが悪いわよ、」

前の方でシャンパングラスを持った男装の女性が声を上げる、

「そうですね、、、我々は一般的なデートクラブの様な性行為、性器の接触を目的とした

クラブ経営はしていない。デートクラブなどという表現は下品かもしれないなぁ、、、、

それでは、何と呼べばよいでしょうか?」

「そうね、、、シックス・パーラーミーっていうのはどう?」

「六波羅蜜(シックス・パーラーミー)とは?」

「悟りに向かう苦行僧達が行う6つの行いの事を、そう呼ぶらしいんだけど、、、

布施、自戒、忍辱、精進、禅定、智慧、、、この6つを指してるようなんだけどね、」

「なるほど、、、我々はその6つの道を悉く否定し、新たな道、未来を作る生物として

敢えて、皮肉としてそう呼ぼうというのかね、」

「そうよ、、、私達、神に選ばれし人間が新たに六波羅蜜を創造するって意味も含めてね、」

「そうか、、、それでは今後、末端の組織をそう呼ぼう、、、

話しを戻すが、この少女、アスカはその組織にあっても抜群の能力を持っていた、

どんな陵辱にも、変質的行為にも自分を見失わず、常に客を満足させてきた、

しかも、我々の信念である“性器の接触”をせずに、、、、

常に客を満足させ、人間が持つ本能に訴える瞳を持ち、あらゆる性欲を受け入れてきた、、

その不思議な魅力は私の耳に入るところとなり、そして今日、我教団の幹部の相手を

してもらったのだが、、、、、、、岡村君、どうだったかな、」

「えぇ、、噂通りの最高な瞳でしたわ、、あの顔から漏れる悲鳴は最高よ、

猿轡の上に軋む様な表情も、真っ白な肌から流れる真っ赤な血も、、

全てが最高よ、この豚は!!」

岡村、、、そう呼ばれた女装した男はホテルでアスカに鞭を入れていた男だった、

「そうかね、、、

諸君、お聞きの様にこのアスカという少女は不思議な力を備えている、

私はこの少女を教団に、神に選ばれし者として加えようと思ったのだが、、

、、、、、残念ながら、邪魔が入った、、、」

憎々しそうにそう云い放った如月はフロアーの中心にある棺を指差した、

「あの棺には、アスカの友人と名乗る少女が一人入っています、

我々の幹部がアスカと儀式を行っている最中に、邪魔に入ったのです、

しかも、今回はアスカが我々組織に帰属できるかどうか、判断する為の

重要な儀式でした。にも、拘らずあの棺に入っている少女は、邪魔をした、

神に選ばれた我々の神聖なる儀式を、、、

邪魔をしたのだ、、」

「地獄に落せ!」

そう誰かが叫んだ、、

「私もそう思うのだが、、、、

報告を受け、よくよく話しを聴くと、この少女はアスカが、単純に売春してたと思い込み、

そして、その行為をくだらない既成の価値観に頼り、汚い行為と判断した、、、、、

全く、これだから下層階級の生物は早く処理したいのだが、、困ったものだ、

本当は自分自信が最も愚劣で生命を持つ資格すらない生物なのに、、」

如月は声を震わせながら、怒りを必死に抑えながら話す、

「それでだが、、、諸君、

我々、神に選ばれし者として、この二人の少女に試練を与え様ではないか、

アスカには我々と同じ、神の血が流れているのか、

あのゲスな少女には生命が宿るだけの資格があるのか、、

二人に其々の試練を与え様ではないか、」

その声に一気に歓声が上がる、

その声は既成の歓声とは違い、まさに動物としての概念外の叫びだった、、

そして、その声に答える様に如月はアスカの前に立った、

「どうかね、、、アスカ、、」

「、、、、、、、、、、、、、なにを、」

全裸で裸体を曝し、両手、両足を大の字に拘束されたアスカは、

前髪が覆う表情の奥から、狂人の様な瞳で答える、

「君も、我々の様に神に選ばれたいかね、、、」

「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、」

「この世界は平等ではない。明確に階級が存在している、、、、

古代ローマの神官、古代インドのバラモン、中世貴族、、、

優秀な遺伝子を残す様に運命ずけられている生物は、決まっているのだ、

そうでない、愚かな遺伝子の組み合わせである生物は、糞と同じだ、、

いや、地球を汚し、大気を汚染する分、糞より悪い、、、」

「、、、、、、、、、、、、、、、、、、そう、、」

「そんな生物を排除する優秀な、神に選ばれし民族になる資格を君は持っている、、

その美とその透通った瞳は、間違いなくどんな宝石よりも美しい、、

美の基準となっても不思議ではない、、それに加え、君には特別な能力ある、

我々、神に選ばれた民族の性癖を満足させられる、素晴らしい能力がある、

是非、私としては、君を我一族に加えたい、、、」

「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、で、」

「そこでだ、アスカ、、、

君の手でこの槍で、あの棺に入っている少女を刺し殺せ、」

如月はアスカの前に、長さ1メートルほどの槍を突き出す、

「ふっ、、、アタシの手で、、殺人を行えって、」

「そうだ、、、だがこれは殺人ではない、浄化だ、、

もっとも地球に否定された生物を、素晴らしい未来を切り開く為の浄化作業だ、

あの少女は君の幼馴染らしいが、、君は神に選ばれた生物だ、、

あの少女はゴミに埋もれて死ぬ、、君は我々と共に享楽の世界へ行く、

そのための、儀式の一つだ、

君にその意志があれば、その拘束を解き、槍を与え様、、、」

如月はアスカの前に槍を突き出す、

そして、瞬き一つせずに槍を見ずに、如月を睨みつける、

怒り、哀しみ、、そんな感情は存在しない、

ただ、、野生の瞳を、狂人的な獣の瞳を如月に向けている、

「どうかね、、、」

「、、、、、、、、、、、くだらない質問しないでよ、

アタシは、あんた達より神様に選ばれてる人間よ、」

「ふふ、、そうかね、、、」

 

笑いながらアスカの前に槍を付きたてる如月は満足そうに笑った、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“配置はOKです、、、”

“全ての管理システムはリツコの方でハッキング可能だけど、

コンピューター制御まで最低5分はかかるわ、、“

“大丈夫、、5分ならなんとか耐えられるさ、相手の警護は100名程度だ、

重火器砲を含めても、5分ならばなんとかなる、、“

“そう、、、じゃぁ下層階、エレヴェーターの確保は加持に頼むわ、”

ミサトは無線機の前で大型のモニターを見ながら話す、

“シンジ君、そっちは?”

“大丈夫です、、、いつでもGOサインをもらえれば、、”

“レイの方は?”

“恐らく、、、、大丈夫だと思いますけど、、、、”

“、、、、、、、、、、、、、そう、”

そのままシンジとミサトは沈黙する、

“、、、、、、、、、、、ミサトさん、、”

“、、、、、、、、、、、、、、、何?”

“綾波まで巻き込む必要はなかったのでは、、”

“いずれ、こういう自体は来ると思ってたわ、、、

それが、たまたま今回だったってだけの事よ、、、“

“、、、、、、、、、、、、そうです、、、でも、この作戦が成功しても、

綾波には真実を話さなければいけないのですよね、、、、彼女が何者なのか、、“

“シンちゃん、、今は作戦の事だけ考えて、余計なことを考えると命が無くなるわよ、、”

“はは、、、構いませんよ、、どうせ一度捨てた命ですから、、、それに、、”

“それに?”

“命は何時でも拾えますからね、、、僕達は、”

“、、、、、、、、、、、、、、、、シンちゃん、”

“大丈夫です、今はアスカとマナの救出に全力を尽くします、

もちろん、、、あの連中を殲滅する事にも、、、“

“そう、、加持達が行動を起してから、時間は15分しかないから、、”

“解ってます、、いつでもOKです。カオル君もいますし、、成功させますよ”

“期待してるわよ、、、”

無線を切ったミサトは別の無線とモニターを見る、

「リツコ、、、どう?」

「今のところ敵に感ずかれてはいないわ、、」

「そう、、、じゃぁ、10分後に開始ね、、」

「解ったわ、、、」

ミサトの手には何か嫌な汗が浮かんでいた、、

そう、、とても不快な何かが、、、

体中を駆巡っていた、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、アスカ、、、儀式を始めよう、」

拘束を解かれたアスカは白い槍を片手に持ち、棺の前に立つ、

そして周囲の人間がゆっくりと棺の蓋を開ける、

「さぁ、アスカちゃん、お友達とご対面よ、、、ふひゃぁぁあああ、」

岡村と呼ばれた女装者は嬉しそうに奇声を上げながら蓋を開ける、

「、、、、、マナ、」

アスカは棺の中で捨てられた子犬の様に脅えてる少女を見下ろす、

無機質に、興味無さそうに、生気のない蒼い瞳で見下ろす、、

マナは全裸で拘束されていた。顔の半分を覆う様な革の猿轡の奥から何か

必死に叫んでいるが、言葉は全て無意味な擬音になっていく、、

涙を流し、必死に何かを叫んでいるマナを冷酷な瞳で見下ろすアスカ、

そのアスカの腕が小さく動いた、、

「さぁ、アスカ、君も我々選ばれし者の仲間になるのだ、、

君の美は悪魔や神をもひれ伏す事がでいる、、

いま、その美の崇高さを証明するのだ!」

 

 

 

 

如月が叫ぶ、

そして、周囲の奇形人間達も歓声を上げる、

誰もが当然の如く、生命を断つ行為を日常の如く、

そのシーンを期待し、興奮していた、、、

ある者は、すでにその興奮に耐えられず、自慰行為を始めてる、、

「、、、、、、、さよなら、、マナ」

 

 

 

 

 

アスカは小さく呟き、

まるで当然の如く、、

震えて泣く少女に、

ゆっくりと、、

槍を突き刺した、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、

大きな爆発音と共にビルが大きく揺れた、

 

「な、、なんだ!」

「何が起きたんだ!」

叫び声と、奇声が交差する中、激しく警報が鳴り響く、

会場全体が騒然とする中、一人冷静に如月だけが状況を眺めていた、

「うん、、、そうか、、わかった、、その程度の数なら直ぐに撃退できるな、

解った、、私も直ぐにそっちへ行く、」

携帯無線のスイッチを切り、如月はマイクを持つ、

「皆さん、大丈夫です。この程度の衝撃ではこのビルは倒壊しません。」

「何があったの!」

「どうやら愚民どもが、くだらない悪戯を行っている様です、」

「また反乱ね、、、まったく如何して自分達が無意味なゴミだって事を理解できない

のかしら。アタシ達、選ばれし神の子に逆らうなんて、身のほど知らずにも程があるわ、」

「まぁ、愚民とは何時も不満を持っているものです、、

まぁ、鎮圧するにはあと10分程度かかるでしょうが、皆さんは安全ですので、

どうか、ゆっくりと寛いでください。」

その言葉に会場内のざわめきは治まっていく、

「そうだ、、アスカ、どうだね、」

「どうって?」

「友人を櫛刺しにした感想は、、」

「、、、、別に、」

アスカは騒然としていた周囲など関係ないといった感じで、

マナに突き刺した槍を握ったままだった、

「うひゃはははあああ、、遺体よ、遺体!

まだ死後硬直してない、新鮮な遺体よ、、この遺体となら何度セックスしても

アタシの遺伝子を奪われる事はないわ!」

岡村と呼ばれた女装者は棺の中で真っ赤に染まった遺体に頬擦りをしながら叫ぶ、

そして、岡村に誘われるかの様に、マナの遺体にハイエナ連中が群がってきた、

「だ、、だれが、始めに犯るのかね、」

「当然、アタシよ、、、アタシが捕獲したんだから、」

「だめよ、此間の遺体も始めだったじゃない、今度はアタシから、」

「いや、いや、、今回こそ私に、、」

アスカと棺の周囲はそんな連中で覆われた、

「アスカ、こっちへ、、、」

「、、、、、、、、、、、何よ、」

如月はアスカの手を取り、歩き出す、

「いや、すまない、、、実は君を疑っていてね、、、」

「、、、、、、どうして?」

「君の周囲には彼がいる、、碇 シンジという男がね、、、」

「アタシがシンジと同じ階級の女だと、」

「いやぁ、すまない。だが、念には念を入れないと危険なものでね、

さっきも言ったが、最近愚民や奴隷クラスの連中が煩くてね、

君をスパイだと言う連中もいてね、」

如月は話しながら、専用エレベーターの前に立つ、

そしてスイッチを押し、エレベーターを呼ぶ、

「あの少女が君を尾行してる事は解っていた、、、

そこで、調度君を試す意味も含めて、彼女には死んでもらった訳さ、、」

「ふ〜ん、、」

「もう一人尾行していた者がいた様だが、、、、まぁ、結果的には君が我々の仲間であり、神に選ばれる資格がある事がわかって良かったよ、、」

「そう、、、、、ねぇ、如月さん、」

「何かね、」

「神に選ばれる資格って何?」

アスカは退屈そうに、多少皮肉っぽく笑いながら話す、

「資格かね、、、そうだな、、それは神に聞かなければな、」

「神にね、、、、、実存するの?」

「あぁ、当然だ。君も神に触れればその偉大さにひれ伏し、驚嘆するだろう、

まさに、宇宙の創造者であり、人類の創造者であり、光で世界を包む、、

偉大な、神という言葉でしか表現できないあの方に会えば、、」

「、、、、、、、、、アタシも遭える?」

「遭える?はは、、君は既に出会っているよ、」

「、、、、、、、、、、、、どういう事?」

「それは、地下の部屋でゆっくり話そう、、、、、さぁ、エレベーターへ、」

専用エレベーターが開く、

如月が一歩踏み出した瞬間、、

 

 

銃を両手で握り、深紅の瞳を狂笑と共に輝かせる少女が現れた、、

 

 

「ハロー、、、招待状は無いけど、アタシも素敵なパーティーに参加させてもらうわよ、、」

開いたエレベーターのドアから、レイが如月に銃口を付き付けた、

「ふふ、、やっぱり、、あんたもこの世界に入る運命だったのね、」

笑いながらアスカが云う、

「まぁね、、、、、仕方ないから、ちょっとお邪魔させてもらうわよ、」

レイは自嘲的な笑みを浮かべ、エレベーターを降りる、

「さぁ、、素敵なパーティーの始まりよ、」

 

 

 

そうレイが呟いた瞬間、再び激しい爆音が響いた、、、、、、

 

第十一話へ続く



Rudyさんの部屋に戻る/投稿小説の部屋に戻る
inserted by FC2 system