海賊は頭にバンダナを巻きつけた、

黒のバンダナに、ドクロのマークが前頭を覆う、

片手にナイフ、片手に銃を、

そして叫んだ、“皆殺しにしろと、”

純粋な涙なんて存在しない、

綺麗な心なんて存在しない、

素晴らしい愛なんて誰も経験できない、

贋物、まがい物、偽物、嘘、、、

だから、海賊は叫んだ、、

皆殺しにしろ!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっ、、、変な格好ね、」

「そう、昔流行った映画で、こんな格好があったらしいわよ、」

如月に銃を付きつけ、ゆっくりとエレベーターを降りるレイ、

サングラスに黒のタンクトップ、革のパンツに、黒のブーツ、

両手に握った銃は震える事無く、まっすぐに標的を狙う、

「、、、、、、くだらない化粧バンドみたいね、」

「うっさいわね、、、助けに来たんだから、少しは感謝しなさいよ、」

「助けにね、、、、、」

アスカは周囲を見回す、

レイの登場は確かに会場を沈黙させるには充分だった、

だが、誰一人として緊張感を持っている生物はなく、自分達の世界に没頭していた、

「、、、、、なんか、和やかな、、、雰囲気ね、、」

「はは、当然だよ、、、」

如月は笑いながら答える、

「この会場で、銃口を突き付けられたくらいで脅える人間はいないよ、」

「、、、、、、、冗談?」

「いや、冗談ではない。良ければ君のその銃で私を撃って見てくれ、」

「強がってんじゃないわよ、」

「いやいや、、寧ろ我々にとって、死は最高の快楽だ、、、歓迎するよ、」

如月はレイに一歩近ずく、

「、、、、、撃つわよ、」

レイも後退する事なく、引鉄に力を込める、

「構わないよ、、、撃てるのかな、、、君に、」

如月は銃口に自分の体を密着させる、

そして、周囲を見渡す、

 

静寂は次第に消えて行く、、

レイの登場も、如月に突付けられた銃口も、

周囲の一瞬の興味は引いたもの、直ぐに興は冷めてしまった、、

次第に、静寂から奇声と快楽をむざぼる声が立ち上る、

そして、様々な現象が持ち込まれていた、

遺体となったマナに群がる男達、、

全身をガーゼと包帯で覆いはじめる男女、

小動物用の檻に入れられた幼女に蝋を垂らし始める中年女性、、

老若男女、、デブから痩せまで、ブスもブ男も、、、、

レイの登場を意に介すことなく、自分達の快楽をむざぼる、、

世界中の背徳が集結したような世界、

そんなパーティー会場で泣き叫ぶ少女と少年達、

安値で売られたのか、誘拐されたのかわからないが、

その叫び声がパーティーを一層盛り上げている事には変りなかった、

 

 

 

そんな光景を満足そうに眺めていた如月は、大声で叫ぶ、

「みなさん、、、どうぞ気になさらず、其々の快楽をお楽しみください、

せっかく新しい遺体を手に入れたのですから、死後硬直前にお楽しみください、

あぁ、、、マギーさん、今日は包帯緊縛撮影は二時からですから、先にマスク撮影

を優先してあげてください、ジム君、汚物専用ルームは別料金ですから、、、

キャリーさん、幼女虐待プレーは今日素晴らしい子供を監禁してありますから、

そうそう、、神様プレーは、、、、、っつ、」

静かな銃声が響いた、

サングラスで隠れたレイの表情は、以外と無表情だったが、

始めて撃った感触はけっして良い物ではない、、

そう髪の毛の先が語っていた、、

「あんた達、、、やっぱり死ぬべきよ、、」

「はは、、、、そうかね、、」

「、、、、、、、あの、檻に入ってる少女はなに?

全身を包帯で縛られた女の子達はなによ、、マスクと刺青だけの気色悪いのも、、

汚物塗れの男達はなによ、、、、アンタ達、、、死ぬべきよ、、」

そう呟き、

レイは数発如月の体に弾丸を撃ち込む、

「、、、、、、血が流れてるって事は、あんたも一応人間なのね、」

「はは、、、そうかい、、血で判断するのは間違いだよ、」

口から血を流し、不気味に笑う如月、、、まさに狂人的な笑みだった、、

レイはその笑みに戦慄を覚える事はない、

寧ろ、血が流れた事で、如月が人間である事がわかった事で、安心していた、、

だが、同時に強烈な震えを覚えた、

、、、、、、、、、、自分は人間を殺した、自分が撃った相手は、、、人間だ、、

何気なく、引いた引鉄は人間の心臓を貫いた、、

怒りにまかせて、引鉄を引いたわけではないが、

レイの心が引鉄を引くことを求めた、

レイの心は、銃口を突付けた時から叫んでいた、、

“皆殺しにしろ!”、、、、と

その叫ぶ心と、周囲の異様な光景がレイと突き動かしたのだが、、

今、改めて人間を殺す、という行為に恐怖を感じていた、、

「ふふ、、、急に震え出したな、、恐いのかい?人間を殺す事が?」

「、、、、、、う、、うるさいわね、、」

強がってみせても、レイの銃口は震えている、

どんなに止め様と思っても、震えは止まらない、

「人間を殺した事に対し、罪悪感を感じてるのかね、、、

無駄な事だ、そんな罪悪感が人類を、地球を、宇宙を破滅させるのだよ、」

口から血を流しながらも、如月は笑いながら話す、

「何云ってるのよ、、、、、」

「ふはは、、簡単なことだよ、、、生命に執着する意志が存在するから、死に恐怖を

感じるのだよ。生命などは、いくらでも複製できるし、再製もできる、

それ程特別な物ではない、、、、、いや、コンビニでも買える、そんな物だのよ、

魂ってやつはね、、、」

レイには如月の言葉は意味不明だった、、

だが、心の奥底が何かを叫んでいた、、

「見たまえ、周囲の連中を、、、

ここに集まった生物は、人間などという欲に塗れた生物ではない、」

「、、、、、この変態連中が性欲に塗れてないですって、、」

「良く観察したまえ、、、彼らは確かに自分達が興奮する行為を行っている、

それによって自慰行為を行っている物も大勢いる、、

だが、誰一人として性行為、つまりセックスをしてる者は一人もいない、

自分の遺伝子を残すもの、他人の遺伝子を受け入れるもの、

誰一人として、そんな愚劣な行為を行っている者はいない、、」

「そうれがどうしたってのよ!!」

サングラス越しにレイは鋭い瞳で如月を睨みつけたまま、

震えた声で叫ぶ、いや、叫ばなければ自分が崩壊しそうだった、

「遺伝子を残し、自分の子孫を繁栄させるセックス、、

そんなくだらない性欲に囚われた者達と我々を同一視して欲しくないなぁ、、

我々は、偉大なる神の元、自分達の優性遺伝を守る為に自慰行為を行っているのだ、

つまり、性的な処理を行っているだけだ、、、方法は問題ではない、」

「あの行為の何処が問題ないっていうのよ!!」

「はは、、愚民どもを道具にしてるって事かね、、、

考えてみたまえ、自由だ人権だと叫んだところで、人間の本能には優劣が明確だ、

しかも、遺伝子レベルでね、、どんなに努力しても、無能な奴は無能だ、

そんな無能は生物は、地球を滅ぼすウィルス同然だ、

早めに処理しなくては、地球に、宇宙に、いや、神様に申し訳無い、、」

「あんた、、、、じゃぁ、この状況は神様が選択したとでも云うわけ、」

「はは、、当然じゃないか、我々は神に選ばれた人間だ!!」

如月は大声で叫ぶ、

だが、その叫びは周囲の歓喜の声にかき消される、

誰かが、檻の中から一人の少年を出した、

そして、逃げ回わる少年に向けて、一発の矢が放たれる、

その矢を射った女性は、真っ赤な革製のマスクを付け、全身を刺青で装飾していた、

歓喜の声が一層上がる中、少年の左目を抉った矢は残酷なまでに美しく見えた、、

そして、血だらけでもがき、苦しむ少年に群がり、自慰行為を始める女装者達、、

“誰か次の獲物を持ってきて!”

マスク越しに叫ぶ女性は、狂気乱舞しながら自分の性器を慰めていた、、

そして、直ぐに一匹の檻に入れられた少年が運ばれ、

その新たな獲物の登場に、更なる歓喜の声が上がった、、

 

そんな世界をレイはサングラス越しに、瞼を痙攣させながら眺めていた、

「これが、、、、この世界が神様が選んだ世界だと、、、」

「そうだよ、、、、、、、、、、、、、、、、、、綾波 レイ君、」

「え、、」

レイは驚きの声を上げる、

如月は一歩後退し、打たれた傷をハンカチで抑える、

そして、不思議な事に次第に出血は止まり、元の普通の姿へと戻っていった、、

「な、、、何、、あんた、、」

「そんなに驚かなくてもいいだろ、綾波 レイ君、」

「ど、、どうして、アタシの名前を、、」

「はは、、、、いやぁ、やっと遭えたね、、嬉しいよ、」

レイは嬉しそうに笑い、微笑む如月に異常な戦慄を覚えた、

背筋に走る無数の悪寒、

どうしても止められない震えと、油汗、

腰の辺りが重力を感じてない、

自分の存在が中に浮き、生命の消滅が間近い事を知らせる、

そして、異常な程の呼吸困難が襲う、、

「な、、、何故、、、あんた何者なの、、」

「それを説明する必要はないだろ、、

君こそ、我々が待ち望んでいた生物だ、、、いや、生物などという言葉は失礼だね、

始めは、私も正直自信がなかったのだが、、、君のその紅い瞳、、間違い無い、

我々が待ち望んできた、、、

君こそが、、、我々の神だ、、、、」

 

 

 

 

 

その瞬間、激しい銃声が会場を支配した、、

同時に奇声が上がる、

パーティーに参加していた生物が次々と倒れて行く、

そして、その銃声の元には、、

全裸で、犬の首輪をつけたシンジがいた、

「碇 シンジ!」

如月の表情が一変する、

レイやアスカに対する表情とは明かに違う、憎悪を込めた表情を浮かべ、

大声で叫んだ、

「やぁ、如月さん、、、ご無沙汰してますね、」

「貴様、、、」

「やっと遭えて嬉しいですよ、」

「やはり、腑抜けな生活は我々を騙す為のものだったのか、」

「あれ、解ってたんじゃないんですか、だから僕に色々な女性を送ってくれたんでしょ、

女王様やら、マゾ奴隷やら、、、いやぁ、本当に色々な薬まで教えてもらって、、

勉強になりましたよ、如月さん、」

「ふっ、、やはりゲンドウの息子だな、、、」

「えぇ、、諦めの悪いのは父親譲りですよ、、アンタ達を絶滅させるまでは、

絶対に諦めませんよ、僕は、」

「そうか、、中々の堕落振りだったよ、、すっかり我々も騙されてたよ、

となると、、アスカも当然、」

そう振りかえった場所には、全裸でマシンガンを握るアスカが立っていた、

「、、、、、こんな事じゃ死なないでしょうけど、暫くは、さよならね、」

アスカは一気に引鉄を引く、

同時に如月の頭部が破裂する、

完全に、脳から頭蓋骨まで、粉々に吹き飛ぶ、

「ふぅ、、、」

アスカは一呼吸置く、

「レイ、行くわよ!」

「、、、、、、、、、、、、、、、、」

レイは余りの出来事に完全に自分を失っていた、

「仕方ないわね、」

アスカがレイの腕を強引に引く、

そしてマシンガンを周囲に打ちながら、ある部屋の方へと走り出す、

「シンジ!!」

「オッケー!!」

シンジも同時に走りだす、

そして、周囲の生物へ銃を打ち捲る、

だが、周囲の生物は逃げる事もなく、ただ、呆然とシンジとアスカの銃弾を受ける、

そのただ死に行く姿を、レイは懼れ、慄きながら見ている、

「ど、、どうして、誰も逃げないし、避けないの、、、」

「簡単な答えだよ、、、、被弾したぐらいじゃ、死なないって事さ、」

「死なない、、、」

シンジ達は部屋のドアを開ける、

そして、その狭い部屋に予め用意していた軍服の下だけを身につける、

「死なないって、、、どういう事?」

「今は説明してる時間はない、急いで!」

「シンジ!下はどうなってるの、」

アスカも下半身だけ軍服を身につけ、狭い部屋にある窓に銃を向ける、

「加持さん達も既に引き上げてる時間だ、

早く屋上に逃げないと、攻撃部隊が上がって、、、、、」

シンジの言葉が終わらない内に、一気にエレベーターから大勢の銃を構えた連中が

会場へと流れ込んできた、

「来た!」

「くっそう!」

シンジとアスカは部屋の入り口に隠れながら、反撃をする、

だが、多勢に対し、シンジ達の劣勢は明かだった、

「どうして、エレベーターが動いてるのよ!」

「リツコさんのハッキングを防御したんだろ!敵だって馬鹿じゃないさ!」

「まったく、あのマッドサイエンティスト!肝心な時に!」

ひたすら打ち捲るシンジとアスカ、

だが、その光景を嬉しそうに笑って見ている、パーティー参加者達、

体から血を流し、中にはワインを飲みながら、失った腕を持っている者もいる、

「な、、なんなのよ、あの連中は、、、」

レイは一人震えていた、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話しは数時間前に遡る、

まだ、シンジも加持も突撃する前、

レイは大きな車の中で目覚めた、

そして、目前に迫ったカオルの唇には拳で答えた、

「い、、、痛いなぁ、、、、、、」

「突然、目の前に唇があったら、誰でもそうするわよ!」

怒りながら目覚めたレイは、周囲をゆっくり見回す、

見なれない機械、、コンピューター、計測器、無線、、

そして、大量の武器、、、、

目覚めた車の中はまるで軍事作戦所の様だった、、

恐らく2tトラック程度のコンテナ部になっているのだろう、

かなりの広さがある、

「ど、、、どこよ、、、ここ?」

「目が覚めた、レイ?」

声の方を見ると、シンジが後ろに立っていた、

「あんた、、、」

「レイ、、君に手伝って欲しいんだ、」

「はぁ、、、?」

「アスカとマナを救う、君にも手伝って欲しいんだ、、」

「、、、、、、、、、、、、、あんた、何言ってるの?」

レイはシンジの言葉は夢の中の出来事の様に思えた、、

そして、シンジ、カオル、そして後から現れたミサトの言葉は、

そんな思いを一層深めさせた、、

「まず、一階部に特攻部が正面から侵入、同時にリツコ達があのビルのコンピューター

システムにハッキングを開始する。恐らくハッキング開始10分でコンピューターは

こちらの制御下に入るはず。それと同時に更に特攻部は地下へ侵入、そのルートとタイミングは加持に巻かせるわ。日向君達は、周囲に集まった敵の更なる侵入を阻止して、

青葉君達は屋上にて、アスカ達の救助を行って、、」

(何言ってるんだ、、、ミサトは、、、教師でしょ、、)

レイは一人、呆然として聞いていた、

何故、自分がここにいるのか、何故、こんな作戦ミーティングに参加してるのか、

どう考えても、夢の出来事としか思えなかった、、

「シンジ君は例のルートで会場入りして。敵の捕らえた少年は顔をマスクで覆われて

いるから、シンジ君と入れ替わっても如月以外なら気がつかないでしょう、」

「はい、、」

「カオル君は悪いけど、、、、」

「大丈夫です。僕はその為に居るのですから、、、」

「ごめんね、、、辛い役ばかりで、、」

「いや、ミサトさん、そんな事気にしないでくださいよ。それより、アスカちゃん、、

僕だって解ってくれますかね、、、、」

「それは、、、アスカに賭けるしかないわ、、、」

「大丈夫だよ、カオル君。アスカなら、きっとカオル君だって解るよ、」

「そう願いたいね、、、」

口にコーヒーカップを運ぶカオルは、珍しく真剣な表情だった、

「恐らく、ハッキングして敵のシステムを制御できるのは、20分程度、、

それ以上経てば、別のコンピューターシステムに自動的に連動してしまう、」

「つまり、突入から20分間が限外だと、」

「計算上はね、、、、、」

ミサトはシンジ、カオル、リツコ、加持、日向、そしてレイ、全員の表情を見る、

「作戦はアスカとマナの救出を最優先とします。以上よ、、、」

「それじゃぁ、作戦開始まであと10分、、、全員急いで配置に付け、」

「「「OK!!!」」」

レイ以外の人間は全員トレーラーを出て行く、

「あ、、、、あの、、、アタシは?」

「レイ、、、今は貴方に説明してる時間がないの、」

ミサトがレイの前に立つ、

「は、、はぁ、、、」

「お願い、作戦には貴方の協力が必要なの、力を貸して?」

「い、いやぁねぇ、、、ミサト、、なんかの悪い冗談でしょ?ね、、はは、、はは、、」

レイは現実と思えない事態に、引きつった笑みで笑う、

「さぁ、レイ、これに着替えて、、、加持達が突入後、一つだけ動くエレヴェーターが

あるの。そのエレヴェーターはアスカとマナが監禁されてる会場へ直通なの。

貴方に、、、一人でそのエレヴェーターに乗って会場まで行って欲しいの、」

「ちょっと、、ミサト!いい加減冗談は止めてよ!」

レイは真剣な表情のミサトに、多少苛立ちを覚えていた、

「レイ、、、今は説明してる時間はないけど、、、貴方にしかあのエレヴェーターは

乗れないの、、、お願い貴方にしか出来ないの、、、、」

「ミサト、、、」

「貴方にしか、アスカとマナは助けられないのよ、、、

お願い、、レイ、、、、、、」

 

レイには現状は何も把握できなかった、

だが、自分がここで了承しなければ、アスカとマナが死ぬ、、、

それだけは、本能的に感じていた、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シンジ!どうするの!」

「大丈夫!まだ手は残ってるさ!」

激しい爆音と銃声が響く中、シンジとアスカは次々に銃を撃つ、

そんな光景をレイは呆然と、震えながら見ていた、、

(こんな世界が、、、どうして、アタシが、、、こんな世界に、、

やっぱり、夢よ、、酷い悪夢を見てるのよ、、でも、、、この世界は、、)

レイはただ震え、悪夢が覚める事を祈っていた、

だが、目の前を横切る銃弾の雨は、レイに今が現実である事を知らしめる、

「レイ、あんたも応戦して!」

「う、、うん、、、」

アスカの声に、レイも側にあったマシンガンを手にとり、ひたすら撃ち捲る、

今が現実でも、夢でも、、敵から逃げること、この場から脱出することが最優先だった、

「シンジ、残ってる手って、何よ!」

「あれだよ!」

そう叫んだ瞬間、レイは自分の目を疑った、、

棺おけから、ゆっくりと一人の人間が這い出てきた、

心臓部には槍が刺さったまま、顔は半分以上猿轡で覆われた、

全裸で後ろ手に縛られた少女が、自力で立ち上がっていた、

霧島 マナ、、

レイはその人物を、マナだと判断した、、、

だが、マナだと判断した人物は体中に血痕を残し、

今まで血の海に沈んでいたはずだった、、、

「あれって、、、マナ?」

レイは銃を撃つのを止め、その姿を呆然と見る、

会場内の戦闘部隊も、パーティー参加者もその姿に一応に驚きを見せる、

そして、全員が見守る中、マナは一気に両手の拘束縄を引きちぎり、

胸に刺さった槍を、自らの力で引きぬく、

槍が抜けると同時に、心臓部から大量の血液が噴出する、

その血飛沫が飛び出す瞬間、シンジは叫んだ、

「アスカ!レイ!僕に掴まれ!」

次の瞬間、

マナの体は強烈な光を放つ、

まるで神の力を示すかの如く、光の翼を一気に広げる、

宇宙を作った力が一気に流失したかの如く、

悪魔と同等の力を持つその光が、一気に全てを包んで良く、

 

 

 

そして、、、強烈な爆発音と共に、、

ホールは一瞬にして吹き飛んだ、、、

 

ホールの周囲を覆う防弾ガラスの窓ガラスが全て割れ、

強烈な爆発と同時に、その場にいた人間の殆どがビルから放り出された、、

一瞬の爆発音と共に凄まじい衝撃が過ぎ去る、、、

後に残った世界は、

全てが破壊されたビルのフロアーと、ビルを支える支柱だけだった、、

 

 

 

第十二話へ続く



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