Rolling God!!」

その叫びと同時に、一気にドラムがフロアータムでリズムをとり始める、

インディアンソウルを呼び起こす、原始的本能を駆りたてるビートが始まる、

グレッチのシンプルな3点セット、シンバルもクラッシュ、ハット、ライドのみ、

メイプルシェル独特の芯の詰った音は、マイク無しでも響き渡る、

更に潜在意識に追い討ちをかける様に、ベースのリズムが色彩をつける、

輪郭が金属でも、基礎音は太く、柔らかなベース、、

EB−Vのバリトンスイッチは壊れたままだが、リアのピックアップはハイゲインだ、

SUN Ampという骨董品に近いチューヴ・アンプが轟音を広げる、

そして、フェンダー、テレキャスターのカッティングエッジが、

ヴァイブロキング独特の脳神経を痺れさせる振動が、

人間の脳裏に最も響くセッティングで、心象的なメロディーを揺らし始めた、

SOON CRAZY!!!」

レイは大声で叫んだ、、

小さな体で、SGベースを抱きしめる様に、、

あくまでもマイクに向かって叫んだのだが、、、

だが、その叫びは、自分自身に向けての叫びだったのかもしれない、、

 

 

そんなレイの不安を他所に、、

観客は熱狂的に踊り、騒ぎ、殴り合い、拳を突き上げ、モッシュの嵐となる、、

(はは、、やっぱり、この現実の方が、アタシには調度いいや、、、)

歌いながら、ステージから瞳を細めて見下ろすレイ、、

どこか幻想的なライトに照らされた空間に身を委ねて行った、、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

Nothing like the Moon

EPISODE 1〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結構受けてたなぁ、」

「まだまだ、アタシの実力はこんなもんじゃないわよ、」

「オーバーし過ぎない様にね、まだ始めたばかりなんだから、」

「大丈夫よ、、アタシ感じるのよね、、、」

「何を?」

「天才って、アタシの為にある言葉の様な気がしてね、、くふふふふ、、」

レイは片手にハイネケンのビンを持ちながら、顔の筋肉を緩める、

「レイ、、、その笑顔不気味だよ、、」

シンジは多少飽きれた表情でキャンデーグリーンのグラスを口に運ぶ、

「なによ!アタシをバンドに誘ったの碇君じゃない!」

「確かに、、そうだけど、、」

「うふ、、アタシの歌声に、見たんでしょ、、本当は、、」

「、、、、、、、何を?」

「ロックの神様の姿に決まってるじゃない、うふ、うふ、、うふふふふ、、、」

「、、、、、、、、、、、、、、、、、、」

シンジはいい加減付き合いきれないと判断し、カウンターから離れる、

一人残されたレイは薄気味悪い笑みを浮かべ、天国の気分を味わっていた、

シンジとレイは客が去った後、ライブハウスのカウンターで飲んでいたのだが、

不気味な笑みを浮かべるレイの残し、シンジはライブハウスのオーナーでもある

加持が座るテーブルへと避難していた。

「確かに、いい詩だと思うよ、」

加持はゆっくりタバコを吸いながら、笑みを浮かべて話し始める、

「、、、、、、それは、認めますけど、、」

シンジも加持に差し出されたターキーに口をつけながら不満そうに答える、

「シンジ君とカオル君が必死にサポートしてるからね、」

「、、、、、、、、、、、でも、暴走しまくりで、、」

「それも、聴いてる人間には緊張感を与える、もし、君達ぐらいの年齢の

バンドがニヤニヤ笑って、くだらない化粧をして、適当な愛を叫んでも、

単なる歌謡曲にしかならないよ、、君達をロック・バンドらしくさせてるのは、

レイの独創的な誌と、君達から受ける純粋さ、、、それと独特の緊張感かな?」

「緊張感ですか?」

「あぁ、、“SOON CRAZY”って感じかな、」

加持は不満そうなシンジを宥める、

だが、確かにレイのステージは無茶苦茶だった、

客はヒートアップし、いつ死人が出ても不思議ではない雰囲気が漂う、

レイもベースを持ったまま、客席にダイブし暴れまくる、

まるで、客にレイプしてくれと謂わんばかりに、上半身肌かで飛び込む、

「、、、、、もう少し、考えて欲しいんですよ、」

「レイは考えてるさ、、、だが、思考を停止させて、流されたくなるんだろ、」

「上半身裸で飛び込むなんて、、、襲われても文句言えないですよ、」

「はは、、、でも、レイは求めてるのかもしれないぞ、、レイプされるのを、、

無茶苦茶な状態で、無数の手と脚と唇で、暗闇を高速で落ちて行く快感を

レイは求めてるのかもしれないぞ、、、、、」

「、、、、、、、、それは、、レイもあの連中の一人だと?」

「そうは云っていない。だが、レイは如月達と何らかの関係がある、

それだけは、間違いない。」

「、、、、、、、、、、、、、、、そうですね、」

シンジは再びグラスを唇に運ぶ、

真剣にカウンターで浮かれてるレイを見つめながら、

何か獲物を狙う目つきで、レイを睨み付けていた、

「どうだい、味は?」

「、、、、、、、、、、、、、、、、アスカのションベンみたい、」

「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、あまり良い冗談じゃないな、」

「はは、、でも、あの連中と戦ってると、いつか冗談じゃなくなるかも、、」

「おいおい、シンジ君。怖い事云わないでくれよ、」

「はい、、、まだ、、まだ、、大丈夫です、、、」

俯き、顔を伏せるシンジ、

“大丈夫って何がよ!!”

そう叫んだレイの言葉が頭で繰り返される、

(大丈夫か、、、、、、もう手遅れかもしれないな、、、、、)

シンジは、何故か笑っている自分に寒気がした、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白々とした空気が真夏の朝を浮かべる、

誰も、望まない、無意味な朝日が現実を起動させる、、

覚醒した都市、人間、鉄の塊、ガソリン燃焼と廃棄ガス、、、

コンクリートと腐った街路樹、下品な看板と水着の女性のポスター、

そんな世界が現実で、夢を見る夜は幻想、、、

太陽が死んだら、、

僕達は永遠に夢をみていられるのだろうか、、、

 

「おはよう、、」

「あら、、早いわね、」

アスカが教室にはいると、数人の生徒しかいなかった、

「うん、、珍しく早起きしたから、、、」

「今日ぐらいの時間に来れば毎朝葛城先生と喧嘩しなくて済むのに、」

「へへ、、まぁ、出来る事ならばとっくの昔にやってるわよ、」

鞄を机に置き、アスカは委員長のヒカリと会話を始める、

無機質な笑顔ではない、かといってアイドル的な創り笑顔でもない、

どこか、今の現実から一歩引いた様な表情と態度、入学以来、誰とも会話もせず、

怪我を負って登校していたアスカだったが、今では別人の様だった。

誰とでも、平気に会話をするわけではないが、来る者は拒まず、といった感じで、

男子生徒にも、女子生徒にも、隔てなく同じ笑顔と言葉で答える様になった。

「、、、、でも、良かった、アスカが元にもどって、」

「ふふ、、ごめんね、ちょっと精神的に鬱状状態から抜けられなくて、、、」

「でも、自閉症だなんて、、、どうしてアタシには何も云ってくれなかったの?」

「うん、、、シンジが側にいてくれたし、、、ヒカリに余計な心配かけたくなかった、」

「おまけに、自虐的な行動もとってたなんて、、、結構重症だったのね、」

「うん、、、まぁ、重症って云えば重症だったけど、、、」

「愛するシンジ君が側にいたから、大丈夫って事?」

「ヒカリ!!!」

照れながら、叫ぶアスカ、、笑い合う二人、、

だが、、、、、、アスカは本気では笑っていなかった、、

 

アスカが誰とも話さず、学校にも登校せずにいた事は、精神病の為だと、

怪我負って登校したのは、自閉症から自虐症が誘発した為だと、、、、

そう担任のミサトは、“全員には黙っていたが、”と最初に命を打って、今までのアスカ

の態度の不自然さを説明した。そして、、今は直ったと、、、最後に告げた。

そのミサトの説明後、アスカの演技もあったのだが、次第にアスカは笑顔を振りまき、

ヒカリや他の生徒達とも会話をする様になっていた、、

だが、全ての生徒達がその説明に納得したわけではなく、

今でもアスカは本当に売春していた、お金で体を売っている、

淫乱で、変質的セックスを好み、自分の美を誇示してる女だと、、、

そう噂をしてるくだらない連中も大勢いた、、

 

「ホント、アスカ大変だったんだね、、」

「心配かけでごめんね、」

「ううん、、アタシはアスカと昔みたく話せる様になっただけで充分嬉しいわ、」

「ヒカリ、、、、ありがとう、」

アスカは、ヒカリの友情という偽善に感謝の言葉を述べつつも、

心では、謝罪をしていた。全てを嘘で固めてることに、、、、

「おはよう!」

二人の背後からマナが現れる、

「おはよう、、、マナ、」

「おはよう、アスカ。体の状態はどう?調子良い?」

「うん、、お陰様でね、」

「そう、、そうそう、ヒカリ、昨日のテレビ見た?ジャニーズ・シニアのね、、、、」

そんな会話がマナの登場と同時に始まる、、

ごく一般的な高校の朝なのかもしれない、、

だが、、、アスカの心は、、、今の世界の方が夢の様な気分で埋められていた、、

(売春騒ぎの次は、、、精神病患者か、、、ふふ、、強ち間違いって訳じゃないわね、、

ほんとうに、、、あの連中と戦うには、狂人にならなければ、、、)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み、校舎屋上、

無意味に蒼い空が、狂うには最高の日だと教えてくれる、

そんな素晴らしいブルーの下で、3人の少年少女が昼食を取っていた、

「それで、、」

「うん、、、また“シベリア”でライブをやるんだけど、、」

「アタシにも来いと、」

「うん、、、、、」

シンジは弁当を口に運びながら、恥ずかしそうに頷いた、

「、、、、、、、、、嫌、」

アスカはジュースの缶を口につけながら、横目でシンジに答える、

「どうしてだよ、見に来てくれてもいいじゃないか、、、」

「、、、、、、、、、嫌、」

「僕が言うのも変だけど、良いバンドだよ、それに、、」

「あのね、、音楽がどうのこうの云うつもりはないの。単純に見たくないの、」

「酷いなぁ、、、」

口に卵焼きを運びながら、シンジは不満気に呟く、

「はは、、シンちゃん、子供ね、」

「なんだよ、、マナ、笑わなくてもいいだろ、」

横で同じく弁当を広げているマナは、シンジの膨れた顔を見て笑う、

「どこの世界に、自分の恋人が他の女と仲良くしてる姿を見たいと思う

少女がいるのよ。少しは、シンジ、アスカの事気にしてあげなよ、」

「だ、だ、だ、、誰が恋人よ!」

飲みかけのジュースを吹き出しながら、アスカが大声で叫ぶ、

「あれ、そうなの?じゃぁ、アタシがシンジのライブ見に行こう、」

「か、勝手に行けば!」

多少頬を染めた表情で、アスカも食事を口に運ぶ、

そんな様子をマナは嬉しそうに眺めていた、、、

黙々と弁当を口に運ぶアスカ、

その姿を横目で見ながら、多少不満そうな顔で同じ弁当を食べるシンジ、

そんな二人を嬉しそうに眺める、マナ、、

そのマナが見上げた青空には、先日見た悪夢の映像が浮かんでいた、、、、

「マナ、傷ははどう?最近はまた悪い夢見る?」

呆然と空を眺めるマナにシンジが話しかける、

「ううん、、大丈夫みたい、、」

マナもその言葉に瞳を大きくして、笑顔で答える、

「そう、、、でも、マナが復活してくれて良かったよ、」

「ふふ、、、でも、もう3ヶ月経つのよね、、あの時から、、」

「うん、、、」

多少、言葉をつまらせながら返事をする、

「アタシね、今でもあの悪夢が現実の様な気がしてしょうがないのよね、、」

「そう、、、」

「うん、、、アスカを尾行してた夢、、レイと交した変な会話、、

そして、、、何故かとっても悲しくて泣いてた、、哀しみが心臓を掴んで、、

涙を流しながら走りこんだホテルで、、、アスカが変な男達に、、、、」

そこまで話したマナは、はっとした表情でアスカを見る、

その先の少女は細めた瞳と口に咥えた箸で、マナの瞳に答えた、

「あ、、、ごめん、アスカ、、、」

「ううん、、別に。あの頃はアタシが売りをしてるって噂、酷かったから、

マナがそんな夢を見ても不思議じゃないわよ、」

「でも、、、、あれは、、」

「レイもアタシを尾行してないって云ってたし、アタシもそんな行為はしてない、

マナの悪い夢だよ、それは、」

「そうね、、、、」

蒼い空から受ける完璧な恐怖感は圧倒的な力を持ってマナの記憶を混乱させる、

そのマナを宥める様にシンジが話し始める、

「マナ、、、マナはあの日、あのホテルの側で交通事故にあって、、

その所為で多少記憶障害が起ったんだよ、そして心の不安が一気に溢れて

その不安が悪夢を現実的に感じさせたんだよ、実際三日間も昏睡状態だったしね、、、」

「そうね、、」

「でも、その不安の原因は僕達にあるんだよね、」

「そんな事ないよ、シンジはアスカの病状を誰にも知らせたくなかったんだよね、

自分の愛する女性の病気を一人で、必死に看病してたんだもんね、、

さすがシンジね、、、アスカ、幸せ者よ、あんたは、」

「、、、、、、、っけ、誰が幸せなもんですか、、」

アスカは一気にオレンジジュースを飲み干した、

マナは今一つ納得できないまま、現状を維持していた、

あの日、ホテルの前で交通事故にあい、3日間昏睡していた、、

全ては夢の様な感覚、悪夢の出来事、、

だが、その悪夢から覚めた時には、側にシンジとアスカの笑顔があった、

そして、アスカが精神病だった事、シンジはその看病で付き添っていたいた事、

アスカの売春、シンジの女性関係、全てが噂であり、、

再び幼馴染として側に存在する二人、、

マナにとっては、悪夢から覚めた瞬間に、望んでいた世界が現実化した、、

「ほんと、、アスカもシンジも元に戻って、、、よかった、、」

「うん、、、」

「そうね、、、」

笑顔で青空を見るマナ、

だが、その笑顔に異常な程の苦しみを感じるシンジとアスカだった、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

科学実験室と書かれた小さな部屋、

その部屋の主と、ミサトは昼食をとっていた、

「アスカの日常生活への復帰は順調にいってる様ね、」

「そうでもないわよ、、、病名が精神的圧迫性うつ病って事にしたからね、、、

多少アスカから距離を置く生徒も大勢いるし、未だに売春説を流してる

敵対してるグループもいるみたい。中々難しいはね、、」

「でも、シンジ君とアスカはマナちゃんのフォローは完璧にしてるわね、」

「元々、離れたくなくって、本当は一緒にいたいと思ってた訳だから、

今のシンジ君もアスカも、フォローしながら楽しんでるんじゃないの?」

「、、、、ミサト、本気でそう思ってる、」

「そりゃぁ、催眠で記憶を隠ぺいさせてる訳だから、アスカもシンジ君も

心は痛むでしょうけど、、、、でも、少なくとも高校生活を楽しめる状態には

なってるはずよ、」

「、、、、、、、、、、あなた、教師失格ね、」

「何よ!じゃぁ、リツコは二人の気持ちが解るって云うの!」

「あなたよりわね、、、、、、」

ミサトの空になったコーヒーカップにリツコは新たなコーヒーを注ぐ、

その新たな水分を、ミサトはゆっくりと口に運ぶ、

「苦しんでるのは、、、、マナに嘘をついてるからじゃないわ、

寧ろ、マナにはあの世界、あの狂人達や、ビルから救出されたり、カオル君

に融合されたりした事は、記憶から消すべきだと思ってるわ、、」

「じゃぁ、何を苦しんでるの?」

「、、、、簡単なことよ、シンジ君も、アスカも、、、気がついてしまったのよ、、、」

「気がついた?」

「そう、、、自分達がもう二度と戻れない、通常の概念や道徳観が支配する世界に

自分達は戻れない、、狂人達を殺す為には、自分も狂人にならなければならない、

その為に、自分達が更なる狂人にならなければいけないって事にね、、、」

「、、、、、、、、、、、、、、、」

「あの二人は、、、、自分達の常識性に苦しんでるのよ、」

リツコは無言のまま、自分のコーヒーカップにも更にコーヒーを注ぐ、

その音だけが、科学実験室に響いた、、、

「そういえば、、レイは登校してないみてないだけど、」

リツコは話題を変える様に話し始める、

「それがね、、、、ちょっとねぇ、、、」

「何?問題があるの?」

「あの店に入り浸りなのよ、、、」

「あの店って?」

「“シャーベット”って居酒屋、、、、元あの秘密クラブのね、」

「ふ〜ん、、本能的に感じてるのかしら、、」

「さぁ、、、今は黙認してるけど、その内、、、、」

ミサトはコーヒーカップを唇につけながら、険しい表情で壁を見つめていた、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人黒いブーツを壁にぶつけ、苛立ちを示している少女がいた、

右手に握られたジッポライターがシルバーリングに何度か衝突する、

口に咥えた短いタバコの煙が目に沁みる、、、

その度に顔を顰めた少女は、革のパンツに、白いTシャツ、左腕にはドクロの刺青、

額に挙げたゴーグルタイプのサングラスが、嫌味な太陽を反射させていた、

「、、、くっそ、、」

レイは苛立っていた、

何度も、何度も地下を降りて、店の前まで歩いた、、、

だが、あの時と同じ空間へは導かれない、、、

あの、狂った生物、背徳色で覆われた壁、蝋燭の影が淫靡さを垂らす、

レイの神経を全て切断し、一本ずつ抜いていく苦痛を示すあの世界、

そして、自分を誘う、懐かしい狂った世界、、、

あの瞬間をもう一度経験したくて、もう一度確かめたくて、

レイは何度も“シャーベット”の地下へと降りる階段を往復していた、

「くっそ、、、どうして、?、、、あの瞬間は夢なの?」

不思議な感覚だった、

あの世界を望んでいるレイと、否定してるレイとが同時に存在していた、

恐怖感、嫌悪感、憎悪感、緊張感、焦燥感、、、、

あらゆる感覚が延髄の中を掛け回り、脊髄から体内へと流れ出す、

余りの不快な感覚に、体中を傷つけたくなる、、

ナイフを体に突き刺して、何度も、何度も、、抉りたい、、、

(アタシ、、、何を望んでるの、、、あの世界にアクセスできたからって、、、

どうするわけ、、、あの世界の奥へと突き進みたいの?それとも、、別の目的が?)

 

 

「本能的に望んでる事なのよ、、、、、綾波さん、」

その声に、レイの不快感は一気に解消された、、

そして、ゆっくりと照り付ける太陽の下、

冷や汗とも思える雫が頬を流れるのを感じながら、、

声の方向に視線を移した、、

「あなたは、ここに来る運命だったのよ、綾波 レイ、」

「、、、、、、、、、、、、、、、、そう、」

レイの瞳の先には越智 里美という影と持たない少女が立っていた、、

 

第十四話へ続く



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