「だから二人は何時も仲良し」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木 宗司はある女性の前に座っていた、

「もうすぐですね、」

桜木の前に座っている女性は不機嫌そうに答える、

「貴方には関係無い事でしょ、」

「いえいえ、僕には彼が必要なんですよ、」

「貴方が必要としてるのは綾波 レイの遺伝子だけでしょ、」

「いえ、碇 シンジ君の遺伝子も必要なんですよ、」

「エヴァを起動させるにはね、」

「彼ら二人の存在は極めて人類にとって危険なんですよ、

その二人を野放しにしてるのは、政府の人間として許すわけには、」

「あら、あなた政府の人間なの?

私は単なる金儲けにしか興味のない狂人かと思ってたわ、」

「はは、、相変わらず親子揃って冗談がきついなぁ、赤木博士は、」

桜木は絶対に可笑しいとは思っていないにも関らず、作り笑顔を浮かべる、

「冗談だと思えるの、あなた?」

「嫌だなぁ、僕は昔博士と同じ生物進化研究所に勤務してた時から、

人類の未来の為だけに、、」

「お金儲けに走ってたわけ?」

赤木 ナオコは目の前で不遜な態度で笑う男を睨みつける、

決して気を抜く事なく、決して心を開く事もなく、

決して笑顔を見せない様に、、、

「そんなに恐い顔をしないでくださいよ、

確かにお金の価値は僕の中では重要ですよ、だって今は世界が資本主義なんですから、

でも、今の研究も金儲けの為だけにやってるわけじゃないんですよ、本当に、」

「、、、、、、、、、じゃぁ、真の目的は何?」

赤木 ナオコが机に両肘をつき、両手を口の前で組み合わせる、

椅子の背もたれには寄りかかる事はなく、多少前のめりの状態で唇で組んだ指を感じる、

そのポーズをみる桜木は相変わらず薄笑いを止めずにいる、

「なんだか、その格好、似てますね、碇教授に、」

「、、、、、、、誤魔化さないで、」

「あの人も僕と同じ道を進んでいれば、死なずにすんだのにって、まだ死んでないか、」

「、、、、、、、、、、、、、貴方が殺したんでしょ、」

「いやだなぁ、僕は何もしてないですよ。あの事件の犯人は綾波 レイでしょ、」

「貴方が作った綾波 レイね、、」

赤木 ナオコは男と思える程、低い声で答える、

「僕じゃないですよ、碇教授夫婦ですよ、

でも、その生みの親を殺すなんて、綾波 レイも悪魔の様な生物ですね、」

「貴方が作った綾波 レイはね。ユイとゲンドウ君が作った綾波 レイは違うわ、」

「いや、一緒ですよ。同じエヴァの魅力に取りつかれた者同士、

僕は人類の為にエヴァを、綾波を使用する目的で研究を続けたかった、

なのにあの夫婦は人類の浄化などという自分勝手な妄想の為にエヴァを、綾波を、

そして息子ですら使用しようとした、、、まぁ、その罰が当ったって所ですかね、」

桜木は声を殺しながら、苦笑する。

今度はさっきの作り笑いではなく、本当に可笑しくて笑っている様だった、

「あなた、、、、、、」

冷たい視線に多少気が引けたのか、桜木は真剣な表情でナオコの構える机に向かいながら、話しながら詰め寄る、

「僕は今の研究所で、人類がオゾン層が破壊されたこの星で生き残る研究を続けてる。

そして、ある結論に達したんです。人類の遺伝子の組換えをすることで、A,G,C,T,以外の組み合わせ、、、まったく違うEという信号を加える事で人類は新しい生物に進化できる、まさに、僕達が研究し、望んでいた世界が実現できるんですよ、」

「でも、そのE情報をもった信号を遺伝子に組み込むには、」

「そう、その為にはエヴァンゲリオンが必要だ。いや、エヴァンゲリオンだけではだめだ、

エヴァンゲリオンをコントロールできる生物のRAN細胞が必要だ。その為にはシンジ君と綾波 レイがどうしても必要なんですよ。」

「、、、、、、、、“Pudding計画”の真の目的は、第二のシンジ君を見つける為?」

「そうです。綾波 レイと同じ遺伝子配列だけを持つ生物を作る。

まぁ、本当に臓器貯蔵庫としての存在価値もありますけどね、

でも、綾波 レイとシンジ君の間に生まれた生物に遺伝子が確実に効力を持つかどうか、

エヴァンゲリオンが二人を認識するかどうかは未知なもんでね、」

「ダミープログラムを作るって事。」

「何事にもスペアは必要ですよ、」

桜木 宗司はそう良いながらナオコの机の前に立つ、

そして、ゆっくりと内ポケットからタバコを取り出し、火をつける、

「だから、渡して欲しいんですよ、シンジ君を、、、、」

ナオコは不遜な態度で机に両手をついて、見下ろす様に話す男を見ていた、

「これは人類が生き残る為なんですよ、その為に協力してほ、、」

「嘘ね、、」

「え、」

赤木 ナオコが小さく呟く、

「嘘ね、、」

「どうしてですか?」

「確かに、貴方の行ってる事は間違って無い、

このままでは、あの灰色のオゾン層の代りを果たしている特殊フィルターは数年しか効果を保持できない。あのフィルターをもう一度世界中の都市の上に設置するには、莫大な時間、費用、人間を必要とする。そんな事をするぐらいなら、人類の構造を変え、あらゆる太陽光線にも細胞を死滅させない様に体質変化させた方が利口だわ、」

「ならば、どうして、、、」

「でも、あなた達IBDの人間達の目的は、それだけじゃないでしょ、」

「やだなぁ、お金儲けは必然的についてくるものですよ、

優れた技術、素晴らしい研究結果には、当然様々な企業、政治家が付いて回るものです、

たとえ、それがハイエナ野郎であっても、それを上手く利用しない手はない、」

「その結果が、、、、、今の世界なのよ、」

ナオコの瞳の奥には何か強い意志が込められている、

その意志の強さを桜木はつまらなそうに眺める、

「二十世紀、世界から共産主義的思想が駆逐去れ、資本主義経済だけが幸せの形として世界を覆っていた。子供から大人、老人、全ての人間がお金こそ幸せの形だと思い込んでいた。金儲けの為には、人命なんて安いものだった。

少女が老人を殺す、、たかだがブランド品を買う為に、

老人も子供を殺す、、少しでも長生きできる薬を買う為に、

親が子供を売る、、、、自分達が必要以上豪華な旅行をする為に、

だれもが、お金で何でもできると思い込んでいた、

どれだけ、宗教や政治や偽善者達が自然や愛を叫んでも、無駄だった、」

「この地球が人間を否定するまではでしょ?」

「そうよ、、、、

オゾン層が破壊され、産業廃棄物で海が汚染されきって、空気も土も、

全てが人間に牙を向き始めた時、、、そうなるまで、、人間は資本主義の豚となっていた、」

「だから、僕の研究を現実化させる必要があるんじゃないですか、

人間がE信号を遺伝子に組み込めれば、人間は進化できる、

欲望も感情も抑制できる、無意味な争いも無くなる、」

「そして、貴方達の命令には逆らわない、絶対的奴隷にもなるって事でしょ、」

ナオコは椅子から立ち上がり、桜木を睨みつける、

その瞳に、桜木は気味の悪い笑みで答えるだけだった、

 

 

 

 

 

 

「E信号を組み込まれた人間はそうなるんですか?」

「そうよ、今の人間が壊した欲望や激情のまま短絡的な行動を取る愚かな行為を遺伝子レベルで制限できるの。でも、それと同時に、、、」

「ある人間達の命令を受け入れる様になると、」

シンジとリツコは、ナオコと桜木がいる部屋とは別の部屋で二人のやり取りを見ていた、

「そう、E信号は確かに人間の体質を変化させる。通常の細胞が持つ信号を紫外線、赤外線からプロテクトして、尚且つ、人体器官の活動をより強化させる働きがあると思われてる。まだ、予測段階でしかないけれど、」

「そんな、、、、、人間の細胞のA.G.C.Tの組み合わせ以外にもう一つ組み込むなんて、、

そんなことが、、、、」

「可能なのよ。ある特殊な方法を使えばね、、」

リツコは淡々と話す、だが、暗い部屋の中、

モニターの光に映し出されたシンジの表情はリツコの言葉をどうしても信じられない、

「でも、それは、、、、神の領域の話じゃ、、」

「あら、シンジ君の口から神の領域だなんて言葉がでるなんて、、

ちょっと驚いたわ。でもシンジ君、このままでは間違い無く人類は滅亡してしまうのよ、

自分達の欲望が招いた結果かもしれないけどね、、」

「それを阻止する為に、、神の領域に入っていくと、、」

「そうね、」

リツコはモニターの前でコーヒーを飲みながら冷静に答える、

「、、、、、、、、、僕と綾波の子供がって、、、どいう意味です、、、、」

「貴方は特殊な遺伝子配列を持つ人間なのよ、」

「え、、、」

シンジは余りにも淡々を答えるリツコの答えに戸惑う、

「貴方の遺伝子配列は普通の人間とは違うの、」

「ど、、どうして、、、、僕は、、」

「大丈夫、貴方は人間よ。でもね、、どんなにシンジ君のクローンを作ろうと思っても、

貴方の遺伝子配列は真似できなかった。貴方と同じ遺伝子配列を持つ生物は、生物として存在できないのよ、通常はね、、、、、ところが、シンジ君はちゃんと人間として存在してる。」

「ちょ、、ちょっと待ってくださいよ。どうして、そんな事貴方が知ってるんです、

僕は数時間前に遭ったばかりなのに、、」

「それは違うは、シンジ君、」

「え、、、、、、」

「私と貴方は数年前に遭ってる。シンジ君が入院してた病院でね、」

「僕が入院してたって、、、、まさか、僕が一二歳の時に、」

「そうよ。あなたが肺の手術をした時、私は遭ってるのよ、

シンジ君のご両親と一緒にね、」

「どうして、、、、、、」

「シンジ君の遺伝子配列に一番最初に気がついたのは、貴方のお母さんなのよ、」

「母さんが、、、、、、、」

「そう、貴方のお母さん、碇 ユイさんと、私の母、赤木 ナオコ、そして貴方のお父さんの碇 ゲンドウは同じ研究所にいたの、」

「京杜大学生物進化研究所にですか?」

「そう、そしてそこの学生だった私とあの桜木って男はそこの研究生だったの、

貴方が入院した京杜大学付属病院に私達は研究生としていたの、」

「そこで、僕と遭っていたと、、、」

「そう、その時ユイさんは貴方の細胞の遺伝子配列が普通じゃない、自分達が捜し求めていた人間の細胞だって事に、気がついたのよ、、、、」

「、、、、、、、、、、、、、、」

シンジは何も答えず、リツコの答えを聞き続ける、

「まさか、数年間探していた特殊な遺伝子配列を持つ人間が、自分の息子だって知って、

結構愕然としてたけどね、」

「、、、、、、、、、、、、、」

シンジはリツコを見たまま暫く沈黙していたが、小さく呟いた、

「、、、、、、、、、、、、何を求めていたんです、」

「何って?」

「父さんと、母さんが行っていた研究は何を求めていたんです、

間違い無く、その研究があの事件を引き起こしたんですよね、

その研究結果や、目的が僕や、アスカや、綾波の全てを変えてしまったんですよね、、

そんな研究って、、、いったい、、」

シンジは呟く様に話した、

だが、その言葉には、余りにも複雑な感情が込められていた、

「知りたい?」

「えぇ、、」

「どうしても?」

「えぇ、、、」

「じゃぁ、聞きなさい、」

「、、、、、、、、、誰にですか?」

「全てのシナリオを書いた人物に直接ね、」

「、、、、、、、、、、誰です?」

「貴方のお父さん、碇 ゲンドウにね、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アスカ!!」

「何?!」

アスカの運転する車のジェットエンジンにもやっと慣れた

ケンスケが探知機を見ながら叫ぶ、

「俺達以外にも目的地に向かってる連中がいるぜ!!」

「どこの連中よ!」

「恐らく、特殊無線を使用してるから、、、、、」

「何処なのよ、早く言いなさいよエロメガネ!」

「エ、エロメガネじゃない!」

「じゃぁ、オタクメガネ!早く言いなさいよ!」

「オ、、、オタクメガネ、、、、、」

どのみち名前では呼ばれないケンスケだった、、、

「まぁ、、ケンスケ、、所詮総流はああいう女なんだから、気にするなよ、、」

「お前は、まだ名前で呼んでもらえるだけましだよ、、」

涙目になりながら、ケンスケは落ち込んで行く、、

「早く言いなさいよ!変態メガネ!」

アスカはそんなケンスケに追い討ちを掛ける、

(く、、くそ、、、、何時かその変態メガネの復讐をさせてもらうからな、、)

ケンスケは堅く心に誓うのであった、

「多分、、、、戦自だよ、戦自!」

「戦略自衛隊?あの連中がどうして!」

「知らないよ!でも、暗号無線の解読パターンが戦自で使ってると同じなんだよ!」

「そう、、、、、」

アスカには戦自が出てくる理由が漠然と掴めていた、、

(間違い無い、、、

シンジを獲得する目的であの組織が動き出したんだ、、

戦自を動かせるほどの組織が、ネルフを装って何かを進めている、

レイもシンジも、恐らく何かに操られて動いてるだけ、、、

でも、、、今、シンジを連中には渡せない、、ネルフにも、、、

レイにも、、、、、絶対に渡せない、、、

絶対に、、、、、)

アスカは再び深くアクセルを踏み込んだ、

 

 

 

 

 

 

 

 

「別に支配するつもりは無いですよ、僕には、」

桜木もさすがにいい加減な態度では答えない、

「でも、貴方のスポンサーはそう思って無いでしょ、」

「それは、僕には関係ないですよ、

僕はあくまでも研究者だ。自分の興味を満足させられる結果がだせれは、スポンサー連中が何をしようが、僕には関係無いね、」

「それが、あなたの本音ね。さっきは人類を存続させる為とか、随分な大儀名文を並べてたけど、結局は貴方も資本主義の豚って事ね、、」

赤木 ナオコの瞳の鋭さは増して行く、

その瞳から放たれる言葉に桜木も次第に真剣な瞳になっていく、

「ゲンドウ君は、違った、、、、

エヴァの存在を知ったときから、シンジ君の遺伝子配列のことを知ったときから、

綾波 レイを創造した時から、、、、、そして、、ユイさんを、キョウ子を失ってでも、、

始めの意志を貫こうとしてる、、、

資本主義の豚に落ちぶれて行く大勢の研究所の連中と決別し、

世界中の人間を敵に回してでも、、息子を殺人マシーンにしても、、、

エヴァ本来の目的の為に、動いてる、、、、」

ナオコは冷たい視線で黙ったままの桜木何かをぶつける様に話す、

桜木はその怒りに似たナオコの感情を迷惑そうに見ている、

「貴方の様に、いい加減な研究結果、一部しか見れない視野の狭い人間じゃない、

本当に宇宙のこと、地球のこと、人間のこと、全ての生命に対して尊敬の念を持ってる、

そして、自分の使命のために必死に生きている、

貴方達資本主義の豚の脅迫、妨害にも負けずにね、、、」

「結局はその豚が地球を征服するんですよ、赤木博士、」

ゆっくりとタバコの煙を吐き出しながら、桜木は机から離れて行く、

「博士の意志はよくわかりました、」

「シンジ君は絶対に渡さないわ、喩え殺されてもね、」

「そうですか、、、じゃぁ、死んください。」

 

 

その次の瞬間、

赤木研究所の各場所で爆発が起こった、

 

 

 

「残念ですね、理解し合えなくて、、」

「別に、、、」

「戦自がシンジ君を拘束します、」

「無理よ、」

「そうですか?いくら貴方の研究所でも、戦自の力を甘くみてもらっては困りますよ、」

「甘くは見てないわよ。でも、シンジ君とリツコはきっと逃げ切れるはずよ、」

「どうしてですか?」

「もうすぐ、シンジ君にとって幸運の女神が登場するはずだから、」

「そうですか、、、それじゃぁ、、、」

桜木は内ポケットから小さな小型銃を出し、ナオコに向ける、

「豚に殺される気分はどうです?」

「別に、、」

「強気ですね、」

「まぁ、六年前に死に損なった命ですもの、いつでもいいわよ。」

「遺言は?」

「そうね、、、、最後に愚かな豚に教えてあげる、」

「何を?」

「貴方のエヴァに対する認識は、一つ大きく間違ってるわよ、」

「、、、、、、、、、、、まさか、」

「もう一度良く考えてみることね、」

「、、、、、、、、、、僕を惑わすつもりですか、僕の研究結果に間違いはないはずだ。」

「そう、、、、自分が一番正しいと思ってる人間ほど愚かな豚もいないわよ、」

赤木 ナオコは桜木が多少苛立っていることを確認する、

そして、

最後に呟いた、、

「昔は、、純粋な学生だたのにね、、、、、さよなら、」

「、、、、、、、、、、、、、、、、、、さよなら、」

そして、桜木の銃声がナオコの額を撃ちぬいた、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リツコとシンジは走っていた、

研究所敷地内は戦自の爆破により既に火の海になっていた、

「シンジ君、こっちよ!」

リツコが地下通路に入る、

シンジも自動小銃を撃ちながら走る、

「さすがに戦自ね、内の研究所のこと良く調べてるわね!」

「リツコさん、赤木博士は!」

シンジ達は始めの爆発と同時に部屋から抜け出した為、

赤木 ナオコの最後は見てはいなかった、

「多分、、、、ダメだと思う、、」

「、、、、、、、、、、、、、」

シンジはリツコの答えを聞き、何も答えずに走った、

(多分、、、、始めから死ぬつもりだったんだ、、

僕を呼び寄せたのも、、、、、戦自が来る事も、、

始めから予想してたことなんだ、、、、、)

シンジは黙って走り続けた、、、

「この先に、十人乗りの小型機があるの。シンジ君、操縦できるわよね、」

「どのタイプです、」

「SSD−203よ、」

「大丈夫です、」

シンジは後ろから迫る戦略自衛隊に交戦する、

数名の兵士が既に地下通路に侵入しており、シンジはリツコを守りながら交戦する、

撃退するシンジの脇で、リツコは携帯電話の様な物でコンピューターとアクセスし、

自分達の後ろの道を塞ぎながら進む、

「急ぎましょう、防壁が破られるのも時間の問題でしょ!」

「そうね、飛行機の発射準備は大丈夫みたいね!」

シンジは確実に相手を倒しながら進む、

「あの角をまがったところよ!」

シンジとリツコは格納庫へと続く道を走る、

だが、その格納庫はすでに戦時が先に占領していた、

「まずいわね、、彼ら小型機の機能を停止させ始めてるわね、」

その小型機の周囲は整備員と思われる人間が数名死体となって転がっていた、

「あれ以外の機体は?」

「無いわ、、、」

(どうする、このまま突っ込むか?

いや、僕一人でもあの人数を相手にしながら、リツコさんを機体に着けるのは無理だ、、

どうする、、、、あと数十秒しかないぞ、、、シンジ、どうする、、、)

シンジは状況を冷静に判断しながらも、策が浮かばない自分に苛立っていた、

「リツコさん、あの機体の真下まで行く道は?」

「無いわ。本当はこの格納庫ですら辿り着くには相当時間が掛かるはずなのに、

戦自に通じる内偵者がいたって事ね、、、」

リツコも冷静に答える、

だが、シンジと違いどこか余裕が見える、

「、、、、、余裕ですね、、」

「そう?」

「そう見えますが、」

「あと少しね、、、、」

「何がですか?」

シンジに答える事も無く、リツコは時計を見ている、

「、、、、、、、、、、来た、」

リツコの言葉と同時に、シンジ達と反対のドアが爆破される、

激しい爆音が響く中、兵士がその方向に一斉に発砲する、

だが、その扉からは、、、、、

「シンジ!いるんでしょ!行くわよ!」

アスカが車ごと格納庫に侵攻してくる、

「アスカ!」

シンジも一気に走り出す、

「多少遅かったわね、、」

リツコも走り出す、

「シンジ!行くわよ!」

 

シンジの幸運の女神は外部拡声器で叫びながら戦自の兵士に乱射する、

その車の運転を見ながらシンジは思った、、

(やっぱり、アスカの運転する車に乗るのは止めよう、、、、、)

 

第十話へ続く



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