Appendix

あとがき

あるいは「作者からの最後の手紙」




やっと、『Letters』も完結しました。
みなさま、いかがでしたでしょうか。
エヴァの謎はうまく補完されていたでしょうか。
登場人物達はうまく補完されていたでしょうか。
最初は、私が夏映画「EOE」を見て感じた私的不満を解消するために
いろいろ考えたことを元にこのような作品として仕上げたのですが、
何か皆様のお役にも立てていれば幸いです。



【言い訳】

実は、本編+外伝1、2話は昨年11月末、外伝3、4、5話も12月末にはほぼ完成していました。外伝3話までは順調に公開できたんですが、その後が長かった。出張やら引っ越しやらで、結局外伝4話の公開が5月。その前に、外伝5話の構想を拡げて『Star Children』の連載を始めちゃったものだから、結局外伝5話は全面書き直しとなり、完成が遅れました。期待して待っていていただいた読者の皆様には御迷惑をおかけしました。(そんな奇特な読者、いないかもしれませんが。)



【蛇足な解説】

どうでもいいことですが、それぞれの話にはテーマが設けられています。
エヴァの謎を自分なりの解釈で半ば強引に補完してやろうという...。

第一話 「アスカ、襲来」
  これはただの導入編。伏線ばりばり。冬月×マヤはうまくできたと思います。
  一方でヒカリ×ケンスケはやり過ぎだったと反省してます。
  あと、レイの記述も、引っかけを狙いすぎてたかも...。
  日向を彼女とくっつけたSSって言うのは他では無いでしょう(自慢)。
第二話 「終わる世界」
  小さな問題ですが、戦自が何故チルドレンを殺そうとしたのか。
  シンジを殺したら、ゼーレは補完計画を実行できなくなってしまいます。
第三話 「静止した時の中で」
  補完計画、とは何だったのか。エヴァ最大のテーマですね。
  ゼーレとゲンドウのそれぞれの目的と手段。そしてシンジの心の葛藤。
  EOE(夏映画)を勝手に再構成しちゃいました。
  (互換性は保たれていると思いますが、基本的には私の妄想です)
第四話 「奇跡の価値は」
  衝撃のセリフ『気持ち悪い』の補完が全てです。
  私は心理描写が苦手なので、あまりうまくいったとは言えませんが。
  (改訂版製作にあたり、大幅に加筆修正しました。少しは良くなったかな)
  あとはEOEの後始末。ハッピーエンドにつなげるための。
  ゼーレも彼らなりの正義を信じて行動したのだと、私は思ってます。
第五話 「神の造りしモノ」
  セカンドインパクトの謎。そしてカヲル君。
  前者についてはうまくいったと思っていたのですが、実は後から春映画
  (Death編)と矛盾している、と指摘されました。その通りです。
  『死海から引き揚げたロンギヌスの槍』『遺伝子をダイブ』云々を完全
  に無視してました(反省)。
  「ちがう、これは、リリス!そうか、そういうことか、リリン。」
  この解釈はお気に入りです。TVを見ると、「これは」と「リリス」の
  間がちょっとだけ長いんですよね。
  ミサトの失語症の原因。カヲル君の誕生日。この辺も好きです。
第六話 「涙」
  ハッピーエンドへのつなぎ。
  やっぱ、『献身的な看病』は本編その後系LAS小説の基本ですから(笑)
  ただアスカの看病をするシンジの話が良くあるのですが、逆はあまりありませんね。
  と言うわけでやってみました。
第七話 「心、永遠に重ねて」
  一応、クライマックスのつもり。
  エヴァFF界では一般的に不遇なケンスケ君もちょっと補完。
  シンジのアスカの挨拶はどうしても書けませんでした。
  私の表現力も問題でしたが、何を書いてもウソになる、と思ったから。
  『感動は、言葉では表せない』 これを表現したかった。
  最後のオマケは余分だったかな。(ま、私の照れです。)
第八話 「アイ、誕生」
  重要な所は終わったので、後は一気にコメディ路線と伏線の処理。
  シンジとアスカの子供の名前はレイやカヲルでなく、「アイ」
  漢字では「愛」。この名前を使ったSSはどこかにあったような...。
第九話 「世界の中心でアイを叫んだオヤジ」
  あまりオチないコメディ調の話ですが、お気に入りはいろいろあります。
  まずはペンティアム。5つのユニットは、あの五人に対応します。
  喫茶店「チルドレン」とヒゲ面のマスター。
  ジェットエンジェルで時田氏も補完(?)。
  最後の「キボウ」。このパスワード、結構好きなんですよね。
  EOEでも重要なキーワードの一つだったし。
  時田氏の補完のために後から追加したオデッセウス計画が当初の外伝
  第五話と結びついて続編「Star Children」につながりました。
外伝一話 「女の戦い」
  リツコさん補完計画。科学者の端くれとして、私は彼女に共感できます。
  それが、あんな結末じゃ、悲し過ぎます。
  多分、エヴァで一番(アスカやレイより)悲しい運命だったんじゃないか、
  だから、書きました。少しでも、その魂が救われる事を祈って。
外伝二話 「鳴らない、電話」
  加持&ミサトの補完。「八年前に言えなかった言葉」がキーワード。
  加持は私がエヴァで一番好きなキャラ。
  冬月とならんで数少ない大人。渋いね。
外伝三話 「レイ、夢の彼方に」
  レイの補完、に名を借りた、実は辻褄あわせだったりする。(反省)
  「映画ではエヴァが宇宙に飛んで行ったのに、何故ユイがいる?」と
  指摘されて、あわててラストの部分を創作しました。
  一応、三人目のレイが何故「碇君が呼んでいる」に至るのか、がメイン。
  要するにギャグ。
外伝四話 「三人目の適格者」
  オペレータ三人衆の補完。あまりうまくいかなかった、かな。
  テーマが弱過ぎたのと、後半を新外伝五話に喰われたせい。
外伝五話 「最後のシト」
  本来はこれまでに唯一補完されていない『彼』が主役の筈だった。
  (昨年12月に出した予告編にもそう書いてありました。)
  書き直した話のメインは、それぞれの心の補完ですかね。
  EOEで青葉の前にレイが現われましたが、私が思うに彼の方が普通です。
  (実際、他の一般人たちはみな、レイばっかじゃないですか。)
  逆にユイ、ミサト、リツコが出る方が特別だったんじゃないでしょうか。



【参考資料】

TV本編パートのセリフ等に関しては全て
テレビの再放送を録画したビデオに基づいています。

夏映画「The End of the Evangerion」のパートに関しては
トウカイタローさんのホームページ(URL行方不明)
「NEON GENESIS EVANGERION その秘密」
にあった「台詞補完計画」を参考にさせていただきました。



【最後に】

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
心からお礼を言わせていただきます。

そして、私のような者に快く掲載を許可していただいたDARUさんにも、
非常に感謝しております。

最後に、本作品の原典となった物語を作られた、


GAINAXのみなさんと、庵野監督に



素晴らしい作品をありがとう





1998年8月15日 SIM-G   
2002年2月22日 改訂    




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