時は移り行き、11月の中旬−−−−−
野球部キャプテンのタツヤがテニス部のエースである榊リュウスケを誘ってから1週間が過ぎようとしていた。

その1週間の間、リュウスケの事を調べている者がいた。
その者の名は東ケイタ。
取り敢えず中間報告としてシンジ、ケイタ、カヲル、マナを集めていた。
その4人はケイタの報告を一日千秋の思いで待っていたのだ。
ムサシはズズッと詰め寄りケイタの話を聞こうとした。


「ケイタ、榊先輩について、どんな事が分かったんだ?」
「落ち着けってムサシ、今から話すよ。」


ケイタはノートを取りだし、その中に書かれている榊リュウスケの事について説明した。











大切な人への想い

第拾参話 夢を共にする者達(中編)











「えーと、榊リュウスケ
 2−Hに在籍
 出席番号は10番
 身長185cm
 体重80kg
 4月2日生まれの牡羊座
 成績は中の上...」
「ちょっと待ちなさい!
 私達が聞きたいのはそんな事じゃないわよ!
 それになんで成績の事まで分かるのよ?」


本題とはあまり関係の無いことを説明されたのでマナが注意したがケイタはそんな事は構わず話を続けた。


「ハハハ、ちょっとしたルートがあってね...
 さて、話を本題に戻すね。
 榊先輩はキャプテンと望月先輩、麻生先輩と同じ中学−−−ってこれは知ってるか。
 第参中学出身なんだ。」


余談ではあるが、ここ第3新東京市には中学校が全部で4校あり、市の中心を基準にそれぞれが東西南北を時計回りの順に配置されている。
ちなみに第壱高校は北に位置し、第壱中学校が近くにある。
第参中学校はその対極の南に置かれている。


「で、卒業時点での所属していた部活は、現在と同じくテニス部なんだ。」
「やっぱりテニス部なのか。
 じゃあ野球部とは関係無いんだね。」


そうシンジが言うとケイタは待ってましたと言わんばかりに話を続けた。


「ところがそうじゃないんだ。
 テニス部に入部したのは榊先輩が2年の夏頃でね、
 それまではなんと野球部に在籍していたんだよ。」
「それ本当かよケイタ?
 じゃあ何で榊先輩は移籍したんだ?」


ケイタの説明を聞いていたムサシは野球部に在籍していたという事実に驚いた。


「落ち着けってムサシ、そのことは後で話すから。
 で、小学生時代はリトルリーグにも入っていたんだ。
 そこではキャプテンと同じチームでな、チームの名前が 『エヴァンゲリダーズ』 って言うんだ。
 んでキャプテンが3番で榊先輩が4番だったんだ。」


意外な事実を聞かされてシンジ、ケイタ、マナは口をポカンと開けて呆然としていた。
カヲルは相変わらず涼しい顔をしている。


「それで肝心の移籍の理由なんだけど、どうやら当時のテニス部は廃部寸前だった様なんだ。
 で、榊先輩はテニス部を助けるため移籍した様なんだ。」
「あれ? でも 『様なんだ』 だなんて、それはケイタ君の推測なのかい?」
「うーん、実はその通りなんだよね。
 けど、榊先輩の性格を考えるとそうとしか思えないんだ。
 責任感が強くて、優しくて、困っている人を放っとけない性格なんだ。」
「でも榊先輩とテニス部の廃部−−−
 この二つを結びつける物が分からないね。」
「痛いところを突いてくるなカヲル。
 けど正直なところ、もう調べたくはないんだ。
 これ以上調べるとなるとプライベートな部分にまで入りそうなんだ。」


カヲルが何とか真実に近づこうと問うが、ケイタには最早どうしようもなかった。
しかしその5人の会話を聞いている者がいた。


「ケイタの言う通りだ。
 これ以上は止めるんだなオマエ等。」
「麻生先輩に望月先輩、ど、どうしたんですか?」


振り返るとヨウスケとススムが仁王立ちしていた。


「全くオマエ達は...
 最近静かにしていると思ったら、こんな事をしていたのか!」
「ス、スイマセン...」


さすがに悪い事をしたと思っているケイタは謝った。


「いいか、人には知られたくない事の一つや二つはあるんだぞ!
 それをオマエ達は根掘り葉掘りと調べて...恥を知れ!」
「.........」


先輩であるススムに言われてシンジ達は縮こまった。


「ススム、もういいじゃないか。
 こいつ等も反省している様だし。」
「けどなヨウスケ、コイツ等はリュウスケの事を...」
「分かってるよ、オマエが言いたい事は...
 いいかオマエ達、オレやススム、そしてタツヤはリュウスケの事を親友だと思っている。  自分の親友の事をそんなに調べられるのは、気持ちのいいモンでも無いだろ?
 オマエ達だってオレ達と同じ立場だったら怒るのも分かるだろ。」
「ハイ...」


シンジ達が十分反省している様なのでススムは納得したので引き下がった。
しかしヨウスケは更に続けた。


「そんなに知りたいんならオレが教えてやるよ。」
「な、何言ってんだよヨウスケ!」


ヨウスケの一言にススムは驚愕した。
自分達の親友であるリュウスケの事を、同じ野球部とは言えヨウスケが教えようとしているからである。
しかしヨウスケはススムを目で制した。


「どうしてだよヨウスケ...」
「ススム、オマエがリュウスケの事を思うのは分かる。
 だが、コイツ等もオレ達の後輩だ。
 そしてオレ達と夢を共にする者...かつてのリュウスケともな。
 だからコイツ等にだって知る権利があると思う。」
「.........そうだな。」


ヨウスケの強い意志にススムは了承した。
そしてヨウスケは自分達が中学時代に起こった事を話し始めた。










☆★☆★☆











場所は変わりテニス部の練習場−−−−−
今日もここでは部員達が練習に励んでいる。

しかしその中に 『心ここにあらず』 な者がいた。
部員達の練習を眺めている訳でもなく、ただ遠くを見ているだけであった。
その者の名は榊リュウスケ。
部員達はリュウスケの今日の態度に−−−というか、ここ1週間の態度に戸惑っていた。

1週間前−−−タツヤに野球部に誘われて以来、リュウスケは1日中ボーッとしていた。
今までにこんな事が無く、部員達はどう対処していいのか分からないまま1週間が過ぎたのだ。
そんなリュウスケの姿を見るに見兼ねて声をかける者がいた。


「リュウスケさん...」
「...カナか。」
「まだ考えているんですか?」
「.........」


カナには分かっていた。
今リュウスケが抱えている問題が、そう簡単には答えが出るものではない事が。
リュウスケにとって、それほど深刻な問題なのである。

リュウスケがここまで悩んでいる姿を見るのは、これが2回目である事をカナは知っていた。
1回目はリュウスケが中学時代にテニス部に移籍する際−−−−−
カナはその理由を知っている為、何も言えなかった。
自分としてはこのままテニス部に残ってほしいのだが、リュウスケ自身が野球に対する想いを未だ強く残している事を知っていた。
もしここで自分の想いを言ってしまったのなら更にリュウスケを悩ませる事は明白であった。

カナは持っていた自分のラケットを、ただ強く握る事しか出来なかった。

(リュウスケさん...)










☆★☆★☆











ヨウスケがシンジ達に話し始めた。


「さて、何から話そうか...
 ...そう言えば、リュウスケと廃部寸前のテニス部の繋がりが分からないって言ってたよな。
 『若槻カナ』 、この女の子が二つを結びつける鍵なんだ。」
「若槻カナ...
 確か隣のクラスに居た筈...」


ムサシがその名前に反応してしゃべった。


「知ってるのか?
 ムサシの言う通りカナちゃんはオマエ達の隣のG組にいるんだが...」


ヨウスケは話を続けようとしたが目の前ではムサシとマナが言い合っていた。


「なんでアンタが隣の女子について知ってるのよ?」
「な、そんな事オマエには関係ないだろ?」
「何言ってるのよ、隣のクラスの女の子の名前をいちいち覚えてるなんて...
 その記憶力を勉強の方にでも活かしなさい。」
「そ、そこまで言うこと無いだろ...」
「何、文句ある?」
「いえ、何も...」
「フンッ!」


マナが凄まじい形相で睨んだのでムサシは何も言えなくなった。


「もういいかな、お二人さん?」
「「あ、話の腰を折ってすいません。」」


頃合を見てヨウスケは二人に確認を取った。
しかし今度はシンジの方から質問が出て来た。


「あの望月先輩、今 『カナちゃん』 って言いましたよね。
 先輩はその子の事を知っているんですか?
 それに若槻って言う姓はひょっとして...」
「勘がいいなシンジ。
 先ずカナちゃんは、その名字が示す通りタツヤの妹なんだ。
 で、オレ達は ちょくちょくタツヤの家に遊びに行ったんでカナちゃんとは友達なんだ。
 ...そしてリュウスケの今の恋人でもある。」
「「「えー!!」」」「なにー!!!」「そうなのかい。」

シンジ達は驚いた。
シンジ、ケイタ、マナは意外な事実に、ムサシは 『恋人』 という部分に、カヲルはいつも通りに。


「ハハハ、そりゃ驚くよな。
 話を続けるぞ。
 えーと、当時のカナちゃんは、その問題のテニス部に在籍していたんだ。
 そん時ウチの中学には、分からず屋の教頭とその手先の生徒会が居てな、クラブ活動に何かと文句をつけにくるんだ。
 特に弱小のクラブや小人数のクラブなんかは酷くてな、実際に廃部にまで追いやられた所も一つや二つではないんだ。
 それでテニス部も人数が少なくて弱いと来ているから、格好の標的にされちまったんだ。
 そこでカナちゃんが頑張ってな、条件付きで部の存続を認める事を約束させたんだ。」

「条件って何ですか?」
「その条件って言うのが...」


ヨウスケの長い回想が始まった。










☆★☆★☆











当時の第参中テニス部−−−−−
ここでは次の大会に向けて部員の7人が話し合っていた。


「次の大会で何でもいいから1回勝ち抜けばいいんです。」
「カナ、それだけでいいの?」
「条件はそれだけ何ですけど...問題は対戦相手なんです。」


カナはみんなに対戦表を見せた。
対戦表を見た途端、全員落胆した。


「何だよこの対戦相手は!
 オレ達全員の相手が県大会出場者か、予選でも必ず上位に顔を見せる奴等じゃないか。」
「チクショウ、生徒会の連中はこれ見て条件を決めたんだな。
 汚い真似をしやがって。」
「やっぱり廃部になるのかしら...」
「みんな 諦めるのは早いんじゃないですか?
 まだ廃部と決まったわけじゃないんだし、大会までまだあるんだから...」


全員が諦めようとしたがカナだけは違った。
カナは何とかみんなを奮い立たせようとした、だがそれが裏目に出た。


「じゃあカナは勝てると思ってるの?
 私達がどんなに頑張ったって無理な事ぐらい分からないの?」
「オレ達とは才能が違うんだよアイツ等は。
 オレ達凡人には到底勝てない相手なんだ、諦めよう。」


カナは自分の耳を疑った。
部員達は最初から諦めていたのである。


「そんな...テニス部がなくなるんですよ!
 それでいいんですか?
 テニスが好きじゃないんですか みんなは!」


カナは泣いていた。
部員のみんなとは何でも分かり合えると思って信じていた、それなのに裏切られた。
それでもカナは流れる涙を拭わずに部員達を見つめた。
だが誰も目を合わせようとはせず、一言だけ発した。
カナが聞いたその言葉は...

「...ゴメン...」

それだけだった。
一人、また一人と部室から去り、カナだけが残された。










☆★☆★☆










「...ただいま...」


カナはあれからしばらく呆然としていたが自宅に帰ってきた。
そしてすぐに自分の部屋に閉じこもった。
しかし部屋に行く途中、兄のタツヤに自分が泣いているのを見られてしまった。
タツヤは心配になり、妹の部屋の前に来た。


トントン

「......」


ドアをノックしたが返事は返ってこなかった。


トントン

「カナ。」
「......」


タツヤは名前を呼んだが、まだ返ってこなかった。


トントン

「カナ、どうしたんだ? 何かあったのか?」
「...んでもない。」
「カナ...」


ようやく返事が返ってきたがその声は涙ぐんでいた。
タツヤは更に心配になりカナに訳を聞こうとした。


「カナ、いったい何があったんだ?」


出来るだけ優しい声で話したのだが、返ってきた言葉は 『拒絶』 であった。


「ほっといて!! 一人にさせて!!
 お兄ちゃんには迷惑かけないから!!
 ...一人で何とかするから...私には構わないで...」
「カナ...」
「...お願い...」
「...分かった。 でも相談したければいつでもいいから来てくれ。
 何でも相談に乗るからな。」


タツヤはそれだけ話すと自分の部屋に戻った。





「ゴメンネ...お兄ちゃん...」


その後の夕食の席にカナの姿は無かった。










プルルル プルルル ガチャ

「ハイ榊です。」
「もしもしリュウスケか?」
「ん?タツヤか。こんな時間にどうしたんだ?」


タツヤはカナのことが心配になり、親友であり小さい頃からの付き合いのリュウスケに相談する事にした。


「ああ、カナのヤツが帰ってから変なんだ。」
「変って一言で言われても...オレには何の事か分からないぞ。」
「そうだったな。
 実は泣いていたんだ、アイツが...」
「何だって? カナが泣いていたって?
 いったい何があったんだ?」
「分からないからこうしてオマエに相談しているんだよ。
 だから一緒に考えてくれ。」
「そ、そうだな、スマン取り乱して。
 でもカナが泣くなんて考えられんぞ。」
「そうなんだ、アイツが泣くのを見たのは小学校の低学年以来だからな。
 余程の事でもない限り考えられないんだ。」


二人はカナの事を本当に大切にしていた。
小さい頃からいつもタツヤ、リュウスケ、カナの3人で遊んでいた。
だが時が経つにつれ、タツヤとリュウスケのカナに対する想いは、行動を共にする者から護るべき者に変わっていった。
だからこそ今のカナを護らなければならないという想いがあった。


「...そう言えばタツヤは生徒会の悪い噂を知っているか?」


しばらくした後リュウスケが何か思い出したように話した。


「悪い噂って...あの部活いじめの事か?」
「そうだ、弱いクラブや人数の少ないクラブの廃部や予算の削減だよ。」
「それってもしかしてテニス部も...」
「ああ、絶対そうに違いない。
 陰険な奴等だぜ...」


リュウスケは吐き捨てる様に話した。


「落ち着けリュウスケ。
 とにかく調べてみないとな...」
「それならオレのクラスにテニス部のヤツが居るからそいつに聞いてみるよ。」
「スマンなリュウスケ。
 ひょっとしたらオマエのトコにカナが相談に行くかもしれない。
 その時は頼む。」
「タツヤ、オレとオマエの仲だ水臭い事を言うな。
 喜んで力になるぜ。」
「ありがとうリュウスケ。」


タツヤはリュウスケに感謝した。
しかし次の日リュウスケのクラスに行ったタツヤは信じられない光景を目撃した。









「なんだと! もう一度言ってみろ!」
「何度でも言ってやるよ!
 無理なものは無理なんだよ!
 オレ達がどうやったら県大会出場者に勝てるんだよ!」


リュウスケがテニス部の部員と口論になっていた。


「オマエにはプライドってモノが無いのか?
 テニス部が無くなるんだぞ。」
「どうだっていいんだよ、そんなモン!
 逆に感謝してもらいたいな、オマエ等には。
 こっちが無くなるお陰で練習場が広くなるんだぜ!
 願ったりじゃないか!」
「テ、テメェ!」


この一言にリュウスケはキレて殴ろうとした。
しかしタツヤが割って入り、リュウスケを抑えるのに成功した。


「よせリュウスケ!
 コイツはもう諦めちまってるんだ。
 そんなヤツに何を言っても無駄だ。」
「放せタツヤ!
 こんな分からず屋、殴らないと気が済まないんだ!」


タツヤがリュウスケを止めているのを見て安心したのかテニス部員は挑発する様に言った。


「誰かと思ったらアイツの兄貴じゃないか。
 ヘッ オマエ達は良いよな、廃部にされる心配が無くてよ!
 こっちは県大会出場者を相手にするんだぜ! しかも負けたら終わり。
 オレ達は楽しくやっていられたらそれで良かったんだ。
 それなのに生徒会には文句を言われるし、オマエの妹には無理な事を押し付けられるし...
 これ以上は迷惑なん...グェ...」


この騒動を見ている者全てが驚いた。
今までリュウスケを抑えていたタツヤがいきなりテニス部員の胸倉を掴み締め上げたのだ。
そして凍る様な冷たい目で言い放った。


「ハナッから諦めている腰抜けには言われたくないね。
 自分の弱さを棚に上げて迷惑だって?
 そんな事言える資格があるとでも思っているのか?
 負け犬なら負け犬らしく隅っこにでも固まってるんだな。
 行くぞ、リュウスケ。」
「オイ待てよタツヤ。」


タツヤは言いたい事を言うと教室を後にした。
その日の授業には二人とも出なかった...















そしてその日の放課後−−−−−


「リュウスケ、やっぱ練習には出るんだな。」
「当ったり前だ! オレ達はスポーツマンだ。
 スポーツマンはスポーツマンらしく日々の練習を怠るわけにはいかんのだ。」


タツヤは茶化すつもりだったがリュウスケには冗談は通じない。


「...にしても、今朝のには腹が立ったな。」
「タツヤもそう思うだろ?
 けど久しぶりだったな、オマエが怒ったのは。
 何度見ても冷や汗が出るぜ、あの目には な。」
「いや アレはだな...」


タツヤは慌てて訂正しようとした。
しかし不意に視線を回すと知った顔の女の子が視界に入った。


「カナじゃないか...」
「何、どこだタツヤ?」


そこには一人で練習をしているカナの姿があった。
どうやら壁打ちをやっている様だが、二人の目には余り上手には映っていなかった。
カナの打ったボールが壁に当たると、ボールはあさっての方向に飛んで行った。
それを懸命に追うが届かずに勢い余って転んでしまう。
周りから見れば格好悪い姿だが、カナはそんな事は気にせず黙々と練習を続ける。
何度も転んだのかカナのウェアは汚れており、流れる汗も構わずに練習に励んでいた。
それを見ていたタツヤが声を掛けようとしたがリュウスケが止めた。


「やめておけ、今カナのところに行けば却って傷つけるだけだぞ。」
「け、けどなリュウスケ...」
「じゃあオマエはカナになんて言うんだ?
 頑張れとでも言うのか?
 それとも諦めさせるのか?
 どんなに綺麗事を並べても、今のカナにその言葉は届かないぞ。」
「.........」
「アイツが自分で決めた事だ。
 当事者でもないオレ達が出る幕じゃない。」
「ただ見ているだけなのかよ...
 情けねぇ...」


二人はカナに対して何も出来ない自分たちの不甲斐なさを呪った。
テニス部の大会がある当日に野球部もまた大会があり、助ける事が出来ないのであった。















タツヤとリュウスケが見守る中、カナは一人で練習を続けた。



第拾参話  完

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