夕食後の練習も終え、汗を流して後は寝るだけとなった時間。

キャプテンのタツヤが、ガラっと加持のいる部屋のドアを開けた。

「監督」

「あらタツヤ君、いらっしゃい」

加持の部屋にミサトがいることに驚いた。

「葛城先生?」

「や〜ね〜、ミサトでいいわよぉ」

語尾がやけに上がっている。

部屋に充満する酒の匂いから酔っていることが良く判る。

引率者がこれでいいのかと一瞬思ったのだがそこはそれ、葛城ミサトだからということで割り切ることにした。

 

「どうしたんだタツヤ?」

加持は酒を飲んではいないようだ。

その辺りは高校野球の監督とでも言おうか。

「いや、明日のことで・・・」

「明日? ・・・はて、なんかあったか・・・?」

少し考えてみるが思い当たる節はなかった。

ただ単に忘れているだけなのだが・・・

「何忘れてるんですか、組合せ抽選会があるんですよ!」

「そ、そうだ、そうだったな。 もちろん覚えているさ」

笑ってごまかすが、タツヤは疑いの視線を送る。

こんな大事な予定を忘れる監督がいるのだろうかと不安になり、近くに酔っ払いの同僚がいるのを考えると同類なのかと思えてくるのだろう。

そんな2人を見ていたミサトが間に入って場を紛らわす。

「まあまあ、そんな顔しないでさぁ。 これでも飲んで気を落ち着かせなさいよ」

「あ、スイマセン気を遣って頂いて・・・って、これ酒じゃないですか!」

渡された缶のラベルには 「えびちゅ」 と書かれていた。

「や〜ね〜若槻君、その歳になってお酒も飲んでないの? 私がキミと同じ頃はもう・・・」

「あ、オレも酒タバコはやってたぞ」

加持がミサトの話に乗ってくる。

話は次第に昔に遡り、2人だけで盛り上がっていく。

そんな監督と引率者を見ていたタツヤは腹が立ち、ドアを大きく鳴らして出ていった。

加持とミサトはタツヤの行動を不思議そうな目で見ていたという。

「どしたの、若槻君?」

「さあな?」

 

 

この2人は出場停止という処分を知らないらしい・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


大切な人への想い

第七拾九話 運命の日


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、ホテルのロビー。

第壱高校の野球部全員がいつも通り集まっていた。

ただ少し違うのは加持とタツヤの2人だ。

加持はビシッとスーツを身にまとい(といってもネクタイは緩めてある)、タツヤは第壱高校の制服姿である。

「じゃ、行ってくるからな」

タツヤが一言残して2人は出かけた。

行き先はもちろん組合せ会場である。

「今回は大丈夫かな」

誰からともなく出る不安。

組合せは抽選で行われるので、良し悪しは引く人の運にかかっている。

特にタツヤの場合は予選の1回戦の組合せで昨年の甲子園出場校、相洋高校を引き当てた運の無さを持つ。

「まさか今度は去年の覇者、東雲高校なんてことはないだろうな」

誰かが冗談めいたことを言ったが、誰も笑えない。

果たして組合せはどうなることやら・・・

「とにかく賽は投げられたんだ、あとは待つしかない。 オレたちは練習に行くぞ」

リュウスケの一言で不安を残しつつも野球部は練習場である風早高校へ向かった。

 

その途中・・・

「どうしたんだいシンジ君、元気ないけど?」

「やっぱり組合せが気になってね」

無理やり笑って見せているらしく、ぎこちなかった。

甲子園の行方を左右する組合せが気になる辺りは普通の少年である。

「そういえば言ってたね、昔の親友と闘うために甲子園を目指していたって。 でも組合せ次第だと決勝まで当たらないこともあるんだよね」

共に甲子園に出場しても、必ずしも闘えるワケではない。

決勝、準決勝と数えても最大で6回しか試合は組めないのだ。

途中で消える可能性は無くもない。

しかしシンジは確信していた。

「でも、僕たちが勝ち上がっていけば必ず逢えるよ」

トウジの東雲高校とケンスケの十六夜高校にはそれだけの力があり、必ず上位に食い込める。

だとすれば自分が勝っていけば必ず出逢えると信じていた。

 

 

 

 

 

同時刻、十六夜高校が滞在するホテル。

こちらも同じようにロビーに野球部が集まっていた。

部員たちの前には監督とキャプテンが立ち、今日の抽選会のことを話している。

ケンスケはそれをつまらなそうに聞き、ときおりあくびが出ていた。

「眠いのか?」

「・・・ああ、昨日も色々と調べることがあってね。 寝たのが1時半だったな・・・」

ケンスケはその能力を買われて東雲高校を筆頭に主だった出場校のデータを洗っていた。

それだけでなく甲子園という短期集中決戦の場で戦略構想を練り、その戦略論を現実に戦術面で実現する大役も担っているのだ。

「さすがは我が十六夜高校の知恵袋。 で、今年のイヤな学校はどこだ?」

「決まってるだろ、去年同様優勝候補筆頭の東雲高校」

「愚問だったな。 となると最初でぶつかるのだけは遠慮したいぜ」

しかし甲子園の組合せは神のみぞ知る。

「他にはどんな学校がある?」

「そうだな・・・」

頭を回転させて出場校を思い出すと、最初に出たのが第壱高校だった。

データだけで見るならそれほどマークする学校でもないのだがシンジというエースがいる。

シンジというピッチャーを知っているだけでケンスケにとっとマークせざるを得ない学校になってしまう。

「なんだ、まだヤな学校があるのか?」

顔に出てしまったのか心を読まれてしまった。

「いや、イヤってほどじゃないんだが、気になる学校があるんだ」

「気になるって・・・その学校って強いのか?」

「それほど強くはない。 なにしろ初出場だからな」

ケンスケが見た限りでもチーム全体のレベルは低かった。

ピッチャーであるシンジにしてもそうだ。

 

「・・・そう、気になる程度なんだ・・・」

 

 

 

 

 

ちょうど同じ頃、東雲高校でも同じことがあった。

「じゃあオレと岩瀬は会場に行ってくるが練習は怠るなよ」

野球部員を集めて時田が話していた。

毎年のように行っているのでこちらは幾分余裕のようである。

はたまた覇者としての余裕なのか・・・

「鈴原、今年の組合せは楽しみだな」

トシフミがトウジに聞いてきた。

「何が楽しみなんですか・・・ 例えどこと当たろうが何も変わらへんです!」

「1回戦で第壱高校と当たってもか?」

学校名を聞いただけで何事にも動じないトウジの心が波打つ。

正確には第壱高校のエース、碇シンジにである。

「オマエが初めてライバルと認めたヤツがいる学校か・・・今年はホントに楽しみだ。 じゃ、行ってくるぜ」

含みのある笑いを残してトシフミは会場へと向かった。

 

甲子園の行方を大きく左右する組合せ抽選。

トウジとしてもシンジとの勝負は願ってもいないチャンスである。

親友であり尊敬するライバルと甲子園という大舞台で堂々と決着が着けられる。

夢にまで見た光景が実現されようとしているのだ。

「待っとるからな、シンジ」

去年にも増してトウジの闘志は増大していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏休みだというのに風早高校の校内で話す2人、ミユキとノゾミである。

もちろん彼女たちはプラカード持ちの練習できている。

「ねぇミユキ、お願いだから彼女に話してあげてよ」

いつもと変わらない人懐っこい顔でお願いする。

「いやっ」

対するミユキはいつもと変わってブスッとした顔であっさり返す。

昨日からこの調子であるので、ノゾミはほとほと困っていた。

なにしろ頑固で一直線なトウジの妹なので、優しいとはいっても体には兄と同じ血が流れている。

(は〜・・・やっぱり兄妹なのね)

呆れ返って空を仰ぐともう一組の兄妹のことを思い出す。

血よりも濃い絆を持つ六分儀シンジとレイ、この2人も良く似て誰にでも優しかった。

そう、優しかった。

つまりは過去形である。

六分儀レイはすでに亡く、六分儀シンジもまた妹の死と共に変わってしまった。

(あのアスカさんに手を上げるなんてね・・・)

姉の洞木ヒカリから聞いた六分儀家の墓前での件を思い出す。

そしてシンジ、トウジ、ケンスケが敵同士になったことも・・・

(今年の夏は荒れるわね・・・)

 

ザワザワ

グラウンドの辺りが騒がしくなってきた。

ノゾミがグラウンドを見ると第壱高校が到着したところだった。

「第壱高校の到着か」

チラッとミユキを見ると誰かを探しているようだった。

その目は恋する少女であり、誰かとはもちろんシンジであるが。

(はぁ・・・自覚が出た分だけイっちゃってるわ)

親友のミユキを呆れて見ていた。

 

キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン

そのときちょうど鳴ったチャイムで望みが我に返る。

「おっと時間ね。 じゃ、プラカード持ちの練習に行くわよ」

「えっ、もうなの? もうちょっと・・・」

「つべこべ言わない! さ、行くわよ」

むんずとミユキの襟元を掴んで引きずって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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太陽が天高く上り、照りつけるエネルギーで地面に陽炎が昇っている。

今は昼休みが終わった時間。

部員たちは暑さにもめげず、グラウンドに散っていった。

肩を慣らしていたフジオにヒマそうにしていたミサトが声をかけた。

今日は監督が会場に行っているため、ミサトが引率者としてきていた。

「ねえフジオ君、シンちゃんの調子どう?」

「・・・う〜ん、悪くはないですね」

フジオの言い方は曖昧だった。

「なんかはっきりしない言い方ね」

「良くもありませんから、なんとも言えないんですよ」

組合せが気になっているかと思えばそうでもないように思えてくる。

同じピッチャーのフジオには最近のシンジは判らなかった。

「そうそう、シンちゃんの右ヒジは大丈夫なの? 昨日調子がおかしくなったって言ってたじゃない」

「その点は心配いらないようです。 なんでもフォームを変えようとして無理がたたったようですね」

午前中、シンジと一緒に投球練習をしていたフジオには右ヒジの不調は無いように見えた。

そのシンジは今も投球練習をしている。

特に右ヒジを気にしているようなことはなかった。

見ていたミサトの表情には笑顔が自然に出てきている。

「だったら大丈夫ね」

「そうでしょうか?」

フジオの反論にギョッとして見ると険しい顔をしていた。

「フォームを変えようなんて、甲子園にくるまでやろうとも思わなかったんですよ。 でもここにきてすぐに変えようとした。 つまり何かが碇先輩を突き動かしたんじゃないでしょうか」

鋭い推測にミサトは驚く。

「碇先輩はほとんど僕たちと一緒にいますが初日だけは別で墓参りに行った・・・ということは家族に逢っていた。 レイという碇先輩の妹・・・偶然にも綾波と同じ名前です。 その綾波もおかしくなってきました。 まるで何かに怯えているようです・・・」

シンジの変化を冷静に分析するフジオの姿は一介の高校生には思えない。

だが亀の功より年の功、ミサトは顔には出さないように努める。

「鈴原トウジと相田ケンスケというライバルがいるだけでなく、この学校には碇先輩を知る人が2人います。 確か、洞木ノゾミと鈴原ミユキ・・・鈴原?」

情報を整理しようとしていたところに同じ名字に気づいた。

一瞬、偶然かと思ったが昔のシンジを知る者だったら必然としか思えない。

トウジとミユキが兄妹ならば、自分が思っていた以上にシンジについて知ってもおかしくない。

「・・・一度話してみるのも悪くないな・・・」

 

 

「右ヒジはもう大丈夫みたいだね」

受けていたカヲルがミットに突き刺さるボールの感触を確かめていた。

だが、あくまで及第点である。

組合せが気になるのかいつもの落ち着きがない。

よくボールを握り直すそぶりが見える。

(まだフォームの改造をしようと思っているのかな?)

昨日のシンジの言葉を思い出した。

だが、フォームを改造しようとした事実はそのときになって初めて知った。

カヲルはバッテリーを組んでいるため、シンジのフォームはいつも見ている。

少しでも変えようとすれば、最初に気づくのはカヲルであった。

しかしカヲルにはフォームの変化を見抜くことはできなかったのである。

気づいた点といえば、フォークの落差が大きくなったぐらいだ。

「シンジ君、フォームを変えようとしたって言ったけど、一体どこなんだい?」

一度気になったことが頭から離れず、返球する際に聞いてみた。

「昨日のこと? フォームといっても握り方ぐらいだからね、フォークボールの」

「握り方? だったら気づかないはずだね」

カヲルの位置からボールの握り方が見えるのは、ほんの一瞬でしかない。

それが見えるようではバッターに手の内を見せるようなもので、絶対に隠さなければならないのだ。

「なんだ、握り方だけか・・・」

安心し、そのことがすぐに頭から離れていった。

だがカヲルは見落としていた。

握り方が変わっただけでヒジに負担がかかるのだろうか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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部員たちが練習する中、マネージャーには色々と仕事がある。

マナは部員たちのコンディションなどをチェックしているようで、グラウンドで練習する部員の1人1人の動向を見守っていた。

同じマネージャーであるレイも部員たちのサポートをするのだが、ここのところマネージャーの仕事に支障をきたすほど考え事をしていた。

「元気ないじゃない、レイ。 ひょっとして組合せ、気になる?」

「はぁ・・・そうなんですけど・・・」

気にかかることが一つではないために、曖昧な返事しかできなかった。

シンジのこともあれば鈴原ミユキのことも、組合せもある。

「鈴原トウジと相田ケンスケ・・・2人とも優勝候補ですからね・・・」

「東雲高校に十六夜高校ね。 当たったら勝てると思う?」

「判りません。 でも・・・」

レイの言葉が途切れた。

マナはシンジが昔の親友であるトウジとケンスケと闘いたいと願っていることをムサシから聞いていた。

だから勝ち敗けなどは関係ないと思っていたのだが、レイを見ているとどうもそれだけでは終わらない気がしてきた。

「シンジさんたち、一体どんな想いで闘うのかな・・・」

「どんなって・・・そのために甲子園にきたんじゃないの?」

「あっ・・・そうですよね。 うん、そのためにきたんですから・・・」

慌ててマナの言葉にうなずく。

だが何も知らない者と総てを知っている者の見解の違いだった。

一見するとかつての親友たちがライバルとして集い、決着を着けるという夢のような闘いの場。

しかしその実は、各々が過去を絶ち切れぬまま望んだ闘いである。

そして綾波レイ自身も加わることになる。

碇シンジを愛してしまった以上、避けられぬ闘いとなった。

(・・・勝てるかな、私・・・)

 

 

 

 

 

シンジたちが練習する野球グラウンドとはまた別な場所にあるミユキたちの練習場。

ちょうど休憩時間なのか、少女たちは思い思いに固まって話していた。

だがミユキはその中に入れず、ポツンと1人取り残されていた。

「どしたのよミユキ?」

「な、なんでもないよ、ノゾミ」

無理に作り笑いをしているのが見え見えだった。

ノゾミはミユキの隣に座る。

「気になるんでしょ、組合せ」

「うん・・・ 闘うのは判ってるんだけど、なるべくなら闘ってほしくない」

「・・・そうだよね、今でも信じられないよ」

シンジ、トウジ、ケンスケの3校がついに顔を合わせた大会である。

しかも最悪の状況ができあがっているので、昔を知っている2人は本心では闘ってほしくないと思っている。

「でも、強ければ絶対に闘うことになるのよね・・・」

ミユキのヒザを抱えた姿がとても寂しく見え、思わず抱きしめたくなる。

自分の兄と想い人が闘うことになるのだから、自分の気持ちをどう扱っていいのか判らない。

「避けられない運命なのかな・・・」

「でもそれを承知で3人とも違う道を歩んできたんだから」

「・・・私たちはそれを見届けなくちゃね」

どこが一番強いかを決めるだけの闘いの場が甲子園である。

闘うのはシンジたち球児であり、観客であるミユキたちは外で見ているだけ。

入り込む余地はまったく無いのだ。

だが今年はもう一つ違う意味がある。

「ミユキ、アナタは決めたの?」

「・・・何を・・・?」

「決まってるでしょ、アンタも闘うのかって」

過去を懸けた闘いにはシンジたちの他に、女の闘いも含まれる。

闘うことになればレイはもちろんアスカとも、そして六分儀レイとも闘わなければならない。

「綾波さんは闘うのを決めてるわ。 六分儀レイの幻影と、アスカさんともね」

ミユキの顔が曇る。

この2人がいたから、昔はあきらめざるを得なかった。

だが、今はいない。

ミユキの頭に2人のライバルがいないことを思い出させる。

「でもね・・・もしレイやアスカさんがいないからって思ったのなら、やめといた方がいいわ」

ミユキに忠告するノゾミの顔にはいつもの笑顔はなく、大人びた顔を見せていた。

ノゾミの言葉と表情に押され、ミユキは何も言い返せなくなる。

「そんなことを考えているようじゃ、必ず辛い目に合うわよ」

 

 

 

 

 

小さな子供たちが遊ぶ公園。

そこでは小学校にも上がっていない少年や少女が一緒になって遊んでいた。

まだ恋や愛などといった感情など無く、ただの友達といった関係か、あるいは兄妹のようにも思える。

それを見ているアスカの蒼い瞳にはとても懐かしく映っていた。

「ここにいたんだ、アスカ」

親友のヒカリの声がした。

が、アスカの視線は子供たちに注がれたままだった。

「・・・懐かしいよね。 私たちもこうやって遊んでた・・・」

ヒカリも一緒になって眺め、子供たちと子供の頃の自分とダブらせる。

あの頃はずっと続くと思っていた日常。

それが今はもう無い。

昔を懐かしむことしかできなくなっていた。

 

 

ジージージージージー・・・

夏を彩るように鳴くセミの声が公園を埋め尽くす。

夏−−−

二年前に大切な人と別れた季節。

そしてまた出逢った季節。

少年たちにとって、一年の中でもっとも意味深い季節。

 

 

「今日、決まるんだよね・・・組合せ」

ヒカリが空を見上げると、雲一つ無い大空が広がっていた。

深く澄み渡る空の色は1人の哀しい少女を思い出させる。

少女が今を知ったらどう思うのか・・・

だが、それも今となっては誰にも判らない。

それが判っているのか、ヒザの上に置かれたアスカの手が震える。

 

 

 

 

 

そして組合せ抽選会場−−−

全出場校、49校のキャプテンが一同に介した。

北から南まで、それぞれの地区で選ばれた最強の学校たち。

ステージにはトーナメント表が掲げられ、誰もがクギづけになっている。

「それではこれより組合せの抽選を行います」

司会の声が会場に響き、ピーンと空気が張り詰め肌を刺す。

 

 

各地区を勝ち抜いてきた代表校の運命を決める組合せの抽選が今、始まった。


第七拾九話  完

 

第八拾話へつづく


 

 

お知らせ

読んでくださってくれる方たちには申し訳ないのですが、しばらくの間 「休載」 します。

年度末ということで色々と重なり、そろそろ限界が見えてきました。

週一更新ペースを落とそうかとも思いましたが、落としたところで忙しさは何も変わず、手が回らないことに気づきました。

というワケで再開できるめどが着くまで休載します。

 

再開する時期は遅くても夏ごろになると思います。

では、その時にまた・・・






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