あたしは久しぶりに熟睡したせいか目覚めてもしばらくの間、頭がはっきりとしなかった。だんだんとはっきりしてくる視界に映ったのは綺麗に整頓された室内、こじんまりとしたインテリア...決して華美ではなく、落ち着いたたたずまい。住んでいる人間のセンスの良さを現しているようだった...でも問題はある。
「ここはどこ」
あたしは思わずつぶやいた。あたしには見覚えのない部屋...初めて見る部屋。昨日の夜のことが思い出せない。あたしは思わず起きあがった。その弾みにあたしにまとわりついていたシーツが落ちる。
「!」
あたしは裸だった。あたしはずり落ちたシーツを胸のところまでたくし上げると部屋の様子を観察した。10畳ほどの広さだろうか、ダブルサイズのベッドの他には綺麗なライティングテーブルとセットの椅子、アンティークのチェストが有るだけのシンプルな部屋。壁には誰が描いたものだろうか田園の風景を描いた一枚の絵画が掛かっている。
ぐるりと見回してみても誰の部屋だか分かるようなものはない。誰かの寝室...でもそれが思い出せない。体に違和感は...ある。でも、いつもセックスの後に感じるものとは違う違和感...なに?
そんな時軽いノックの音と共にあたしの求めていた答えが入ってきた。
「・・・アスカ、起きてる?」
控えめな声であたしに声をかける...あたしは入ってきた人物の顔を見て驚いた。朝日の光を受けて青色の光を放つ銀髪、どこまでも深い赤色の瞳、そしてあたしよりも白い肌を持った女。綾波レイが素肌の上に薄いガウンを羽織った姿で朝食のワゴンを押して入ってきた。
「ファーストどうしてあんたが...」
レイは少し悲しそうな目をしてあたしを見つめた。
「どうしてそんなことを言うの...
あなたが昨日私を訪ねてきてくれたのよ」
そうだ思い出した。あいつのことを聞いたあたしはいてもたってもいられずファーストのところへ転がり込んだんだ。
「覚えてないのね...
あなた、沢山お酒を飲んでいたみたいだったから」
そう言ってファーストは朝食の乗ったワゴンをベッドの傍らに持ってきてくれた。
「口に合うかどうか分からないけど食べてくれる」
そこには焼きたてのクロワッサンと紅茶、スクランブルドエッグにかりかりに焼いたベーコン、ゆでたてのヴルスト、そしてカットしたグレープフルーツが乗っていた。いつもは朝食を抜くか補助食品で済ませているあたしにとっては信じられないほどのまともな朝食。でも...
「ファースト、あんた肉が食べられないんでしょ...
どーしてベーコンやらウィンナーがあるのよ」
ファーストはさっきよりさらに悲しい目をしてあたしを見つめた。
「あの人が...
あの人が帰ってきてくれると信じているから...
私たちのところに帰ってきてくれると信じているから...
だからいつ帰ってきても良いように準備だけはしているの」
そうか...ファーストは信じているんだ...必ずあいつが帰って来るって。でも...
「ファースト、あいつが帰ってくるのはあなたのところよ...」
ファーストはあたしの瞳をじっと見つめてきた。吸い込まれそうな深い赤、あたしは目がそらせなかった。
「私が知らないとでも思っているの。
あなたとあの人の関係を...
でも勘違いしないで、あなたを責めているんじゃないわ
むしろ嬉しいの、私達が今まで通りの関係でいられたことが」
そうかファーストは知っているのかあたしとシンジの関係を。
「そんなことより紅茶が冷めるわ、早く食べましょう」
あたしはファーストの用意してくれた朝食に貪りついた...おいしい。あたしがわき目もふらず朝食を食べている姿をファーストは嬉しそうに眺めていた。
「良かった喜んでくれて」
軽いハイビスカスの香りが心地よい...あたしが紅茶をのどの奥に流し込んだ時ファーストはそう言った。ファーストの笑顔が奇麗...あたしは気がつかないうちにじっとファーストの顔を見詰めていた。そうか、あいつはこんな顔のできるファーストが好きになったんだ。あたしがかなわなかった訳だ...
ファーストはあたしがじっと見詰めているのに気づいたのか頬を少し赤く染めた。そんなところもとてもかわいい。
「・・・そんなに見つめないで」
ファーストはそういうと、朝食をワゴンの上に片づけた。片づけをしながらも時々あたしの顔を盗み見るようにしている。どうして...
「昨日のことなんだけど...
どうしてあたしは裸で寝ていたの」
あたしは気になっていることをファーストに聞いた。ファーストは顔をより赤くするとあたしの隣に腰掛けた。
「・・・覚えてないの」
あたしは肯いた。
「・・・あなたがこうしてくれたの」
ファーストはそう言うとあたしの肩に手を掛け、あたしに口付けをした。
始めは小鳥がついばむように、そして次第により深く...
あたしは突然のことに少し呆然としてしまった。そして我に帰るとファーストを払いのけた。
「・・・どうして」
ファーストが泣きそうな顔をして聞いてくる...
「あたしたちは女よ」
あたしの言葉にファーストは立ち上がり纏っていたガウンを脱ぎ捨てた。薄いガウンは音も立てずにファーストの足元に落ちた。小ぶりだけど形のいい乳房、奇麗にくびれた腰、抜けるような白い肌...髪の毛と同色の淡い茂み...女のあたしから見ても魅力的な裸体がそこにあった。あたしはそこから目が離せなくなっていた。
「でも、はじめにしてくれたのはあなたよ」
ファーストが微笑みを浮かべてあたしに近寄ってくる。さっきまでの天使のような微笑みとは違う、女の笑み。その妖艶な微笑みにあたしは金縛りに遭ったように動けなくなった。
「・・・あなたのせいよ」
ファーストは抵抗のできなくなったあたしをベッドに押し倒した。
「いやっ」
あたしの言葉を無視してファーストの舌があたしの身体の上を滑っていく。あたしの身体を電気が走ったような快感が襲う。
「うんっ」
ファーストの手があたしの乳房を愛撫する。柔らかく、優しく。ファーストより大きな胸を慈しむように愛撫してくれる。
あたしは漏れ出てくる声を押さえるように右手の人差し指を噛む。
「我慢しないで」
そういうとファーストは噛んでいたあたしの指をそっと外し、あたしの唇に口付けをして来た。優しく、ついばむように...まるであたしの反応をうかがっているように...あたしの心に火をつけるように。
何時の間にかあたしはファーストの唇を求めていた。舌と舌が絡み合う濃密な口付け...あたしはだんだん自分の体が溶けていく錯覚を感じていた。
あたしの胸を愛撫していたファーストの指がだんだん下へと降りていく。おへそを通ってさらにその下へ...あたしはさらに息が荒くなるのを感じていた。嫌だファーストにこうされるのを待っているみたいだ...
ファーストの指はあたしの一番敏感な部分を探り当てると優しく愛撫を開始した。
「ひやっ、だっだめ...」
ファーストの唇があたしの唇をふさぐ...
あたしはファーストの指から与えられる快感に溺れだしていた。そしてファーストの唇を求める事でさらに深みへと入り込もうとしていた。
ファーストがあたしの中に中指を入れる...すでに敏感になったあたしはたまらず声を上げてしまう。
「だめっ、レイ...変になっちゃう」
レイはニッコリと笑うと再びあたしに口付けをした。
「やっと名前で呼んでくれたわね...
アスカ...あの人はこうして愛してくれたの」
レイの唇があたしの乳首を捕らえる...再び身体に電気が走る。
「はっ、くぅ〜、はっはっ」
もうあたしはまともに声が出せない。
「あの人はこうしてくれたの?」
レイの頭はあたしの股間に降りて来ていた。そしてあたし自身を舌で転がすように愛撫した。あたしはもう声も出ない。
「アスカ可愛いわよ」
レイはあたしを執拗に愛撫する。あたしは快感が高まって来て我慢できない所に来ているのを感じていた。
「だめ...いっちゃう...」
レイはあたしの一番感じるところを甘噛みした。その瞬間にあたしのからだは電気が貫いたように硬直した。信じられない...いってしまった...レイを相手に。
レイは、荒い息をしてぐったりと横たわっているあたしの横に、寄り添うように寝てくれた。そしてあたしの頭を胸の所に抱えると優しく髪をなぜてくれた。
なぜかレイの胸に抱かれていると落ち着いてくる気がした。こんな気分はあいつに抱かれたとき以来だ。あたしはそっとレイの乳房に触れてみた...
あたしほどは大きくないけれど形のいい乳房。あたしはすでに固くなっているレイの乳首を指で愛撫する。
「うんっ」
レイが小さく反応する。あたしはそのままレイに覆い被さると指と舌でレイの胸を愛撫する。あたしがレイにされたように...
レイの身体がだんだんと赤くなってくる...レイが興奮しているのが手に取るように分かる。それと同時にレイの上げる声がだんだんと途切れるように、すすり泣くように聞こえてくる。
「はー」
あたしはレイの感じる部分を求めてレイの秘所へと舌を動かしていった。レイの声がさらに高くなる。
「うっうっ・・・」
レイのものはもうしっかりと濡れそぼっていた。あたしは舌でレイの物を舐め取ると、さらに奥へと舌を進めていった。
「くぅー気持ちいいよぉ」
レイが可愛い声を上げる。あたしはレイの意外な面を見た気がした。
レイがあたしの頭を自分の股間へと押さえつける。これもレイの意外な一面...
「もっと、もっと...アスカもっとして」
レイがあたしにされる事を求めている。あたしはレイの大事な部分を指であらわにするとそっと口付けをした。
「ひゃうん」
レイの腰が跳ね上がる。あたしはそれにかまわず舌で愛撫を続ける。
「ひっひっ、ひゃ、だめ」
あたしはレイを吸い上げるのと同時に乳首に刺激を与えた。その瞬間激しくレイの腰が跳ね上がった。
「きゃうん」
レイはベッドに崩れ落ちると荒い息をしている。
「ずるいわ・・・いきなりするなんて」
レイは息を弾ませながらあたしに抗議した。
「お返しよ...あたしをイカせた」
あたしはそっとレイに口付けをしてそう言った。
「昨日はアスカが無理矢理したのに...」
えっ、覚えがない...
「そうなの...」
レイは少し膨れた顔をした。今日のレイは本当に色々な表情を見せてくれる。
「昨日遅くに尋ねて来て、うちに入れたらいきなり私を押し倒したわ」
そんなことしたの...
「その時のあなたの目を見てわかったの」
なにがよ...
「私と同じだって...あの人がいなくなって寂しい私と」
レイ...
「だから私はあなたを受け入れたの」
あたしはそっとレイに口付けした。
「ねえ、もう一回しようか...」
あたしの言葉にレイはこくりと肯いた。あたしはもう一度レイの上に覆い被さった...
***
あれから何回レイとしたのだろう、太陽も何時の間にか西の空に傾いている。あたしたちはベッドの中でお互いの身体を強く抱きしめあっていた。
「アスカ...」
「なに...レイ」
お互い満足の後のけだるい表情を浮かべていた。
「お腹すかない」
「すいた」
レイ微笑みを浮かべるとベッドをおり、落ちていたガウンを羽織ってドアの方に歩いていった。そしてドアのノブに手をかけたところであたしに向かって振り向き天使の微笑みを浮かべて言った。
「アスカ、一緒に住まない」
あたしもニッコリと微笑んでそれに答えた。
「そうしましょう」
あたしたち二人なら寂しくない。何時までもあいつが帰ってくるのを待っていられる。そう...あたしたち二人なら...
トータスさんのメールアドレスはここ
tortoise@kw.NetLaputa.ne.jp
中昭のコメント(感想として・・・)
トータスさんの投稿作品です。
LAR(らー らぶらぶアスカ&レイ)。
ああ、シンジはどこに行ったの?どっちともその・・・シテ・・・両方とも・・・・捨て
それとも何かの事故?
それはともかく、支えあう二人。キレイだぁー。
二人が支えあっている場面を想像して...ウッ
ハァハァ
俺ってさいてーだ
帰ってきたシンジに抱きつく二人を想像しつつコメント終了です。
みなさんも、是非トータスさんに感想を書いて下さい。
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