感情起伏:LCLの残留による影響として、感情の発露が激しくなる事が挙げられる。
        喜怒哀楽、愛憎好悪その全てがより激しく、制御されない形で表される。
        従ってパイロットのメンタルケアは後期ステージにおいては
        最優先されるべき事項である。
 
 メンタルケア:その際、最も効果が高く即効性があると考えられるのは性的なものである。
        感覚の鋭敏化の事も考えると、肉体的交わりは強く対象を繋ぎ止める事となる。
        但し、年齢が低い事を考慮すると、リードする側は年長者であるのが望ましい。
        パイロット同士が性交渉を持ってしまった場合、どうしようもなく
        耽溺してしまう可能性が高い。

−2015年度エヴァ計画報告書より抜粋−


『点火』

by Corwin


−2ndday noon− 「煩火」

 午前のリビング。
 いつもならば換気の為に窓が開けられ、一日の始まりの喧騒を乗せた風が吹き込んでいるはずの空間は、締め切られ、つい今し方まで行われていた行為の産んだ卑猥な匂いに満ちていた。
 その源となる少年と少女は、力尽きたように、それでも離れがたい様に性の汗でぬめる肌を絡ませあって全裸のまま椅子に座っている。
 激しい行為で乱れた息を整える為に大きく上下していた胸が僅かにおとなしくなると、力無く投げ出されていた少年の腕が動きはじめた。



 「「はぁっ……は〜っ……」」

 喘がせる息がユニゾンしている。
 僕の身体にかぶさって来るアスカの暖かい重みはきもちいい、けど、さすがに二人分の体重がかかると椅子の背もたれが食い込んで痛い。
 ちょっと残念だったけど僕はアスカの身体を起こし、離れようとした。

 「んっ……やだぁっ……」

 むずがるようにアスカが呟く。

 「そんな事言わないで・・・ほら、このままじゃ汗でべとべとだし・・・
 それにシーツも片づけなきゃ」

 そこまで言うと、ようやくアスカも応じてくれた。

 「んっ……!」

 あまり力が入らないらしい足で立ちあがる。

 こぽっ……

 まだ萎えない僕のものが抜けたところで、そんな音を立てて精液がアスカの中から流れ出してきた。

 「……!!」

 あまりにいやらしい光景に目が釘付けになる。
 開いたピンク色の粘膜がひくつきながらゆっくり閉じていき、奥から僕の出したものが絞り出されたように大量にこぼれてくる。
 垂れた精液はそのまま僕のペニスにかかり、とろとろと流れ落ちていく。
 その感触に僕のがひくんとしゃくりあげた。
 ふと気付くと、アスカも動きを止めたまま熱っぽくその光景に見入っている。

 「……あ、アスカ、ほら、片づけてきてよ……僕はお皿を片づけるから……」

 アスカはその言葉に応えず、それでものろのろと立ち上ると僕の部屋に入っていった。
 足取りがふらついていて、よろけた拍子に幾筋か白い滴が柔らかそうな……ううん、はっきりその柔らかさを、引き込まれて溺れてしまいそうな感触を知っている太股を伝った。
 また理性が切れそうになる。
 そのまま後ろから襲い掛かって蹂躪したい……けど。
 片づけを言い出したのは僕なんだから、自分からそんな事をしちゃいけない。
 相変わらず固く脈打っているものを無視して、僕はお皿を重ね始める。
 ……裸でいるのもなんだけど……あれじゃあなぁ……。
 僕の視線は台所の床でぐしょぐしょになってる布の塊をかすめた。



 シンジに乞われるままに歩いていく。
 けど、頭の中にはさっき見た光景が焼き付いてる。
 アタシのあそこから零れた液体が掛かってぬらぬら光ってるシンジのおちんちん……。
 思い返すだけでたまらなくなってくる。
 気付けば太股には幾筋も跡が付いている。 
 シンジのザーメンだけではない、きっとアタシまた酷く濡らしているんだ……踵まで伝うくらいに。
 そう思えば思うほどますます疼く、欲しくなる。
 それでもアタシの足はシンジのベッドのところまでアタシをつれていった。

 「よい……しょっ、と」

 ベッドからシーツをはがして持っていく。
 まとめて抱え込むようにすると……ふと、鼻を突く匂いに気が付いた。
 アタシ……このシーツの上で、セックスしたんだ。
 シンジと一緒にいっぱいイって、いっぱいお汁を撒き散らして……。
 塊をきつく抱きしめる。
 息を深く吸うと、頭の奥まで匂いが染み込むみたい。
 抱きしめた指先が、ぬるぬるした何かに触れる。
 シンジの精液?それともアタシの愛液?
 でも、もうどっちでもよかった。
 それを気にしていられる余裕が消し飛んでいたから。
 膝から力が抜ける。
 アタシはそのまま、シーツに躰を絡み合わせながら廊下に倒れ込んだ。

 「んっ!……はあぁっ……!」

 意識しないままにアタシの指が自分の裂け目をまさぐる。
 突き上げる刺激に背が仰け反る。
 変だよ……アタシ、絶対変。
 朝からシンジをレイプして、朝ご飯の間だってずっと繋がったままで、ついさっきまでシンジにいっぱい射精されていっぱいイったばかりなのに……また欲しくて仕方ない。
 疑問はある……けど、もうどうでもいい。
 このまま、シンジの匂いに包まれていっぱい気持ち良くなりたい……それだけ。
 オナニーを続けるうちにふと目に止まるもの。
 まだ乾ききっていないシンジの精液。

 「はぁっ……あふぅっ、んっ……んんっ!」

 そのままそれを舐めとるみたいに舌を這わせてしまう。
 苦くて青臭くて、でもアタマが蕩けさせられてココロが昂ぶりカラダをジンジン疼かせてくれるシンジの味。

 「んんっ!(ちゅっ)はふぅ……はんっ……」

 そのままちゅぱちゅぱと吸い上げ、すすってしまう。
 いやらしい音がする。
 シンジの精液、もしかしたらアタシの愛液も混じってるかも。
 シーツにこびりついたそれを音を立てて啜っている。
 こんな変態そのものの行為なのに、ううん、それだからこそアタシはどんどん昂ぶってしまう。
 溢れ出した新しい愛液が、シーツをまた濡らしていく。
 倒錯した快感の中思う。
 すぐにシンジが戻ってくる。
 そして、シンジにこんな変態みたいな、発情しきった姿を見られたいと望んでいる自分。
 もうだめ。
 アタシ、完全に色キチガイになってしまってる。
 それが悲しくて、悲しいのにすごく嬉しくて……アタシは涙をこぼしながらあそこを弄り続け、シンジを待っていた。



 何かが倒れる音がした。

 「アスカ?」

 返事はない。
 ふらついていたアスカを思い出したせいで不安になる。
 なにかあったのかも。
 僕は重ねた食器をそのままにして廊下へと向かった。

 「……んんっ……はんっ……」

 入り口に差し掛かったところで微かに聞こえた声。
 うめきではない、あからさまな善がり声。
 心臓が大きく跳ねる。
 我慢……できなくなっちゃったの?
 ふと振り返れば、さっきまで激しく交わっていた証拠の僕たちの体液でどろどろに濡れた椅子が目に入る。
 あれだけして、なお満足しないアスカ……そして自分に、僕は怯えともつかない何かを感じた。

 「はっ……あぅん……シンジィ……」

 より大きくなった喘ぎ声に混じって切なげに僕の名前が呼ばれる。
 そっと入り口から顔だけで覗き込む。
 くしゃくしゃに丸まったシーツに絡み付くように四つんばいになっているアスカ。
 こちらに向けたお尻は高く掲げられていて、ぬるぬるになっている股間でアスカの指が踊り狂っている。

 「ああ……やんっ……んんっ……」

 快感で蕩けた声に合わせてお尻が左右に揺れ動き、ピンク色に濡れ光っている部分がアスカの細い指でこねくられていやらしく形を変えるのが見える。
 それを目にして、僕のものはますますいきり立ってどうしようもなくなる。
 喉もからからになって、でも釘付けにされたように僕はこの場から動けなかった。

 「あ……あす、かぁ……」

 呟くようにそれだけが唇から零れた。
 小さな声、でもはっきりと耳に届いたらしく、びくりとアスカの動きが止まる。
 シーツに擦り付けていた顔だけをこちらに向ける。
 視線が合った。

 「あ……シンジ……」

 興奮で濡れている瞳。
 唇が震えているのは羞恥のせい?それとも……。

 「や……ああ、いやっ、だめぇっ!シンジ、見ないでぇっ!!」

 恥ずかしさで顔を真っ赤にしながらそう言うアスカ。
 その言葉と裏腹に、アスカは身を縮めようともしない。

 「駄目……だめなのよぉ……シンジ……だめぇ……そんなに見られたら……
 アタシ、アタシぃ……」

 言葉が興奮に霞んでいく。
 それにつれ、僕に見られているのに再びアスカの指が蠢き出す。

 「はっ……く、ああっ……駄目ぇ……」

 言いつつ二本の指が執拗に擦り回す。
 そのたび毎にひくつきを繰り返す足が徐々に開いていく。

 「やんっ……だめっ、みちゃやぁ……」

 指の動きはますます激しくなり、奥まで差し込み、ねじり、掻き回している。
 そのせいでこぼれた愛液がとろとろと太股に幾筋も跡を残す。

 「だめっ、だめぇっ!シンジっ、ああっ、だめなのよぉ……!」

 繰り返す拒絶の言葉とは裏腹に、もう一方の手でピンク色のひだを開き、愛液でどろどろの膣の奥まで見せ付けるようにしながら指を使うアスカ。
 言い続ける間中じっと僕の目を見詰め続けていて、その熱い視線は本当は何を望んでいるかをあからさまに僕に伝えてくる。

 「シンジぃ……しん、じぃ……っ!」

 快感で霞む声で切なく僕の名を叫ぶ。
 と、膨れ上がったクリトリスを右手の指が締め上げた瞬間、

 「しん……っ!ひいぃぃっっ!!」

 甲高い叫びがアスカの唇を突いて出た。
 広げられた粘膜がきゅうきゅうと痙攣して、かすかに開いた膣口から愛液がしぶいた。
 イったん、だ……。
 僕は震える足で一歩前に進む。
 その瞬間、僕を見つめる絶頂に霞んだアスカの目に走った怯えと歓喜に、僕は自分を押さえる事ができなくなってしまった。

 「アスカ!」

 名前を呼んで覆い被さる。
 と、興奮と快感の汗で濡れたアスカのお尻が迎えるように摺り寄せられてきた。
 ちょうどお尻の谷間にペニスが挟み込まれるみたいになる。

 「う、あぁ……」

 それだけの事なのに込み上げてくるものが押さえ切れない。
 必死の思いで堪えたけど、少し漏れてしまった。
 けど、アスカはそれを無視してなおもお尻を摺り寄せてくる。
 漏れた精液がアスカのお尻の隙間でぬめり、柔らかい肉と僕のペニスに絡んでくちゅくちゅとひどくいやらしい音を立てた。
 たまらずそのままピストン運動をしてしまう。

 「あひぃ!……あ、あついよぉ……すごいのぉ、シンジぃ……っ!」

 往復するたびに裏筋に少しだけ膨らんだものがこすれる。
 これって……お尻の?
 それに気がついてなんとなく倒錯的な興奮を感じてしまった僕は、また少しだけ漏らしてしまった。
 力が抜けてたまらずアスカにのしかかった拍子に、ようやく僕はアスカが頬をシーツに擦り付けるような姿勢になっているのに気が付いた。
 腕は体を支えておらず、下半身に消えて何かを探っている。
 ううん……探っているんじゃない、まさぐっているんだ。
 僕のものとアスカのお尻とが滑る音とは別の湿ったいやらしい音が、見えない手の先から聞こえてくる。

 「アスカ……オナニー、止められないの?」
 「や、やぁ……そんな、いっちゃいやぁ……!」

 自分の涎でべとべとのシーツに擦り付けるようにアスカは首を振る、でも手の動きは止まない……いや、一層激しくなる。
 いやいやを繰り返しながらも、息も絶え絶えに上げるよがり声はどんどん甘く高くなっていく。
 僕にいやらしいとなじられてる、それで感じてるのか……。

 「やらしい……ううん、淫乱なんだね、アスカって……」
 「や、いやぁ……そんな、いわないでぇ……」



 赦しを乞うけど否定しない……ううん、できないの。
 だってアタシ、本当に淫乱になっちゃっているんだもの。
 今だってシンジに気づかれて、淫乱だって言われているのに、オナニーする手を止められない、それどころかますます感じてもっともっとって両手でクリトリスもラヴィアもくちゃくちゃと捏ね回してる。
 それにアヌスを熱くて固いシンジのペニスで何度も擦られて気持ち良くなってるのに、もっともっとって躰中が疼いている。

 「あひ……はひぃん……や、とまんないよぉ……」

 快感と不安が掻き立てられる。
 こんな淫乱、シンジは嫌かもしれない……このまま離れられちゃうかも。
 シンジに触れられないまま始めてしまった自慰のむなしさがそんな根拠の無い考えを浮かばせる。
 根拠が無いと分かっているのに、それでも不安になってしまう……と、シンジがまるでそれを見透かしたかのようにアタシを抱きしめてくれた。

 「いいよ……止めなくても……どんなでも、僕はアスカの事が大好きだから」

 ……違うの、アタシの頬が濡れてるのはさっきから付けてる涎のせい。
 …………ううん、違う……やっぱり、涙のせいなの……シンジがアタシの事を受け止めてくれる喜びの涙なの。
 こんな幸福感を感じていても、ううん、それだからこそアタシの躰はもっと快感を欲しがってあそこの奥を疼かせてしまう。
 シンジはそれも判っているみたいに手を伸ばすと、アタシの手と一緒になってヴァギナを弄り始めた。

 「あはぁ……あ!いいよぉ、シンジぃっ!そこ、ね、もっとくちゃくちゃってこすって、かきまわしてぇ……っ!」

 だらしなく蕩けきった声ではしたなくおねだりすると、アタシのと一緒にシンジの指がヴァギナを容赦無く犯して快感を送り込んでくれる。
 敏感になった感覚に、アタシのお尻の穴を擦るシンジの熱くて固いペニスが感じられる。
 信じられない事に、そうやってアヌスを擦られるのがとても気持ちいいの。
 そんな事で快感を感じてしまう自分が本当に変態になってしまったと感じられて哀しかったけど、それ以上にシンジのする全ての事が気持ちよく感じられるという事にアタシは幸せのようなものを感じていた。
 シンジの指がアタシの指と絡み合いながらアタシのあそこで踊り、熱い愛液を攪拌する。

 「は、あっ!ああ、あたるのっ!いっぱいこすれるのぉっ!」

 入りこそしないけど、少し角度を付けたペニスでぴりぴり疼くアヌスを繰り返し抉るように擦られる。

 「ひぃん!や、やぁ、そんな!はいっちゃうよぉっ!へんになっちゃうよぉぉっ!!」

 自分のものじゃなくなったみたいな指がこすりしごきたてるのにあわせて、シンジが内側からぐりぐりとかちかちに勃起したクリトリスをいじめてくれる。

 「ひぁうぅっ!やはぁ!や、くるっちゃう!しんじゃうぅぅっっ!!」

 アタシもう、限界。
 今にも昇りつめようとした一瞬

 「あ……あすかっ!……く、うぅっ!」

 耳にシンジの呻きが聞こえると同時に、アタシのアヌスにシンジの熱いザーメンが浴びせられた。

「ひゃ?!ああ、や、あついぃっ!!は、あ、イくぅっ!イっちゃうよおぉぉっっ!!」

 まるで本当にお尻に挿入られ、精液を注がれたような錯覚に、予想していたよりもずっと高いところに打ち上げられてしまった。
 目の前が真っ白に弾けてちかちかと瞬く。

 ヂュ……プ

 お尻ではいまだに固いままのシンジのペニスがザーメンを捏ね回すように押し当てられている。
 そして自分でも信じられない事に、その熱さを感じただけで、イった直後だというのにアタシはまたそれが欲しくなってしまった。

 「ねぇ……しんじぃ……」

 それを思った途端、アタシの唇からは勝手に爛れた甘え声が漏れていた。
 躰も勝手に……ううん、嘘はいけないわね、アタシは自分の欲望のままにシンジにお尻をすり寄せくねくねと振り立てた。
 それにあわせて、お尻の合わせ目から絞り出されるみたいにシンジの精液がアタシの太股を伝い落ちる。
 敏感になりすぎているアタシの躰はその滑った感触さえ快感に変えてしまう。
 
 「はっ……は、あぁ……シンジぃ……しんじぃ……」

 おねだりするだけ、もっと凄い事はシンジにしてもらうつもりだったのに、その刺激を感じたアタシはそのままあさましく腰を振りたててシンジのペニスにアヌスの周りの肌をこすり付ける。
 止まんない。

 「やぁ……こんなの、ちがう……違うのにぃ……や、いやぁ……」

 心と裏腹に勝手に動く躰に涙が出そうになる、と、シンジが後ろからのしかかって……ううんアタシをきつく抱きしめるようにしてアタシの動きを止めてくれた。

 「あっ……」
 「アスカ……」

 耳元で囁く優しい声。
 頭に添えられた手に従って首を捻ると、ゆっくりと唇を合わせられた。

 「んふ……ん、ふぅ……んっ……ンンッ……!」

 ちょっと息苦しい、でも、それさえきもちいい。
 背中全体をシンジの体温で包まれて、互いの荒い鼻息を混ぜ合わせながら唇と舌とを絡めあう、それがイイ。
 ずっとそうして、頭の芯が熔けて舌と唇のぬるぬるな柔らかい感触でいっぱいになったところでシンジがキスを止めた。

 「はぁ……あ?」
 「ごめんね、アスカ……」

 なんで、あやまるの?

 「僕が片づけを頼んで、一人にしちゃったから、アスカはこんなになっちゃったんだよね?」

 シンジの左手がどろどろになっているあそこに当てられる。
 ぎゅっ、て確かめるように押さえられて愛液と喘ぎが上下の口から溢れる。

 「あはぁっ!」
 「僕と一緒に居たいって、そう思ってくれてたのに……」
 「……そ、うよぉ……」

 そうじゃない、けど、そのとおりだから
 だからアタシは言う。

 「シンジが、ひとりにするから……だから、アタシ、ひとりでオナニーして、
 泣きそうになるくらい、切なかったんだからぁ……だから、シンジぃ……」

 言いかかるアタシの唇をシンジの唇が黙らせた。
 ぴったり合わせた唇の中で互いの舌がくちゅくちゅとじゃれあう。
 また霞み出した意識に、シンジが腰をずらしたのが感じられた。
 やっと……。
 ジンジン疼いて涎を零している欲張りなアタシのヴァギナを、少しでもはやくシンジの熱いペニスで鎮めてもらう為にアタシも腰を反らしてシンジの動きに応えた。
 

 
 腰をずらすたびに肌の間でアスカの愛液と僕の精液がくちゃくちゃと音を立てる。
 その辺り一帯が性器に変わったように錯覚しながらも、僕は挿入の為に左手をアスカのあそこに添えた。
 キスしているアスカの舌が期待に強ばる。
 ペニスの頭の部分が粘膜に触れると、お腹の下でアスカの背筋がぶるぶると震えて、新しく熱い愛液がどっと零れ出して僕のものを濡らした。
 それを溯るようにしてゆっくりと挿入していく。

 「んんんぅっ!……ん、ふんぅっ!んんんんんぅ……っ!!」

 キスをしたままなので、アスカの快感の声が口の中でくぐもった呻きに変わる。
 その震えが快感の深さを伝えているみたいに感じられる。
 体勢がきついせいで半分ほどまでしか入らないのを引き戻そうとする、と、離すまいとするかのようにきつく締めあげられた。
 でも朝からのセックスのせいで精液と愛液でどろどろの裂け目は抽送を引き止める事にはならない。

 「ンンッ!ん、んんんっ!!くんんんぅっっ!!」

 必死になって首を振るけど、抱え込むようにしている右腕を枕にしたアスカの頭は僕がそうしない限り唇を外す事はできない。
 大丈夫だよ、アスカ。
 僕は雁が引っかかり、入り口辺りを弾きかかるところまで引き戻してからまた溯る。
 ゆっくり、何度も往復する。

 「っ!ん、ふぅ……ンンッ!んんぅっっ!!」

 こうやって奥まで行かないでゆっくりピストンしているといろいろと解る事がある。
 引き戻すときに弾かれる襞の一つ一つにアスカが敏感に反応する事。 

 「ふんっ!んむぅ、んっ!んんんっ!」

 アスカは奥までいっぱいに入れなくてもイイらしい事。

 「〜〜っ!!んっ!んうぅぅっ!!」

 こうして角度を変えつつ、押すようにして先端でゆっくりと擦っていくようにするとアスカのお尻が痙攣して快感の深さを教えてくれる。
 それに、このクリトリスの裏……ざらついた部分。

 「っっ!!ふむぅっ!ん、んんぅっ!!〜〜〜〜っっ!!」

 アスカはここを擦るたびに半狂乱になって悶える。
 ……痛いんじゃないとは思うけど……。
 動きを止めて唇を離す。

 「ぅあ……?な、にぃ……?」
 「アスカ……大丈夫?」
 「あは……アタシ、だめぇ……こんなふうに、いっぱい感じさせられたら、くるっちゃう
 ……しんじゃうよぉ……」

 僕の目を霞んだ視線で見かえしながら嬉しそうに甘い声で答えてくれる。

 「ここ……いいの?」

 言いながらざらつきを繰り返し小突く。

 「うあっ!は、あああっ!」

 たまらないというふうに漏れる喘ぎにちょっと優越感。

 「ねぇ……どうなの?」
 「やはぁ……シンジ、エッチぃ……へんたいぃ……」

 全然非難しているように聞こえないよ……。
 答えてもらおうと僕は指先に脈打つ小さな珠を捕らえる。
 それを押さえるのにあわせて何度もざらつき……そうだ、Gスポットって言うんだっけ、そこめがけて細かくつつく。

 「はひぃんっ!やは、やっ!だめぇっ!そんっ、ひいぃぃっっ!!」
 「ね、教えてよ」

 アスカは観念したように頭を僕の右手に預けると、自分の感じている感覚を言葉にしはじめた。

 

 「その……そこ、つつかれると、クリトリスの、裏の辺りが弾けるの……」
 「弾けて?」

 言いながらシンジがまた一突き。
 背筋を熱くてぬるぬるの快感の塊が駆け昇る。

 「はぅんっ!あ、は、はじけて、ひびく、の……っ!」
 「それだけ?」

 知りたいだけなのか、それともアタシを恥ずかしがらせて一層感じさせようとしているのか、シンジは言葉と一緒に何度もアタシの敏感な部分をつつく。

 「ちがっ、は!うのぉ……いっぱい突つかれると、いっぱいひびいて、腰の辺りぜんぶ、
 とけちゃうの……それで、シンジの、おちんちんにからみついて、いっぱい……いっぱい、
 かんじちゃう、のぉ……っ!!」

 そんな風にすごく恥ずかしい、いやらしい告白をしおわった途端、シンジは本格的にピストンを始めた。
 アタシのGスポットが突つかれ、捏ねられるのに併せて表でクリトリスが優しく激しくおもちゃにされる。

 「やはっ!あ、こんなぁっ!や、だめぇっ!!アタシっ、あたしだめにっ!なっちゃうよぉっっ!!」

 たまらず身を縮こまらせて顔を伏せる。
 と、シンジが耳元にキスすると囁いてきた。

 「いいよ……何度でも駄目になっちゃっていいよ……もう、離れないから
 ……ずっとそばに居るから」

 あそこから注がれて全身で暴れまわる快感の嵐に吹き飛ばされそうになっていたところに、そんな風に優しく、望んでいた事を言われたアタシはもう抵抗する力も意志もなくなっていた。
 少し強くクリトリスが捻られ、それにあわせてGスポットがペニスの先端で捏ねられた瞬間、アタシは激しいオーガズムに達していた。

「ふああっ!あはぁ……しん、じぃっ……あああああぁぁぁ〜〜〜〜っっ!!」

 アタシのあそこから何かがしぶくのが感じられる。
 膣内(なか)のひだひだもきつくシンジのペニスに絡み付いて、びくびくと締め付けている。

 「はぁ……あ、あぁ……あふぅ……んん……」

 ひとしきり痙攣してから、脱力しきってシーツに突っ伏す……といっても、シンジに抱きしめられたままだから体勢はほとんど変わらない。
 と、枕になっているシンジの腕がアタシの顔を捻ったかと思うとキスをされた。
 イってすぐのふわふわしているときにこんな風にキスするのって、なんだかすごくイイ。
 特にシンジの方から積極的にしてくれているからなおさらそう。
 ため息まじりにだらしなく開いているアタシの唇をついばみ、舌先でたっぷり味わって、舌を絡めてしゃぶられる。

 「ん……(ちゅ)はふ……あ、ふむぅ……(クチュ)ん……」

 シンジの要求に少しでも応えようと突き出した舌を、唇で柔らかく食んでからクチュクチュとしゃぶられ、その淫らすぎる感覚にアクメの余韻が響いている頭の中が白くなる。
 アタシ……イってすぐなのに、唇でもセックスしてる……。
 そうやってとても激しくてやらしいキスに没頭していると、体の感覚が少しはっきりしてくる……と同時に、アタシのあそこはシンジのまだイってない、固いまんまのペニスを咥え込んだままなのに気づいた。

 「ふぁ……?あ、シンジ、まだ……」
 「うん……」

 切なそうな、申し訳なさそうな声。
 一緒にイけなかったから?だからなの?
 それで、こんな風に?
 シンジが切なくなってる、そう感じただけで胸の奥がぎゅっ、て締め付けられる。

 「シンジ……」

 震える声の呼びかけを、シンジはキスの催促と取ったみたい。
 そっと、優しく唇を合わせてきた。
 だめぇ……シンジ、優しすぎるよ……。
 そのまま流されてしまいたいくらいに暖かなシンジの唇の感触から無理に意識を引き剥がして、アタシはシンジに言う。

 「ちがう、の……」
 「……?」
 「シンジ……まだ、イってないでしょ?」
 「それは……」
 「だから、いいよ……」
 「でも、アスカイったばかりで、辛いんじゃないの?」

 まだ、そんな風に……。
 アタシはそんなシンジの背中を押そうと、まだジンジンしびれたようになってるあそこに力を入れてシンジのものを締め上げた。

 「くっ?!あ、アスカ?」
 「いいから……このまま、後ろから犯して……けだものみたいに、アタシを好きなようにして、
 いっぱい射精して……アタシのあそこ、シンジのあつい精液で、いっぱいにしてぇ……っ!」

 イってすぐの快感に爛れた声を隠さずに、シンジの理性を崩せるくらいにいやらしい言葉で。
 それに応えて、膣内(なか)のシンジのペニスが一回り膨らんだ。

 「は……っ、ん」

 呻きを漏らしたアタシからシンジが身を起こした。
 そのまま、少し乱暴なくらいに崩れた腰が引き上げられる。

 ズン!

 「ふあぅっ!!はくぅ……あ、おく、くる、ぅ……っっ!!」

 抱えあげられた事で、シンジのペニスが根元まで挿入られた。
 子宮口を衝かれ、熱いペニスで捏ね回されて、たちまちのうちに快感が燃え上がる。

 「はっ……あ、ああ……」

 背筋を反らせて震えているアタシにシンジが宣言した。

 「もう……止まらないからね……もう、アスカが何を言ったって、止めてなんか、あげないからね……」

 その言葉で、すぐ未来のシーンが予知できてしまった。
 何度もイって、どうしようもなくシンジに赦しを請うのに、聞き入れられないままに連続するオーガズムにさらされ続けているアタシ。
 涙と汗と涎で顔をぐしゃぐしゃにして、でもあそこはシンジのものをもっとって言うみたいに咥え込んで離さないの。

 きゅうぅっ……

 そんないやらしい想像をしたら、子宮ごと縮み上がるような興奮が襲ってきた。

 「う……っ、あ、アスカも、して欲しいんだ……」
 「あぁ……そんな……あ、あ……ひぃ?!」

 自分のあまりのいやらしさに震えそうになったら、シンジのペニスが引き戻され、かきあげられた膣壁が感じた快感に思考が吹き飛んだ。
 間を置かずにまた子宮が突き上げられる。

 「あくぅっ?!あ、やあっ!も、もうきちゃう!や、あああぁぁぁっっ!!

 その一突きだけでアタシはまたイっていた。
 でも、シンジは宣言通りにピストンを止めない。

「あ、イくっ!またイっちゃうぅっ!ふあぅっ!あああぁぁぁぁーーっっ!!」

 頭の中で白い光が弾けるたびに、アタシは全身を波打たせて悶える。
 それでもシンジの動きは変わらない、ううん、もっと激しくなる。
 おっきなストロークで、何度も何度も突き上げて、アタシのGスポットを擦りあげながらずっと奥まで突き上げてくる。

 「あひぃっ!ふぁ、あぅぅっ!くひぃぃぃ〜〜っっ!!」

 アタシの唇からは絶え間無く絶頂の叫びと涎が撒き散らされてる。
 はしたない・・・けど、すごくイイ。
 姿勢が違うからか、奥まで届く感じがする・・・アタシ、発情しきって精液を欲しがって子宮が下りてきてるだろうから、もしかしたら、子宮の中までシンジのものでいっぱいに犯されちゃってるのかも。
 そんな、すべてをシンジに蹂躪されているみたいな感覚を想像したら、それでますます快感が燃え上がってしまった。

 「うああぁっ!いいっ、いいよぉっ!シンジぃ!しんじぃぃっっ!!」
 「くぅっ……あ、アスカぁ……っ!」

 何度イったかわかんなくなってどろどろに熔けてるアタシの意識に耳元で喘ぐシンジの声。
 頭を抱きしめるように抱えてる腕にも、おっぱいを掴んでいた左手にも力が篭った。
 締め付けてるシンジのものが一回り膨らんでびくびくと震え出す。
 シンジも、なのね。
 シンジの絶頂を一番奥で感じたくて、アタシはシンジが突き込むのに合わせて思い切り腰を寄せた。

 「〜〜っっ!!」

 オンナの器官を今までで一番深く抉られて、アタシの膣内(なか)が激しい喜悦にうねり狂う。
 その瞬間。

 ドクンッ!

「「くっ!あああぁぁぁぁ〜〜〜っっ!!」」

 アタシとシンジの絶頂の声がユニゾンする。
 2人同時に頂上を極める、けど、アタシには更にその先が待っていた。

 ドク、ドクンッ!

「ひゃぅ?!あひ、やは、熱い!あつひぃぃっっ!!」

 ぐりぐりと押し当てられたシンジのペニスの先端から吹き出す熱いシンジの精液が、かすかに口を開いた子宮口を蹂躪しながら子宮いっぱいに満たされていく。
 受け止めた熱い奔流に押し上げられてアタシは悶え狂った。
 何度も、何度も。

 ドクン、ドクンッ!

 「や、ひぃっ!だめ、アタシとけるっ!しんじゃううぅぅっっ!!」

 繰り返される射精のたびにアタシの頭が真っ白な光で染め抜かれていく。
 そして、永遠とも思えるその瞬間が終わると。

 「はふぁ……あ、しん……じぃ…………」

 うつつなくシンジの名前だけ呟いて、アタシはそのまま無意識の淵に滑り落ちていった。
 
 
 
 「……アスカ?」
 
 意識全部を抜き取られてしまいそうな絶頂の後、ようやくおさまった息にほっとしたら、身体の下のアスカがぐったりと伸びてしまっているのに気づいた。
 返事が無い……一瞬心配したけど、心臓が動いてるのは肌で感じるから問題はないはず。

 「アスカ?どうしたの?」

 やっぱり返事が無い。
 慌てて体を起こして確かめてみると……アスカは寝てるみたいだ。
 ……あ、寝てるんじゃなくて気絶してるのか。
 本で仕入れた知識から、女の人っていうのはすごく気持ち良くなると気絶してしまうって言うのを思い出した。
 じゃあ……僕が、アスカをそんなに良くしてあげられたんだ……。
 なんだか誇らしい。
 横抱きにしながら乱れたアスカの髪をそっと撫でつけていく。
 くすぐったいのか、アスカは少しむずがる様に呻くんだけど、寝顔はとても嬉しそうだ。
 そうやってけだるい、幸せな空気に浸っていると
 
 ヌル……

 少し汗が引いてきて、改めて身体のぬめつきに気がつく。
 見ればお腹には僕の精液が塗り広げられてぬるついてる、これはアスカの背中もそうだ。
 全身汗まみれだしふたりとも太股が溢れた愛液と精液でどろどろになっちゃってる。
 シャワー、浴びなくちゃ。

 「……んん…………シンジ?」

 タイミング良くアスカが目を醒ました。

 「あ、アスカ……」

 横抱きにしていたので正面にある僕の顔にアスカは少しの間きょとんとした表情をしていたけど、すぐにぱあっ、と陽が射すみたいな笑顔を見せてくれた。

 「シンジぃ……」

 甘えるように擦り寄ってくる……なんだか、とてもカワイイ、いつも以上に。
 こんな事をしたのは昨日が初めてなのに、僕は自然とアスカにそんな感情を抱いて、そのままキュッ、て抱きしめた。

 「んん……」

 アスカが嬉しそうに身じろぎをしたところで肌がぬるついて僕はさっきの考えを思い出した。

 「ねえ、アスカ、その、べとべとだからお風呂はいった方がいいんじゃあ……」
 「そう……ふふ、そう言われてみればシンジのザーメンでからだじゅうべとべとねぇ……」

 顔に火がつく。

 「そ、そんな!からだじゅうなんてこと……」
 「そう?身体全部シンジの匂いに包まれてて、頭くらくらしてるんだけどなぁ」

 至近距離でからかうように愉しげに蒼い瞳が煌いている。
 恥ずかしい、けどそれ以上にその綺麗な色に魅き込まれて僕は自然に顔を寄せていた。

 「し、シンジ?」
 「……僕も、アスカの匂いでいっぱいで、嬉しいよ」

 今更ながらに言った言葉の恥ずかしさに顔が紅くなるけど、アスカはそれ以上に真っ赤になって感極まったように震えてる。

 「……アスカ、可愛い……」
 「ば……ばかぁ!……ばかシンジの、くせにぃ……」



 シンジの奴……シンジのやつぅ。
 なんて恥ずかしい事を……こんなタイミングで言われたら、アタシ、嬉しくて何にもできなくなっちゃうじゃないのよ。
 なんだかやられっぱなしみたいで悔しいから

 「痛っ!」

 摺り寄せたシンジの首筋に咬み痕を付けてやる。

 「てて……酷いよアスカぁ」

 でも、声は嬉しそうよ、シンジ?
 アタシの行動をシンジがちゃんと受け止めてくれている、そのことが嬉しくてアタシはまたぎゅっ、て抱き付く。
 と、シンジがもぞもぞ身体をよじる。

 「?シンジ、どうしたの?」
 「いや……嬉しいけどさ、さすがに一日中このままってわけにもいかないでしょ?
  乾いてガビガビになっちゃうし……」
 「……お風呂、もう用意できてるのよね?」
 「うん。
  アスカがお先にどうぞ」

 いつもの事のはずだけど、アタシを優先しようとするシンジのこの行動はいつもと違うみたい。
 だって、明らかに「アタシの為」だって判るもの、いつものようにアタシに言われてじゃなくて。
 それがすごく嬉しくてもっと甘えたいって気持ちが湧いてくる。
 離れたくない、けど、体も洗いたい……。
 そうだ♪

 「シンジ?」
 「なに?アスカ」
 「一緒にはいろ?」
 
 シンジはアタシの言葉に一瞬理解できないみたいに呆けた後で真っ赤になって慌て出した。

 「ええ?!え、でもあのその、いっしょに?」
 「そうよ……一緒に、入るの」

 慌てるシンジが可愛い……そして、愛しい。
 その心のままに、恥ずかしさに視線を逸らそうとするシンジの頬に両手を優しく添えて視線を合わさせる。

 「あ……アスカ……」
 「シンジは、綺麗にしてくれないの?
  中も外も、シンジの精液でどろどろになっちゃってるアタシを……
 全部、シンジのものになっちゃってるアタシを」

 そう、全身をシンジに包まれているからアタシは想う事をそのまま素直に口に出来る。
 心の中の感情が溢れて、唇から優しい囁きになって零れ出していく。
 そうすると、たちまちのうちに覗き込む視線から動揺が薄れ消えて……アタシの大好きな、優しい色に落ち着いた。

 「……わかったよ、アスカ……アスカの望むようにするよ。
  ……それに、その、僕も洗ってあげたいし……」

 くす

 「……えっちぃ……」
 
 いたずらっぽく囁く言葉にちょっとだけどまた慌てるシンジ。
 こんな風にシンジを翻弄しているのがなんだかとても嬉しい。
 アタシ……悪女の素質があるのかな♪



 「じ、じゃあ……!」

 くすくすと笑い続けてるアスカから身を離して起き上がる。
 心臓はどきどき、顔だって真っ赤だと思う。
 ちょっと心を晒すとそれをネタにからかわれる……けど、アスカ相手だとそれが嫌じゃない。

 「ほら……アスカも、一緒に入るんでしょ?」
 「うん……」

 微笑み程度に笑いを鎮めたアスカが僕の言葉に応えて身を起こそうとする……と、びっくりしたようにへたり込んだ。

 「あ……あれぇ?」

 力が入らない……腰が抜けちゃってるのか。
 きょとんとした顔をしているアスカを見ていたら、いつもなら思い付きもしない行動を自然と取ってしまった。
 アスカの脇と膝の裏に腕を回すとそのまま抱き上げる。

 「ふぇ?し、シンジ?!」

 本当は持ち上げる事さえできないはずなのに、僕はふらつきもせずにアスカを抱きかかえる。
 やってからその不自然さに気づいたけど、多分訓練で力が付いていたせいだと、そう考えておく、他に可能性なんて無いから。
 いわゆるお姫様抱っこにされたアスカはぽけっ、と僕を見つめた後で急に真っ赤になった。

 「や、ちょっとシンジ?!こんなの……っ!」
 「でも、アスカは腰が抜けちゃってるじゃないか……あんなにたくさんイっちゃったんだから、当然だけど」

 ふふ、さっきとは逆にアスカが恥ずかしさに縮こまってる。
 軽くキスしてから一言。

 「だから、僕が連れてってあげるよ♪」

 アスカは何も言わない。
 だけど、僕の肩に回された腕はなんとなく嬉しそうにしがみついたままだった。



 シンジに抱き上げられて移動する。
 その間中ずっとアタシの心臓は鳴りっぱなし……だけど、不思議と心は落ち着いてる、安心感に満たされてる。
 すぐ近くで見下ろすシンジの視線のせいなのか、抱えられてる腕の温かさのせいなのか。
 でも、いい……ずっとこうしていたいとも思ってしまう。

 「アスカ……扉」
 「ぇ?あ、う、うん」

 ポーっと浸っているうちに、いつのまにか洗面所の前まで来ていた。
 アタシは促されるままに、両手の塞がってるシンジに変わって扉を開ける。
 共同作業……なんだか不思議な、わくわくする感じがあるの。
 シンジは慎重に足元を確かめながら風呂場に入ると、アタシをバスチェアにそっと座らせた。
 いつも一人で入っている場所に二人きりで居る、そのことがなんだかすごくどきどきする。
 シンジもそれは同じみたい、ちょっと困ったみたいにちらちらとこっちを見てる。
 椅子が無いから立ったまま……何とはなしに身体を向かい合わせたところでとんでもない事に気づいた。

 「っ……!!」

 今アタシは座っているので、ちょうど目の前にシンジのペニスが……さっきまでセックスしていたせいでシンジの精液とアタシの愛液でどろどろになってるのが、まだおさまる様子を見せないまま突きつけられてしまうような形になってる。
 初々しいピンク色の粘膜がどろどろになってお風呂場の照明に反射する……なんだか、すごくいやらしい。

 「あ……アスカ?」
 「あ……」

 やだ、食い入るように見つめちゃった。
 あれだけ乱れきったやらしい姿をさらしたけど、やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしいわね。

 「ほ……ほらシンジ、早く、あ、洗ってよ……」

 慌てて背中を向ける。
 ……でも、気づかれちゃったわよね……。
 気づかれたら……また、さっきみたいに後ろからいっぱいセックスしてもらえるかな……。
 埒もない考えにお腹の底がジクンと小さく啼いた。



 アスカの背中が真っ赤に染まってる。
 小さくなってる、けど、嫌がってる風ではない。
 僕も多分全身おんなじ風になってると思う……とくに、あれをあんなにまじまじと見詰められるとやっぱり……。

 「じゃあ……」

 ごまかすようにシャワーを出す。
 温度はぬるく。
 熱いと精液が固まっちゃうし。

 ジャッ

 「!!」
 「?あ、アスカ?!」

 水音にアスカの肩が小さく跳ねた。
 なんだか……リスみたいだ。

 「な……なんでもないわよ!」

 びっくりしたのが恥ずかしいのか声が大きくなる、そんな所もひどく可愛らしい。
 ……こんな風に思えるのは、成長したって事なのかな。
 ……あれ?そういえば。

 「ねえ、アスカ」
 「なに?」
 「髪、タオルで包まなくていいの?」
 「いつもならそうだけど……今はいいわ、後でお湯につかるときにね」

 そう言うとアスカは髪を一まとめにして身体の前に回した。
 なるほど、一人じゃないからこういう風に出来るのか。

 「じゃあ……」

 ザァ……

 水流を肩に当て、そのまま全身を濡らすように掛け回していく。
 時々ぬめりをこそげるように手を滑らすと、その動きにも肌をぴくつかせて応えてくれる。
 しばらくすると、アスカはうっとりと体を預けるように力を抜いてきた。
 もういいかな。
 ボディーソープを付けようとスポンジに伸ばした腕が気怠げに引き止められた。

 「?なに?」
 「スポンジは……いいから……」
 「?だって」
 「手で……直接、あらって……」

 肩越しにからかうような、そして期待を煌かせた視線が投げかけられる。
 その視線に釣り込まれるように僕は縦に首を振っていた。
 
 
 
 「そ、それじゃ、(ゴク)いくよ……」 
 「……うん」

 シンジが興奮に唾を飲みながら手を伸ばしてくる。
 躊躇うように繰り返し泡立てていたのでその手はすっかりソープで包まれてしまっている。
 あれだけたくさんアタシをイかせて、抱きしめて、よがり狂わせたって言うのに……やっぱり、恥ずかしさの性質が違うのかしら?
 ……そうね、きっとそう。
 だってアタシも今すごく恥ずかしい。
 けど、それ以上にシンジに触れて欲しい。
 身体の隅々まで、その手で直に確かめて知り尽くして欲しい、そう思う。

 クチュ……

 「ぁ……」

 遠慮がちに伸ばされたシンジの掌が肩を包み込んだ。
 ちょっと声が出ちゃった、けどシンジはそれに気づかない風に手を滑らせはじめた。

 ヌル……ル

 「っ……ンンッ」

 やだ……キモチイイ。
 ゆっくりと手が触れているだけなのに、本格的に愛撫されてるみたいにピリピリくる。
 シンジの手が腕を降っていくのをぽぅっと眺める……手が包まれた。

 「シンジぃ……」

 膝立ちになって半身になっているシンジと、指を絡めるように手を繋ぐ。
 自然に甘えた声が出る。
 不思議そうに手が止まったけど、じっと見詰め合ううちに理解の色が浮かんで、同時にきゅっと優しく握りかえされた。
 嬉しい。
 ひとしきりそうしてから手を解くと、もう一方の腕も両手で丁寧に洗ってくれる。

 「んふぅ……ん……っ」

 満足感がため息になって唇から零れる。
 人に……好きな人に洗ってもらうのって、すごく素敵。
 いつしかシンジの手は背中に戻って半ばまでを泡で包んでいる。
 意外にしっかりした、大きな手が背筋を包むように降っていく……そうか、指が長いのね。
 音楽家の手、なのかな。
 その手に身を任せるうちに、アタシはそのまま後ろのシンジにもたれかかってしまっていた。

 「あ、アスカ?どうしたの」
 「いいから……このまま、こうやって、前もあらって……」

 肩に感じるシンジの顔に頬を摺り寄せるようにしてそう催促する。
 シンジの動揺が筋肉の動きで直接感じられる。
 肌を合わせるって言う表現を実感。
 慌てたように離れていた手は、しばらくすると意を決したようにアタシのお腹の上へ……後ろから抱きしめられている形。
 包まれている事に浸るうちに、シンジの手が緩やかに円を描くようにお腹を撫ではじめた。
 前で緩くまとめてある髪の流れを追いかけるみたいにゆるやかに、なめらかに。

 「はぁ……あっ!」

 おへそを優しくえぐられたときには、たまらずあからさまなよがり声を漏らしてしまった……そしたら、シンジはそこを何度もくすぐってくるの。

 「やっ……だめだっ、てばぁ……こ、ら……っ!!」

 かと思えば脇腹をつるつると指先だけでなぞりあげてくる。
 くすぐったいのとキモチイイのがごっちゃになってびくびくと身を捩ってしまう。

 「駄目……だめって、いってるで、しょ……こ……やはぁっ!」

 耳元でクスクスとシンジの笑い声が聞こえる。
 もう!

 ギュッ!

 「うぁ?!あぁっ!」

 アタシは後ろ手にシンジのペニスを捕まえて締め上げた。
 脇に腕を抱え込んでるし不自然な体勢だからスムーズじゃないけど、シンジを牽制するには充分。
 そのままくにゅぐにゅと弄ぶ。

 「あ、アスカ……だめだよ……っ、洗うの、邪魔したら……」
 「だったら、ちゃんと洗いなさいよ♪ほら」

 喘ぎ混じりでお願いしたってやめてあげない。
 するとシンジは、少し膝を立てるようにして床に座ると、そのまま自分の太股の上へアタシを引き摺り込んでしまった。

 「ちょっ?!な、なにを?」

 シンジは答えず、前触れ無しにアタシの乳房を鷲掴んだ。

 「ふぁ?!や、ああぁぁっ!!」

 不意打ちにたまらず高い声を上げて仰け反ってしまう。
 身を捩っても抜け出せないくらい強く、でも決して力任せでない繊細な動きがアタシに襲い掛かる。
 泡を利して胸の柔らかな膨らみを捏ね回され

 「ひぅ……や、はげしっ……うぅんっ!」

 指の股が、少し愛撫されただけでもうすっかり固くなってしまっている乳首を挟み扱きあげて

 「ああっ!や、だめ!それだめぇっ!!」

 開いた指の間で何度もその敏感すぎる蕾を膨らんだ乳輪ごとぷるぷると弾き転がされ続ける。

 「ひゃ、んっ!ぅんっ!ああっ、あっ!んんんぅっ!!」

 そうやって泡にまみれてシンジの身体の上で踊り続けるうちに、意図せずシンジのペニスがお尻の谷間に挟まった。

 「っ!うぅ……っ!」

 シンジが呻きを上げて動きを止める。
 熱い……すごく熱い塊が、アタシのお尻の間でドクドクいってる。
 朝からのセックスの余韻がいまだに残っているアタシは、その熱さだけで腰の骨が融けてしまいそうに感じるほど欲情してしまう。
 そのまま甘えるようにお尻を揺すっていると、反撃するみたいにシンジが乳首を少しきつめに捻りあげてきた。

 「ふぁんっ!はぁ……そ、こぉ……ンンッ!」

 痛いくらいにしこっている蕾は、そんな風に苛められてもびりびりとしびれるような快感を生むの。
 でも生まれた快感はそのまま子宮に吸い込まれるように流れ込んでジンジンと疼く欲求に変ってしまう。 
 ちかちか瞬く視界を足の間に向ければ、流れ落ちた泡の間から物欲しげにひくついてるアタシのいやらしいヴァギナが見える。
 も……だめ。
 アタシは腰を浮かすと手を伸ばし、シンジのかちかちになってるおちんちんを前に引っ張り出す。

 「アスカ……」

 何も言わないけど、呼吸と指先の震えでアタシがどれだけ切羽詰まってるか理解してくれたみたい。
 シンジはアタシに合わせて腰を前に滑らせてくれた。
 突き出されたシンジのペニスを両手でいとおしむように撫ぜながら、どろどろにとろけているはしたないお口に肉の実を呑み込ませる。

 ジュ……プ……

 「はぁ……あああ……んっ!!」

 疼く虚ろを埋められる充実感。
 初めてしたのが昨日なのに、もうそれを……シンジを喪う事が考えられないほどにしっくりと馴染む。
 ため息みたいな歓喜のあえぎを漏らしながら、アタシはゆっくりと呑み込まれていくシンジのペニスを、ひだの一つ一つで感じたのしみ続けていた。
 


 「シンジぃ……いっぱい……いっぱいはいって、くるよぉ……あ、はぁ……っ!」

 アスカの嬉しそうな声と一緒にざわめく襞がしゃぶりつきながら僕のものを呑み込んでいく。
 ゆっくりと包み込まれるその感覚は普通にするよりも感じさせられてしまい、僕は射精してしまわないように必死にこらえていた。

 コリッ!

 「はひぃんっ!!あ、おくぅっ!いっぱいだよぉっ!!」
 「く……うぅっ!」

 奥まで入った僕のが子宮頚を小突くと、アスカは背筋を強ばらせながらかん高いよがり声を上げた。
 同時に中がきゅうきゅうと締め付けてくる。
 敏感な先端を子宮で擦られながら精液を要求するみたいないやらしい蠢きに、たまらず少し漏れてしまったた……それにしても、ついさっきまであんなにだしたのに萎える事もないままだなんて……僕の身体、どうしちゃったんだろう。
 ?アスカの中はいまだにうねり狂い続けている。
 その快感に飲み込まれそうなのを耐えながら肩越しにアスカの前を見下ろすと

 「ふぁ……は、あんっ!ああっ、あああっ!」

 前に回した自分の両手で僕のペニスに押し広げられたヴァギナを、そして膨らんですっかり顔を覗かせてしまったクリトリスを淫らに捏ね回し続けているのが目に入った。
 敏感な蕾を摘まむたび転がすたびに腰を物欲しげに揺すりたて、僕に全身を預けたまま白い喉を仰け反らせて艶めかしい、いやらしい悲鳴を上げ続けている。
 手を添えて挿入たので、そのまま自分で弄るようになっちゃったんだ……。

 「アスカ……」

 何だか置いてけぼりにされたように感じて、少し強引に頬に手を当てて横を向いてもらう。
 不思議そうな視線は、視線を合わせた瞬間に理解の色と一緒になって酷く色っぽい……いや、とてもいやらしい、誘い掛けるような流し目に変わった。
 唇を半開きにして隙間からちろちろとピンク色の舌が閃いている。

 「んっ(チュプ)ふん……むふぅ(チュグ、ヂュプ)」

 そこへ舌を差し入れるように深いキス……そのまま、粘りついた淫らな水音を立てながら舌をからめて吸いあう。
 アスカはキスを続けながら、なおもクリトリスをなぶる手を緩めないで快感を貪り続けている……すごくいやらしい。
 僕は思い付いて左手をつるりとアスカの下腹に滑り落とす。
 右手で胸をもみ上げながら、乳首をくにくにと弄びながらおへそのすぐ下の辺りで止める。

 「んぅ……?」

 不思議そうな鼻息。
 次の瞬間、それは絶頂の呻きに変わった。

「んんんんぅぅぅーーっっ!!」 

 すっかり僕のものに馴染んだヴァギナを、お腹の外から抑え込んでぐりぐりとこすり付けさせたからだ。
 僅かに膨らんで僕のものが入っているのを示している場所を執拗に何度も揉み込み、押し回す。

 「ふぅんっ!ひぅ!んひぃぃぃっっ!!」

 そのたび毎にきゅうきゅうと僕のものは締め付けられ、包まれている部分から熱いぬめりがじわりとしみだしていくのが判る。
 吸い上げた舌も強ばって慄いてアスカの感じている快感の深さを伝えてくる。
 ちょっといたずら心が湧いて、突き出たアスカの舌をきつく吸い上げるのと同時に押し込み、同時に躰を揺すって突き上げてみた。

「ひぃ………………ん……っ!!」

 ひときわ大きくぶるぶると震えたかと思うと、アスカは急にがくりと全身の力を抜いて僕にもたれかかってきた。
 また気絶しちゃった?

 「アスカ……?」

 そっと名前を呼ぶと、アスカは気怠げに顔を傾けて唇をすり寄せてきた。
 だらしなく半開きになった唇からはぁはぁと荒い息をつきながら舌だけで僕の唇を舐め回し、舌を絡ませてくる。
 ひどくいやらしい。
 でも僕もそうやって卑猥なキスをするのが嬉しかったので、アスカを受け止めて同じように舌を絡ませていった。
 


 「はぁ…………ふ……バカぁ……」

 またしても主導権を取られてイっちゃった……でも、それが嬉しい、心地いい。
 頭の中のピンク色の霧をそのままにたくさんキスして……ううん、唇と舌でもセックスしてから、アタシはやっとそれだけコトバにした。

 「そう?でもアスカは嬉しそうだよ?」

 笑みを含んだ声でそう言いながらアタシの頭を抱え込んで撫でてくれるシンジ。
 力の抜けきったアタシをしっかり支えながら。
 身体いっぱいに満ちた幸福感がアタシからそれ以上の言葉を奪ってしまった。

 「ん……♪」

 だからアタシは甘えるようにシンジの顔に頬を摺り寄せた。
 そのまま、シンジの鼓動とユニゾンするのを感じている……と、シンジが身じろぎした拍子にお腹の奥の固い塊に気づいてしまった。

 「……シンジ……まだ、なの、ね……」
 「うん……でも……」

 そう。
 いまこの状態でセックスしたら、アタシそのまま死んじゃうかも。
 からだの力が入んないから、きっとシンジにいいように振り回されて突き込まれてばらばらに壊れちゃうかも。
 か細い声でゆるしてっていってもけだものになったシンジはやめてくれなくて突き上げてくる絶頂にアタシは何度も昇り詰めて……。
 勝手に湧き出した妄想を首を振って振り払うと、アタシはいったんシンジのものを抜こうとした。

 「ん……んっ?ふぁ、ん、くぅ……っ!」

 けれど、絶頂を味わって気怠く力の抜けた躰は思うように持ち上がらない……特に、シンジのペニスがアタシをふかぶかと貫いているから。
 何度かもぞもぞと試してみるんだけど、上手く行かない。
 それどころか、体勢を変えるたびに膣内(なか)を押し込まれ捏ね回されて、だんだん声が妖しくなってきてしまった。

 「ん……もぅ、なんで……ぇ」
 「アスカ?どうしたいの?」

 不振げにシンジが尋ねる。
 ……あ、そうだ。
 シンジの声でふとおもいついたアタシは、そのままシンジの身体を倒すようにする。

 「?なに……」
 「いいから……このまま仰向けになって」

 不振がりながらもシンジはいう通りにしてくれた。

 「じゃ……んっ、と」

 膝をそろえて身体ごと回転させて正面を向く。

 「はあっ……んんッ!!」
 
 凄い……。
 ねじられえぐられ掻き回されたアタシのあそこからピンク色の衝撃が駆け昇ってくる。
 腰骨がジンジン鳴り響いてアタシはシンジの胸に手を付いたまま唇を半開きにして体中をわななかせてしまった。

 「アスカ?……だいじょ……っ!」
 
 シンジが息を呑む。
 イきそうになっているいやらしいアタシの顔を見てるんだ。
 唇は半開き、物欲しげに舌を震わせていやらしい喘ぎをせわしなく漏らしているアタシを。
 急に恥ずかしくなってアタシはそのまま抱き付くみたいにシンジに体重を預けた。

 「ねえ……ほんとにどうしたの?」

 掛けられた声に顔を上げる。
 訝しげなシンジの視線に気怠げな、誘い掛けるような笑顔で答えてあげる。

 チュル……チュ、ポッ

 シンジにキスするのにあわせて躰を滑らせてようやくのことでペニスを抜き出す。
 物欲しげにヴァギナがひくつく。
 ふふ……欲張りね、でも今はおあずけ。
 シンジの頬にしがみつくように両手を添えて貪るようにキスを続ける。
 何度も顔の角度を変えて唇を擦りあわせ絡み付かせながら舌をしゃぶり吸い上げる。
 くらくらと視線が揺れ出してからやっとキスを止めた。
 唇を離すとねっとりとした二人の唾が糸になって伸びる。

 「んむ……じゃ、いく、わよ」

 吸い込むようにして糸を切ってからいったん身体を起こしてボディーソープを手に取る。
 シンジの視線を感じながら、それをかなり泡が落ちてしまっている乳房に塗り付ける。

 「アス、カ?」
 「んふふぅ……」

 呆然とした声で名前を呼ぶ。
 アタシはわざといやらしく見えるように唇を舐め回してから見せ付けるようにソープを塗り広げはじめた。
 全体を揉み込み、滑る指でぴりぴりと張り詰めている乳首を捏ね回す。

 「は……んんぅ……」

 おっぱいをたっぷり液まみれにしたらゆっくりとお腹をなぞる。
 準備よし。

 「じゃ……いきますよ、お客さん♪」
 「え?アスカ、なに……?」

 ヌルル……ッ

 「くぅっ!」
 
 シンジの胸に倒れ込んで密着して、そのまま躰をスポンジ代わりに擦りおろす。
 お腹の真ん中を堅いシンジのペニスが擦ってくる……それを、胸の谷間で挟むようにして覗かせる。
 あは、ぴくぴくしてる。
 シンジは仰け反って息を荒げている。
 その喉に向かって躰を這い上がらせる。

 ヌルルゥ……

 「あ、ああっ!あす、か……ぁっ!」

 快感に震えるシンジの喉に唇を吸い付けてちゅうちゅうと吸う。
 濃いキスマークが刻まれた。
 そのままアタシを抱き止めようとするシンジの腕を押し退けて、また躰を往復させる。
 何度も、何度も。

 「うあっ!あ、アスカっ!あす、か……は、あああっ!!」

 これは「泡踊り」っていうんだっけ。
 風俗の……ううん、売春婦、娼婦が男の人にしてあげる行為なんだよね。
 とても、いやらしい……いやらしくてぞくぞく来る。

 「いかがですか?おきゃくさま♪」

 そう、アタシは娼婦なの。
 シンジに買われていっぱい気持ち良くしてあげる為に存在している淫らな女なの。
 往復するたびにびくびくと脈打つシンジのペニスにいっぱい擦れるようにくねくねと肌をこすり付けながら、同時に擦れる充血した乳首にジンジンとしびれるような快感を覚える。
 アタシはもっと欲しいと背中に手を回して蠢かせながらますますいやらしくシンジの躰に絡み付いていく。
 ほんとに……淫乱そのもの。
 と、シンジが急にアタシを抱き止めた。
 不意をうたれて腕ごと抱え込まれるみたいに捕らえられてしまう。

 「ね、ねぇ……アスカ……さっきから、言ってる「お客様」って……なんなの?」

 え?

 「し、シンジ、知らないの?」
 「知らないって……その、何と無くわかるんだけど……アスカのしている事と、どう繋がるかが……」

 ……意外……アタシの事、あれだけたくさんイかせてくれるんだからもっと詳しいと思ったのに。
 でも、なんか嬉しいかも。
 アタシはとりあえずざっと説明する事にした。



 「……そ、そういう事、だったんだ……」

 興奮しきっていたところに質問を入れたせいでちょっと鎮まった。
 アスカも恥ずかしがりながらもあきれた感じで話している。

 「で、でも、それだと……アスカは、ソープじょ……って事で、演じてたんだよね?」
 「そうね……」

 チクン……

 「……アスカ」

 ギュウ!

 「ちょ……な、なに?」

 胸に走った痛みにきつくアスカを抱きしめる。
 戸惑うアスカの頭を抱き寄せて激しいキス。

 「んっ?……んん……ふ」

 ひとしきりアスカの甘い舌と唇の柔らかさを確かめてからじっと蒼い色を覗き込む。

 「な、なに?……シンジ」
 「嫌だ……」
 「え?」
 「たとえ演技だって、アスカがそんな風になるなんて、考えたくない……大事なアスカが、そんな事になるなんて……絶対嫌だ」
 「し……シンジ……」

 アスカの瞳はびっくりしたような色からあきれを経て、なんだか落ち着いた嬉しそうな色になった。
 アスカも抱きしめかえしてくれる。

 「ばかシンジ……そんなに、嫌?」
 「うん。
  どんな事があったって、何が来たって、僕はアスカと一緒に居たい、護りたい。
  絶対、そんな風に、させたくない」
 「……いいよ、シンジになら、守らせてあげるわ……だから……強くなってよね」
 「うん」

 裸で躰を重ねあわせたままで欲望も躰の奥で疼いている。
 けれど、これは誓い。
 絶対、何にも覆させる事の無い約束。
 僕の心はそう叫んでいた。
 
 
 
 「……んっ」

 シンジの真摯な視線を感じながら胸に頭を預ける。
 ちょっと落ち着いたけれど相変わらず興奮で早くなっているシンジの鼓動が耳に響く。
 でも……不思議。
 シンジの言葉を聞いたら、そんなはずも無いのにこの胸がとてもしっかりしたような気がする。
 腕がアタシの身体に回される。
 縛るのではなく、そっと包むように。

 「……」

 アタシは無言で顔を上げ、そっとキスをした。
 唇だけでついばむ、優しく初な、そして真剣なキスを。
 とても、嬉しい。

 「……ふ」

 キスを止め、鼻先を擦りあわせるようにして見詰め合う。

 「……信じたんだからね」
 「……ありがとう、アスカ」

 静かに溢れる幸福感のままキュッ、としがみつく……と、股間に熱い感触。

 ゾクリ!

 同時に脊髄を走り抜ける欲望。
 いましがたの優しい感情に反するようにけだものじみた欲求が湧く。
 シンジも同じみたい……イってないから余計酷いのかも。
 それでもシンジはそのままアタシを蹂躪しようとしない。
 そんな様子に胸の奥がキュッ、と締め付けられる。
 だから……

 ヌル……ル

 「っ!……アスカ?」
 「いいから……」

 さっきと同じように、ううん、もっともっと想いを込めて、それでいてもっとやらしくシンジの肌に胸を、乳首を、そしてあそこを擦り付けていく。

 「でも……」
 「違うの……今のアタシは、シンジのものなの……シンジの為だけの、娼婦なの……」
 「っ!!」

 躰の下のシンジのペニスがアタシの言葉に大きく跳ねた。

 「シンジにしてあげ、たいの……どんなやらしい事でも、ひわいな、言葉でも、いいの」

 昂ぶる感情のまま言葉を紡いで、躰の動きも早くする。

 「ぜんぶ、しんじの、もの、な、のぉ……!なんで、も、してあげ、る……だから、だから……っ!!」
 「うく……っ!あ……あすかぁっっ!!」

 びゅくんっ!!

 「あ、熱っ……」

 アタシの言葉でシンジが弾けた。
 熱い飛沫が胸の辺りまでさかのぼる。

 びゅくっ、びゅくんっ!

 でもアタシは動きを止めない……シンジの肌と捏ねあわせるように、シンジの匂いをアタシの肌に擦り込むように何度もこすり付け続ける。
 「あす、か……あすかぁ……あっ、ああっ!」

 悲鳴にも似たシンジの絶頂の声が耳をくすぐる。
 もっと……もっとしてあげる。
 その想いのまま泡と精液でぐちゃぐちゃの肌を擦りあわせペニスの射精を誘い続ける。

 「はっ……あっ!うぁ……う、くぅ……っ」

 ぴゅくっ……ピュッ

 最後の射精に身体を震わせると、シンジはぐったりと崩れ落ちた。
 アタシはそのまま肌に感じるシンジの熱さを塗り伸ばすように身体を揺すり続ける。
 そして、お腹だけではなく胸の先端、疼く乳首にまでに熱さが馴染んだところでやっと動きを止める。

 「シンジ……」

 当初の名目では洗う事のはずだったのに、それどころか全身にシンジの精の匂いを染み付かせて肌に擦り込んで……でもそれがたまらなく嬉しかった。
 
 
 
 まだ視界がちらついている。
 でも、肌に感じるアスカの体温だけははっきりしている。
 僕だけの娼婦、アスカのその声が頭に響く。
 一瞬独占欲と達成感のようなものが閃き、このまま萎える事の無いペニスで犯せと命じるけど、僕の心にはそれ以上にこうまで僕に総てを委ねてくれたアスカへの愛おしさが溢れ、その昏い感情を押し流した。
 だから、僕はアスカを抱きしめた……いとおしいという感情をそのまま乗せて。

 「んふ……ね、シンジ、よかった?」

 ……っ!

 「そ、それは、その……」
 「ちゃんと教えてよ……ねぇ♪」

 いたずらっぽさと欲望を半々に乗せて、アスカは僕をからかう。

 「その……うん、すごく、気持ちよかった……」
 「ん♪」

 満足げに肯くとアスカはまたキスをしてきた。
 軽いキスのつもりだったみたいだけど、唇が触れ合った途端に止まらなくなる。
 絡み合わせ、いつのまにか滑り出た舌で互いの唾液の甘さを堪能して……。
 どれくらいしていたか判らないけど、気づけば僕らはまたも昂ぶった互いの吐息を顎先で混ぜ合わせていた。

 「ね、シンジぃ……」
 「……ん」

 腰を揺すってのアスカの催促。
 挿入て欲しいと、セックスしたいというその要求と自分の中の疼くものにしたがって体を起こす……と、イったばかりでふらつく腕が滑った。

 「うわ?!」
 「きゃ?!」

 ガタン!!ザァァッッ……!!

 「「熱っっ!!!」」

 ユニゾンして上がる悲鳴。
 けつまずいて捻られたカランがシャワーのノズルから熱湯を吹き出させる。

 「お、温度!さげっ!」

 慌てたアスカがカランに飛びつく・・・力いっぱい「温度調節」を引き下げる。

 「「冷たぁっっ!!」」

 もうわやくちゃだ。

 「あ、アスカなにやって「た、たまたま「いいから早く!寒いって!「うるさぁい!今やるわよ!」
 
 やっと水流が止まった。
 
 「「…………」」

 2人見合った後

 「「……っ、くふ、あははははは…………!」」

 またしてもユニゾンして吹き出してしまった。
 そのまましばらく笑い続けて。

 「もう……いいわ、取り合えず泡流してあったまらなきゃ……風邪引いちゃうわ」
 「そだね」
 
 淫靡な雰囲気が吹き飛んじゃったよ……。
 でもこれはこれでいいかな、アスカがアスカらしくて可愛いし。

 「……ばか……っ」
 「え?」

 ……声に出しちゃってたみたいだ……でもアスカは嬉しそうだ。
 
 

 ……もう……シンジめぇ……。
 あんな風に意識してないようにさらりと恥ずかしい事を言うなんて……よ、余計嬉しいじゃないのよ。
 アタシだけがこんな風にどきどきさせられるのってなんか癪……よし。

 「もう……いいわ、ほら、シンジ、ちゃんとアタシを綺麗にしてよ」
 「え?」
 「さっきの泡踊りで、シンジの精液躰じゅうに擦り込まれちゃったの……きっともうにおいとれないかもってくらいにね。
  だからぁ、せめてそれ以外の部分はキチンと綺麗にしてよ、シンジの手で」
 「…………う、うん……」

 ふふふ……ほら、真っ赤になっちゃってる。
 ほんとは泡まみれだから流すだけでいいんだけど、どうせなら最後までシンジに……。
 膝立ちになって胸を強調しつつ迫るとシンジは慌ててノズルを手に取った。

 ザ……ァ

 「じゃあ……」

 シンジがシャワーの水流を掛けながら手を伸ばす。
 アタシは体を開いて、シンジのなすがままに任せる。
 っ……やっぱり、ちょっと感じる。
 シンジの手がさっきよりも馴染むような気がする……シンジの精液、肌に擦り込んだからかな?
 そのことに嬉しさを感じながら、アタシはシンジの優しい手の感触を楽しんでいた。

 「ここも、だよね」

 ?どこ……

 「ふぁっ?!ちょ、そこ……っん、くぅっ!」

 シンジったら……いきなりアタシのヴァギナに手を伸ばしてきた。
 びくりと引きつるアタシにかまわず、ゆっくり押さえ付けるようにして泡を流していく。

 「んく……ちょ、だ、め……ふぅっ!」

 でもその動きは愛撫するって言うには微妙なところで。
 快感を与えられながらもどこかもどかしさを感じているアタシは焦らされている以外の何者でもなかった。

 「(シンジ……わざと、やってるの……)」

 視線を向けると、いたずらしているとは思えない真摯な表情が見える。
 その顔つきにもゾクリと来てしまう。

 「もお……は……は、んん……んっ」
 「これでいいかな」

 シンジがようやく手を離す。
 見ればねっとりとした筋が何本か糸を引いてる。
 シンジはそれを気にした風もなくシャワーで流し去った。

 「はふ……じゃあ、つぎ」
 「髪、洗うんだよね」

 ……わかってるじゃない。

 「シャンプーは先に泡立てて、髪を擦らないようにね」
 「うん」

 シンジはキチンと量を多く手に取った。
 少しのお湯を手に取り擦りあわせて泡を立てる。
 そのままそっ、とアタシの頭を包み込んだ。

 「そ、そう……そんな風に……」

 シンジの手はそのまま泡を髪に染み込ませるようにしてキュッ、キュ、とそっと撫でてくれる。
 しばらくそうしてから、指が髪の毛を慎重にくぐって指の腹を頭皮に優しく触れてきた。

 「ん……そ……ぅ」

 シャワシャワシャワ

 揉みほぐすような動きで泡がかきたてられていく。
 ……キモチイイ。

 ことり

 「?アスカ?」
 「いい、から……このままで……」

 後ろに正座して居るシンジに背中をもたせかける。
 いつも一人で洗うときとは大違い……。
 少し戸惑ったけど、シンジは了解してアタシをきちんと支えながら更に優しく丁寧に髪を洗ってくれた。
 やっぱりオトコノコ、しっかりした手がアタシの頭を支えつつマッサージしてくれる。

 「は……ふぅ……んん」

 ぽうっ、と幸福感に浸りながら、ぜんぶシンジにあずけてあたまをあらってもらう。
 すごく……きもちい、い……

 「……アスカ、アスカ?」

 !

 「な……なに?」
 「取り合えず頭は終ったけど、髪はどうするの?」
 「あ……かみ、ね……髪は、シャンプーを付けないで」
 「そうなの?」
 「うん、髪長いと痛みやすいから……頭を流すときの泡をそっと揉み込むみたいにして洗って」
 「わかった」

 シンジはそう言うと、弱めの水流でゆっくりと頭の泡を流しはじめた。
 アタシはシンジが指示するのに従って身体を前に倒す。
 ノズルが頭に近づけられると、手でお湯を掬いながら丁寧に泡が流されていく。
 ほんとに……丁寧……。
 髪を伝い下りていく泡を追いかけて、シンジの手がそっといとおしむようにアタシの髪を揉む。
 その指の動きをぼうっと見詰めていたら、いつのまにか洗い終わっていた。

 「それで、リンスはどうやるの?」
 「……まず、はんぶんくらいのぬるま湯でうすめて……それから、先からぬりこむみたいにして……」
 「……うん」

 自分でもわかるぽうっとした声で指示する。
 シンジも気づいてるのかな……なんだか、背中に感じる気配がもっと優しくなった。
 シンジは言われるままにリンスを薄め、そっと髪に染み込ませる。
 こうして丁寧にシンジに洗ってもらう事に酔ったようにぽうっとしてると、リンスはあっという間におわってしまうような気がする。
 気づけばシンジが呼んでいる。

 「……大丈夫なの?」
 「うん……だいじょうぶ……うれしくて、ぽうっとしてるだけ、だから」

 シンジがうごきを止めた。
 ……あ、ちょっとふるえてる……シンジもうれしいのかな。
 そのままじっとしている。

 「……流さないの?」
 「それはもっと、あと……いつもはタオルでくるんでからひえないようにおふろであったまるんだけど……」
 「え?じゃあ」

 動くシンジをそっと引き止める。

 「いまは、シンジがあっためてくれるんでしょ?だから、このまま……」
 「……わかったよ」
 
 そのままぎゅっ、て全身で包み込まれる。
 
 「は……ふぅ」

 そうやって密着したまますごす。
 シンジの鼓動、そしてお尻にはそれにシンクロして脈打つ熱い塊。
 全部、シンジなんだよね。
 ずっとそれを感じていると、幸福感と性欲が一体になってアタシの中にひたひたと湛えられていく。
 くせに、なっちゃうかも。

 「ん……もう、いいわ……ながして」

 ある程度時間を置いてからそう言う。
 ちょっと名残惜しいけど、ちゃんと流さないと髪が維持できないものね。
 シンジもちょっと残念そう、でも言う通りにきちんと洗ってくれた。

 「ありがとう、シンジ」

 満面の笑顔で。

 「どういたしまして」

 シンジも笑顔で受け止めてくれた。
 と。

 「……シンジの身体、冷えちゃったね」
 「いやまあ、そうだけど」

 それなら

 「じゃ、一緒にはいりましょ♪」  
   
 
 
 「ぼ、僕も?」
 「そう……いや?」

 僕は首を横に振る。

 「そんな事ないよ……その、嬉しいよ……ありがとう、アスカ」

 アスカが僕を思いやってそう言ったのが解る、だから「ごめん」ではなく「ありがとう」
 それが解るのかアスカも嬉しそうな笑顔だ。
 立ち上がってタオルを持ってくる。

 「はい」
 「あ……き、気が利くじゃない…………その……アリガト」
 「どういたしまして」

 アスカは照れ隠しにさっさと髪を巻きあげタオルでくるむ。
 そんな可愛い反応をそのままじっと見ていたい気もしたけど……ちょっと冷えてきたかも。
 だから浴槽をまたぐ。
 なんだか股間に……というかいきり立ったものに視線を感じるけどすぐにお返しできるから我慢。

 「じゃ……アスカ、「おいで」」

 その一言でアスカが真っ赤に茹で上がる。
 ああ、ほんとに君はこんなにも可愛らしい女の子だったんだね。
 軽く笑いをこらえつつ心の中にジンと来る暖かい何かが広がる。

 「もう……ばかシンジ!」

 じっと見詰めていると、アスカは少し唇を尖らせて、わざとこちらを向いて縁をまたいだ。

 「っ!!」

 目の前でアスカのピンク色のヴァギナが開かれた。
 視線が自然と吸い付けられる……本能と、アスカのだという意識の後ろ盾で。

 「あら?スケベシンジはアタシのどこを見ていらっしゃいますの?」
 「あ……アスカぁ」

 ……はは、やっぱりまだまだか。
 反撃した事で満足したのか、アスカはこちらに背を向けるとお湯に身を沈めていく。

 チャプ……ン

 形のいいお尻が沈み、細くくびれたウェストから肩に、そして紅く染まったうなじへと。

 「はふ……」

 ため息を吐くとアスカは僕にもたれかかってきた。
 僕は特に動揺する事も無く、ただこうして素直に預けてくれる事に強い嬉しさを感じつつアスカの身体に腕を回した。
 腕の中にアスカが居る。
 剥き出しのうなじとそこに幾刷毛かほつれる後れ毛がやたらに色っぽい。

 「シンジぃ……まだ、おっきいまんまだね」
 「え?……ふ、くぅ?」」

 気づけば僕に抱き寄せられたアスカが僕のいきり立ったものに柔らかいお尻をすり寄せている。
 じゃれ付くみたいにぐにぐにと捏ね回されて、だらしない息が漏れてしまう。

 「あは……かんじる?シンジぃ♪」

 その喘ぎを聞いてアスカは嬉しそうに尋ねると、答えを待たないままますます動きをいやらしいものにしてきた。
 お尻の谷間で僕のペニスをキュッ、て挟み込むと、手でする代わりに腰をいやらしく揺すりたてて上下に扱いてくれる。
 パシャパシャと水音が立ち、肩越しにみえる水面にアスカの二つの膨らみが浮かんだり沈んだりを繰り返した。
 その戦場的な曲線を目にしてますます興奮が激しくなってしまう。

 「うぁ……あ、あす、か……は、やめ……」
 「もぅ、可愛い声出しちゃってぇ……いいわよ、このまま、イっちゃっても♪」

 アスカも興奮しているんだ……。
 声が少し震えてるし、目の前のうなじはお湯のせいばかりとは言えない赤さに染まっているから。
 取り合えず僕はアスカの動きを止めようと回した右手でアスカのおとがいを覆った。

 「んぅ?」

 動きが止まる……同時に、首筋にまだ残っている僕の付けたキスマークが目に入った。
 
 はみ……
 
 「ひゃんっ?!あ、何……はぁっっ!」

 僕は意識せずにそこにそっと噛み付いていた。
 アスカの背筋が僕の胸でぶるぶると細波立つ。
 僕はそのまま幾度か柔らかく噛み付き、肉をしゃぶりちゅうちゅうと吸い上げた。

 「ふぁ……ぅんっ!や、そんなぁ……や、ひぃんっ!!」

 夢中になってそうしていたら

 にゅろ……

 右手の指先がぬるぬるとした何かに包まれた。
 上目遣いに見あげると、アスカは唇に触れていた人差し指を舌で絡めとって口の中に吸い込んだ様だった。
 まともに意識できたのはそこまで。
 アスカはそのまま僕の人差し指をペニスに見たててフェラチオしはじめてしまったから。

 「んくぅ……んっ」

 軽く歯で甘咬んで固定し、指の腹をちろちろと舌先でしゃぶりたてる。

 「うぅ……ふ、ん……っ」

 強ばった僕に気を良くしたのか、今度は根元の方までねろねろと舌を絡ませ舐ってくる。

 「(くちょ)んふ(チュク、ぴちゃっ)んむ、ンンッ……ふむぅ(チュウゥ!)」

 そのまま甘えた鼻声を上げて、そこから吸い上げるものがあるかのようにきつく吸い上げる。
 指をしゃぶられている、それだけの事なのに強い快感が走り、そのまま流されてしまいそうになる……けど、同時にアスカの腰が切なげにくりくりと揺すりたてられるのを感じて必死で踏みとどまった。
 そのために力を込めて抱き付いてしまったのを利用して、水面に半ば顔を覗かせている乳首を挟むようにアスカの胸を掴む。

 「ふんぅ?んふ……ん、んん……っ(ちゅる)」

 一瞬強ばった後、すっ、と力が抜けて嬉しそうな鼻息に変わる……同時に、アスカの舌は一層優しく僕の指を弄りはじめた。
 僕は、今感じている快感を少しでもお返ししてあげようと舌の動きに合わせてかちかちに勃起してしまっているアスカの乳首を弄びはじめた。
 先をくすぐられたら指の腹で尖った先端だけを擦り、吸い上げてくるのにあわせて軽く摘まんで真っ直ぐ扱き、舌を絡ませてくれるのにあわせてくにくにと捻り転がす。
 アスカはすぐに僕のしている事が分かったらしく、なるべくいやらしく舌を蠢かせ、それに合わせた僕の動きにたまらないといいたげな喘ぎを唇の端から興奮にあふれる涎と一緒に零し続けた。

 

 「んん……んふ、んむ……んく!ん、んんっ!」

 シンジの指をいやらしくしゃぶるたびにはしたない音を立てて吸うたびに、シンジの指がアタシの乳首を同じくらいに、ううん、もっと淫らにいじめてくれる。
 息苦しさと快感がごちゃ混ぜになって霞む意識に、いましているのがなんなのか……指をしゃぶっているだけなのか、シンジの熱くて固いペニスにフェラチオしてあげているのかがあやふやになる。
 特に、朝して上げたばかりだけに初めてのフェラチオが鮮明に思い出せてしまう……そして、その卑猥さにますます意識がぼやける。
 そう、シンジの左手が既に胸を離れているのに気づかないくらいに。

 「アスカ」

 耳をしゃぶるみたいに……ううん、本当に耳たぶを含み、柔らかく食まれ舐め転がされる合間に耳に囁くシンジの声にやっと正気に返ると、シンジの指は既に何かを待つみたいにアタシの股間の辺りに沈んでいた。
 アタシが気づくのにあわせて、口から指がちゅぽ、と湿った音を立ててそっと引き抜かれる。
 引き抜かれたシンジの指を追いかけるみたいに舌を伸ばしてしまった。
 恥ずかしい……けど、取り合えずシンジに答える。

 「え?あ……な、なに?」
 「ありがとう……もっと、お返ししてあげるね」

 まだぽぅっとしているアタシが答える間もなく、その辺りのお湯をぬめつかせてしまっている開ききったヴァギナにシンジの指が差し入れられた。

 「ふあぁぁっ!……あ、ひぃぃぃ……っっ!!」

 仰け反って甲高い嬌声を上げるアタシの頬を、しゃぶられ続けてアタシの唾液でぬるぬるにふやけたシンジの指が抑え傾ける。
 頬をなぞるやらしく滑る感触に心が妖しく共鳴する。。
 それを意識した瞬間にアタシの口はシンジの唇でしっかりと塞がれてしまっていた。
 そして、シンジはそのまま淫裂から送り込まれる激しい快感に慄く舌をからめとり、丁寧にしゃぶりはじめた……今までアタシがしてあげていたみたいに。

 「ンンッ!ふむぅぅっ!ひんっ、ひぃんっ!ふぁ、だ……んぐぅっ!」

 感じすぎて悶える拍子に唇に僅かな隙間ができる。
 そこから何かをシンジに伝えようとするんだけど、言葉になる前にまたシンジの舌によって息が奪われる。
 そうやってしっかりとアタシを捕らえたまま、シンジは楽器を爪弾くようにアタシの快感を高め全身に響かせていく。
 感じすぎて狂ったように跳ねる腰は、時々シンジのペニスを刺激するみたいになるけど、シンジは僅かに手を止めるだけで解放してくれない。
 そうするうちにアタシの意識は息苦しさとしゃぶられる舌と、優しくいやらしくくじられる裂け目が産むピンク色のちらつきに完全に支配されてしまっていた。

 「んんっ!ふ、んむっっ!!んんんっ!!んふ、くんうぅぅぅっっ!!」

 アタシの声が切羽詰まったのに気づいたのかな、急にシンジはアタシを解放した。

 「んは……は、はっ……や……あと、すこしぃ…………」

 肩を捻って抗議しようとする……そして気づいた。
 焦らす為じゃない、シンジもたまらなくなってたんだ。
 アタシを見詰めかえす目が熱く潤み、息遣いもせわしなくなってる。

 「あ……アスカ……」

 震える声。
 アタシを求めるシンジの中のオス。
 それに応えてアタシの中のメスが歓喜の震えを示す。
 けれど、アタシはそのまま流されたくない……ううん、もっと昂ぶらされたい。
 だからわざと逃げるように演技する。

 「やぁ……シンジ、アタシをこのままレイプするつもりなんだぁ……」

 膝立ちになる。
 これは怯えたアタシが少しでも距離を置こうとする為……少し前かがみになって、シンジの視線にヴァギナを晒してしまうのも欲情に猛ったペニスを迎え入れやすくする為なんかじゃないの。
 流し目になっているアタシの目を見かえして、目を興奮で潤ませたままなのに優しい微笑みをかえしながらシンジが腰に手を回してきた。

 「そうだよ……さっきから僕にいやらしい意地悪をして挑発していたアスカに、お返ししなくちゃ」
 「うそぉ……シンジが、アタシにいっぱいエッチな事をしたがったからじゃない……」

 微笑みを返しながら非難する。
 添えられているだけのシンジの手に引き降ろされてアタシのヴァギナは固く反り返っているペニスの真上に引き戻されてしまう。

 「ああ……ひどいよぉ……アタシ、このままシンジに犯されちゃうんだ……いっぱいおちんちんでかきまわされて、気がくるっちゃうほど、イかされて……いっぱい精子を注がれて、全部シンジのものになっちゃうのね……」

 これからのアタシの運命を呟く言葉がどんどん熱く霞む。
 一言発するたびに背筋にジンジンと走る何か。

 「うん……そのとおりだね……でもね」

 優しい声。
 強姦すると、そう認める言葉は深い思いやりに満ちていた。
 だからわかる

 「そう……シンジだって、アタシに溺れるの……溺れて、二度と離れられなくなるんだから……」

 その言葉にあわせてアタシの膣内(なか)に深く呑み込まれていくシンジのペニス。
 
 「「は……うああぁぁ……っっ!」」

 ユニゾンして零れる喘ぎ声。
 そのまま、すっかり馴染んで奥まで呑み込めるようになったシンジのおっきなペニスの感触にひとしきり溺れる。
 じっとしていると伝わってくる鼓動、腰を熱くたぎらせ蕩かしてくれる熱さ、そして疼く虚ろを埋められる充実感。

 「あ……は、いっぱい……いっぱいだよぉ……シンジぃ……」

 自分でもはっきり分かる甘えきった声。
 でも、いやじゃない……この声にシンジが反応してくれるのが、そしてこんなにも甘えん坊な自分をさらけ出し、受け止めてもらえるのが嬉しいから。
 その自覚と同時に沸き上がってきた欲望のまま、アタシはお尻を振りはじめた。

 チャプ、チャプンッ

 アタシが淫らに腰を使い出すと、浴槽のお湯が波打ちはじめる。
 シンジから見たらどんなにいやらしく見えるんだろう、それが容易に想像できるし、そんな想像がますますアタシの性欲を燃え盛らせる。

 「あ……アスカぁ……すご、いよ……」

 何度か上下する。
 だんだんシンジの息遣いがせわしないものになり、アタシに合わせて突き上げてくる腰の動きも大きくなってくる……けど、あまり速く出来ない。 
 水の抵抗があるせいなんだけど……。
 そのせいで、アタシも高いところまで駆け上がれない。
 どれほど卑猥に腰を使っても、快感が注がれるばかりで弾ける上昇気流に乗り切れない。
 それを埋めあわせようとお腹に力を入れて、シンジのペニスを少しでもたくさん感じ取とるために締め付ける……と、シンジが体を起こした。

 「ふぁ……ん、な、なにぃ?シンジぃ……」

 シンジは無言で膝を立てると、そのまま勢いを付けて立ち上がった……深く繋がったままで。

 ザバァッ!!

「あひぃぃっ?!やは、や、ふかっ!ああああぁぁぁぁーーーっっ!!」

 膣内(なか)深く、女の器官を深く強く突き上げられて、アタシは一たまりもなくオーガズムに追い上げられてしまった。
 壁のタイルに手を付いてはぁはぁと荒い息に身を震わせながらアクメの余韻を味わおうとする。
 けど、シンジはそんなアタシに容赦することなく更なるピストン運動を加えてきた。

 「や、あぁっ!そんっ、いまはぁっ!や、だめ、だめえぇぇーーっ!!」

 巻いたタオルがほどけんばかりの勢いで頭を振り立てる、けどシンジはそれを無視して自由になった腰にまかせて絶頂で剥き出しになった敏感すぎるアタシの性感を蹂躪し続ける。

「や、ひいぃっっ!!やだっ!や、また、またぁっ!イくッ、くううぅぅぅーーっ!!」

 力が抜けた腕はアタシを支える事が出来なくなり、いつしかアタシは背後から貫くシンジの勢いに、壁に磔られたようになってしまっていた。
 苦痛に感じてもおかしくないその状況は、性欲に狂ったアタシの躰と、シンジがしているという事で酔いしれているアタシの心にとっては魂が熔け堕ちてしまうような快感でしかなかった。
 そのまま降りる事を許されない絶頂の連続に爛れたよがり声を上げ続ける。

「あひぃっ!はくぅっ!や、またイくぅっ!イっちゃ、あああぁぁぁーーっっ!!」

 よすぎて死んじゃうかも……でも、それならシンジのすべてに包まれて……。
 抱き付こうと半身になるけど、快感に力の抜けたアタシの躰はシンジの勢いに抗する事は出来ない。
 切なさに襲われる。

 「やはぁ……シンジ、ねぇ、しんじぃ……っ!」



 ただただ快感を追う事に取り憑かれかかっていた意識に、アスカの声が聞こえた。
 涙混じりのそれに一瞬で正気にかえった僕の目に、僕を求めるアスカの瞳の蒼い色が飛び込んできた。
 わけのわからない感情に胸の奥を締め付けられて、それに追い立てられるようにアスカを抱き寄せる。

 「んは……シンジぃ……ん、ぷぅ……」

 首に巻き付くように絡んでくるアスカの腕に押されるように唇を貪り合う。
 それに合わせてぴくぴくと締め付けるアスカのヴァギナがきもちいい。
 ひとしきりくちゃくちゃと互いの舌と唾液の甘さを味わってから、荒い息を一つついて離れる。

 「ふは……アスカ……はぁっ」

 胸の奥では心臓が狂ったように激しく太鼓を鳴らしている。
 爪先までじりじりとしびれるような焦燥感……アスカの声で引き戻されたとはいえ、いや、むしろそれだからこそイく寸前の僕の肉体は目の前の柔らかな女体を、射精を求めて非難の合唱を僕に叩き付けてくる。
 だけど、さっき聞いてしまったアスカの声が、切なく縋り付くようなその声が枷を掛ける。
 知らず知らず腰が揺すられ出す……ゆっくり、僕が欲するより遥かにおとなしい動きで。

 「はんっ……あ、はっ!しん、じぃ……は、ひんっ!アタシ……あた、し、も……うぅっ!」

 目の前の桜色の唇が制止のような続きを請うような曖昧な呻きを零す。
 その曖昧さに僕の中の何かが崩れてしまいそうになる。
 それを必死に押し止めながら震えていると頬を首に回されたままのアスカの手がそっと撫でた。

 「?アス、カ……?」
 「……いいよ」

 少し恥ずかしげに、でもはっきりと。

 「いいから……さっきまでみたいに、獣みたいに犯して……アタシも、すっごくいやらしくなっちゃってて……シンジが、ほしいの……いっぱい、いっぱいえぐられて……ぐちゃぐちゃにされ、たいのぉ……っ!」

 そうやって許可の言葉を言ううちに、その内容の卑猥さに炙られてか急速にアスカの表情と声が熱く熔けた。
 僕もそれはおんなじ。
 一回り大きくなったペニスを荒々しく突き上げる。

「あはぁっ!!あ、すごぃぃっ!シンジ、しんじぃぃっ!!」

 アスカのアクメの声に併せて膣内(なか)もきゅるきゅると絡み付き締め上げてくる。
 そのまま何もかもが吸い出されてしまいそうな錯覚の中、痙攣したように腰を振り続ける。

 「ひゃ、ひぃぃっ!あ、く、お、くぅっ!おく、きつひぃっ、いぃっ!やあっ!こわれるぅぅっっ!!」

 壊れる、おかしくなると叫ぶ言葉と裏腹にアスカの腕は、足は、膣のひだは逃すまいとするかのように僕の躰に絡み付いて放さない。
 汗でぬめる肌と愛液をたたえて僕のペニスを咥え込みしゃぶるヴァギナが、包まれ、引き込まれる激しい快感を僕の意識に叩き付けてくる。
 アスカの絶頂の喘ぎにあわせて視界がちかちかと瞬き出した。
 もう、すぐ……。

 「あ、く、あすかっ!アスカぁっ!すごいよぉ、も、ぼくっ!あう、くうぅぅっっ!!」
「いいからっ!いっぱい、いいのっ!あ、シンジぃっ、ちょうだいっ!ぜんぶ、ぜ、ぶ、うああぁぁ〜っっ!!」

 アスカの声を遠くに聞きながら、僕はそれにしたがってうでの中のアスカをきつく抱きしめオーガズムの蠕動を繰り返し続けているアスカの膣内(なか)の奥まで貫き通した。

 ドプッ!!

 「うああっ!アスカっ!あすかあぁぁーーっっ!!」
「ひきっ!!あつ、熱ひぃっ!やはぁっ!とけるぅっ!ああああぁぁぁーーーっっ!!」

 出すというより溢れるものが堰を切ったように射精が始まった。
 何度も繰り返される吐精に目の前が白く染まりながら、アスカと腰を密着させたままでなおも前後動を繰り返してしまう。

「やは、やぁっ!すご、ひぃぃっ!!や、いっぱい、いっぱいだか、も、やはぁっ!だめえぇぇぇーーっっ!!」

 半狂乱のアスカが振り立てたせいで頭のタオルが解け、振りまかれた髪が僕の肌に絡み付く。

 「かっ、あ、アスカ、そん……っっ!!」

 絶頂の最中の僕の敏感すぎる肌は、なだれ落ち貼りつく髪の刺激をまるで全身が性器になってアスカに絡め取られていくような快感として認識する。
 その感覚に、数え切れないほど放って止まったはずの射精を更に引き出されて

 「はぅ……あす…………か……」

 半ば意識を失うように、僕はアスカの背中をずるずると滑り降ちてしまった。
 
 

 「んぁ……は、はっ……あぁ……しん、じぃ……」

 やっとシンジの射精が終った。
 信じられないくらい長く熱い精液を注がれ続けて、腰からお腹の中の辺りがじーんと痺れたみたいに熱く鳴っている。
 満たされた、原始的な充足感に浸りながら激しく長い絶頂の余韻を噛み締め、シンジの名を呟く……と、シンジが背中にもたれるようにへたり込んでいく。

 「ちょ、どうし……っ!」

 慌てて振り向こうとしたら、激しいオーガズムで力が抜けていたせいでかくりと膝が折れてしまった。

 「きゃ!……あ?」

 慌ててシャワー留めに手を掛ける……けど、お尻の谷間をシンジの顔に押し付けるようになってしまった。
 立ち上がろうにも中途半端な姿勢のせいで上手く力が掛けられず、それどころかもがいた事でますますシンジの顔に――唇に、お尻の蕾を押し付けてしまう。

 「やぁ、ん……」

 いまだに絶頂の高みに近い所にある敏感な肌は、シンジの唇がどこにあるのかを否定のしようも無いほどはっきりとアタシに伝えていた。
 それだけではなく、吹きかかる呼吸が、唇で肌で、全身のあちこちで知ったシンジの唇の感触が奇妙な快感のようなものをもたらしているのも否定できなくなっている。

 「(や……アヌスに、ちょうど当って……)……ひぃん?!」

 半ば無意識なのかな。
 するに事欠いてシンジはそのままお尻の穴にペッティングを始めた。

 「やは、こらやめ……あひぃっ?!」

 ゾクリ!

 シンジを止めようとしたアタシは、お尻の穴を熱い舌でくじられた瞬間に背を貫いた妖しく冷たい痺れに動きを止めてしまっていた。
 別に激しいわけじゃない、多分イったばかりでぼやけているはずの意識で無心に舌を使われて……アタシ、お尻の穴ではっきり快感を感じてしまっている。
 こんなの変態だと、そう思ってもどこか抗いきれない……このまま身を任せてしまいたいとすら思ってしまう。

 「いやぁ……こんな、こん、なの……だめなの、だめ……だった、らぁ……はぁっ!」

 どんどん弱々しくなる抗議の声と、縋るものを求めるようにかりかりと壁のタイルを引っかくアタシの指。
 もしかしたら、アタシこのままシンジにお尻でイかされちゃうのかな……。
 陥落しかけたアタシの意識がそんな妄想を浮かばせかかったところで、シンジの動きが急に止まった。

 「?……しん、じぃ?やめ、ちゃうの?……!」

 いけない。
 いつのまにか浸ってしまって甘えた声で続きをねだってしまったのに気づいて顔に血が昇る。
 けれど、シンジの応えはない。

 ボチャン

 言葉を継ごうとしたアタシに答えたのは何か重いものが水に沈む音。

 「……って、シンジ?!ちょっと、大丈夫?!」

 イって気絶したのかのぼせたのか、シンジは意識を失って湯船に突っ伏してしまったのだ。
 
 大慌てでシンジを湯船から引っ張り出す。
 意識を失ったままのシンジの息があるのを確認してから、このままではいられないのに思い至る(風邪引いちゃうわよ)
 取り合えずシンジとアタシのからだを拭いて、着替えを持ってこなかったのに気づいて仕方なく……そう、仕方なくそのままリビングへ。
 いまだに目をつむったままのシンジ。
 寝かせてあげようにもシンジのベッドはシーツを外してしまっている。
 このままソファに寝かせてしまってはクーラーで風邪を引いてしまうから、これも仕方なくアタシのベッドに連れてくる。

 「まったくぅ……ここまでしても起きないなんてね……。
  こら、感謝しなさいよ、このアタシのベッドに優しく寝かせてあげるなんて、今までならありえない事なんだからね」
 
 ぷにぷにとほっぺたを突つく。
 少しくすぐったそうな顔をしたけどやっぱり起きない。

 「そんなに、眠かったの?…………ふぁ……」

 考えてみたら、アタシたち昨夜は寝ないでほとんど明け方までずっとシてたのよね。

 「アタシも……寝ちゃお」

 そのままシンジのとなりに滑り込む。
 シンジの腕を首の下にして(枕にしたらしびれちゃうものね)シンジの身体に手を回したら

 ごろん

 「きゃ……シンジ?起きた……の?」

 答えは穏やかな寝息。
 シンジは無意識のまま、アタシを抱きしめるように転がり寄ってきたという事なのね。
 見上げるとさっき以上に幸せそうなシンジの寝顔。
 とくん、とくんって静かに高鳴る鼓動にあわせて幸福感が潮のように満ちてくる。

 「……シン「……んにゃ…………あす、かぁ……」

 寝言と一緒にキュッて抱きしめられる。
 見あげる表情はこれ以上無いほどにしあわせそうなシンジの笑顔。
 たまらず込み上げる何かにふるふると震えながら、声を上げてしまわないようにシンジにしがみつく。

 「ばか……どんな、ゆめ見てんだか……」
 
 シンジの肩口に鼻先を埋めるようにする。
 微かに前髪を揺らすシンジの寝息。

 「……んっ」

 寄り添う事で伝わってくるシンジの静かな鼓動――命の音。
 ユニゾンして静かになっていく自分のそれに意識を向けるうちに、だんだんアタシの瞼にも眠りの砂が積もりはじめる。
 シンジの腕と匂いと温もりが創り出している幸せな空間に包まれながら、アタシは静かに眠りの海に漕ぎ出していった。



 レースのカーテンで和らげられた日差しが照らし出す室内に、ベッドの中から聞こえる微かな二つの寝息が静かにユニゾンして響いていた。

−2ndday noon End−




to be Continued

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中昭のコメント(感想として・・・)
 

  Corwinさんに投稿して頂きました。

  第参話!!
   すごひ


 キャラこめ
 まだ萎えない僕のものが抜けたところで、そんな音を立てて精液がアスカの中から流れ出してきた。
ミセスR  「じー」
ミセスA  「じー」
永遠の少年S「な、なんだよ何処見てるのさ」
ミセスR  「ふー」
ミセスA  「やれやれだわ」
永遠の少年S「ししししょうがないじゃないか。この年で連続でなんてできないよ」

もう、アスカが何を言ったって、止めてなんか、あげないからね……
ミセスA  「・・・・・・ねぇねぇシンジ」
永遠の少年S「ダメだよ」
ミセスA  「どうしてぇえ?」
永遠の少年S「無理だよ。レイも居るんだから」
ミセスA  「ねぇねぇレイ。三人一緒じゃなくって今度から交代でシンジと」
ミセスR  「嫌」
ミセスA  「少しは考えてから答えなさいよ」
ミセスR  「貴方は独り寝できるの?」
ミセスA  「・・・・・・・・・・・・・・できるもん」
ミセスR  「嘘」
ミセスA  「嘘じゃないわよ、第一寂しかったら子供達と寝ればいいし」

美少女M  「嫌」
少年S   「嫌」
少年Sjr 「嫌」
天然少女  「嫌」
じぇみに1 「みゅ」
じぇみに2 「ぶぅ」
元祖天然少女「嫌」
まーく2  「嫌」

ミセスA  「電話にまで断られるアタシって・・・ううう他に子供は」
永遠の少年S「居なかったと想うよ」
ミセスA  「・・・隠し子は?」
永遠の少年S「うーーん」
ミセスR  「何故考えるの?」
ミセスA  「心当たりがありそうじゃない」
永遠の少年S「ないです」

ミセスA  「カラダに訊いてみようか?」
ミセスR  「ん」

美少女M  「こんな時は仲いいのよね」



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