Song of Earth
光の雨
特別編
「或いは」
書いた人:トータスさま
あれから一体何日経ったのだろうか。基地に設置された時計を見ない限り日にちの経過は わからない。
太陽が顔を出していたって空気のない外は漆黒の空が広がる世界。
しかも気温(といって良いものかどうか)摂氏数百度にも及ぶ灼熱の地獄。一度顔を出した
太陽はしばらくその姿を隠すこともない...
何もかもが今まで過ごしてきた世界とは異なる世界。
今地球はどうなっているのだろうか。ボク達のしたことは無駄になっていないだろうか。
通信が回復しない今ボク達にそれを知る手段はない。ボク達の持っている通信機に聞こえて
くるのは空電音だけ。
ただ一つだけ言えることは二人で見上げた夜の地球に文明の存在を示す明かりがなかった事。
その事実がボク達二人の心を重くした。
「アスカ...」
ボクは行為の終わった後のけだるそうな、そして満足な表情を浮かべているアスカに話しかけた。
「なに...」
アスカは甘い声で返事をしてきた。ボクがアスカと一緒にここまできたのはアスカが好きだから。
アスカと一緒に生きていきたかったから...でもアスカはどうだったんだろう。
戦いが終わった後一回だけ聞いてみた。でも答えはなかった...
アスカ自身理由がわからないようだった。
「ボク達はどうしてここに来たんだろう」
「何故そんなことを聞くの?」
いつものアスカなら「アンタバカ?決まってるじゃない敵を倒すためよ」という答えが返っていたところだけど、
質問をしたボクの気持ちに気づいてかアスカは離れていたボクの体に身を寄せてそう聞き返してきた。
なめらかなアスカの体、ふくよかな胸の膨らみを感じ、ボクは体に熱いものがこみ上げてくるのを感じた。
ボクはアスカの体に腕を廻し抱き寄せた。
「どうせ滅びてしまうのなら、地球にいた方が良かったんじゃないかと...
こんな閉塞された世界。ボク達二人だけの世界。
そして滅びを待つだけの生活...
こんなことなら地球にいた方が良かったんじゃないか
そう思ったんだ」
そういったボクにアスカは覆い被さり軽く唇に触れるだけのキスをしてきた。
「私が一緒に居るだけじゃダメ?
それとも私といるのがいやなの
私を抱くのもこの世界に二人しかいないから仕方なくなの」
強気な声ではなく何か不安におびえるアスカの声、そして嗚咽と共に泣き出してしまったアスカ。
アスカの泣き声を聞いてボクは後悔した。そうだ彼女だって不安なのだ。
いつ終わってしまうかもしれないこの生活。
もし生命維持装置が壊れたら今のボク達には直せない。
食料の供給だっていつまで今のサイクルがうまくいくかわからない。そんな不安の中で生きているのだ。
「ごめん、そんなんじゃないんだ ボクはアスカといられて幸せだ、それだけは信じて欲しい
アスカとこうなれるなんて今でも夢じゃないかと思っている」
ボクはそういうとアスカと体の位置を入れ替えた。
ベッドにアスカを組み敷くようにして、ボクは不器用な愛撫を始めた。ぎこちない口づけから始まったそれは、
首筋を経てだんだん下へと下がっていった。ボクの舌がアスカの豊かな乳房を通り、すでに立っている乳首を
とらえたときアスカの体が小さく反応した。
「愛してるんだ、アスカを...アスカだけを...」
アスカの体がふるえた...
乳首を離れた僕の舌がさらに下へと移動して行くにつれ、アスカの息がだんだん荒くなってくるのがわかった。
泣き声もいつの間にか性の喜びを表す喘ぎ声へと変わっていった。ボクの舌がまだ薄い茂みをかき分けアスカの
敏感な部分へと達したときアスカは大きく身をのけぞらせ声を上げた。
アスカの体がいつでもボクを受け入れられる状態になっていることはわかっていたがボクは舌での愛撫を続けた。
アスカのあげる声もだんだんと高くなってくる。ボクはこんな時にあげる声さえアスカの声は美しいと感じていた。
「きて...」
ボクは頷くと優しくアスカの中に入っていった。ボクの動きにあわせて高まっていく喜びの中アスカは叫んでいた。
「愛してる、シンジを...シンジだけを...」
アスカの中ではじけてぐったりとしているボクにアスカは優しく言ってくれた。
「今は一緒に生きていくことから始めましょ。
全てはそこから...ねっ」
窓の外には青く光る地球がボク達を見ているようだった
(完)
トータスさんのメールアドレスはここ
tortoise@kw.NetLaputa.or.jp
中昭のコメント(感想として・・・)
うっ、美しき愛の世界
かっ、簡単なコメント
上だけの文で終わるとバカみたいなんで後少し書き込ませてもらいます。
そう言えば太陽光の当たっている時の月って灼熱地獄なんですよね。
大気という緩衝物がないから、冷える時はとことん冷えるし。
そう考えると、生きていくだけでも奇跡に近い環境ですね。
星野之宣先生の作品で、生命の何一つない月面基地でドンドン壊れていく男の話があります。
自分以外の生き物のいない世界。風の音も鳥の鳴き声もない世界
寂寥感に包まれた男は死の間際に化石を見つけました。それは生命の死骸。太古の海の跡。
それでもその男は喜びました。太古とはいえ生きているモノがいた。地球を離れても生命が在る。
生命は地球に閉じこめられているわけではない。人類はひとりぼっちではない。
月に住むアスカとシンジはどんな喜びを見つけるんでしょうか。
読んだ後、ふっと思った事を書いてみました。
ではでは
みなさんも、是非トータスさんに感想を書いて下さい。
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初のR指定にしようか迷いましたけど、私はアレの基準を今一理解してないんです。
18禁にするには露骨な表現はないし。
よく考えたらDNAのが露骨だし、あれはR指定にしたくないし。
ちゅうわけで、無指定です。