「吸茎室(きゅうけいしつ)にて・・」

 

 その朝、トウジは、自分の身におこった、その“兆し”に気づいた。

 

「いよいよ、わいも・・か」
 布団の上に、トウジは一人座り込み、じっと自分の手を見詰めながら、そう呟いた。

 

 

 

 

 10月中旬、ようやく定期試験が終わり、開放感に浸りつつシンジは第三男子中学校の校門をくぐる。
穏やかな日差しが心地よい。

 

「おはよう、碇」「おはよう」「おはよう、シンジ」
するとすぐに、あちこちから、シンジに声がかかる。同級生もいるが、声をかける生徒の多くは
やはり先輩であった。
 
 第二新東京市立第三男子中学校は、当然のことであるが男子校である。
そして中性的な雰囲気を持ち、儚げな雰囲気を漂わすシンジは、兄である先輩の間で、やはり学内屈指の
人気者であった。
 
 最近では、先鋭的な教育者のなかに、男女共学を唱える者もいるが、やはり子供、特に男子の健全な
育成を阻害するのではという懸念を憂える声が多く、依然として別学が旨とされている。

 

 

 

 

 

 

「よっ、シンジ。おはよう」

 

「おはようケンスケ」
教室で端末を開いていたシンジに、後ろからケンスケが声を掛けてくる。

 

「なあなあ、重大情報があるんだけど聞く気はないかい?」
妙な笑顔をしながら、ケンスケは意味ありげな言葉を投げかけてきた。
どうもいつもの「先輩情報」とは違うようだ。
 しかし、三中随一の情報通をもってなるケンスケの情報である、変な言い方であるが、この学年一番の
「売れっ子」であるシンジにとり、重要な代物であることは疑いはない。(ちなみに、学校一番ではない
のは、一学年下に、綾波と惣流という、強力なライバルがいるせいである)

 

 

「今日、トウジ、来てないだろ?」
そう言えばと思い、まわりを見回してみるが、やはり、いつものあの姿は見当たらない。

 

「でも、休みなんて、よくあるじゃないか。また家族になんかあったんじゃ?」
疑問を呈するシンジに、ケンスケはニヤリと笑って首を振る。
「違う違う違う〜。実は、トウジの奴、すでに学校に来てるんだよ。今朝、やけに深刻な顔をして、
 いつもより1時間早く、学校に来たという目撃証言があるんだよ。そして、そのまま校長室に行った
 ていう話さ」

 

「えっ、ということは」

 

「そうさ、とうとうトウジに、あれが来たってことさ」

 

「じゃあ、このクラスで一番じゃないか」

 

「まあ、あいつが一番ってことは、当然すぎて、驚くに値しないけどね、でも・・」
 そこまで言って、ケンスケはにやっと笑った。

 

「当然、トウジは、最初に飲ませる相手を選ばなきゃならないわけだけど。僕は、それにシンジを
  選ぶんじゃないかって思うよ」
「そんな、僕なんか、違うよ。洞木くんあたりじゃないの」
シンジは、あわてて否定した。

 

 

顔が赤くなったのを、ケンスケに気づかれないように、前を向いて、端末に視線を戻す。

 

『あれ、メールが来てる。トウジからだ・・』

 

ケンスケに、見えないよう、隠しながら開封すると、

 

 

一言、

 

《放課後、吸茎室で待つ》

 

         そうあった。

 

 

 

 

 

 

「吸茎室」

 

 いまさら説明をするまでもないが、どこの男子校でも、必ず一ヶ所は必ず設けられているあの作業を
するための部屋。(余談ではあるが、まったく異なる文化風習を持つ人々からみると、これは、かなり
特殊な社会制度に見えるらしく、あらぬ誤解をするケースも多いらしい)

 

 注:欧米・アジアを中心に同様な制度を持つ国々は多い。ドイツも、同様な制度を持つため、惣流の
 ようなドイツ留学生も特に、この制度に対して違和感を感じていない。また過激なフェミニスト論者が
「男尊女卑の根元を成す制度」と攻撃するが、ここまで男女同権が達成された社会においても、この制
 度が社会に根を下ろして存続していることから考えて、やはり的外れの指摘なのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「来たか」

 

「トウジくん」
放課後、シンジが吸茎室を訪れてみると、そこには電気もつけず、一人、トウジがぽつねんと座っていた。

 

「トウジくん、やっぱりそうなんだね。おめでとう!」

 

「ああ、これでようやく、わしも飲ませるほうになったわけや」

 

トウジはちょっと照れながら立ち上がった。

 

 見ると、やはり「兄」役の印でもある、真新しい貞操帯を付けている。 風紀の乱れを押さえるために、
この貞操帯は、この吸茎室に備え付けられている鍵を使わないと外せない。

 

「シンジ、ひとつ頼みがあるんや」

 

「なに?」

 

「わしの初精。シンジが飲んでくれへんやろか・・」

 

「ええっ!!」
シンジは驚いた。

 

 男の子が、男になるためには、2種類のミルク、すなわちお母さんからのミルクともう一つ、年上の「兄」から
毎日ミルクを飲ませてもらわなくてはならない。別に医学的な根拠はないらしいが、もし母親からのミルクだけで
育ってしまうと、その男の子は成人しても一人前の男になれないとされている。
この社会に根を下ろした風習は、がっちりと社会制度に組み込まれており、「吸茎室」や、その運用法は、それら
の一部分にすぎない。

 

 だからシンジも毎日、4〜5人の先輩からミルクを飲ませてもらっているし、多分、もうしばらくして、精通が
おこった後は、後輩に飲ませてあげる方にまわるだろう。(ただ、これを無秩序に行うと、成人した時、女性と
正常な関係を営むことができない男が、少なからず出てきてしまうという懸念がある。そのため通常は学校ごとに
吸茎室を設けて、そこでのみ行うように、学校では指導しているのが普通である。貞操帯も、同様の考えによる)

 

 そう、自分と同年代の男の子なら、誰もが、毎日していることだから、別にトウジのものを飲むことには抵抗はない。
しかし初精となれば、話は別である。

 

初めての精を、「弟」に与える。それは、やはり「兄」役としては、意味深い、大切な行為なのだ。

 

「なぜ、僕なの?委員長だっているじゃないか」
シンジは、トウジに疑問を投げかけた・・。

 

(続く・・で、いいのだろうか?)

 


O.Lですが・・。へんなものを書いてしまいました。これ以上書くと、私の嗜好につき、あらぬ勘繰りをされそう
なので、とりあえず、ここらへんで・・。
ちなみに、この風習、ほんとにあるらしいです(笑):(ガセネタかもしれませんが)
ついつい手がすべって・・書いてしまったこの作品、いないとは思いますが、「続きが読みたい!!」という、奇特な方
の応援があれば、書くかもしれません・・。(これを50万ヒット記念にしたら、殴られるだろうな)

 


O.Lさんのメールアドレスはここ
hs17@mue.biglobe.ne.jp


中昭のコメント(感想として・・・)
  O.Lさんに頂きました。

なしくずしにきゃらこめ
ミセスA  「これってアタシが掲示板で”みるくたんくは徹夜なのぉー♪♪”って歌ってたのと関係あんの?」
  ミセスA  「説明しよう。ここで言うみるくたんくは某特務機関作戦部長の事を揶揄したのです」
  美少女M  「嘘ばっか」
  ミセスA  「それをシンジの精○の事だと勘違いする人が続出したの。
         みるく=○子ってわけね。みんなスケベねぇ」
  美少女M  「普段の行いがモノをいっちゃったわけよね」
天然少女  「パパってこうやってみるくを補給してたんだね」
ミセス’s 「「ぎろ」」
永遠の少年S「おどおど」
元祖天然少女「父やんのみるくをお義父様が飲んで・・・それでシンヤ君やジュニアが生まれたの?!
       そうすると私たちは姉弟」ばきっ
美少女M  「いい加減にしなさいよ。医学的な根拠はないって書いてあるじゃない。
       それに、違う世界のパパの話でしょ・・・」
永遠の少年S「おどおどこくんこくんおどおど」
美少女M  「・・・・この動揺はなんなのかしら・・・・・・」
少年S   「父さんって何でもありなんだね」

天然少女  「んん?飲むと一人前の男になるんでしょ」
ミセスA  「ばっかねぇー
       そんなモノ飲んで男になるんだったらアタシなんかとっくの昔に」
美少女M  「男の中の男よね」
少年S   「雄々しいよね」
ミセスA  「・・・・」
永遠の少年S「猛々しい
ミセスA  「"シンジのみるくたんくは徹夜なのぉー♪♪”」
永遠の少年S「いやぁーーー

少年S   「引きずられてっちゃった」






  みなさん、是非O.Lさんに感想を書いて下さい。


Home Back   inserted by FC2 system