トータス’sしょーとしょーと1


 

書いてみたいもの

原作TV版(映画版?)でのしんちゃんの扱いがあまりにもかわいそうなので、 やり直してあげたいと思って考えたものがあります。ただ、全話やり直すと ルフランと頭の中がごちゃごちゃになりそうなので二の足を踏んでいますが... リクエストでもあったらやってみようかとは思ってます(掲示板でかな?)。

ここではシンジとアスカは始めに出会ってます。シンジはユイの死後、親戚の家に引き取られた後、音楽留学でドイツに行きそこでアスカに出会う...
そしてそこから二人の関係が始まります。そしていつか友達より近い関係になった二人に別れが訪れる。シンジはゲンドウに日本に呼び戻されます。
そこから先はTV版に近いんですがファーストチルドレンはレイではなくカヲルに変更しています。ちなみにカヲルにはヤヲイっけはありません。



プロローグのさわり

−−−

「痛ーい、どこ見て歩いてんのよあんた!」
「ご、ごめん...ああっ大変だ」

夕暮れの近づいてきたうららかな日和のミュンヘンの旧市街で一組の男女の叫び声が上がった。

「ハァ、ハァ...これで全部ね...」
「ハァ、ハァ...そっそうだね...」

二人は衝突の際に飛び散った白い紙を広い集めた。折からのそよ風はいたずらに二人をもてあそんでいた。

「ハァ、ハァ...本当にありがとう...まだコピーがとってなかったんだ...
 なくなっていたらまた一からやり直すところだったよ」

そう言って少年は拾い集めた紙を数え、大切そうに抱きかかえた。

「それは良かったわね...と言ってあげたいんだけど。
 ここに落ちているあたしの夕食はどうしてくれる訳?」

そう言って少女は足下でひしゃげたマクドナルドの紙包みを指さした。

ジロリと言う擬音でも聞こえてきそうな態度で少年を見つめる少女の姿に少年は見とれた。
腰まである長い赤みがかった金髪、ほっそりとした体つき、透き通るような蒼い瞳、赤い唇
睨んでいる姿ですら少年には魅力的に映った。少年は惚けたように少女を見つめた。

少女の方も少年のそのまなざしに気がついたのか少し頬を赤らめた。自分と同じくらいの歳、
光をたたえた黒い瞳に黒い髪、女性的とも思える優しい顔、華奢な体つきをした男の子。自
分の周りにはいないタイプだった。少女は先ほどに比べて棘の数を半分くらい減らした口調
で言った。

「何、人の顔をじろじろ見てるの...
 それよりどうしてくれるの、これ...」

少年も自分がいつの間にか少女のことを見つめていたことに気づき、あわてていった。

「ご、ごめん...
 弁償するよ、それ...でも...」

「でも、なによ」

「それ、夕食なの?」

「そうよ悪い?」

少女は腰に手をあて『ふん』という鼻息がしそうな勢いで言った。

「いや、悪くはないけど...一人で食べるのかなと思って」

「それって、ナンパのつもり?」

「いや...別にそう言う訳じゃないけど...
 ボクも一人なんだ、だから一緒に夕食でもどうかなと思って」

「それをナンパって言うのよ!」

そう言って少女は少年をじろっと睨んだ...が、すぐに表情を和らげた。

「いいわよ、のったげる。
 で、どこで食べさせてくれるの?」

少年は顔をぱあっと明るくし、うれしそうに言った。

「うん、わかったよ。じゃあ...」

そう言うと少年は少女を連れて、日の傾いた街を歩いていった...



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