俺の目の前で揺ら揺らゆれるスカートの中のお尻。いまこの部屋には俺とアスカちゃんしかいない。その事が俺の(最近特に思考能力が低下気味の)脳みそを掻きまわす。


 最近うちのクラスに転校してきた「惣流・アスカ・ラングレー」、アスカちゃんははっきり言って美少女だ。同級生が皆イモに見えてしまう。しかもひょんな事から彼女は我が家に同居する事になったのだ。正直なトコ信じてもいない神様に感謝してしまったよ、その時は。

 アスカちゃんのことを考えると、胸はバクバク、頭はガンガン、顔は真っ赤、寝ても醒めてもアスカちゃんのことばかり。気付くと彼女の姿を追っている。もうこれは一言でいって「恋」だろう。そう。俺はアスカちゃんに恋している。この生理反応、心のもやもや、どれを取っても噂に聞く「恋」そのものだ。だがそう自覚しても今の俺の心は晴れなかった。いや却って曇っているとさえ言えた。その理由の一つは俺の親父だ。

 はっきりいってアスカちゃんは親父にゾッコンだった。土日は毎日デートに行くし、平日家に帰っても親父にまとわり付いている。アスカちゃんが親父に向かって微笑んだり、抱きついたりするのを見ると心が痛い。男の嫉妬は醜いかもしれない。でも俺はアスカちゃんを好きだ、大好きなんだぁ!確かにアスカちゃんに選ぶ権利があるのは認めるが、ナゼ!ドウシテ!あの外道変態親父なんですかぁ!?と、今度は(もちろん信じていない)神を罵倒したくなるものも判ってもらえるだろう。オマケに浮浪者モドキだと思っていた親父は散髪したら「いい男」に変身しやがった。確かにこの俺の見目麗しさは半分だけ入っているハズの親父の血の影響かもしれない(俺は絶対に母親似だと信じたいが)。しかし14年も息子を騙しつづけるかぁ?怪しげなエステの広告並のいかがわしさだぞ、あの「使用前」と「使用後」の落差は。

 もうひとつ、ちょっと前に俺を悶々とさせる出来事があった。いやそれこそが今の俺のモヤモヤの原因なんだろう。   
  
  
  





【俺の母さんは同級生】
 第壱話
  「夜中の秘め事、真昼の秘め事」






 その日は暑くて寝苦しかった。真夜中に目を覚ましてしまった俺は乾いた咽喉を湿らせる為、水でも飲もうとベッドを抜け出し階段へ向かった。すると1階の親父の部屋から「お盛んな」声が聞えてくる。はっきり言って思春期の子供が二人もいると言う事を理解していないな?部屋の外まで聞えてくるなんて、常識の欠片も無いらしい。明日の朝にでもお袋ともども、まとめて文句の一つも言ってやろう・・・そう思い、少し顔を赤らめながら俺は階段を下りていったんだ。そしてそこで・・・・

 「んあ・・・・はん・・・・ん・・・シンジィ・・・いい・・・」

 俺はその場から動けなくなった。あの・・・アスカちゃんが?親父の部屋を覗きながら廊下でその・・・オナニーしている!?四つん這いになってすらりと伸びた白い脚を開き、短パンの中に手を入れて激しく動かしている。ヌチャヌチャと湿った音がココまで聞えてくる。良く見るとその短パンはぐっしょりと濡れ裾の部分から透明な粘液が垂れていた。

 「ああん・・・・んん・・・はん・・・あっ、あっ・・・・ああっ」
 『あれが・・・ひょっとして・・・愛液?』
 俺は目の前で展開されているアスカちゃんの自慰現場から目が離せなかった。だってそうだろ?意識している女の子のオナニーシーンだぜ?頭の片隅を罪悪感が過るけど、それは圧倒的な欲望に押し流されていった。友人連との猥談で交わした知識を総動員して俺は現状把握に努める。丁度俺はアスカちゃんを後ろから見るかたちになっていたから、彼女は見られていることに気付いていない。階段の影からその光景を食い入るように見つめる。俺の股間のモノはパジャマのズボンを押し上げ立派なテントを形成していた。

 「や・・・・んっ・・・・あ・・・・も・・・・もうっ・・・・」
 彼女の指使いがどんどん激しくなっていく。空いている方の手で量感の有るバストをもみしだいているようだった。丸いお尻が揺ら揺らとゆれ、艶かしい『あの』声が脳髄を直撃する。気が付くと俺は、既にドロドロになった自分の分身を取り出していた。信じられないほど硬く怒張したペニスを扱くと、強烈な快感が背筋を走り抜ける。自慰はこれが初めてでは無かったけれど、それまでとはまったく比較にならない気持良さ。

 「あん・・・あん・・・はぁっ!・・・・あ、あ、あ、だ・・・め・・」
 彼女の声にあわせる様に俺はペニスを扱いた。耳にはもうアスカちゃんの声とお互いの性器から溢れた粘液が立てるイヤらしい音しか入ってこない。
 「ああ・・・ひっ・・ひい、もう・・・あ・・・くる・・・・ああ」
 『アスカちゃん、アスカちゃん』
 罪悪感を振りきって、廊下で腰を振っている彼女に全裸の後姿を重ね、それに突き入れている自分の姿を思い描いてみる。途端にかつて無く強烈な感覚が腰を貫く。俺は呻き声をかみ殺しながら辛うじて発射を堪えた。何としてもアスカちゃんがイク瞬間に、俺もイキたかったから。彼女の指の動きが一層の激しさを増し、身体を細かい痙攣が走っている。もうそろそろ・・・・イクに違いない。早く、早く、アスカちゃん!もう、俺も我慢できそうに・・・・
 「もう・・もう・・あっ・・いく・・・イクっ・・・ああ・・・いっちゃうぅ〜!、シンジぃ、シンジぃ!」
 『アスカちゃん!』
 彼女の身体が弓なりに反りかえり、次の瞬間床に崩れ落ちる。アスカちゃんの絶頂シーンとその瞬間の『声』が俺の快楽中枢を刺激し、その刺激を受けたペニスが大量の精液を噴出した。目の前が真っ白になるほどの快感に腰を震わせ、俺のペニスはとどまる事を知らない様にその欲望の滾りを吐き出し続けた。

 『あんなに大きな声を出して平気なのかな?』
 放出の余韻に浸りながら取りとめない事を考えていると。

 「はぁ、はぁ、はぁ・・・・シンジィ・・・如何してシテくれないのぉ?」
 艶かしく、そして悲しみに満ちたアスカちゃんの呟きと微かなすすり泣き。それが俺の心に突き刺さった。やっぱりアスカちゃんは親父のこと・・・・
 『俺じゃぁ・・・ダメなのかい?アスカちゃん・・・・』
 押しこめていた罪悪感と奇妙な敗北感が、さっきの余韻を吹き飛ばした。俺は慌てて壁や床に飛び散った「ソレ」をシャツでふき取り、彼女に気付かれない様にそっと部屋に引き返した。心の中はまったくのブルーだった。さっきのめくるめく快感も咽喉の乾きも何処かに飛び去ってしまうほどに。
 「ちくしょう・・・・・」
 何に対する怒りだったのだろう?彼女をオカズにしたこと?彼女が親父を求めた事?それとも・・・あるいは・・・・?俺の心は千々に乱れていた。




 そんな事があってここの所、俺は黄昏た思いを抱いた日々を送っていた。まあ表面的には何事も無かったかの様に振舞う様にしていたのだが。アスカちゃんも翌日の朝は何時もとまったく変わらなかった。その事が俺をホッとさせもしたし、ナゼか落胆させもした。
 その日以降アスカちゃんを親父の部屋の前で見ることは無かったのだが俺の脳裏には彼女が自室で自慰している姿がまざまざと浮かんでくる。きっとシている、そう確信していた。そしてその姿を思い浮かべながら毎夜俺は自分のペニスを扱いた。空想の中でアスカちゃんを犯している自分に罪悪感を感じながら。
 『彼女とセックスしたい』
 あの自慰現場を目撃してから俺の頭の中にそういう感情が巣食っている。その想いは日増しに強く熱くなって、身体の中から吹きこぼれそうになってゆく。毎夜自慰をしてみても満たされない。
 『俺はそういう目で彼女を見ていたのか?』
 そうじゃぁない!アスカちゃんだからこそ、こんなにも彼女が欲しいんだ。心も身体も俺のものにしたい、親父でなく俺を見つめて欲しい、そんな征服欲と独占欲、親父に対する嫉妬、性的本能が綯い交ぜになった感情が心を焦がしていた。はっきりいって頭が変になりそうだ。

 「ねえ、アツシ君?先生の言ってたやつ、一体何処にあるにかしら?」
 「へ?、あ、ああ。何処なんだろう。もう少し探してみよう。」
 日直だった俺とアスカちゃんは午後の授業に使う教材をこの寂れた教材倉庫から昼休みの間に取ってくる様に指示されていた。どうも物思いに浸っていた様だ。いかん、せっかくアスカちゃんと二人っきりなのに。

 二人っきり?

 「ああもう!くもの巣だらけ!イヤになっちゃうわ。こっちはダメね。そっちはどう?」
 「・・・んあ?あ、こっちも無いよ。」
 「はあ・・・・後はあそこね・・・・・」
 そう言うと彼女は一番奥の棚の狭い隙間に頭を突っ込んだ。その姿勢は必然的に外に向かってお尻を突き出すカタチになる。その光景があの夜の光景に重なり、俺は心臓を鷲づかみにされたような衝撃を受けた。視線はアスカちゃんのお尻に釘付け、脈拍は毎分200回に達しようかと言う勢い、オマケに下半身に血液がどんどん集まってゆく。はっきり言ってマズイ。

 二人っきり?

 この教材倉庫は校舎から少し離れていて、置いてある教材も古いものばかりなので滅多に人は来ない。半ばガラクタのような様々な教科の教材が所狭しと押しこまれ、完全な物置として使われている。
 「あ!!ひょってあれかな!?」
 奥からアスカちゃんの声が響く。するすると彼女の身体が隙間の中に消えてゆく。白い脹脛だけがピョコンと飛び出している。俺は生唾を飲み込んだ。

 ゴクリ

 そんな音すらとてつもなく大きく響いた様に感じ思わず辺りを見まわした。誰かが来るはずなど無い。鍵を持っていなければ入れないここは、学校の死角みたいなものだ。

 二人っきり?

 今俺はアスカちゃんを独占している。ここには俺とアスカちゃんだけだ。家では独占できないけど、学校では・・・・。

 二人っきり?

 何時の間にか俺はアスカちゃんの真後ろに立っていた。理性は「ヤメロ」と叫んでいたが、それはあまりにか細く、欲望は「イマダ」と大声でがなりたてていた。お前のものにしてしまえ!と
 「よっと。この・・・アツシく〜ん、ちょっと後ろから引っ張って。・・・アツシ君?」
 「・・・あっ、うん。分かったよアスカちゃん。」

 二人っきり?

 突然呼びかけられ、狼狽したが何とか平静を保った俺は、アスカちゃんの腰を掴む為に目見当で手を突っ込む。女の子特有の甘酸っぱい体臭と、やわらかな感触が俺の理性を決壊寸前にする。そして腰に手を廻してゆっくりと彼女の身体を引っ張り出す。その格好は丁度・・・・。
 「っ!ちょっ!ストッ〜プ!スカートが上の棚にひっかか・・・・」
 アスカちゃんの制止は俺の耳には届かなかった。そのまま彼女の下半身を引っ張る。

 誰も来ない密室に二人っきり?

 そして・・・・スカートが捲くれ上がり・・・・俺の目の前には・・・・純白のショーツに包まれたアスカちゃんの・・・・

 俺の理性は見事に焼ききれた。









続く

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中昭のコメント

  斬奸さん駐屯所新入居です。

  トータスさんの掲示板連載「親父が好敵手」の番外編です
  第四話までの設定を元にしてます。

  掲示板を読んでる人は知っているので、書いてしまいますが
  ”お袋”の妄想というオチがつくそうです。


  話変わって、自慰シーン。
  うわーうわーうわー(興奮中)

  二人っきりの状況に暴走まじかのアツシ。

  次回はアツシ暴走?


  みなさんも、是非斬奸さんに感想を書いて下さい。
  メールアドレスをお持ちでない方は、掲示板に書いて下さい。






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