第十九話 帰還
第二新東京空港から第三新東京市への車中、リツコとクリフォードの議論は進んでいた。クリフォードは自分の研究テーマと今回の問題の関わりについて、リツコはクリフォードの説明から導き出される仮説について。傍目から見ても白熱した議論に、冬月もダンチェッカーも口出しを出来ずにいた。
置いてきぼりを食らった形の二人は、それで居て水面下の戦いを繰り広げていた。
これまで得られた情報が正しければ、今回の件の真実の一端をダンチェッカーが握っていることは確かである。それが分かるからこそ、冬月は慎重に言葉を選び、ダンチェッカーと相対していた。
これはまたダンチェッカーにとっても同じ事だった。彼も一応ゲイツのたくらみに荷担している身であり、それ自体が公になった場合、彼自身にも好ましくない事が起こるのは想像に難くない。しかし、彼生来の気質とでも言うのだろうか、何事にも首を突っ込みたくなる質が今回も彼の行動を後押しした。ただ火中の栗を拾うほど物好きではないので、冬月との会話は勢い慎重な物にならざるを得なかった。
「クリフォード氏とはどういったきっかけで...」
探りを入れるように冬月が話の口火を切った。
「ボストンのパブで知り合いましてね。
お互い呑んだくれて、上役の悪口を言っていたところで意気投合したというわけです」
「上司ですか...」
「ええ、彼は自分の研究内容に水を差されましてね。
もっと生産性の有るやり方をしろと文句を言われたようです。
私の方はと言うと、少し行動を自嘲しろと...まああの頃も今みたいに動き回っていたのでね」
「成る程、何処の誰かは知らないが見識が無かったのかな」
「いや、見識が有ったのでしょう。
だから彼らは未だに厄介事を背負い込まないで済んでいる」
「ほう、厄介事だとお思いになっているわけで」
「いや、我々は楽しんでいますよ。
だからこそ管理する方には厄介なことと思われるでしょう」
「確かにその点は否定できませんな」
確かに有能な部下は貴重だが、有能すぎる部下は危険だなと冬月はダンチェッカーの顔を見て考えた。上の制御を飛び越えて暴走する。これほど組織に取って扱いにくい物はあるまいと。
「時に...」
来たなとダンチェッカーは冬月に分からないように身構えた。
「博士達は独り身ですか」
ダンチェッカーは肩すかしを食った気になった。そこを何とか気を取り直して冬月の顔を見た。ひょっとしてこれはジョークかとダンチェッカーは訝ったが、冬月の真面目腐った顔からはそれが判断できないでいた。
「いや、何、ネルフには優秀且つ魅力的な女性が揃っておりますからなぁ。はっはっは」
ひょっとしなくても今のは冗談だったのか、ダンチェッカーは心の中で頭を抱えた。『ちっとも面白くない』と。
「まあ赤木博士を含め、この前シンジ君と一緒に来ていた朝霞嬢も魅力的であることは認めます。
しかし、それが何か...」
「いやなに、こういった仕事をしていると外部の空気に触れることが少なくなりましてね。
密かにうちの女性職員の心配をしておるのですよ。
嫁き遅れ無いかと...ツッ...失礼」
ダンチェッカーは、その時リツコの右手が冬月の尻を抓っていたのを見逃さなかった。そしてまた感心もしていた。よくブラッドとの議論のさなか、こちらの話を掴んでいると。
「まあその類の話は、セクハラにもつながりますのでお気をつけて」
「ふむ、まあ忠告は聞いておくことにしておきましょう。
私も尻の皮は厚くはないので。
時にゲイツ氏はなんと言っておられましたかな」
やはり食えない男だ、とダンチェッカーは考えを新たにした。しかし、何処で自分とジョンとの関係を掴んだのやら...伊達に非公開組織の長をやっているのでは無いなと、ダンチェッカーは彼を見直した。
「彼はかんかんでしたよ。
私が秘書代わりに使い回しましたからね。
彼は本当に有能な旅行エージェントですよ。
彼に頼めば魔法のようにチケットが湧いてくる」
「彼との関係は」
「タイタンシステムをご存じでしょう。
ハードウエアを作ったのはいいが、ソフトを考えなかったばかりにただの箱となっている最大にして最強のコンピュータです。
このままシステム開発を行うと、20年掛かると言われているソフト開発の短縮のために私の頭を貸せと言ってきましてね。
脳の情報と機械とのインタフェース。
まあ私の研究の一つであるのですが、その分野での協力ですよ。
最終的には、人間の脳をマシンの一部として活用することまで視野に入れています。
そうすれば専門家を一人しばらく繋いでおけば、複雑なプログラミングなど不要になりますからね。
思考のプログラム化というまあSFの一つの実現解ですよ」
「ほう、それはすばらしい。
有る意味タイタンよりエポックメーキングでありますな」
「それだけに開発は困難を極めていますがね...」
二人の話は当たり障りのない所をうろうろとしていた。有る意味での腹のさぐり合いである。冬月に年の功が有るかと思われたが、ダンチェッカーはのらりくらりと肝心な点をかわし続けた。
一方リツコとクリフォードの議論は白熱した。こちらは腹のさぐり合いなど一切無く、お互いがこれまでの研究・経験に基づき、率直に意見をぶつけ合った為だった。有る程度エヴァンゲリオンの情報は公開されているとはいえ、やはり肝心な部分は闇の中である。特に相転移空間に関する情報など、固く隠蔽されネルフの外に出ることはなかった。しかし今回、リツコは敢えてその話もクリフォードにするつもりで居た。何よりも使徒が時空の間をATフィールドを使って移動しているのなら、その情報を開示しない限り、シンジの救出はならないのだ。それに存在自体のデータが有ったとしても、発生させることが出来なければ危険は無いのだ。
「やはりあの使徒の姿は、高時空間からの投影であると考えていいのですか」
「いや、投影というのは上空に現れた球体の方でしょう。
実際にはこの座標平面と本体が交わったときに出来る虚像でしょう。
ほら、これは方程式を解いた結果ですが、この解の他に虚数解も導き出されます。
これが上空に浮かぶ影の実体と考えていいでしょう」
「ならばこの現象はどうお考えになります」
リツコの示すディスプレーには、上空に浮かぶ使徒を食い破る初号機の姿が映し出されていた。
「成る程、虚数解の部分が実数解へと変わっていますね。
しかももう一つの解の条件は変わっていない...
方程式を解くために与えたパラメータの幾つかを動かせば...
駄目ですね、こいつじゃあ日が暮れてしまう」
クリフォードはラップトップを忌々しそうに叩いた。
「もっとも、研究室でも多少演算速度が改善されるだけですけどね。
なかなか予算の関係でスーパーコンピューターが確保できないんですよ」
「処理時間はどのくらいですの」
「パラメータの与え方が良ければ一晩ぐらい。
この場合幾つかパラメータを振らなくてはいけないので...
考えたくない時間ですね」
ふむ、とリツコはクリフォードの持っているラップトップをひっくり返してみた。市販品としては上等な部類に入る物だろう。そう市販品なら...しかしネルフには計算能力に関してなら切り札がある。それもパラメータを振って最適解を求めるにはもってこいのマシンが。
「多分私どもの方で、環境は提供できると思いますわ。
その方程式を解くアルゴリズムの方はご用意頂けるのでしょうか」
「それはもう大丈夫です。
IntCで書かれたプログラムも有りますよ」
「それは結構!」
そう言って微笑むリツコに、クリフォードは『ほう』っと言う表情を浮かべた。
「ところでクリフォード博士」
「ブラッドでいいですよ、赤木博士」
「なら私もリツコでいいですわ」
「分かりましたリツコ。話はなんでしょう」
「ではブラッド、大体どのパラメータを振ればいいか予想はついていらっしゃるんでしょう」
「まあ何とかね。
方程式上でここからここまでのパラメータ、この辺りが大きく関連すると考えられます。
頭の6個が波動の性質を示すパラメータ。
次の5つが空間...と言ってもこの場合は通常空間ですが...の湾曲を示すパラメータです。
以前友人がこのパラメータをいじっているとき面白い物を見つけたんです。
ちょっとサンプルが有るんで見てみますか」
そう言うとクリフォードは鞄の中に手を突っ込み、何者かをごそごそと捜し始めた。そして何枚かのMOを取り出すと、そのラベルを読み飛ばしていった。
「これですこれ、ほらここのパラメータをこうしてやると...
通常空間に面白い場が形成されるんですよ。
ほら、ここですがね。
この極小の点でですが、空間が反転するんですよ。
なんと言えばいいのか...そう、この空間を挟んで不連続になると言うのか...」
「その空間はどんな性質を持つのですか」
「空間自体は特におかしな性質を持つわけでは有りません。
その空間の中では物理法則も曲がりませんし、時間もちゃんと過ぎていきます。
問題はその空間の境、特異点...特異平面に有ります。
エネルギー的なことを言うとですね。
この特異平面を乗り越えるには、非常に大きなエネルギーが必要になります。
それは物理的物体にしても、光のような波動にしても同じです。
面白いのはパラメータを少し振ると、その必要となるエネルギーがそれぞれ異なってくることです。
上手くパラメータを設定してやると選択的に阻止することも可能となる。
まあフィルタみたいな効果が可能になります。
もっともこれは計算上の話であって、実際にこのパラメータを振る方法が存在するわけでは無いですけどね」
リツコはこの仮説に興味を覚えた。その導き出された結果は自分の良く知っているものに似ているのだ。ただ問題は知っているだけで、発生の原理を知っているわけではない。
「興味を抱かれたようですね。
友人もこれを見つけたとき、SFに出てくるような強力なバリヤーが出来ると騒いだ物です。
ただ、その時彼は大きな事を見落としていたのですけどね」
「それはなんですの」
「このパラメータは、人が意識していじることのできる代物ではないと言うことです。
...つまり、分かっていても作れない、と言うことです」
話はお終い!とばかり、クリフォードは持っていたラップトップのディスプレーを閉じた。これ以上このマシンを使ったところで時間が稼げるわけでは無い。後はネルフ本部に行ってから準備をすればいいのだと。
「お話ですがブラッド...その現象はネルフが良く知っている物に似ていますわ」
「ほう...それはなんです」
「噂ぐらいは聞いたことが有るでしょう...
心の壁...ATフィールドです」
***
リツコの依頼を受け、ミサトはUNに太平洋上の哨戒を依頼していた。特にこちらが臭いと言う根拠はない。強いて言えばこれまでの侵攻ルートが南側に偏っていたこと。それに女の勘である。何れにしろ機材の関係もあり、哨戒自体は地域を限定せざるを得なかったのも確かである。
哨戒を出してから1時間。今のところなんの報告もない。理由もなく依頼を受けた事もあり、ミサトの胸中は半信半疑と言うところだろう。
「日向君、哨戒のUNから何か連絡有ったぁ」
元々緊張感に欠ける所はあったが、ミサト自身心配事が他に有ったため、哨戒自体に対して興味は向いていなかった。
「今のところ何も...でも本当に出るんでしょうか」
「あのリツコが、なんの根拠もなく言って来るわけは無いと思うけどね。
まあ今のうちの状態じゃあ誤報であって欲しいわね」
「ふ〜ん、うちの状態って?」
ミサトの後ろから声がかかった。
「そりゃあシンジ君が使徒に取り込まれていて。
アスカがそれを悲観して落ち込んでいる状態よ。
全く可愛くなったのも考えもんね」
「誰が可愛くなったって」
「アスカに決まってるじゃない。
まったく一緒に住んでいたころは『私興味ありません』なんて顔しちゃってさ」
「ふ〜ん、そうなの」
ミサとはこの時気付くべきであったのだ。誰が隣で話しかけているのかを。
「そうそう、入院しているときなんてシンジ君にキスまでねだっているのよ。
あの時のアスカの顔ったら無いわね」
「つまりじっくりと覗いていた。と言うわけね」
「いや〜ねぇ、覗いていたって...ハイッ?」
「いったい私はどういう顔をしていたのかしら」
ギョロリとにらみ付けるアスカに、ミサとは自分の迂闊さを棚に上げ、助け船を出さなかった日向に矛先を向けた。
「ちょっと日向君、どうして何にも言わなかったのよ」
「ミ・サ・ト、日向さんはいいでしょ。
じっくりとお話し合いをしましょう」
しかしアスカはミサトを逃がさなかった。
「ははは、アスカ...もう大丈夫なの」
「おかげさまでね。
かわいくなったアスカちゃんは立ち直りましたわ。
さあミサト、どこまで覗いていたのか教えていただこうかしら」
まるで猫でも捕まえるように、アスカはミサトの首根っこを捕まえた。
「あ、アスカ...落ち着いてね」
「あ〜ら、私は落ち着いているわよ」
冷や汗がたらり、ミサトのこめかみを伝って落ちる。復活したのはいいが元気になりすぎだ。その事自身は嬉しいのだが、何とかして欲しい。複雑な思いにミサトは居た。そんなミサトの願いを聞き遂げたわけではないが、今の状況を何とかするものが現れた。日向マコトの監視するモニタに現れた光点は、リツコの予告したとおりパターン青を示していた。
「太平洋上に未確認物体を発見。パターン青。間違い有りません使徒です!」
その報告に発令所の空気は一気に引き締まった。ミサトの首根っこを押さえていたアスカも唇をかんで前方のスクリーンを見詰めている。来るものが来た、出来るなら今は来て欲しくなかった。誰もがそう願わないわけには行かなかった。
「ここへの到着予想時間は」
「発見が早かったですからね、後20時間は有ります」
「日向君、エヴァの準備は」
「8号機は修復が終わっています。
7号機は現状では修復が完全ではありません」
一瞬の逡巡の後、ミサトは決断を下した。
「警戒態勢のまま、待機。
パイロットは全員に召集をかけて。
別命があるまで本部で待機させます。
青葉君!」
「はいっ」
「相手の特定はできない?」
「まだパターンが微弱ですからね。
哨戒機からの報告の方が早いと思います。
UNの哨戒機が後10分で出現ポイントに到着しますから」
ミサトは、黙って光点が映し出されたスクリーンを見つめるアスカを見た。緊張の色が明らかに見える。無理もない、この前の勝利もシンジが居たからである。シンジが居ない中で、今度は一人で戦わなくてはならない。いくら強がってみても、不安は拭いきれないのだろう。
「アスカ...あなたに任せるわよ」
「任せておきなさいミサト。
使徒の一匹や二匹、けちょんけちょんにしてあげるわ」
「頼みにしているわ...」
この時ミサトは頭の中は、作戦を猛烈な勢いで考えていた。アスカ自身は弐号機の時ほどシンクロ率は上がっていない。しかし経験も、心の安定もあのころとは比べものにならない。一人で立ち向かわせるべきか、それとも不完全とは言え、稼働するエヴァを遠距離支援として使用するか。
「まあ、無駄にはならないわね」
そう一人呟くと、彼女は武器の取り扱いに慣れている相田ケンスケを支援に出すことを決意した。
「哨戒機からの映像が入ります」
青葉の声と共に前方に映し出される映像。そこには海中を走る大きな影が映し出されていた。
「アイツだ...」
そのシルエットにアスカが呟いた。彼女にとっては思い出深いと言っても良い使徒。第六使徒の姿がそこに映し出されていた。
「ここに来ますか」
日向としては情報でしか知らない水中型の使徒。弐号機との戦闘は水中で行われたと聞いている。その使徒が本当にここに来るのか、その疑問が彼にはあった。
「間違いなくね。
相手が海の中にしか居られないなんて思わないことね。
今までの奴で空を飛べる構造の奴なんていなかったんだから」
これまで現れた使徒が前回の行動の範囲を超えていないこともあり、日向の表情は半信半疑の物だった。
「考えてもしょうが無いわ。
奴は来る...そう思って対策を立てましょう。
新第壱拾弐使徒の事もあるから、本部から離れた地区での作戦は避けた方が賢明ね。
日向君、目標がまっすぐこっちに向かってきたとき、迎撃に都合がいい場所の選定をお願い。
ポジトロンライフルを使うわよ。
各員は迎撃ポイント決定を待って行動開始。
パイロットは本部待機、いいわね」
ミサトの号令を待っていたように、発令所全体が動き出す。あるものはMAGIにアクセスして戦術の検討、あるものは関係部門との調整。当然UNとの連携も重要になってくる。
ミサトは、騒然と動き出したメンバーを満足そうに眺め、傍らにいるアスカに目を向けた。緊張しているようだが大丈夫、怯えてはいない...
「アスカ...ここが正念場よ」
その言葉にアスカはこくりと頷いた。
***
「いやはや、何とも凄まじい能力ですな」
松代にあるMAGIレプリカを占有して作業していたクリフォードは、目の前に吐き出された演算結果を眺めながら呟いた。
「桁違いというか何というか、電卓とスパコンの差だ」
「ネルフに移籍されますか?」
クリフォードの言葉を聞きつけたリツコは、そう話を持ちかけた。
「まったくですな、チームで越してきたいぐらいだ。
こちらならあなたもいるし...」
「最後のはお世辞と受け取っておきますわ。
でも、この件が落ち着いたら考えてみていただけません。
優秀な頭脳の参加は歓迎いたしますわ」
まんざらでもないのか、少し顔を赤らめながらリツコはクリフォードを誘った。彼女の言葉はまんざら社交辞令でもない。ネルフとしても優秀な科学者を必要としているのだ。
「まあメンバーの合意もいりますし、一応我々も公務員ですからね。
あんまり派手なことをすると政府に睨まれる」
「確かにそうですわね。
この話はまた別の機会にでも。
それで検討は進んでいますでしょうか」
「非常に順調...と言いたいところですが、結局一つの壁に突き当たるんですよ。
先ほどからパラメータをいじって解を求めているんですが...」
ほら、とばかりにクリフォードはディスプレーに映し出された表示を指さした。
「使徒とエヴァンゲリオンは、我々のいる世界と相互干渉しない領域に存在しているわけです。
言ってみればこの紙とこの紙、こちらに線を引いたところでこちらには何の関係もない」
手に取った紙にクリフォードはペンを走らせた。
「こういった関係の二つを同じリングに引き込むためには...
ある種の引力を働かせてやればいいわけです。
ここで問題なんですが...
知覚する事もできないものに対して、こちらから能動的に力を働かせることができるか。
答えはノーです。
どう考えてみてもこれを解決する方法が無いんですよ」
「使徒が次に現れるのを待って見るというのは」
「確かにそれも一つの案です。
ただ前回と同じように、パラメータの一部だけこの世界に交わるように現れたら打つ手がありません。
使徒を倒すことはできるかも知れませんが、中に居るエヴァンゲリオンをつり上げることはできないでしょう」
ふうむとクリフォードとリツコは首をひねった。理論的に説明はできるのだが、実現する手段が無い。これはできないのと同じなのだ。
「ちょっと良いかな」
蚊帳の外、と言った感じで、ぼんやりとコーヒーを啜っていたダンチェッカーが急にふたりの会話に割って入って来た。
「ブラッド、車の中で赤木博士に見せていたあの現象...
ATフィールドに似ていると言われた奴だが、あれがATフィールドなら話が変わらないか」
ダンチェッカーの言葉にクリフォードは、さもすまなさそうな表情を浮かべた。
「クリス、それも考慮に入れたさ。
だが、こちらの世界でATフィールドを形成したとしても、別平面をつなげる事が出来るわけじゃない。
二つの空間にあるバブルが反発しないで、表面張力のように作用しあうには色々な条件が必要なんだ。
逆に反発しあって相手を弾き飛ばしてしまう事もある」
どういうことだとダンチェッカーは首を傾げた。
「いいかクリス、事はそう簡単じゃないんだ。
たとえば、このパラメータに対してこちらから干渉したとする。
確かにその与え方によっては求める解は存在する。
しかしだ、パラメータの組み合わせが幾つあると思っているんだ。
行き当たりばったりで捜すとしたら、砂漠の砂の中に落とした真珠の粒を捜す方がまだましだ」
「向こうのエヴァとこちらのエヴァのATフィールドが同調したら?」
「それならまだ可能性はあるというか、それしか方法はない。
しかしどうやってやるんだ?
お互いが闇雲に捜しあっても結果は同じだぞ」
腕を組んで考えていたダンチェッカーだったが、一つの確信を得たのか安心したように言った。
「ならばふたりに賭けてみよう。
様々な思いを乗り越えてきた恋人達だ。
願えば確率を乗り越えるよ」
「...お前本当に科学者か」
「...詩人に宗旨替えする事も考えているよ」
クリフォードは一つあきれたように溜息を吐いた。
「クリスに詩がに合うかどうかはおいとくとして、確かにそれ以外は当面方法は無いことは認めよう。
しかしだ、相手を引きずり出す代わりにこちらが引き込まれる可能性もある。
分かっているとは思うが、バブルはお互いを吸い寄せあうんだ。
それでもやるのか」
「それを決めるのは私じゃない。
我々は現状を打破する方法とそのリスクを提示すればいい。
最後に判断するのは彼らだよ」
『それに』とダンチェッカーは続けた。
「もしこの作戦が失敗したとしても、人類が滅びるだけだろう。
なに大丈夫だよ、人の想いが位相空間を形作るのなら必ず彼らはやり遂げるよ」
リツコは、ダンチェッカーの浮かべた柔らかな表情に、今まで感じていた蟠りが晴れていく気持ちがした。証拠だけ挙げていけば限りなく灰色に近い人物、だけどもこの男を信じてもいいのではないかと言う気持ちがリツコに芽生えてきた。
「結局どうすれば宜しいのでしょう?」
ダンチェッカーにつつかれたクリフォードがリツコの質問に答えた。
「極めて非科学的な方法で申し訳ないのですが...
セカンドチルドレン...シンジ君のガールフレンドに祈って貰うことになります。
エヴァンゲリオンに乗って、彼の帰ってくることをね。
それで発生したATフィールドで、彼の居る世界とこちら側を繋ぎます。
ちょうど二つの泡が干渉して一つにつながるようにね...」
クリフォードはそう言うとディスプレーの3D表示を示した。そこでは二つのバブルが接近して融合している状況が映し出されていた。
「我々の知覚できる範囲を縮退してあるので、ちょっとイメージが違うかも知れませんがね。
こうやって干渉させることで、彼のいる空間ごとこちらに引きずり込むことができる。
リスクと言えば...逆にこちらのエヴァンゲリオンが向こうに引きずり込まれること。
確率はフィフティ=フィフティ、ひょっとしたら向こうの方が慣れている分だけ不利かもしれません。
でも私はクリスが詩人になったように、ロマンチストに宗旨替えをすることにしました。
愛の奇跡という奴を信じてみましょう」
大まじめに言うクリフォードに、クスリとリツコは笑った。
「愛の…奇跡…ですか」
「笑わないで頂きたい。
これでも言っている方も照れて言っているんですから。
そこで笑われたりしたら立つ瀬がない」
「申し訳ありません...
バリバリのリアリストである私たちが、そんなことを議論しなくてはいけないことがおかしくて...
でも、確かにそうですわね...ロマンチストになるのもいいかもしれませんわね」
『ミサトに話したら笑われるだろうなぁ』
そう考えながらも、ロマンチストになってみるのもいいかもしれないとリツコは考え始めていた。
***
新第六使徒迎撃の作戦に移る前のブリーフィングで、事のあらましを聞いたアスカの答えは至ってあっさりとしたものだった。
「そう」
その一言で彼女はその問題を片づけたアスカだったが、言い忘れた事があったのか去り際に一つだけ言葉を付け足した。その言葉にリツコはニッコリと微笑み、アスカの願いを快諾した。こうしてシンジの居ない中での使徒迎撃戦が開始することとなった。
新第六使徒はまさしくミサトの予想通りに、相模湾まで到達するとATフィールドの応用か空中へと舞い上がった。スピード自体は海中を遊泳しているときに比べて落ちている。それがここまで海中を進行していた理由であると予想される。
ともあれ、空を遊泳の場所に変えた新第六使徒は、途中でのUNの攻撃を物ともすることなくまっすぐに第三新東京市へのコースを辿った。
使徒の到着が後1時間となったところで、ネルフは2体のエヴァを迎撃地点まで移動させた。アスカとケンスケが初めて行う共同作戦。とは言っても、ケンスケの乗る7号機は修復が完了しておらず、近接しての戦闘はまだ無理な状態だった。したがってアスカの乗る8号機が直接使徒と相対し、ケンスケは少し離れた地点からポジトロンライフルでの狙撃を行う役目を持った。
アスカは得意とするソニックグレイブを構えて、使徒の到着を待った。不思議と緊張を感じては居なかった。この使徒を倒さなければ後に進まない事は判っているのだが、どうしてもアスカがその後のことを考えてしまう事にその理由があった。
「まずは目の前の敵に集中する事」
アスカはUN軍の作り出した爆煙が近づいてくるのを確認すると、自分にそう言い聞かせた。
新第六使徒は、海を空に置き換えたように自在に空中を滑走していた。そして8号機の姿を見つけると、一度急上昇し、その高さを生かし、次には急降下してきた。特にビームとかの攻撃はない。その自重を生かした攻撃を主体とするものと思われた。
アスカは口の中にソニックグレイブを突き刺すべく、肩口でソニックグレイブを構え、タイミングを計ろうとした。しかしその動きも使徒が口を開けた瞬間凍り付き、落下してきた使徒になすすべもなく跳ね飛ばされた。誰もがアスカの急変を意外に感じていた。
「どうしたのアスカ...何故攻撃しなかったの。しっかりしなさい!」
跳ね飛ばされて動きの止まった8号機へ、ミサトの檄が飛んだ。
「...今の...見た」
アスカの声が震える。
「エヴァからの映像を出して」
ミサトの命令を待たずにリプレイされた映像。そこにはあるはずのない物が映し出されていた。
噛み潰されたエヴァの残骸。
その光景に発令所のメンバーは息を呑んだ。しかしその逡巡を打ち破る声が上がった。
「そんなものは気にするな。
君が戦わなければ今より状況がよくなる事はない。
シンジ君は最後まで諦めなかったぞ」
ダンチェッカーの叱咤する声は確かにアスカにも届いた。背筋に一本棒を通されたような感覚をアスカは味わった。そして一喝によって動き出した発令所とともに、アスカの駆る8号機も体勢を立て直した。
「マナ、レイコ...見てなさい。
アタシの本気...見せてあげる。
相田っアンタにも見せ場をあげるから頑張んなさい。
アタシが口をこじ開けてやるから、いいわねあの時と一緒よ。
はずすんじゃないわよ」
アスカはそう言うとソニックグレイブを捨て、再び落下してくる使徒へと向き直った。両手を大きく広げたその姿は、絶対に止めて見せるという気迫をいっぱいに現わしていた。
そしてATフィールドを全開にした時、何か心に触れるものがあるのに気がついた。
「そう...やっぱりそうなのね」
聞こえるか聞こえないかの小さな呟き。しかしその瞬間アスカの力は確実に跳ね上がっていた。
「シンクロ率上昇!」
オペレータの報告の通り、目にみえて強化されるATフィールド。使徒との衝突で干渉光が上がる。使徒の大きな体を、8号機は一歩も引くことなく受け止めていた。そしてそのままアスカのATフィールドは使徒のATフィールドを侵食していった。ついにアスカの8号機は突進してくる使徒を捕まえ、そのATフィールドを破り去った。
「相田ぁ、いっけぇ〜」
アスカの掛け声と同時に、ケンスケの放ったまばゆい閃光は使徒の口へと侵入した。そしてそのコアを貫き、空中へと消えていった。陽電子に体を貫かれた使徒は一瞬体を硬直させたが、その次にはすぐに力を失い重力の餌食となった。地響きを立て地面へと落下した時にはすでにその動きを止めていた。
「使徒殲滅を確認しました」
青葉の報告に全員ふぅ〜っと息を吐き出した。シンジの居ない中での使徒との戦いは思いのほかのストレスを生んでいたようだ。
「二人ともご苦労様、戻っていいわよ」
ミサトのねぎらいの言葉を今度はアスカが遮った。
「待って、ミサト...シンジの心を見つけたわ...このまま行くわよ」
そう言うと8号機はアスカの心のまま、両手を前に差し出した。シンジの乗る機体を迎え入れるように。
「シンジ...帰ってきなさい」
その呟きとともにアスカのシンクロ率はさらに上昇していく。
特に力めばATフィールドが強化されるわけではない。しかし見ている方は拳に力が入ってしまうのを止める事はできなかった。
アスカの祈りとともにATフィールドは位相を変えていく。人の思いを乗せていくように。
「お兄ちゃん」
「シンジさん」
発令所に居た二人の少女も、アスカの祈りにあわせて自分の思いを祈りに変えていく。叶わないことは分かっていても押さえきれない募る思いを。
「シンジ...」
「お兄ちゃん...」
「シンジさん...」
3人の少女の祈りが重なっていく。今はここに居ない大切な人への想いが...そばに居て欲しいという強い願いが。想像の世界を超え、時空を超えて自分の所へ引き寄せようと。
その脇ではクリフォードがケンブリッジへと観測データの確認を行っている。少女たちの願いは確実に時空を超えていた。
「来るぞ...」
ノイズの位相の変化から、作戦の成功を確信したクリフォードの声が響く。その声を待っていたかのように、上空には黒い塊が浮かび上がってきていた。
もう少し...その思いがさらに少女たちに力を与えた。あなたを待っていたの...あなたと居たい...あなたが大好き...その想いが。
「「「お帰りなさい」」」
3人の声が重なる。その瞬間上空に浮んだ球体は実体化した。そして...
「シンジぃ〜」
その瞬間、大きくアスカの声が響き渡る。その声に答えるかのように大地を衝撃が走った。
その衝撃は上空に浮んだ球体を突き抜け、さらにその軌跡を地面へと刻み込んだ。そしてそれを追うように球体から流れ出す血のような液体。その液体とともに少女たちが望んで止まなかった姿が地響きを上げて地面へと降り立った。
「シンジ!」
「お兄ちゃん!」
「シンジさん!」
3人の声に重なって、待ち望んでいた声が聞こえる。
「ただいま...聞こえたよ...みんなの声」
そして映し出される愛しい人の姿。
「バカ...心配...かけるんじゃないわよ」
アスカの声が震える。
「ゴメン...でもちょっと待って...まだ終わっていないから」
シンジは手にしたソニックグレイブの柄を振りかぶり、上空にいる使徒に向かってジャンプした。まさに飛翔と言っていい見事な跳躍。『ふっ』と短く吐き出された気と共に、シンジの振り下ろした斬撃は使徒の体を真っ二つに切り裂いた。
「見事なものだ」
ダンチェッカーの呟きは全員の意見を代弁したものだった。ただ少しだけダンチェッカーの呟きの意味が違っていたのは、この賞賛がシンジ一人に向けられたものではなかった事だ。
『この二人は...いや、このチームは私の予測をはるかに上回った力を見せてくれる...」
ダンチェッカーはゲイツのもとでの仕事より、ここにいる事へ興味を移しつつあった。
ダンチェッカーが真剣にそう考えている時、スクリーン上では、真紅に染め上げられた5号機に駆け寄る8号機の姿が映し出されていた。
『彼らの可能性をもっと見ていたい』
吐き出されたエントリープラグから飛び出し、抱き合う恋人たちの姿に発令所では大きな歓声が上がっていた。
これで戦いが終わったわけではない。それでも今はこの喜びをじっくりと味わいたい。それが全員の偽らざる気持ちだった。
***
使徒から脱出したシンジにはさまざまな検査が待っていた。そして同時に5号機に対しても突然動きを止めた事への調査の手が加えられた。しかし1週間を要した5号機の調査からは、結局何の情報も引き出す事は出来なかった。北米支部のMAGIもすでに失われている。完全に手詰まりとなったことは、後の戦いに大きな不安材料を残す事になった。
しかしそれはネルフの技術者が悩めばいいことである。残念ながら今回の作戦の立役者の一人、赤木リツコは苦労の種を背負い込む事となってしまったが、それ以上に彼女にとっても今回は収穫が大きかった。ダンチェッカー、クリフォード。この二人と知己を得る事が出来たのは、彼女にとっても大きな収穫であった。今後の戦いにどう影響するのかは判らない。しかし彼女にとって助力を求める相手が出来たと言う事は精神的苦痛を和らげるのに大いに役立つ事だろう。
そしてアスカにとってもまた大きな収穫があった。彼女にとって、洞木ヒカリにつぐ心許せる女友達が出来た事だ。たとえそれが霧島シンジと言う、一人の男性を中心にしたものであってもその価値に変わりはなかった。お互いの心をぶつけ合い、理解しあうかけがえのないものをアスカは得る事が出来た。そのことをアスカはうれしいと感じていた。
シンジが無事生還した夜、葛城ミサトを発起人にシンジの帰還パーティーが催された。シンジ自身に疲れは有ったが、なによりも自分の帰還を喜んでくれる人たちと一緒に居たかったのだ。残念ながら発起人にはかけ声を掛ける以上の能力がなかったので、パーティーは霧島ミドリ、大和ヨウコの両主婦の活躍にすべてが任されることとなった。霧島家のリビングにはダンチェッカーとクリフォードも当然のように招かれ、リツコもまた強引にミサトに連れ出されていた。
広めのリビングとは言え、それだけ人が集まれば手狭になる。なし崩しに始まった宴会は、場所を庭にまで広げて大いなる盛り上がりを見せた。次々と訪れる客に、料理の消費は止まることがなかった。結局霧島、大和家の女性は大車輪の活躍で旺盛な食欲を満たすべく奮闘していた。
アスカはと言うと、はじめは手伝おうとキッチンへと入っていったのだが。マナに一言「じゃま」と言って追い出された。
「家の味は別の機会に覚えればいいから、今日はお兄ちゃんの側にいなさい」
ぴしゃりと言いきられてアスカも反論の余地はなかった。すごすごといつの間にかメイン会場となった庭へと出ていった。
中田兄弟に最敬礼されて困っているシンジが居る。クリフォードとリツコは隅の方で何か密談をしている。ダンチェッカーはと言うと朝霞を口説いているようだ。誰の顔にも笑顔が浮かんでいる。アスカはみんなの顔に浮かんだ笑顔に幸せを感じていた。まだ戦いが終わったわけではない。それは誰もが承知している。これからの戦いが決して楽なものではないことも確かだろう。それだからこそこうしてつかの間の平和を楽しみたいのだ。
乗り遅れちゃいけないな。アスカはそう考えて、未だに中田兄弟に頭を下げられて困っているシンジの元へと走った。そしてもっと困った顔をするのが見たくて、思いっきり抱きついた。
アスカの行為に、ほうっと言うため息とともに全員の視線が集中する。期待通りにおろおろとしているシンジの姿にアスカは顔をほころばせた。
「お帰り、シンジ」
そう言ってアスカはシンジの胸に顔を埋めた。そんなアスカにシンジはちょっと困ったような表情を見せたが、みんなの催促する視線に促されアスカの体に両腕を回した。
「ただいま、アスカ」
髪の毛に顔を埋めるようにしてシンジはアスカの耳もとにささやいた。その少しくすぐったいような感覚が、アスカにはとても幸せなものに思われた。だから彼女は抱きついた腕の力をもう少し強くした。今感じている幸福が逃げていかないようにと...
しかし事態は思いもよらないところで動き始める。その手初めはMAGIの中で共存していた第壱拾壱使徒がその存在を消したことである。誰もがその事実に首をひねった。なぜ、何のために...第壱拾壱使徒はMAGIに対して攻撃しようともしないで消滅したのだ。ただある日突然その存在がMAGIから消え失せた。その後大掛かりなファイルの確認が行われたが、そこには何の形跡も見い出すことが出来なかった。様々な意見が出されたが、結局使徒の再出現によって活性化されたため、再び自己進化プログラムにかかって自滅したのだという結論に落ち着くこととなった。しかし赤木リツコですら見つけ出すことができなかったのだが、ごく一部の情報ファイルの書き換えが第壱拾壱使徒によって行われていた。ただ秘密レベルのごく低い市民情報ファイルであったため、それが見つからなかったことはしかたない事であると言えるのかもしれない。書き換えられたのは、第一高校へ編入した二人の少年少女の名前。しかしその名前の持つ意味の大きさは計り知れないものがあった。
シンジとアスカを飲み込もうとする大波は、確実にそこまで迫っていたのだ。
to be continued...
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中昭のコメント(感想として・・・)
トータスさんのルフラン第19話、投稿して頂きました。
いいぞ中田兄弟!
凄いぞ中田兄弟!
てっきりもう出ないと思ってました
>「そうそう、入院しているときなんてシンジ君にキスまでねだっているのよ。
> あの時のアスカの顔ったら無いわね」
>「つまりじっくりと覗いていた。と言うわけね」
>「いや〜ねぇ、覗いていたって...ハイッ?」
おおほんわかモード。
新第六使徒。
放っておけば上陸できないのではないかという噂もちらほら。(前回コメント)
>相手が海の中にしか居られないなんて思わないことね。
>今までの奴で空を飛べる構造の奴なんていなかったんだから」
おおお
すんずれいしました。
確かにそうでしな。
固定観念ってやつでしね
> でも私はクリスが詩人になったように、ロマンチストに宗旨替えをすることにしました。
> 愛の奇跡という奴を信じてみましょう」
ミサトの方がリアリストとかもしれませんな。
んでもこんな感じの台詞って好きですね。ひゅーまにずむなヒーロー像って好きなのでし。
>アスカはと言うと、はじめは手伝おうとキッチンへと入っていったのだが。マナに一言「じゃま」と言って追い出された。
>「家の味は別の機会に覚えればいいから、今日はお兄ちゃんの側にいなさい」
アスカも家庭に入・・・れるのかな。小姑がポイントでしか
さて、二人の少年少女という謎を残して次回へと
次回を楽しみにしてます。
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