−エピローグ−
あたしは目覚ましの音で目を覚ました。6時半、いつものあたしの時間。あたしはお風呂にいって熱いシャワーを浴びた。お風呂場の鏡に映るあたしの姿...自分でもきれいだと思う。あたしは鏡に映った自分の唇を指で触れた。
「この唇は信二に触れた...」
髪の毛をなぜた
「信二がきれいだと言ってくれた」
胸の膨らみに手をやった。
「信二が愛してくれた」
淡い茂みの中を軽く触れた。
「信二と一つになった」
あたしの体じゅうに信二が刻み込まれている...
−−−
あたしはシャワーを浴びると朝食の準備をした。今日はあたし一人...でもさびしくない。そして朝食が終わると、お弁当の準備、いつもの通り二人分を作る。
「おいしいっていってくれるかな」
あたしはお弁当を抱きしめると一人つぶやいた。
「いってきまーす」
あたしは誰も居ない家に挨拶すると隣の家に向かった。7時50分...あいつ起きているかしら。
−−−
「おはようございます。おばさま」
あたしは玄関から出てきた女性に挨拶する。
「おはよう明日香ちゃん。ごめんね信二まだ寝てるのよ...
起こしてきてくれる?」
ことばは謝っているが、顔は笑ってる。まあ、いつものことだけど...あたしは食卓で新聞を読んでいるおじさまに挨拶すると2階への階段を上がっていった。小学校にあがったときから続けている習慣。あたしの宝物...そして今日からは新しい意味が加わった。
あたしは信二の部屋に入ると寝ている信二の顔を見詰めた。いつからこいつのことを男として意識したのかしら。そしていつから好きになったのだろう...そんなことはどうでもいい。あたしはこいつのことが好きなんだ。だからあたしをあげたんだ。
−−−
あたしは眠っている信二にキスをした...やっぱり起きないわねこんなことじゃ。それではと今度は鼻をつまんでキスをした...10秒、20秒...シンジは苦しくなったのかいきなり飛び起きた。
「はあ、はあ、明日香何をするんだよ...」
「何をって、お目覚めのキスよ...
いつも起こしてあげてんだから感謝して欲しいわね...
時間がないんだからさっさと起きる起きる...」
そう言うとあたしはシンジの布団を毟り取った。信二は慌てて下半身を隠そうとしたが手後れだった。
「こ、これは朝の生理現象で...」
ふふふ、慌ててるわね、気にしないわよもう...
「ばかなこと言ってないで早く着替えて降りてらっしゃい。
今更気にするわけないでしょ。遅刻するわよ」
−−−
「おばさまいってきます」
そう言うとあたしと信二は玄関を出た。いつもよりは少し早い時間。
「ねえ、明日香いつもより早いんだから朝ご飯ぐらい食べさせてくれればいいのに」
信二が文句をいってるわね。
「ばか、今日は痛くてあんまり走れないのよ...」
あたしは赤い顔をしていたと思う...信二は何のことかわからないと言う顔をして前を走っている。
「信二のって大きかったから...」
信二が「えっ」って顔をして振り返った。その拍子に横から出てきた女の子にぶつかった。その女の子は見たことのない制服を着た水色に輝く髪を持った女の子だった。その子は倒れた拍子に乱れたスカートの裾をなおしながら
「ごめんねー、急いでいたんだ」
と言って立ち上がり、駆け出して行った。何故か満面に笑みを浮かべて...
(The end)
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中昭のコメント(感想として・・・)
掲示板で好評連載しておりました『時を駆ける』エピローグです。
EOE(夏映画)から学園EVAの世界へ
幸せになれるといいですね。
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